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クマとの共存をめざす 兵庫県宍粟市波賀町の原観光りんご園を応援したい その2

ブルーベリー狩りが始まりました

林業では生きていけない、農業でも生きていけない、兵庫県宍粟市波賀町原地区のみなさんが、幸福重信専務理事(当時)の元、この地での生き残りをかけての始めたのが、観光リンゴ園でした。

 

しかし、2004年は異常年で、台風が10回も上陸し、リンゴ園のリンゴは9割が落下してしまいました。さらに、この年は、ブナ・ミズナラなどの奥山の実りがゼロというありえない大凶作年だったのです。そのため、残されたわずかなリンゴを、今度は、毎晩数頭のクマがやってきて食べ尽くしてしまいました。

この年、原観光リンゴ園は泣く泣く閉園を余儀なくされました。

 

この時、みんなは頭が真っ白になって、クマを殺してやろうと思われたそうですが、よく考えてみると山を動物たちの餌が何もない放置人工林だらけにしてしまったのは、自分たちです。

クマこそ被害者だと気付きました。みんなで自分たちがやって来たことを反省し責任を取ろうと決意しました。

こうして、「クマに報復ではなく、クマと共存を」と、集落の周りのスギの人工林を、毎年1ヘクタールずつ、動物たちに食料を提供できる広葉樹林に戻す取り組みが始まったのです。

 

2004年秋、「リンゴはクマにプレゼントしたとあきらめる」という幸福専務理事のコメントを新聞で読んだ熊森協会が、現地に駆けつけて意気投合。それ以来、日本熊森協会は、地域をあげたこの取り組みをお手伝いさせていただいています。

 

約20年に亘る広葉樹林化の取組みで、原観光りんご園の周りに広葉樹林が復活してきていることが衛星写真でもよくわかります。

今年は、近くにあった宿泊型温泉施設の閉鎖や新型コロナウィルスの影響で、原観光リンゴ園では来訪者が減り苦しい状況におかれています。クマとの共存をめざしてがんばっておられるこのような地域を、熊森もいろいろな形で応援したいです。

濃い緑はスギ等の人工林。りんご園周辺の薄めの緑の部分が原地区のみなさんが広葉樹林に戻した部分。

 

原観光りんご園では、7月24日からブルーベリー狩りが始まりました。

8/1から8/10まで、ブルーベリー狩りに来園すると、大人おひとり ブルーベリー150gパックのプレゼントがあるそうです。入園料は大人600円、 4歳以上小学生以下の子ども300円 。

りんご園には森の雰囲気を満喫しながら家族でも宿泊できるコテージもあり、5〜6人用(各棟1泊1万7000円)と12人用1棟(1泊2万5000円)です。

近くには、奥山の天然林から湧き出る原不動滝やキャンプ場もあります。

アマゴのから揚げや、りんごジャムも販売しています。

ぜひ、たくさんの方に、原観光りんご園を訪れていただきたいです。

訪れた際には、「熊森のブログを見ました」とお伝えください。

問い合わせは原不動滝観光組合へどうぞ。

 

クマの棲める森づくりの実践現場を見学したいという方は、事前に日本熊森協会までご相談ください。調整させていただきます。(日本熊森協会 0798・22・4190)

 

 

7月22日 野生動物との棲み分けをお手伝い

8月末頃にリンゴの収穫が始まる原観光りんご園、リンゴの実が少しずつ大きくなり始めています。

野生動物との共存には、動物たちが生息できる環境を保障してあげることと野生動物を寄せつけない環境をつくり棲み分けを進めることが必要です。現在わが国では、鳥獣被害対策として、野生動物の大量捕殺に莫大な予算がついていますが、いくら捕殺を強化しても、棲み分け対策ができていなければ被害を止めることはできません。

熊森では、過疎や高齢化で野生動物との棲み分け対策ができなくなっている地域の支援も行っており、この日は、原観光りんご園で、柵張りや草刈りのお手伝いをしました。

右側斜面の草刈りをしました。

草刈り後。ひそみ場をなくすことで動物たちは集落に入りにくくなります。

りんごの木の周りの網の補強のお手伝い。

日本熊森協会の子会社である(株)麻生共棲林業では、野生動物と棲み分けるための環境づくりを応援したいと、今年から、クマの被害対策のサポート事業を始めることにしました。まだ、実験的な事業ですが、野生動物との共存と鳥獣被害の根本解決をめざして、実践を重ねられればと考えています。クマの被害対策のサポート事業が必要な地域の皆さんは、お声掛けください。

(株)麻生共棲林業の取組みはこちらから

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