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岡山県 里山にクマの痕跡多数、奥山は人工林にも天然林にもクマの痕跡なし

私たちは狩猟免許を持っていないので、美作県民局でのクマ狩猟講習会に参加させてもらえません。

チラシ配りを終えたあと、岡山県の里山と奥山を調べにいきました。

 

里の集落周辺には、至るところに「クマ出没注意」の看板がありました。クマが来ないよう柿の木を多数伐採したのか、柿の木が以前より少なくなったと感じました。残されたほぼすべての民家のカキの木にクマが登れないよう、真新しいトタンが巻かれていました。

 

地元の女性聞いたところ、クマが出てくるので、今年、本腰を入れてカキの木を伐ったり、トタン巻きをしたりしたということです。確かにこれで人間はいいのでしょうが、食料不足のクマはどうなるのでしょうか。

集落の裏山にあるカキの木(小屋の右の木)

 

カキの木には今年来たと思われる新しいクマの爪痕がついていました。

クリックすると大きくなります

 

その後、岡山県の奥山にある若杉天然林(西粟倉村)に向かいました。

 

西粟倉村は、山全てがスギというくらい長い間スギの放置人工林で埋まっていた村でしたが、1年ぶりに訪れると、大規模な間伐があちこちで進んでおり、真っ暗だった山中が、かなり明るくなってきていました。人工林の天然林化が進み始めたのでしょうか。ならば、熊森としてはとてもうれしいです。

 

目的地である若杉原生林は、約80haのブナやミズナラ等の落葉広葉樹の貴重な天然林です。

この周辺で今年クマの目撃があったということですが、とにかく大勢の人間がこの天然林を楽しむために訪れる地なので、クマは安心して住めないのではないかと思われます。

この天然林の周囲は、延々と続くスギやヒノキの広大な人工林に覆われています。

 

クリックすると大きくなります。冬でも緑色の部分は、常緑の針葉樹です。

 

道中の延々と続く広大な人工林地帯からやっと抜け出して、熊森メンバーは紅葉のきれいな若杉天然林に到着しました。

天然林は気持ちがいい。おいしい空気を満喫する熊森メンバー

 

21年前、熊森が「くまもり原生林ツアー」を始めた頃は、クマの痕跡がこの山に数多く見られました。当時、2頭のクマが棲んでいるということでいた。

 

しかし、最近は下層植生のササがどんどんと少なくなり、木々の葉や昆虫の数も減って、森が劣化し、見通しがよくなってきました。19年前から、クマだなや看板への爪痕など、クマの痕跡は全く見られなくなっています。

 

熊森メンバーは皆「山奥のクマが、里に下りている」と体感しました。

 

岡山県では昨年、山中で1頭のクマが狩猟されましたが(集落から200メートル以上離れないと銃を撃ってはならない法律がある)、クマ狩猟によって里に出て来るクマの数は減ったのでしょうか。

岡山県では今年、里に出て来た7頭が有害捕殺されています。人身事故も発生しました。

クマと人が昔の様に棲み分けできるように、狩猟より先に、奥山放置人工林の広葉樹林化を急ぐべきではないでしょうか。

 

現地は宮本武蔵生誕の地ですが、武蔵は今の放置人工林で埋まった岡山の山を見て、何を思うでしょうか。聞いてみたいものです。

 

 

 

 

 

 

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