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どうした?!「とよ」

大阪府高代寺で保護飼育されてきたツキノワグマの「とよ」9才。

元野生グマで、最初は人間をえらく恐れていましたが、今では良くなついています。

元気に走り回わる愛らしい姿は、熊森の希望でした。

 

7月13日、お世話隊や副住職さんが、とよの異変に気づきました。

食欲不振。あんなに好きだったブドウも食べず寝ています。

風邪かなと思っていたら、7月16日、後肢が2本とも動かなくなっていることが判明したのです。

「とよ」は犬のように横になったまま、寝たきりになってしまいました。

 

何の病気?!。

みんな、もう真っ青です。全く原因がわかりません。高い所から落ちて骨折か?

大雨の中、会員の獣医さんに診に来てもらいました。

骨折ではない。血栓か椎間板ヘルニアが疑われるが、外からではわからないとのこと。

「とよ」は、寝室に寝たままで、4日間出てきませんでした。

もうだめ。

マジックハンドを使ってサクランボを口の前に差し出すと、1粒ずつなら食べることが分かりました。

とにかくサクランボで命を繋いでもらおうと、どんどん買ってきて与えました。

なんと、「とよ」は、この日、サクランボを15パック平らげました。

次々と「とよ」の口の前にサクランボを差し出すお世話隊の方は、最後、腕が動かなくなるまでがんばったそうです。

 

2本の前足だけで移動する「とよ」

 

本部は森山名誉会長を中心に必死で、クマにくわしい獣医さんを探し回りました。

和歌山県の北野支部長や室谷会長も、つてを頼って獣医さんを探しました。

動物園の獣医さんには、すべて断られました。

やっとのことで獣医さんを見つけて、「とよ」の動画をいくつか送って見てもらったり、現地に来てもらったりしました。

骨折ではないが、ヒビによる神経炎かもしれない。左足の甲を下にして足をひきづっているのは、脊髄損傷のサイン・・・。

いろんな診立てがありましたが、レントゲンを撮らないとわかりません。

痛みがひどいと食欲も出ないということで、とりあえず、痛みどめの抗炎症剤と胃の保護剤を飲ませることになりました。

 

おかげさまで、服薬によって痛みが抑えられたのか、「とよ」の食欲は戻ったのですが、まだ後肢が不自由なままです。

お世話隊を中心にお寺や熊森本部職員も入って、連日、お世話や見守りをしていますが、現在、完治のめどが立っていません。

若いクマなので、こんなことになろうとは夢にも思いませんでした。

 

とりあえず、みなさんに、「とよ」の現状をお知らせしておきます。

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