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この時期氾濫するクマ目撃ニュースに思う

最近、クマ目撃ニュースが氾濫しています。6~7月は親離れした若グマが、今後の生活場所を探しに遠出する時期ですから、目撃が増えるのは当然です。

 

クマは元来平和的な動物なので、人間が目撃したからと言って、ほとんどの場合、別に何も起きません。理由もなく人間に向かってきたりしないのです。彼らが、向かってくる理由を人間が作らないように気を付けることが大切です。

 

市街地などクマがいては困る場所にクマが出てきたことがニュースになるのはわかりますが、山裾や山道などのクマの生息地で、しかも早朝午前4時など、クマがいて当然の場所にクマが人目を避けて行動していたケースまで問題視するニュースが結構見受けられます。クマはどんな場合でも人間が目撃できてはいけないのでしょうか。問題視する前に、人間が宅地開発や道路建設でクマの生息地にどんどん入り込んでいるから目撃してしまうという側面もあることを忘れてはいけないと思います。

 

クマを必要以上に危険視したりクマに必要以上に恐怖を抱かせる報道が多いのが気になります。視聴率を稼ぐためでしょうか。祖先たちがこの国で共存してきた動物です。温かい目で見守ることも必要だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年山の斜面で目撃された体長約70センチのツキノワグマ。写真は山形県警。

 

これも、クマ目撃ニュースの常套句、「人や物に被害はありませんでした」と報道されていました。

 

兵庫県のクマ生息地の方が、「クマなんて毎日見かけるよ。昨日は、畑の横を歩いていたよ。わしら昔から、お互いに空気のような存在として一切干渉せずにやってきた。最近、行政が、クマを見かけたらすぐに通報するようにとうるさく言ってくるんだが、何のために通報するんだ?」と言われていました。

 

日本でクマは唯一、人間より力の強い動物です。彼らと素手で闘うと、人間は大けがをしたり、時には命を失います。よって、確かに要注意動物です。しかし、人間には人間より力の強い動物の存在が必要だと思います。必要だから自然界に存在しているのです。

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