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兵庫県宍粟市山崎の黒豆畑のシカ防除ネット張り

狭まり続ける野生動物と農家の距離

~捕殺に頼らない農作物被害防除の実現へ~

 

6月末、黒豆畑がシカに荒らされて困っているという地元農家からの訴えがあり、熊森本部職員の水見と羽田は、兵庫県宍粟市山崎の現地を訪れました。黒豆畑に確かにシカの足跡があり、どこからか侵入しているようでした。このままだと苗が食べ尽くされてしまうので、早急に策を講じることになりました。

調べてみると、揖保川沿いの金網フェンスが一部崩壊していました。そこからの侵入だと思われます。畑の川側に防除ネットを設置することにしました。

黒いマルチシートにはシカの足跡がくっきり!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防除ネットで農作物を守る!

 

7月16日(土)、職員羽田がくまもりボランティア3名と共に再び畑を訪れて、防除ネット設置に取り掛かりました。木の杭を杭打機やハンマーで力いっぱい打ち込んで、すぐ横に長さ2mを超える支柱を立てていきます。杭と支柱を結束バンドで固定して、風で倒れることがないようにします。

杭と支柱をしっかり固定します

 

 

 

 

 

 

 

この日は比較的涼しくスムーズに作業できました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杭と支柱を立て終えたら、数人がかりで高さ2m以上のネットをかけていきます。ネットがたゆんでしまうとシカが飛び越えてしまうことがあるので、伸ばしながらしっかりと張っていきます。その後、ネットの下部にペグを打ち込んで隙間をなくします。シカも生きるために必死で通れる箇所を探ってくるので、隙を作らないことが大切です。最後に人が行き来できる出入口をつけて完成です。

皆で協力して防除ネットをかけていきます

 

 

 

 

 

 

 

出入口は40cmほどの幅で、端は元々あった金網に紐で結びつけました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4時間ほどかけて全長約70mのシカ防除ネットが完成しました!

 

完成した全長約70mのシカ防除ネット!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネットを張って以降、畑にシカが入った形跡はなく、黒豆は順調に育っているということです。美味しい黒豆が実るといいですね!

 

シカを銃や罠で殺さなくても、人間の生活圏と野生動物の生息域を分けることで、共存の道は開けます。一人でも多くの方に、個体数管理有害駆除害獣といった言葉に疑問を持って頂きたいです。日本熊森協会は捕殺に頼らない農作物被害防除実現の道を探り続けていきます。

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