くまもりNews
奥羽山脈を尾根筋巨大風車群による森林大破壊から守れ 2月2日 熊森本部室谷会長らが国会へ
- 2022-02-06 (日)
- くまもりNEWS
奥羽山脈は、東北地方の中央部に位置し、青森県の夏泊半島から福島・栃木県境の帝釈山地に至る全長約500 kmの脊梁山脈で、ツキノワグマの安定的な生息地です。
今、この奥羽山脈の尾根筋に、国内外の投資家による巨大な風車群設置計画が目白押しです。(今なら、FIT法を使うと、大黄な利益となるそうです)
完成予想図(森を人間の支配下に置いた姿)
昨年春、熊森は、まず、風車の直径130mという
①「宮城山形北部風力発電事業」計画に気づきました。
・事業者 株式会社グリーンパワーインベストメント
・事業位置 宮城県大崎市、加美郡加美町(面積 約2,505ha)
・・・・・・・山形県尾花沢市、最上郡最上町(面積 約385ha)
・出力 最大30万kW (3千~4千kW級×70~90基程度)
調べ始めたところ、宮城県北部の奥羽山脈尾根筋に合計189基にものぼる7つの巨大風車設置計画があがっていることがわかりました。(多くの住民は今も知らない。まず、知らせたいです。)
そうこうしているうちに、昨年末には、青森の宝である十和田八幡平国立公園を含む八甲田山の尾根筋に、風車の羽の直径が160mという日本最大の
②「みちのく風力発電事業」が計画されていることがわかってきました。
・事業者 株式会社ユーラスエナジーホールディングス
・事業位置 約17,300ha
・・・・・青森市、十和田市、平内町、野辺地町、七戸町、東北町
・総出力:約60万kw(単機出力4千〜5千kw×120~150基)
・風車:高さ150~200m・羽の直径130~160m
みちのく風力発電事業の阻止署名にご協力を!
国民の財産である国有林の注1保安林や注2緑の回廊を大規模に破壊するものです。
注1 保安林 水源の涵養、土砂の崩壊その他の災害の防備など17種の保安林があり、国や知事が公益目的を達成するため指定した森林で、立木の伐採や土地の形質の変更等が規制されている。
注2 奥羽山脈緑の回廊:人と野生生物が恒久的に共存し続けるため、奥羽山脈の尾根筋約2キロ幅に2000年に設置されたもの。約7万3千ha。
尾根筋の木々は山の命。風当たりが強く、水分も養分も少ない場所で、特別に長い年月かけて育ってきました。これらの木々を皆伐してしまう風力発電計画を認めることは、他生物や次世代に対する裏切りです。破壊してしまうと、もう元に戻せないからです。
このような計画が実施されれば、奥羽山脈のツキノワグマをはじめとする生き物たちは生息地を失ってしまう上に、祖先が大切に守ってきた水源の森が荒廃に向かいます。
人を含むすべての生命と、長期的な視点の国益も考えて、森林を破壊する再エネ開発を方向転換してもらうため、熊森本部室谷悠子会長と職員3名は、チラシをもって、お話を聞いてくださりそうな議員と、環境委員会と農水委員会に属しておられる全議員を回ろうと、2月2日兵庫県西宮市の熊森本部から国会へ向かいました。
まず訪れた議員は、熊森結成以来、副会長を25年間勤めてくださっている和田有一朗議員(前兵庫県県会議員)です。
昨年秋の衆議院選挙で、国会議員に当選しました。2月に予定されている予算委員会で初質問されるということで、慌ただしくされておられました。
熊森室谷悠子会長 熊森和田有一朗副会長
その後、参議院議員会館へ。
(1)参議院議員の上月良祐議員(茨城県選出)は、誠実いっぱいに話を聞いてくださいました。茨城県の熊森会員も参加しました。
片山大介議員(兵庫県選出・熊森顧問)を訪れたのは夕方で、議員はお疲れだったと思いますが、そこは顧問です。一生懸命、どうしたらいいか、ともに長時間考えてくださいました。
※この日の資料は、こちら。
奥羽山脈の豊かな天然林は、森の動物たちは当然、私たち人間にとっても、生存していく上で絶対に破壊してはならないものです。
日本中の自然保護団体が、日本の森を破壊から守るために、協力して動くときだと思います。
次々と大規模な森林破壊を伴う計画が明らかになるため、私たちも奔走していますが、自転車操業状態です。皆さんも、ぜひ、再エネの自然破壊から日本の森を守るために動いてほしいとお知り合いの団体にお声かけいただけると嬉しいです。
再生可能エネルギーは大切ですが、電力消費地である都市でこそ進めるべきです。
熊森が共同代表と事務局を務める「全国再エネ問題連絡会」のHPもご参考に!