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(本部)兵庫県井戸知事に、クマの個体数調整を導入しないよう意見書を提出

<兵庫県第3期ツキノワグマ保護管理計画作成に当たっての意見書>

昨年度お会いした折、クマの人里出没問題を、できる限りクマの身体及び生命に負担をかけない方法で解決するのが望ましいという人道的判断をお示しくださったことに、感謝しております。

クマなどの野生鳥獣とかれらの棲む豊かな森を未来永劫に残すことに成功するために、第3期ツキノワグマ保護管理計画作成にあたって、以下のことを考慮してくださるようにお願いします。

(1)個体数調整名目の捕殺を取り入れないこと

研究者や捕獲業者は、個体数調整の導入を主張しますが、自然界では、野生動物の生息数は増減を繰り返しながらバランスをとっていきます。人間が捕殺により野生動物数を思い通りに一定数に保つことなど、元来不可能なことで、終わりのない泥沼の事業となります。共存は、棲み分けによる不干渉によって初めて実現できるもので、何の問題も起こしていないクマまで山の中で捕獲して、個体数調整名目で捕殺するのは残酷です。真の共存とは程遠いものです。個体数調整は、人道上からも絶対に認めないでください。

(2)現行の捕殺に至る4段階を、以前の5段階にもどす

昨年度のクマ70頭もの大量捕殺は衝撃でした。捕殺理由を入手し、全頭について読ませていただきましたが、この程度のことでなぜ殺さなければならなかったのか、理解に苦しむものがほとんどでした。

昨年度の反省の上に立って、今後、安易な捕殺が2度と行われないよう、現行の捕殺に至る4段階を、以前の5段階にもどしてください。

(3)イノシシ捕獲用檻のクマスルー化を徹底する

昨年度、イノシシ檻に誤捕獲されて放獣されたクマが、111頭もの多数にのぼっています。これは、兵庫県がイノシシの捕獲用檻のクマスルー化を徹底させていないことが原因です。費用対効果の面からも、イノシシ檻のクマスルー化を徹底させるための予算をつけてください。

(4)全く進んでいない、人が壊したクマ生息地の森の復元・再生を、早急にすすめる

クマ生息地の人工林率はどこも高く(宍粟市73%、朝来市66%、養父市61%、豊岡市44%など)て、人工林率40%で絶滅に向かうと言われるクマには、棲みづらい限りです。兵庫県はこの10年で人工林面積の3分の1を間伐したことになっていますが、2割という弱間伐だったため、現地林内はほとんどが砂漠化したままで元の木阿弥、下草すら生えておりません。5年間にわたる緑税の野生動物育成林事業も、餌場づくりにはなっておりません。動物が山に帰れる森造りを、至急進めてください。

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