くまもりNews
8月19日 読売新聞 ツキノワグマ出没多発…兵庫県が注意呼びかけ
目撃・痕跡情報 4~7月148件
兵庫県北部を中心にツキノワグマの出没が例年よりも増えており、県が注意を呼びかけている。目撃や痕跡情報は4~7月で148件に上り、2001 年度以降の同期で最多。今月2日には香美町小代区の牛舎にいたクマが男性を襲い、けがをする事故も起きている。県は「クマの餌となるミズナラなどの実の凶 作が予想されており、秋以降も人里に多く出没する恐れがある」としている。
目撃、痕跡情報の地域別の内訳は、北但90、南但22、西播20、丹波11、中播3、北播2。前年同期の104件を大幅に上回っているが、県は 「繁殖で雄が動き回る時期だが、今夏にかけての出没が増えた理由はわからない」としている。ただ、生息頭数は増加傾向にあるといい、冬眠に入る12月中旬 まで注意が必要だという。
7月中旬以降、豊岡市但東町や香美町村岡区などでブドウや桃の畑で食害の報告があり、養父市ではヤマメの養魚場で飼料を食べられる被害があった。
2日に起きた香美町小代区の牛舎で男性が襲われた件でも、トウモロコシや麦などの飼料をクマが食べていた。牛舎横に牛の飼料を入れたおりを設置したところ、4日、雄のクマ(体長1・45メートル)がかかった。
7月末から近隣の牛舎で連日のように牛の飼料を狙う食害があったことから、県などは「人を襲い、山に放しても、再び戻ってくる可能性が高い」として殺処分にした。
県は▽山林に行く際は鈴やラジオなど音の出るものを携行▽生ごみを野外に置かない▽果樹園などに電気柵を設置し、樹木にはトタン板を巻いてクマが登れないように――などの対策を呼びかけている。
(2010年8月19日 読売新聞)