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兵庫県が、クマ激増と世論誘導?何のために? 9月17日 「但馬クマシンンポジウム」養父市
9月17日、兵庫県民局と兵庫県森林動物研究センターの主催による「但馬クマシンポジウム」が、養父市の県立但馬長寿の郷で開かれました。来場者約180人は、ほとんどが地元農家という感じの高齢男性で、女性は数名だけでした。神戸の時と同じように森林動物研究センター研究員(兵庫県立大学)らによる発表が続きました。
「クマを取り巻く但馬の自然環境」では、研究員が、地元にもかかわらず、また、「この60年間に、兵庫県では、アカマツ林や荒れ地がどんどんとコナラなどの広葉樹林に植生変化し、クマの生息環境がとてもよくなった」旨の発表をされました。神戸の時は、参加者が都会の人たちだったので、山を知らないため、ふーんという感じでみなさん聞いておられましたが、地元であれをやったら、みんな山を見てきたし今も見ているから、ずっこけちゃうだろうなと思っていました。
この研究員は、神戸の時と同じことを発表されました。しかし、みんな黙って聞いておられました。なぜ?なぜ?地元のみなさんは、クマたちがかつて暮らしていたブナ・ミズナラ林が戦後広大に伐採されて、スギの人工林に変わり、内部が砂漠化してクマが棲めなくなっていることを知っておられるんじゃないんですか。地元の方たちは、大学の研究者が発表されたから正しいと思われたのでしょうか。それとも、地元の人も、今はもう山がわからなくなっておられるのでしょうか。アカマツ林がコナラ林になったのと、ブナ・ミズナラ林がスギになったのと、どっちがクマに影響を与えるのか考えてほしかったです。
散々、研究員らが「クマが年々増えていく、2000年に生息推定数100頭以下だった兵庫県ツキノワグマが、10年後の2010年には650頭(90%信頼区間は300頭~1650頭)にまで増加した(なんと、増加率20%!)」という発表をされた後で、最後にある研究員が会場の皆さんに、
「現在のクマ数は多すぎるとおもいますか?ちょうど良いと思いますか?少なすぎると思いますか?」
という3択問題を出されました。ほとんどの方が多すぎるに手を上げられ、ちょうど良いは4名、少なすぎるは1名でした。熊森は、研究員の皆さんの生息数推定の方法に、大いに疑問を持っています。数字ばかりいじっておられますが、クマは物ではなく意思を持つ高等動物です。食料のない年は、食料を求めてみんなが人里に移動します。再捕獲法などで個体数推定はできないと思います。第一、奥山の生息地を人間に破壊されたままなのに、なぜ増えることが出来るのでしょうか。
(感想)なんだか、クマ激増世論誘導シンポジウムのように感じました。それにしても、何のために?
ps:但東町のハンターと思われる方の、興味深いブログを見ました。「但馬クマシンポジウム」で検索して、お読みになってください。