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シジュウカラガンの飛行が圧巻 宮城県加美町

渡り鳥であるマガンの90%、シジュウカラガンに至っては100%が宮城県北部で越冬するそうです。

以下の動画は、加美町の住民が撮影した2023年1月9日のシジュウカラガンの飛行です。

鳥たちの飛行を初めてじっくり見て、圧倒されました。

 

 

現地からの報告によりますと、シジュウカラガンたちは中新田から西に向かい、着地せずにまた中新田に戻ってきて、今日の採食場所を探しているのだそうです。毎日ねぐらから採食のためにみんなで飛んでくるのだそうです。

 

生き残るために皆で心を一つにして、リーダーの元についていく。

人間のように仲間内で殺し合ったり、仲間内で対立したり反目し合ったりしないんでしょうね。統率がとれた集団のあり方にすごいなあと感動しました。

この鳥たちは、千島列島のエカルマ島から宮城県の伊豆沼周辺にわたってくるのだそうです。

いったい餌は何なのでしょうか。調べてみると、落穂や草の実などの植物食とありました。

宮城の田んぼに、これだけの数のシジュウカラガンが越冬するだけの落穂があるのでしょうか。

地元の方に聞くとあるそうです。

ガン類が越冬するには、ねぐらとなる冬でも凍らない水深の浅く広い湖沼と、採食するための広大な水田のセットが必要で、以前はどこにでもあったこのような環境が今は宮城県に残されているのみということのようです。

 

シジュウカラガンは1938年には一度、絶滅したそうです。

 

絶滅原因はキツネの毛皮を採ってもうけようとして、日本政府がシジュウカラガンの生息地であった千島列島の多くの島々にキツネを放したことだそうです。肉食獣のキツネがシジュウカラガンを襲って全部食べてしまったのです。まったくもう、目先のもうけしか考えない人間のすることと言ったらいつの世も・・・

 

では、なぜ今こんな大量の群れが再び飛来してくるようになったのでしょうか。これまで渡り鳥に関心はなかったのですが、気になりだしてネットで次々と調べていきました。

 

サントリーの愛鳥活動 が、うまくまとめています。感動で、泣きそうになるお話です。

サントリーさんが支援されたそうで、すばらしい企業ですね。

興味を持たれた方は、お読みください。

 

熊森から

 

宮城県北部には、他にもハクチョウやマガンなど、様々な渡り鳥が越冬のため大量にやってきます。

 

そんな場所の渡り鳥たちの飛行経路である奥羽山脈の尾根筋に、高さ200mの巨大風車を150基建てると、バードストライクで風車の羽に体を切断される鳥たちが続出することは、子供でも分かることです。巨大風車はゆっくり回っているように見えますが、羽の端は新幹線並みのスピードで回っています。

 

宮城県北部の2市2町に計画されている巨大風車群計画。2市1町の首長さんたちが昨年末から今年新年にかけて次々と、すでに反対を表明。後、加美町さえ反対表明してくだされば、無数の渡り鳥が舞う今の環境が守られます。今年6月が、町長選とのこと。尾根筋への巨大風車群計画を受け入れるのか、返上するのかが、争点になってほしいです。

 

熊森はこれまで森や森の中の生き物たちや水源に目を向けてきましたが、2023年は鳥にも目を向け始める鳥元年になりそうです。さっそく本部職員の中から、鳥調査担当者も決まりました。近々研修が始まります。

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