くまもりNews
室谷会長、親子グマが逃げ込んだ秋田の作業小屋を視察、その後、秋田のみなさんと懇談 12月3日
室谷会長は連日、全国を飛び回っており、超多忙。しかし、年内に、何とか秋田県を訪れたいとスケジュールを調整していました。
12月3日(日)秋田空港着。この日は雪で、あたり一面すっかり雪景色と化していました。
会員のお迎えが、ありがたかったです。
まず、美郷町の親子グマが逃げ込んだ現場である畳屋さんに行きました。
親子グマが逃げ込んだ畳屋さんの作業場
ちょうどご家族が外におられたので、お話を伺うことができました。
畳屋さんは、「昔からクマがいる町なのだから別にびっくりもしないが、知らずに戻ってきたら騒ぎになっていて、びっくりした。孫は町の送迎バスで送り迎えだから何も心配していない。しかし、こんなところにまでクマが出て来るのは初めてのこと。たいていは、山の中にとどまり、出てきても山の下までだったから、驚いた」とおっしゃっていました。
どのようにして親子グマがここまでやってきたのか?
親子グマの移動経路をみんなで推察
山から続く川ですが、この辺りは護岸ブロックが垂直に積まれ、川面にはアシがびっしり生えていました。子グマを連れた母グマが餌を求め川を下ってきたものの、川から陸へ上がることができなくて、ようやく上がれた場所がこの集落だったのではないかと皆で推察しました。
両岸に護岸ブロックが積まれた川
この後は、山裾まで行き、クリの木にできたクマ棚を見たり、クマが出てきた場所を数か所視察したりしました。
雪の中のクマ棚
最後は、近くの集会所で、秋田の皆さんと話し合いました。
お父様が猟師の方、栗林を再生されている方、秋田に移住して2年目という方、林業をされていた方や農業をされている方など、様々な方がお集まりくださいました。
会長の話に聞き入っておられた秋田の皆さん
参加されていた皆さんも、今年のクマ大量出没について心配されていて、いったい山で何が起きているのか、この状況を何とかしたいとおっしゃっていました。
来年になったら、お怪我された方や、被害農家のみなさんを訪れる予定です。
クマ問題に27年間取り組んできた自然保護団体として、熊森は秋田の行政や県民の皆さんに精一杯寄り添って、来年からはクマを殺さず、クマと共存できるよう、これまで培ったノウハウを提供していこうと決意しています。(完)