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11/13 地元の会と熊森が、大苗植樹で人工林皆伐跡地の広葉樹林化に挑戦 於:兵庫県千種町

兵庫県宍粟市千種町に、戦後、自然林を皆伐してスギやヒノキを植えた官行造林地300ヘクタールがありました。

2000年、この造林地が皆伐されることになりました。植樹後、手入れがなされていなかったため、当時、いい感じの針広混交林に育っていました。官行造林地としては失敗作ですが、熊森は伐採すべきではないと保全運動を展開しました。

なぜなら、人工林率83%の千種町に於いて、この官公造林地内に大きく育ったブナやミズナラの広葉樹は、クマをはじめとする千種町の野生動物たちの貴重な餌源となっていたからです。

結果、一角は皆伐されてしまったものの、ほとんどが保全されました。当時の千種町長を初め役場の皆さんの英断に、熊森は今も深く感謝しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆伐されてしまった官公造林地の一角

 

この一角を、広葉樹の天然林にもどそう!

 

熊森を初め、ライオンズクラブなどいくつかの団体が、この一角の天然林化に挑戦しました。

しかし、現地は急斜面・豪雪地・シカ高密度の3悪条件がそろった場所で、努力しても努力しても広葉樹の苗木は育たず、やがて動物たちが生息できないススキが原になってしまいました。

 

熊森もついにこの場所の天然林化を断念

 

その後、地元のNPO団体「千種川源流を守る会」が、シカの口が届かないような大苗を植えれば天然林に戻せるのではないかと考え、実験。見事、苗木が根付いたのです。地元からの協力要請が熊森にあり、11月13日、いっしょに本格的な大苗植樹会を実施することになりました。

 

大苗を人力で山の上に運びあげることは不可能ですから、地元がショベルカーを山に入れて、急斜面の山に車が通れるようにまず道を造られました。この道は、植林地の整備や、後には登山客のための遊歩道となるよう考えて造られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ススキが原を切り開いて、地元が山の斜面に造ったゆるやかな道 

 

 大苗植樹会

 

当日、室谷悠子会長を初め15名の熊森会員がボランティアとして参加し、地元の皆さんと一緒に植樹に精出しました。

 

○「千種川源流の会」代表の阿曽さんの挨拶

「千種川の源流を守るということは、川でつながった瀬戸内海までも視野に入れて、水の循環を守るということです。また、わたしたちは、小水力発電にも取り組んでおり、地域で消費するエネルギーの完全自給もめざしています。町をあげて、自然を破壊しない自然エネルギーを推進してまいります。」

 

○室谷会長の挨拶

「地元の皆さんのお力で、熊森が一度は断念したこの地の天然林化に再び取り組むことができるようになりました。うれしいです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

0歳の長男を抱きながら、娘さんと一緒に広葉樹の植樹に取り組む室谷会長

 

道に沿って2メートルほどのヤマボウシやヤマザクラなどの大苗、1メートルほどのドウダンツツジなどの苗木を植えていきました。

大苗を植えるボランティアの方

 

みんなで植えた大苗

 

本当は、もっと大きな大苗を植える予定でしたが、掘り起こせなかったということで、近くの農家の方が造られていた苗木に急遽切り替えて植樹しました。大苗以外にも、枝を短く剪定した太めの苗木も植えました。

 

 

この日の植樹は、地元の造園会社「千種園」の池田さんが植え方を指導してくださいました。参加者の皆さんは穴の掘り方や肥料の入れ方、最後の土の被せ方などを学びながら植樹していきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日植樹したのは、ヤマザクラやヤマボウシなど17本、カエデ160本、ドウダンツツジ80本です。

参加された熊森会員のみなさんは、「来年、この苗木がどうなっているか絶対に見にきたい。来年はもっと実のなる木を多く植えたい」と、楽しそうに語っておられました。植樹会は来年も続きます。

 

 

参加者のみなさん、ご苦労様でした!

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