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兵庫県佐用町 なぜ?ウッドデッキで寝そべるクマ、衰弱し殺処分に
- 2021-11-12 (金)
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ウッドデッキで横たわったままのクマ=兵庫県佐用町(町提供)
兵庫県佐用町の民家のウッドデッキで10月31日、ツキノワグマとみられる高齢のクマが横たわっているのが見つかった。衰弱しており、翌1日になっても民家から離れなかったため、佐用町が殺処分した。
町によるとクマは雌とみられ、体長約1・2メートル、体重は約30キロ。
住民の男性(73)が10月31日朝に発見し、兵庫県警や町に連絡した。
住民の男性はクマ発見後、民家近くにある別棟に一時避難。町職員らが交代で監視するなどしていた。
一方でクマは衰弱し、発見から24時間が過ぎた11月1日昼以降も動く様子がみられなかった。
同日午後2時半ごろ、町職員が県から許可を得た上で麻酔銃をつかって捕獲し、殺処分した。
佐用町内では10月に約20件のクマの目撃情報があり、町が注意を呼び掛けていた。(以上)
熊森から
熊森スタッフたちが現場を訪れました。まわりに住宅が多くある場所でした。
地元の方から聞いた当時の様子を、以下にまとめます。
・10 月 31 日
朝、家の裏の茂みから動物の唸り声が聞こえた。
12時ごろ、ベランダに毛の白いクマが寝ているのを発見した。クマは、人間の存在に気づき、動き出した。様子が変で、前足を使いほふく前進をしながら庭の茂みへ逃げた。目を離すと、また、ベランダで寝ていた。クマの息は荒くて、後ろ足が動かなく、かなり衰弱している様子だった。
すぐ行政に届け出た。自分は、クマを怖いと思ったが、衰弱する姿はさすがにかわいそうで、水ぐらいは与えてやりたいと思ったが、外には出られなかった。警察と行政職員がクマの見張りを行った。
・11月1日
昼頃、兵庫県森林動物研究センターの職員が来て、安楽死させた。
死期を察して、天敵に狙われないように、屋根付きのベランダに来たのではないかと思った。
熊森から森林動物研究センターに電話して、「こういう時はわざわざ殺処分しなくても、もうそっと死なせてやったらよかったのではないですか。死期を察したクマが、人間を信頼して山から出てきたのだと思います。クマは殺されたくてウッドデッキに来たのではないと思うんですが」というと、「おかしなこと言いますね。人身事故が起きたらどうするんですか。そんなこと言う人はいませんよ」と言われてしまいました。
熊森と森林動物研究センターのみなさんとは、このような時、いつも意見が合いません。
みなさんは、はどう思われますか。