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「クマを呼び寄せない対策を地元で」青井俊樹岩手大名誉教授の呼びかけに、くまもりも賛同

<以下、岩手日報6月14日より>

クマ出没 県内急増

ツキノワグマの出没情報が本年度、県内で増加している。県によると4、5月に各市町村へ寄せられた出没情報は前年度比178件増の567件で、過去5年で最も多い。人身被害も相次ぎ、今月7日までに8人が重軽傷を負っている。昨年のブナの実の豊作で個体数が増えているほか、里山の減少でクマの生息域が拡大しているとみられ、夏から秋にかけて一層の注意が必要だ。

 

4月に寄せられた出没情報は133件(前年度比31件増)、5月は434件(同147件増)だった。市町村別で4、5月の合計が最も多かったのは一関市の98件で、58件の花巻市、45件の奥州市が続いた。13日も県内で17件の出没情報が寄せられるなど今月もクマの出没が続いている。

 

今の時期は餌となる山菜のシーズンが終わり、餌を求めてクマの活動範囲が広くなる。出没情報の増加は、県などによると昨年ブナの実が豊作で雌の栄養状態が良かったため出産数が増え、個体数が増えていることが影響しているとみられる。

 

また、青井俊樹岩手大名誉教授(野生動物管理学)は出没情報増加の要因として「人とクマの生活環境の近さ」を指摘。下草を刈り払うなど人が手を加えた里山が減り人里とクマの生息域の緩衝地帯が少なくなったことや、過疎化が進んで人里の騒がしさがなくなったことでクマが人里のすぐ近くまで生息域を広げてきているという。

 

青井名誉教授は「出没情報の増加の傾向は今後も続くだろう」と強調。今年はブナの不作が予想され、夏から秋にかけてクマが餌を求めてさらに活動範囲を広げる恐れがあるといい、「クマを呼び寄せない対策が求められる。餌となる収穫後の農作物や生ごみを野外に放置しない事などを地域として取り組んでいく必要がある」と、呼びかける。

 

(熊森から)

西日本と東北地方では山の荒廃状況がかなり違います。しかし、上記記事下線部分は、全国共通です。

 

くまもりが主張している大型野生動物と人との共存というのは、当然、棲み分け共存のことであり、そのためには、人里とクマの生息域の緩衝地帯(バッハゾーン)造りが不可欠です。

そのためには、山と集落の間の草刈りが必須ですが、農村では圧倒的に草刈り人員が不足しています。雇用を生む仕事として、また、都市ボランティアの活動として、草刈りを進めなければならないと思います。草刈は大変なので、牛を放牧して草を食べてもらっている例もあります。

青井先生のご提案は、クマをいかに殺すかではなく、クマとの共存の為に人間もやらねばならないことがあることを県民に呼びかけておられ、すばらしいと思いました。

 

どんな問題であっても、人間は、他生物に対する生命尊厳思想と、自然に対する畏怖と畏敬の念を失ってはならないと思います。わたしたちの祖先の文化を継承していけば、持続可能な社会が構築できるのです。

 

 

 

 

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