くまもりNews
くまもり本部と支部で、クマとの事故例の聞き取り
- 2017-05-10 (水)
- _クマ保全
くまもり本部と支部は、クマとの事故の詳細を行政担当者などから一つ一つ聞き取っています。
①石川県金沢市の医王山山中(4月15日15時ごろ発生)
山中でクマを銃で駆除中、クマに銃弾が当たったと思い近づくと、突然クマが向かってきて、頭や手足をかまれた。
②北海道標茶町の山林(4月16日8時ごろ発生)
山菜採り(ギョウジャニンニク)を採りに、ササなどが生い茂る見通しの悪い場所に入って、子グマを2頭連れた母グマと出会い襲われる。
③富山県高岡市の山中(4月20日12時50分ごろ発生)
タラの木などを栽培している自分の畑へ行き、左手をクマにかまれた(左指骨折)。
④岐阜県高山市の住宅街(3名負傷)(4月25日19時50分~20時00分ごろに発生)
19時50分ごろ、ランニングをしている男性が、クマとバッタリ鉢合わせしケガを負う。クマは住宅街の中へ逃走し、民家の玄関で73歳の女性と出くわし、女性の頭や首にかみついた。そこへ47歳の女性が物音に気付き、女性にかみついたクマを引き離した。その際に47歳の女性も手や足にけがを負った。クマは、家屋の中に逃げ込み、駆け付けた猟友会に射殺された。クマは体長1.3mのメス。
⑤宮城県大和町の笹倉山山中(4月25日11時ごろ発生)
タラの芽をとりに来ていた男性が、下山途中にコグマを2頭連れた母グマに遭遇し、攻撃された。笹薮からクマが突然出てきたという。クマは、男性の左肩をかんだ。男性は右手を使ってクマを引き離したが、その後左指をかまれた。男性は持っていたカマでクマの頭をついたら、クマは逃げた。
⑥岩手県山田町山田の山林(4月25日発生)
男性は、父から引き継いだ山の下草刈りに、ひとりで入っていた。ケガの状況は、顔面挫傷、左腕負傷、尾骨骨折と重傷。命に別状はないが、話すことができないので、現在、どういう状況かわからない。
⑦青森県弘前市の山中(4月30日午前15時30分ごろ発生)
ひとりで見通しの悪い笹薮の中で山菜取りをしていた女性が、親子と思われる体長80cmくらいのクマと60cmくらいのクマに出会い、大きい方のクマに太ももをかまれた。軽傷。
(熊森から)
クマとの事故で、けがをされた皆様に、お見舞い申し上げます。
クマは山中では、昼間も動いています。山に入られる方は、クマ鈴やラジオを携行したり、大声で歌を歌うなど、人間が山に入ってきたことをクマに知らせてください。これだけで、警戒心の強いクマは自らが先に立ち去り、事故が激減するはずです。
クマは、人里では、人間に見つからないように早朝や暗くなってから動くことが多いです。ゆっくり歩いている人より、走っている人の方に恐怖を感じるようですから、クマの行動時間にランニングすることは危険です。充分お気を付けください。
子グマの傍には必ず母グマがいて、子グマを守るために人間を排除しようとしますから、子グマを見かけたら直ちにその場を立ち去って下さい。
①の石川県の事故例は、人間がクマの国に入り込んで発砲するなど、棲み分け共存に対する人間側のルール違反です。クマのやったことは正当防衛であり、当然です。