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親子グマ3頭がこもっていた新潟県南魚沼市の診療所が、今回の熊森のクマ保護活動に大感謝③

12月27日、室谷会長ら熊森一行は、今回保護した3頭の親子グマが冬ごもりしようとしていた診療所の現場を視察に行きました。

理事長以下診療所のみなさんは、今年、南魚沼市で発生したクマによる人身事故を痛ましく思う一方、今回の熊森のクマ保護活動に大感謝してくださっています。理事長の奥様である黒岩秩子様が、わたしたちを上越新幹線の浦佐の駅まで車で迎えに来てくださいました。

 

親子グマがこもっていた場所

親子グマは、診療所の縁の下にあたる場所に並べられたエアコンの奥にこもっていたということです。

ここは雪や雨露をしのげる上、白いビニールで囲われていますから、屋外ですが、外から中が見えません。

母グマがここを冬ごもり場所に選定したことに、納得しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

親子グマがこもっていた場所を案内してくださっている黒岩秩子様

 

母グマはエアコンのずっと奥の、外からは見えない空間に、段ボールやごみ袋を使って、巧みに冬ごもり穴を造り、親子で寝ていたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

現場の遠景 クマは、川の上流に見える山から河川敷を伝って縁の下まで歩いて来たと思われる。

 

この後、レストランで食事をしていると、黒岩理事長やご家族のみなさん、従業員の方々が続々とやってこられて、よくぞこの親子グマを助けてくださいましたと、みなさんから次々とお礼を言われました。(下の写真には、集まって下さった方々の半分が写っています)

写真左から、黒岩秩子様、森山熊森名誉会長、黒岩卓夫理事長、室谷熊森会長

 

この親子熊を保護して以来、本部は、様々な法的対応に追われ続けています。

つくづく感じることは、日本では今、野生鳥獣を殺すことにはいとも簡単に許可が下りますが、たった3頭の生命を救うことがこんなに大変なのかということです。現在の野生鳥獣の法制度が、野生鳥獣の生命を救うことを前提に組み立てられていないことを痛感しています。

 

黒岩さんが経営されている保育園の子供たちも、今回、クマさんが保護されたことを皆大喜びしているということです。南魚沼市民の方々の中にも、今回の親子グマの救命を喜んでくださっている方が結構おられるとのことでした。南魚沼市としては、この親子グマを殺処分することはもはやできないと思います。

 

以下は、医療法人社団萌気会二日町診療所黒岩巌志院長が、2019年12月15日発行の会報「もえぎVOL331」の巻頭言に書かれた「クマの親子来訪~実況報告~」という文章です。

ぜひ読んでみてください。

 

記事全文はこちらからお読みください。

 

来春、この親子グマを山に無事放獣するまでには、まだまだ、越えねばならないハードルがいろいろと横たわっているようです。

 

午後から、熊森一行は、南魚沼市役所を訪れ、行政担当者らと今後のことについていろいろと協議しました。(12月18日に続いて2回目の協議でした。)

 

来年度もまだまだ協議が続くようです。兵庫県本部からその度に新潟まで出向くのは、完全民間の市民団体としては、度重なると、経済的にも時間的にも体力的にも、かなり苦しくなってきます。

 

しかし、何としても南魚沼市との初めの約束通り、来春にはこのクマたちを山へ返してあげたいです。

 

これからも、たくさんの方の優しさと叡知を集めてがんばります。みなさま、来年もぜひ、殺さない共存策をめざして活動し続けている自然保護団体熊森を応援してください。

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