くまもりNews
とどまるところを知らない?兵庫県のクマ有害捕殺数 2018年8月末すでに43頭捕殺
開発や大荒廃で奥山にクマが棲めなくなっている兵庫県で、2018年度8月末までのクマ有害捕殺数が、過去最大43頭にまでのぼっています。
兵庫県はこれまで、山中にいるクマは有害捕殺しないと決めていましたが、2017年からは集落200メートル以内は山中でも捕殺対象とすると変更しました。クマはそんなことはわかりません。
それ以前の2015年と2016年のクマ有害捕殺数の合計と、有害捕殺基準が変更された2017年と2018年の8月末までのクマ有害捕殺数の合計をグラフにしてみました。
熊森本部は今年、兵庫県のクマ有害捕殺が暴走していることに気づき、7月12日、3名で兵庫県庁を訪れ、どのような基準で有害とみなしているのかなど、担当部署に調べていただくようにお願いしました。
残念ながら、2か月たってもお返事がいただけません。
兵庫県の行政は、どうやって県内のクマ数を減らそうかと躍起になっているように見えます。
2017年度は、体重4キロの子グマまで有害捕殺していました。
どこが有害だったのか担当者に尋ねると、追い払っても逃げず、集落に1週間籠城したから有害とみなして捕殺したということでした。
きっとこの子グマは、何らかの事情で母グマと別れて、どうしたらいいのかわからなかったのだと思います。
毎年お願いしているにもかかわらず、熊森には何一つ、連絡もありませんでした。
生きていくすべも知らずに途方に暮れている4キロの子グマを、集落に籠城した有害動物とみなす動物観が信じられません。
兵庫県は他府県と違って、私たちがクマ情報を公開請求しても、隠そうとされるので、本部としても何が起きているのかよくつかめません。
去年までは神戸新聞地元版にはクマ目撃情報が出ていましたが、今年からはなぜか、それすら消えてしまいました。
クマ目撃情報は、熊森だけではなく、地元のみなさんにも必要な情報のはずですが。
以前はよく新聞に載っていたクマの捕殺数や地元の声などの記事も、今は一切載らなくなっています。
県民は、何が起きているのか、気づくことさえできません。
兵庫県は、クマが爆発増加したとして、2016年からクマ狩猟を再開しました。
毎年百数十名の狩猟者に、クマ捕獲許可を与えていますが、ひとり1頭までという制限が付いていました。
今年の狩猟期からは、ひとり2頭までに変更ならまだしも、なんと突然、この制限を撤廃してしまいました。
ここまでクマ捕殺を進めようとするのなら、私たち自然保護団体はもちろん、県民にも丁寧な情報公開が必要ではないでしょうか。
ちなみに、2017年度の兵庫県内のクマ狩猟数は1頭でした。
兵庫県が発表されているように、県内のクマが918頭にまで爆発増加しているのなら、クマ狩猟数1頭をどう説明されるのでしょうか。
兵庫県のクマ推定生息数の計算方法について疑問を持たれた統計学の専門家が、検証したいとしてコンピュータープログラムを情報公開請求したところ、兵庫県は拒否されたそうです。
民主主義の基本は情報公開にあります。
また、公務員は公僕のはずです。
兵庫県が他府県並にクマ情報を出してくださるよう願いたいのですが、みなさんはどう思われますか。