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科学が自然をコントロールすることなどできない 

4月10日、コロナ禍でくまもり講演が途絶えて久しい中、熊本県の物産を扱う人たちからの依頼を受けて、久しぶりに森山まり子名誉会長が講演しました。

尾根筋への風力発電を認めれば、日本は水源の森を失いますと語る名誉会長

(講演要旨)

これだけ科学技術が発達した21世紀の今も、私たち人間は自然に生かされているだけに過ぎない動物です。

しかし、9割の国民が自然からすっかり離れて都市で暮らすようになった現在、自然に生かされていることがわからなくなってしまっている人たちがほとんどになってきました。

これはとても怖いことです。

なぜなら、自然に生かされていることがわからなくなると、平気で自然を壊し始めます。

 

空前の地下水脈大破壊であるリニア中央新幹線工事、森林伐採によるメガソーラー、尾根筋への風力発電等々・・・日本人は、今も、毎日、毎日、自らの生息環境でもある自然を、復元不可能にまで破壊し続けて、文明崩壊に向かってまっしぐらに突き進んでいます。

 

生息地を破壊された野生動物たちは悲鳴を上げており、食料を求めて人間の所に出てきては、科学的計画的頭数調整という名の無差別殺害によって、毎日大量に殺害されています。

 

受験勉強を勝ち抜いた超エリートの皆さんのなかに、科学の力で自然や野生動物の数をコントロールできると思うようになる人がおられて、そのような政策を推進されますが、これはとんでもない錯覚です。コントロールしているつもりが、実際は自然を破壊しているだけです。早くこのことに気づいてほしいです。このような錯覚を持つ人の共通点は、頭で自然を見ているだけで、実際の自然を知らないことです。科学が超複雑系の自然をコントロールすることなど、永遠に不可能です。

 

水源の森を失うという大変な事態が進行しているのに、日本にはこのことを国民に伝えるメディアがなく、絶望的な状況です。

 

こんな中、希望は、自然との共生本能をまだ失っていない子供たちと、見事に自然と共生・共存してきた祖先の知恵がかつて日本にはあったという事実です。

 

官僚や行政マンにいくら期待しても、彼らは組織の一員であり、新たな動きを起こすことはできません。24年間活動してきてわかったことは、自然を守るには、政治を動かすことができる大自然保護団体を日本に育てること。これしかありません。

 

みなさんも大人の責任として、森を残し、全生物と共存する持続可能な文明への方向転換運動に、名を連ねませんか。

 

ひとりではできませんが、数さえ集まれば、イギリスのナショナル・トラスト会員数420万人のように、どんどんと自然を守る法を成立させていくことができます。

<講演会を終えて>

参加者は経営者十数名というささやかな講演会でした。帰りには参加者のほとんどの方が会員になってくださいました。これからの会社経営は、利潤追求だけでなく、地球環境保全を支援する会社でなければならないと思ったと、みなさんからうれしいお言葉をいただきました。

 

参加者に、熊森本部作成のポスター(A3用紙)がプレゼントされました。

会社に貼っていただければうれしいです。みなさん、ご清聴、ありがとうございました。(完)

 

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