くまもりHOMEへ

くまもりNews

新温泉町風力発電事業計画(兵庫県)に、町議会が井戸知事に反対の意見書提出

(仮称)新温泉風力発電事業についての意見書 2018年6月26日

 

以下、意見書

現在、合同会社 NWE-09 インベストメント(代表社員・日本風力エネルギー株式会社)による風力発電事業が、新温泉町において計画されている。
本計画は、山間部約 1,967ha の区域に、高さ 150mの風力発電機 21 基程度を建設し、最大 92,000kw を発・売電するというものである。
先般、町長が知事に、当該事業に対する環境影響評価法の規定に基づく意見を提出したところである。
新温泉町議会は、国の基本エネルギー政策と再生可能エネルギーの位置づけ、風力発電の有用性について理解している。

 

しかし当該計画は、これまでの例のない巨大発電機を建設することをはじめ、「土砂崩壊をはじめとした災害」「低周波やシャドーフリッカーなど健康被害」「自然環境への過重な負担と影響」「事業者の不誠実な対応等による不信」などの懸念がある。同様の不安は、住民からも多く寄せられている。

 

議会は、住民の生命、財産、安全を守り、不安を取り除き、幸福な生活ができる環境を整えることを目的としている。我々にとって、住民の不安や課題の解消は最優先事項である。

 

当議会は、事業者が、積極的かつ十分な情報提供と懇切丁寧な説明を行い、地元住民の不安を解消し、理解を得ることを強く求める。それができなければ、当該事業計画は、現状は反対せざるを得ない状況にあると判断している。ついては、当該事業に関わる緊急性、重大性に鑑み、下記事項について特段の配慮を強く要望する。

 

 

1 事業者に対し、環境影響評価法に基づくすべての図書を積極的に提供し、インターネット上での常時閲覧およびダウンロード、コピーを無条件で認めるよう強く指導されたい。
2 事業者に対し、地元理解を得るための積極的かつ最大限の努力、景観価値を含む自然環境の最大限の保護、健康リスクに対する地元の不安を解消する最大限の配慮を実行するよう、指導されたい。
上記項目の履行が不十分であるとされた場合は、当該計画に反対し、事業者に計画撤回を要請されたい。
注:赤字は熊森による。

 

以上、地方自治法第 99 条の規定に基づき、意見書を提出する。

 

平成30年6月26日

兵庫県知事 井戸敏三 様

兵庫県美方郡新温泉町議会議長 中井 勝

 

 

熊森から

熊森は、自然再生エネルギーの利用は大切だが、それが残された豊かな自然を破壊するものであれば何をしていることかわからないとして、奥山の尾根筋に風車を設置することに、一貫して反対してきました。

 

しかし、なんといっても地元の皆さんが、取り返しのつかない環境破壊に気づき、声を上げてくださらなければなりません。

新温泉町では、町長さんをはじめ、町会議員さん全員が、新温泉町風力発電事業に反対の意思表明をされていると聞き、心強い限りです。また、怒りを忘れた日本人と揶揄される中で、故郷を守るために、ノーの声をしっかりとあげられた新温泉町議会に熊森は心から敬意を表します。

 

町議会議員全員が反対されているなら、この事業計画は中止になるのではないかと期待して、事業実施関係者に問い合わせてみました。新温泉町風力発電事業中止の指示は今のところ出ていないということです。外資系合同会社NWE-09 インベストメントは、全議員が反対しても、事業を強行実施されるのでしょうか。なんだか不安になってきました。

 

資本金が10万円の外資系合同会社NWE-09 インベストメントは、日本全国でこのような風力発電事業を計画しています。和歌山県だけでも4件を計画!自然環境を守るためにではなく、風力発電事業がマネーゲームになっているようです。他の地域の事業計画に対して、それぞれの地元はどう反応しているのか気になるところです。

フィード

Return to page top