くまもりNews
「石川県クマ管理計画」のパブリックコメント締め切り近づく 3月13日まで
石川県では、現在第3期ツキノワグマ管理計画案のパブリックコメントを募集しています。
意見を提出できる方は、よろしくお願いします。
計画案の入手と、意見の提出方法は
をクリックしてください。
石川県の個体群管理について
石川県は個体群管理の名の元、全国で唯一、一年中、何の被害もないクマまで殺害し続けている県です。
クマ保護精神がゼロなのでしょうか。
まず春になると、事前個体数調整捕獲という名の春グマ猟が始まります。猟師たちは銃を持って秘境に入り込み、冬眠明けのクマを撃って遺体をもらいます。
その後は、個体数調整捕獲の名や緊急捕獲の名で、何の被害も出していないクマを市町村に割り当てた数だけ、罠で捕獲して殺して良いことになっています。石川県では今もクマノイが高く売れます。(1gが1万円)個体数調整捕獲されたクマの遺体は、誰のものになるのでしょうか。
そして、11月からは、狩猟期間となり、猟師たちが山の中にいるクマを撃ちます。
石川県の管理計画には、個体群管理の期間は、毎年5月1日から翌年の4月30日までとすると記述されています。
これって、1年中じゃんということです。
●被害を出していないクマまで殺す個体群管理は、残酷すぎるのでやめるべきです。
●一番大切な奥山のクマ生息地の自然環境がどうなっているかの記述が全くありません。
●クマと共存していくための被害防除対策が実際にはどれくらい進んでいるのかまったく書かれていません。
管理計画を読んでも、クマを殺す以外のことが、ほとんど何も見えてきませんでした。
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(以下は、熊森本部スタッフによる意見例)
○全体を通して
クマの生息数が何頭に増加したとか、捕殺上限数は何頭とか、数の管理の話ばかりで、クマを殺さずに人間とクマが共存するための方策について全く考えられていないのはおかしい。
クマの生息数や分布域が増えたのではなく、クマが奥山に棲めなくなって人里まで出て来ていることも考えるべき。
○個体数調整捕獲について
全く無害なクマまでも捕殺してしまうような個体数調整捕獲をやめるべき。追い払いや電気柵などの被害防除によって対応できるものは殺処分すべきではない。
○ゾーニングについて
ゾーニングの作り方があまりにも機械的で人間中心すぎる。保護地域は、石川県の山林面積の10%ほどの面積しかなく狭すぎる。
これで、推定生息数1052頭のクマが養えるのだろうか。保護地域を、県内各地にもっと設置できるのではないか。
(石川県の全保護地域のブナ・ミズナラ林の面積は約2万2400ヘクタール。1頭当たり約22ヘクタールしかないことになる)
○具体的な被害防除対策がない
たとえ「排除地域」であっても、「クマが入ってきたら即殺す」という対応はおかしい。
クマは、臆病な動物であり常に人間の存在を恐れて警戒しながら生きている。クマが排除地域に出てきたら、その原因(生息地の環境劣化、クマの潜み場・侵入経路・誘因物があるなど)をさぐり、誘引物を取り除いたり、捕獲して山に放獣するなど、可能な限り殺さずに対応すべき。
山から川沿いの繁みを伝って市街地や宅地にクマが侵入してきたとみられる例が報告されているが、そのような場所では侵入経路の刈り払いを行うべき。
○錯誤捕獲は放獣すること
この案では「排除地域」に該当する場所でクマの錯誤捕獲が発生した場合、クマを殺処分することになっている。
石川県では最近、罠免許をもつ狩猟者が激増しており、シカ・イノシシ捕獲用の罠にクマが誤ってかかる錯誤捕獲が多発することが考えられる。
石川県は、クマの錯誤捕獲は発生していないと言っているが、今後のことも考えて錯誤捕獲予防対策と放獣義務を明記すべき。
○生息環境管理について
2000年代の「ナラ枯れ」猛威で、石川県では大量のミズナラの巨木が広範囲で枯れてしまった。
クマが冬ごもりに備えて大量に食するミズナラのドングリが、壊滅状態になっているはず。
計画では、クマの生息地である奥山の自然環境の変化についての考察がないのは問題。
〇なぜ里グマが増えたか
山の実りの異常なまでの大凶作年(2004年、2006年、2010年)に、冬ごもり前の食い込み用食料を求めて多くのクマが人里に出て来ては撃ち殺された。
母グマを殺された子グマたちは、どこにいればいいのかわからず、里に住みついた。
このような歴史的経緯を、しっかりと管理計画に書き残すべき。