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1月24日衆議院予算委員会で高市早苗氏が再エネ問題について質問
- 2022-01-26 (水)
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残された自然を取り返しがつかないまでに破壊していく巨大風力発電や森林伐採型のメガソーラーなど、再エネ事業計画が全国各地で目白押しになっている中、自民党政調会長の高市早苗議員が、2022年1月24日の衆議院予算委員会で、再エネ問題について質問され、萩生田経済産業大臣、山口環境大臣、岸田総理大臣が答えられました。
早速、熊森が事務局を担当している再エネ問題連絡会のメンバーが文字起こしをしてくださいました。その方の了解を得て、当会が、以下に独自に質疑応答を要約させていただきました。
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高市議員
昨今、各地で太陽光や陸上風力の発電設備設置への反対運動が起きている。
昨年末、北海道当別町の町長と町議会議長が政調会長室までお越しになり、民間事業者によって高さ156メートル以上、ローター直径117メートルの巨大な陸上風力発電設備が12基も設置される計画が進んでいるが、町民は納得せず、当別町議会も昨年11月の臨時会と昨年12月の定例会で2回にわたって風力発電事業に反対する請願陳情を全会一致で採択した。
しかし、すでに経済産業省の売電認可が終わっており、事業者は再来年令和6年の着工を目指している。この土地のとりまとめを行っている事業者は他県でもソーラー発電事業を行っており、その発電所は70パーセントの株式を上海電力が保有しているが、リスクはないのか。
奈良県でも現在太陽光発電設備の設置計画への反対運動が複数の自治体で起きている。
森林を切り開いてメガソーラーを設置することについて、議会や住民の皆様は環境破壊、水道水源の汚濁、土砂災害などを心配しておられる。
菅内閣時代に再生可能エネルギー推進の必要性を最も強く主張してこられたのは環境省(小泉大臣)だが、メガソーラー設置のために、豊かな森林の伐採が進むことによって、返って地球温暖化が進んでしまうのではないかという疑問の声も伺っている。
山口環境大臣
太陽光発電のために、みだりに森林伐採が進めばこの自然環境あるいは景観への影響、先ほどもありました土砂流出による濁水の発生、あるいはCO2吸収源としての機能を含めた森林の多面的機能への影響が懸念される。こういう懸念が生じないように環境影響評価法では大規模な再エネ事業について、(事業者に)環境アセスメントを義務付けており、環境保全の見地から、環境省としても必要な意見を述べていく。
高市議員
今後、デジタル化の推進により消費電力は急増してくる。安全が確認された原子力発電所の再稼働やSMR小型モジュール炉の地下立地について、総理の考えを伺いたい。
岸田総理
安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながら再稼働を進めていく。
熊森から
再エネ問題を国会の俎上にあげてくださった高市議員に、まず心から感謝申し上げます。
与野党の議員の皆さんが国民の声に向き合うと言われるのなら、ただ純粋にふるさとを守ろうとする、お金や時間の余裕や法知識もない一般国民と、大もうけを狙う海千山千のプロである国内外の事業者の間で各地で紛争が起きている再エネ問題に心を寄せていただき、弱者である一般国民を救うべく、高市議員に続いて国会でぜひ質問していただきたいです。
なお、日本の環境影響評価法では、環境アセスメントは第3者ではなく、開発業者に義務付けられているため、環境アワスメントと揶揄されるごとく、業者に都合のいい調査結果しか出てきません。残念ながら、自然を守ることにつながらないのです。
たとえば、渡り鳥のルートであっても、毎日鳥が渡っているわけではないので、業者側が調査した日に鳥が飛んでいないと、渡り鳥に影響なしと報告されてしまいます。
環境省に電話すると、昨年成立した「改正温対法」の今春からの施行にあたってのパブリックコメントを募集中のため、意見があればそちらに出してほしいとのことでした。提出期限は2月12日です。
- 意見募集要領 PDF
- 【別紙】意見提出様式
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