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4月2日衆議院環境委員会での自然公園法改正案に関する質疑

今年になって、衆議院環境委員会の議員で、熊森協会の話を聞いてくださった方が3名おられます。1名は埼玉県選出の土屋品子議員で、あと2名は長野県選出の務台俊介議員と、同じく長野県選出の篠原孝議員です。クマの大量捕殺を何とか止めていただきたい、くくり罠に規制をかけていただきたい、私たち熊森の声に熱心に耳を傾けてくださいました。

 

4月2日の環境委員会の議題は自然公園法改正案だったので、大量捕殺やくくり罠のことは質問していただけませんでしたが、それなりにお二方が発言してくださいました。

 

務台俊介議員(長野県選出)

(大意)野生動物への餌付け禁止と違反者には30万円以下の罰金についてですが、知床のヒグマなどに餌をやる観光客が後を絶たず、いくら注意してもやめないため、現地をパトロールしている職員たちが困り果てていると聞いている。かわいいからと言っても、確かに餌付けはよくない。けがをしたらどうするのかということです。

一方、日本熊森協会などの野生動物保護団体が、秋のクマの餌となるドングリ類が不作の時、クマが里に下りて来ないように緊急避難措置として山にドングリを持ち込みクマが殺されないようにするという活動をしておりますが、これも規制対象になるのではないかという懸念があります。条文を読むと、自然公園内で職員の指導に従わずみだりにという条件が設けられた罰則ですので、この懸念は当たらないとの認識をしておりますが、確認させてください。

 

環境省鳥居局長

これにつきましては、野生動物の生息に影響を及ぼし、公園利用上の問題が懸念される行為を規制しようするものでございます。ご指摘のドングリを持ち込む行為につきましては、公園利用が想定されるような場所で行われない限りは、基本的に公園利用者の問題は懸念されないため、規制の対象にはならないと考えております。

 

 

篠原孝議員(長野県選出)

(大意)クマは非常に優しい動物です。ほっといても人間に危害など加えない動物です。驚いたときに襲ったりするだけです。ベアアンブレラという言葉がありますが、クマがちゃんと生き残れるかどうというのは、その地域の自然が豊かかどうかということでもあるんです。今は何でも規制緩和ですが、規制緩和してはならないものもあります。その一つがドローンです。山小屋への物資運搬はいいとして、鳥たちへの影響を考えると、登山者がドローンをもって山に入るのは規制すべきです。

 

堀越啓仁議員(群馬県比例)

堀越議員:日本国内の国立公園、国定公園で民有地の割合は何%ですか。また特定民有地買い上げ事業はこれまでどのくらいの実績がありますか。

 

鳥居局長:国立公園は25.8%、国定公園は41.3%、都道府県立自然公園は47.9%が民有地です。特定民有地買い上げ事業は、過去10年間で、6つの国立公園の2627haについて、買い上げを行っております。

 

堀越議員(大意):気候変動により生態系への影響が拡大している中で、50年後、100年後を見据えて考えていくのであれば、特定民有地買い上げ事業の対象を国立公園、国定公園の特別地区全体に拡大して、地元との調整を進めながら、民有地買い上げることによって自然環境の保全やその保護管理を充実させるべきではないかと考えます。またこれらの自然公園内に於けるメガソーラーや風力発電などの建設は禁止すべきです。

 

熊森から

 

務台俊介議員、確認してくださってありがとうございます。

篠原孝議員、元々、自然や野生動物に優しいお気持ちをお持ちの議員で、持論を展開されたと思います。

日本で一番ツキノワグマが多いのは長野県です。そこの選出議員お二人が、与党野党の別なく、クマはとても大切な生き物だから守らねばならないと認識してくださっているのは、熊森にとって本当にありがたいことです。クマ問題に関しては、意見が一致されるのではないでしょうか。今後に大いに期待したいです。

また堀越啓仁議員が主張されていることは、噂には聞いておりましたが、まさに熊森そのものでびっくりしました。一度ゆっくりお話ししてみたいです。まだお若い方で、天台宗のお坊さんなのだそうです。

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