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直径12㎝規制を守っている兵庫県でクマがくくり罠に多く掛るわけ

くくり罠は、ハンターひとりにつき30個までの設置が認められています。

四つ足動物の足がくくり罠の踏み板を踏んでしまうと、一瞬にして足にワイヤが掛り、押しバネのものすごい力で足がワイヤで締め上げられます。

逃げようともがいているうちに、動物の足がちぎれ、4つ足動物の足が3本になってしまうこともあります。

くくり罠

 

2007年にわが国では、残酷極まりないトラバサミの狩猟使用が禁止されました。

今、残酷罠の筆頭はくくり罠です。

しかも、くくり罠には、獲ろうとしているシカ・イノシシだけではなく、猟犬やクマ、キツネ、タヌキなど、捕獲許可が出ていない動物の足も当然、無差別に掛ります。

最近は、3本足になった元4つ足動物が結構目撃されているそうです。

再びくくり罠にかかって2本足になると、もう歩くことはできません。

そのようになった動物の姿を想像しただけで、私たちは胸がつぶれそうになります。

人間にこんなことをする権利があるとは思えません。

人間が悪魔になってしまっています。

人間は悪魔になってしまってはならないのです。

 

2007年当時、環境省は私たちの「くくり罠も使用禁止に」の訴えがあまりにも強かったため、困っていました。

結果、環境省は、「シカ・イノシシを大量に獲らなければならないので、くくり罠を禁止にすることはできないが、くくり罠の直径を12㎝以下にするように規制をかけます。12㎝だとクマが誤捕獲されることはまずなくなるので、とりあえず今のところはこれでこらえてください」と、言われました。

もちろん、私たちは、くくり罠の残酷性、誤捕獲の多発性を指摘して、一歩も引きませんでした。

しかし、日本の自然保護団体は会員数が少なくて力が弱いので、残念ながら、くくり罠を使用禁止にすることができませんでした。

 

ところが最近、くくり罠12㎝規制が守られている兵庫県で、2016年に19頭ものツキノワグマがくくり罠に誤捕獲されていたことが判明しました。

なぜ?

調べてみてわかりました。

縦の長さは確かに12㎝ですが、横は20㎝ある弁当箱型くくり罠が使用されていたのです。

 

弁当箱型くくり罠

 

違法ではないかと、すぐに環境省鳥獣保護管理係に電話をしました。

縦さえ12㎝であれば、横は何センチでも違法ではありませんとのこと。

これではクマがかかって当たり前です。

いつそんな風に変わったのか、私たち自然保護団体には全く知らされていませんでした。

ショックです。

 

ネット販売されているくくり罠のカタログをひさしぶりに見てみると、2007年の時と違って、土穴など掘らなくても設置できるタイプのものができていたり、安価になっていたり、とにかく少し見ない間に、くくり罠がすごく進化しているのがわかりました。

 

人間は、どんどん技術を発展させ、工夫していきます。

野生動物は自然と共に生きているだけなので、技術を発展させることなどできません。

このまま無制限にくくり罠の使用を進めていけば、どちらがどちらを滅ぼすか、もう結果は見えています。

 

環境省がせっかくくくり罠12㎝規制を出してくれたのに、日本で一番クマが多い長野県がまず一番に直径の無制限緩和許可を発表し、いくつかの県がこれに続きました。

その結果、長野県はくくり罠に誤捕獲されるクマが後を絶たないというハンターからの内部告発が、熊森に入っています。

誤捕獲グマは法に従って放獣すべきなのですが、面倒だからと闇から闇にかなりの数のクマが違法に殺処分されているということです。

しかし、想像はできても、残念ながら、私達には確認する力がまだありません。

 

兵庫県は12㎝規制を守ってくれているだけまだましかと思っていたら、私たちの知らない間に弁当箱型くくり罠の使用が許可されてしまっていました。

欧米の大自然保護団体と比べると、まだまだ小さな私たち完全民間の自然保護団体のできることなど知れています。

しかし、山の中でどんなに残酷なことが行われているのか、想像すれば黙っている訳にはいきません。

とにかく今年もがんばりますが、会員数も、職員数も、もっともっとほしいです。

現在、新たな職員を募集中です。

熊森活動に人生をかけてみようという方のご応募をお待ちしています。

 

 

 

 

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