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再エネ事業による森林大破壊を止めるため、田嶋要衆議院議員(千葉)が森林法の文言改正を提案

2023年5月19日(金)衆議院経済産業委員会で千葉県選出の田嶋要議員が、再エネ事業から森林を守るために森林法の文言改正を提案されました。

 

田嶋議員は以前から再エネ事業による森林破壊問題に取り組んでおられ、地元千葉県鴨川の山林に計画されている日本最大級の鴨川メガソーラー(146ヘクタール)計画を地元の皆さんと今も止めておられます。

 

 今回の委員会質問では、有識者の方たちからヒントを得たということで、森林法を以下の3点で文言改正するよう提案されました。
①森林法10条の第2項の規定を、都道府県知事は、前項の許可の申請があつた場合において、「次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、これを許可しなければならない」から「次の各号のいずれにも該当しないと認められない限り、これを許可してはならないと逆側から書くようにすること。
②その下の一、二、三の次に四を加えて、
四「生物多様性と景観の維持、その他の公益的機能を害するなど、森林法の目的に反するおそれがあること」という言葉を入れること。
③森林法の目的にも、生物多様性と景観の維持、その他の公益的機能の保全に資することを加えて明文化すること。
農地は農地法でしっかり守られている。森林も森林法でしっかり守られるように法改正しなければならない。とりあえずすぐできることとして、法文自体の書きぶりを少し変えるだけでもいい効果が生まれる可能性があるので、すぐ取り組んでほしい。(日本の森林を守れないできた)林野庁の責任は重い、再エネを進めている経産省も「森林法」に関心を持ってもらいたいと締めくくられました。

 

質問中の田嶋議員の動画 約12分間
参考資料
現行森林法
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、森林計画、保安林その他の森林に関する基本的事項を定めて、森林の保続培養と森林生産力の増進とを図り、もつて国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的とする。
省略
(開発行為の許可)
第十条の二 
2 都道府県知事は、前項の許可の申請があつた場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、これを許可しなければならない。
一 当該開発行為をする森林の現に有する土地に関する災害の防止の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること。
一の二 当該開発行為をする森林の現に有する水害の防止の機能からみて、当該開発行為により当該機能に依存する地域における水害を発生させるおそれがあること。
二 当該開発行為をする森林の現に有する水源のかん養の機能からみて、当該開発行為により当該機能に依存する地域における水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがあること。
三 当該開発行為をする森林の現に有する環境の保全の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域における環境を著しく悪化させるおそれがあること。
以下省略
熊森から
林地開発許可を握っているのは都道府県知事です。
どうして多くの都道府県知事は、森林を大破壊する再エネ事業にこれまで林地開発許可を降ろしてきたのでしょうか。
その原因の一つは、森林法の文言が、都道府県知事が許可を下ろさざるを得ないように書かれていることです。
業者が、「私たちの事業が、災害発生、水害発生、水の確保に著しい支障、環境を著しく悪化させる恐れがあることを行政が証明しない限り、林地開発を許可しなければならないと書いてある。もし、それが証明できないのに不許可にしたら、裁判所に訴えますよ」と、行政担当者を脅すと、専門知識のない行政は訴えられるのがこわくなって、林地開発許可を下ろしてしまいます。このような自治体が実に多いのです。
しかし、中には、和歌山県や和歌山市のように、メガソーラーの林地開発許可を不許可とした県と条例に基づき不許可とした市に対し、10億円の損害賠償を求めるとして再エネ事業者が訴えても(2022年に提訴され、現在、係争中)、受けて立つとして毅然と不許可を貫いているあっぱれな行政もいくつかあります。林野庁は法文改正に、すぐに取り組んでいただきたいです。

それにしても、このような提案が林野庁からではなく民間の有識者から出たということは、特記すべきことであると思います。どうしたらふるさとの山を森林伐採から守れるか、地元の方々の苦しみに同苦した有識者がいたからこそ出てきた提案です。

田嶋議員、国会で提案してくださって、ありがとうございました。
国民の皆さん、とにかくあらゆる手段を使って、今、大規模伐採されようとしている全国の森林を、守りましょう。
・・
日本は歴史のある国です。祖先が言い伝えてきた言葉にはそれなりの理由があります。知恵があります。
子孫として、私たちはしっかりと耳を傾けるべきです。
森なくして人なし、森あっての人間
風車群建設が計画されている国有林「緑の回廊」宮城県にて
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