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無慈悲なクマ狩猟再開を発案した兵庫県 ③有害駆除と狩猟は全く別物

有害駆除:クマが山から人里に出て来て農作物に被害を与えるなど、人間側に被害があり、被害改善が望まれない場合にやむおえず殺す制度です。銃で撃ち殺したり、ハチミツを入れた捕獲檻やくくり罠を設置して、捕獲後クマを銃や薬で殺します。殺処分後のクマの体は、埋葬や焼却処分されることになっており、売買して儲けたりすることは許されません。

 

・一つしかない貴い命を奪うのですから、人間の側にも、クマを殺す前に、電気柵を張って田畑や養蜂箱を守るなど、クマ被害防止対策を取ったり、追い払いをしたりするなどの努力が求められます。人間が何も防除せず、クマによる被害が出たからといきなり殺すのは、ルール違反です。

 

・ハチミツ入りの罠を仕掛けてクマを捕獲する場合、何キロも先から匂いを察知して、被害を出したクマと関係のないクマがやってきて罠にかかることも十二分に考えられます。これではクマを山からおびき出していることになり、本末転倒です。

 

・一時期兵庫県では、ハチミツを使ってクマを捕獲することを禁止した時期がありました。(残念ながら、今は、使用可)

 

・全国的に、これまで冤罪で殺されたクマが、多数存在する見込みです。

 

 

狩猟:明治になるまでの1200年間、わが国では殺生が禁止されていましたが、明治に西洋文明である狩猟が導入されました。

人間がクマの生息地である山などに犬を連れて入っていって、クマを見つけて追いかけまわし、クマを銃で撃ちます。スポーツやレジャーとして自らの楽しみのために殺すのです。殺したクマは、獲物として、狩猟者の物となり、売買して儲けてもよいことになっています。

熊の胆(くまのい)が、漢方薬として金より高く売れるため、うまくいくと、熊1頭で熊の胆・肉・毛皮、計100万円のもうけとなるそうです。お金目当てでクマ狩猟を希望する人が、あとを絶ちません。

 

現在、クマを狩猟するために罠を使用することは、法律で禁止されています。クマにとってハチミツなどハチ関係の物は麻薬のようなもので、罠に使用すると、危険を冒してもやってくるため、獲りすぎてしまう恐れがあるからです。

 

・我が国には、生活するために許可を得て、やむおえず必要最低限のクマを殺してきた古来のマタギがあります。このマタギと狩猟は、全く別物です。現在、我が国に、クマを殺さねば生活できない人はまずいないと思われます。

 

・西洋は日本と違い長い狩猟文化があったため、密猟監視人などが整備され、狩猟者が暴走しないような取り決めが様々に制度化されています。日本には、残念ながら、現地で狩猟者を監視する制度がありません。狩猟者が法を守っているかどうか、狩猟者の良心に任されているだけです。これまで当協会が、クマ密猟の情報を得ても、行政も警察も現場写真がないなどを理由に、動いてくれませんでした。今後は、知事に訴えようと思います。

 

・現在、銃の性能が著しく向上し、高性能の望遠鏡までついています。そのため、クマを追いかけまわさなくても、遠距離から撃って殺すことが可能になっています。山の中にいるクマにとっては、人間の姿が全く見えないまま、銃弾に倒れることになり、何が起きたのかさっぱりわからないうちに殺されていく例も多いそうです。

 

・熊の胆が余りにも高価なため、暴力団の資金源になっている例が報道されたことがあります。

 

 

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