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雪が積もるまで続くヒグマのサケ狩り 北海道留萌出身の写真家佐藤圭氏のヒグマ写真と文が素敵
- 2021-11-01 (月)
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ベストカーwebというネットメディアが、1979年生まれの佐藤圭氏のヒグマ写真と文章を何度か掲載されています。
本物のヒグマを野で温かい目でそっと見続けてきた佐藤氏のヒグマ観は、釧路在住の当協会顧問安藤誠氏と同様、とても正確だと感じます。おふたりがつながればいいな。
ヒグマ害獣視が強い北海道にあっても、このようにヒグマを正しく理解しておられる方が何人かいらっしゃると思うと、幸せな気分になります。
以下は、ベストカーの佐藤氏の文と写真の一部紹介です。
僕は、撮影のために大雪山系の山に登ることが多いのですが、登山の途中で、ごくたまにヒグマに出会うことがあります。
出会うヒグマは、いつも草や花をのんびりと食べています。ヒグマは本来、温厚で臆病な生き物です。
登山者は、そのことを知っているため、ヒグマが去るのを待つか、距離を保って静かに通り過ぎます。それが、上手なヒグマとの付き合い方です。
北海道の山にはヒグマがいるのは当たり前なので、ヒグマがいても、ヒグマ注意の看板は立ちません。
ヒグマは嗅覚や聴覚が鋭く、人の匂いや気配、熊鈴の音などがすると自分から離れていきます。
この写真を撮影したときも、十分距離をとって望遠レンズで撮影しています。ヒグマは食事を終えると自らゆっくりと去って行きました。
本来、ヒグマは人間の存在を恐れています。人間を襲ってしまうのは、恐れから来る自己防衛の攻撃なのです。
ヒグマは大きく強く、人間は絶対に敵わない相手です。まず、ばったり出会わないための注意を最大限に払うことことが重要です。
秋になり、鮭たちが産卵のために川に帰ってくると、彼らが遡上する川では命のドラマが繰り広げられます。
大挙して遡上した鮭は、産卵を終えると、みな力尽きて死んでしまいます。その一部は朽ち果て、川の栄養となり、稚魚のエサとなる微生物や水生昆虫を育て、自分たちの子孫の生育を助けます。
また、一部は、浅瀬に打ち上げられ、周辺で暮らす動物や鳥類のエサをなります。この季節、川辺で観察していると、カモメやカラス、キツネやタヌキなどが産卵後の鮭を食べに集まっています。
そのなかに、並外れてどん欲な大食漢がいます。
日本の陸上で最大の哺乳類・エゾヒグマです。
秋のヒグマは、冬眠を控えており、皮下脂肪を蓄えなければならず、大量のエサを必要とします。
山でも、どんぐりや山ぶどうなどの木の実を食べまくっていますが、鮭のほうが断然栄養価が高いですからね。
雪が積もるまで鮭の遡上は続くので、ヒグマの狩りは毎日続きます! 鮭を日々食べ続けたヒグマは、見る見る体が大きくなります。
北海道では、近年、秋に産卵のために回遊してくる鮭の不漁が続いています。
また、鮭が減って、秋に栄養が十分に取れなくなったことが、ヒグマが街に出るようになった要因になっているかもしれません。
ヒグマがいる山は豊かです。ヒグマが鮭を山に持ち帰り、食べ残しは山の栄養になります。それで山の木々も健康に育ちます。
自然界の循環として、命は川から山へ繋がっているのです。
鮭の不漁の原因は、地球温暖化による海水温、海流の変化だとも言われています。
熊森から
ベストカーは、車の雑誌のようですが、佐藤圭氏による北海道の野生動物たちの様々な生態が連載されているようです。ぜひ、ご覧になってください。
本州のツキノワグマも、ドングリばかりではなく、冬眠前には昔のようにサケを食べさせてあげたいな。そのためには、戦後、無数に造られてしまったダムを何とかしなければならない。