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長野県小諸市が足くくり罠への錯誤捕獲の実態を発表 2020 日本哺乳類学会

日本に於けるシカの捕獲は、近年、<銃>より低価格で設置も簡単な<足くくりわな>を用いたものへと移行しています。(胴くくり罠は禁止されている)
報道されませんが、これによって膨大な数の錯誤捕獲(=捕獲目的でない動物が誤ってわなにかかること)が発生しています。
捕獲された野生動物たちは、くくり罠から逃れようと必死で暴れるため、足の脱臼や骨折、欠損などが生じたり、死亡したりします。放獣は危険を伴うため、「鳥獣保護管理法」の錯誤捕獲放獣は守られず、全国で殺処分が常態化しています。倫理上、生態系保全上、大問題です。
    再びくくりわなにかかってしまった3本足のカモシカ(竹下毅氏報告文より)
この問題に対して、日本で唯一、長野県小諸市が許可捕獲実施主体を猟友会から行政へと移行させ,錯誤捕獲されたカモシカの放獣作業を行政職員が行う体制とし、不明な点の多かった錯誤捕獲の実態を発表しました。
それによると、2016年4月から44ヵ月間に68頭(延べ170回)のカモシカが錯誤捕獲されています。
                            (竹下毅氏報告文より)
カモシカ以外にも、クマをはじめとする様々な野生動物たちが多数錯誤捕獲されて、重傷を負い死亡したり殺処分されたりしているはずです。水源の森を無料で造ってくれるこれらの野生動物を失うことは、私たち人間が水源の森を失うことにつながります。この問題は、今を生きるわたしたち大人に全責任があります。
小諸市をはじめ多くの自治体が大量の足くくり罠を動物の通り道に設置している背景には、地球温暖化などで増えたシカによる被害に悲鳴を上げている地元の実態があります。
日本は今、シカ被害問題に対して、捕殺のみで対応しています。明治になるまで1200年間殺生禁止令が出続けていた国の子孫として、懸賞金を出してでも、全国民が知恵を絞って<殺さない解決策>を考えるべきでしょう。

長野県小諸市の取り組みをもっと詳しく知りたい方は、小諸市産業振興部農林課の竹下毅氏が、2020 日本哺乳類学会で発表された以下の報告文をお読みください。

 

他の参考資料

・(長野県小諸市に於ける)「中型哺乳類における錯誤捕獲の現状と課題」

(カモシカ以外に錯誤捕獲されている野生動物たちの実態)

北海道釧路市:一般財団法人 前田一歩園

くくり罠を使用しないシカ捕獲に取り組んでおられます。

「錯誤捕獲問題から目をそらし続けることはできない」 

2020年日本哺乳類学会発表
山﨑 晃司(東京農業大学) 1,小坂井千夏 2,釣賀一二三 3,中川 恒祐 4,近藤 麻実

クマ類の保護及び管理に関するレポート(平成 26 年度版)

環境省 テーマ:クマ類の錯誤捕獲への対応

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