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島根県でイノシシ罠に誤捕獲されたクマの大量殺処分(=違反)が発覚!パブコメ募集の中止を!

日本一のクマ保護先進県として熊森が称賛していた島根県が、現在、「島根県クマ保護計画案」に対するパブリックコメントを募集しています。(2月17日締め切り)

今年もいろんな県の「クマ保護計画・クマ管理計画」にパブリックコメントを提出している熊森ですが、「島根県保護計画案」だけ、平成28年度クマ捕殺数の記載がないことに気づきました。変だなあ?と、2月13日に島根県庁鳥獣対策室の担当者に聞き取ったところ、なんと・・・平成28年度、島根県は前代未聞、181頭という大量のクマを捕殺していたことが発覚しました!

これまで熊森が気づかなかったのは、イノシシ捕獲用の罠に誤捕獲されたクマ186頭のうち、125頭が殺処分されていることが発表されていなかったためです。誤捕獲されたクマを殺処分してしまうのは、ルール違反です。

<西中国山地3県の誤捕獲グマ殺害数と率・有害捕殺数・合計捕殺数>

島根県 誤捕獲グマ125頭/186頭を殺害  (殺害率67%)
・・・・・・・+有害捕殺数56頭 合計捕殺数181頭

広島県 誤捕獲グマ36頭/36頭を殺害    (殺害率100%)

・・・・・・・+有害捕殺数15頭 合計捕殺数51頭

山口県 誤捕獲グマ18頭/25頭を殺害        (殺害率72%)

・・・・・・・+有害捕殺数7頭   合計捕殺数25頭

 

西中国山地のツキノワグマは、環境省のレッドリストで絶滅 の恐れのある地域個体群とされ、国による狩猟禁止など、これまで保全への配慮が求められてきました。しかし、近年、分布域が外側に拡大しています。(平成24年JBN) 奥山での森林荒廃が進み、コア生息地の生息密度が薄くなってきていることから(金井塚務氏)、必ずしも生息数が増えたとは言えません。西中国山地のクマ生息数は、近年、微減と発表されていました。(2015年発表)

ちなみに、誤捕獲グマの殺害率は、平成28年度兵庫県、鳥取県、京都府では0%であり、これらの府県では、今も保全ルールがきちんと守られています。

 

(熊森から島根県へ)

「島根県クマ保護計画案」の保護の文字が泣きます。

これだけホロコースト的な大量捕殺を実施しておきながら、次年度も「保護計画案」の名を、どうして掲げることができるのでしょうか。島根県は平成28年度、クマを完全に管理対象(=捕殺対象)にしてしまっています。

 

現在パブリックコメント募集中の「クマ保護計画案」には、錯誤捕獲が発生した場合には「原則として放獣すること」と太字下線で強調して記載されています。むなしい限りです。

また、捕殺の上限も80頭と定められています。平成28年度の捕殺数181頭は記載されていません。全く意味のない捕殺上限数です。

このように、うたっていることとしていることが真逆の「クマ保護計画案」を提示してパブリックコメントを募集するのは、提供された資料を熟読し、まじめに考えて応募してきたわたしたち国民を欺き愚弄する行為であると思います。

島根県のこの様な姿勢を非常に悲しく感じます。

熊森は島根県に対し、現在の「クマ保護計画案」へのパブリックコメントの募集を中止し、島根県が本当に実施してくださる内容に書き換えて、再募集されることを申し入れました。また、すでに応募された方に対しては、平成28年度の補殺数を正直に伝え、資料不足をおわびして、再応募していただくよう依頼すべきです。

 

「島根県クマ保護計画案」パブリックコメント応募先

締切:2017年2月17日まで

島根県・西中国地域クマ保護計画 (提出先:農林水産部森林整備課鳥獣対策室 FAX:0852-22-6549 Mail:choju@pref.shimane.lg.jp)

募集要項等URL:http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/ringyo/choujyu_taisaku/tokuteikeikaku_ikenbosyu.html

 

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