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カテゴリー「_奥山保全再生」の記事一覧

福島市その4 吾妻山メガソーラー 住民団体が林地開発許可に関して市と県に質問状

福島市吾妻山の先達山太陽光発電所(事業面積約60a)は、造成工事などの進行に伴い、山肌の露出が顕著に。景観の悪化、災害発生を懸念する声が市に多く寄せられるようになっています(福島市HP先達山太陽光発電施設 特設ページ)。

令和6年6月2日には、県道(主要地方道 福島吾妻裏磐梯線)へ土砂流出また金堀沢へ濁水流入という災害もすでに発生しています。

あづま山の景観と自然環境を守る会と全国再エネ問題連絡会は、市民の多くの皆さんが大変憂慮されている景観面のみならず防災の観点からも同事業計画に問題があることから、令和7年2月20日福島県と福島市に質問状を提出し、県・市からの回答を求めました。

■福島県宛質問書
■福島市宛質問書

 

【質問の概要】

・昨年6月のNo.2、No.3調整池下流の濁流流出によって、下流河川が未整備であることが露呈されましたが、どのような認識をもっているのか。

  • No.2  調整池の下流河川の流下能力、調整池からの許容放流量の算定に重大な誤りがありました。他の調整池についても、同様の誤りがある可能性があります。福島県には遊水池ならびに下流河川の設計の見直しを求めますが、見直しをされますか。
  • このまま工事が進められると、下流で重大な災害が発生することが予想されます。その認識はありますか。
  • 本設工事に先行させて防災工事を行うという原則にしたがって、設計を見直し、防災工事を終えるまで、本設工事を中止することを求めますが、どう対処されますか。
  • 防災対策の内容を見直し、希望する住民に住民説明会を開催してください。

以上、専門家の意見や調査に基づき、具体的に問題提起し、計画の見直しなどを求めます。

 

公開質問状を提出後、福島県庁で記者会見を行いました。

熊森から

 

春からパネル張りが予定されている先達山メガソーラー事業に関して、今回、専門家が事業計画書の調整池の下流河川の流下能力、調整池からの許容放流量の算定に重大な誤りを見つけ、指摘しました!
工事を止めて、まずこの問題を解決するのが先でしょう。
全国の心あるみなさん、市や県の回答に注目してください。

保安林の解除事務迅速は消せたが風力更に推進、第7次エネルギー基本計画2月18日閣議決定 

2月18日、資源エネルギー庁が作成した「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。今後3年間、わが国はこの計画に沿ってエネルギー政策を進めていくことになります。(注:法律ではないので国会での審議なし。)

 

この計画は、資源エネルギー庁(エネ庁)が原案を作り、審議会等で学識経験者たちが審議した結果です。

 

2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量ゼロ)をめざしてまっしぐらに、再生可能エネルギーや原子力発電を増やしていく内容になっています。これまであった「原発依存度の可能な限りの低減」との文言が削除されていました。

今や欧米では、脱炭素政策に対する弊害にも着目し、脱炭素だけを追求する方向性は見直されてきていますが、日本は見直さずに今後も猛進するようです。遅れ過ぎです。

以下、図表はクリックで大きくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エネルギー基本計画案自体には、様々な問題があります。その中でも奥山水源の森の保全・再生活動に取り組んできた熊森が最も強い危機感を持ったのは、陸上風力の項の、「保安林の解除にかかる事務を迅速に実施する」という1行です。これは、保安林解除を迅速に進めるための規制緩和に着手することを意味しているからです。

 

一方、風力発電事業者の業界団体である一般社団法人日本風力発電協会は、昨年12月に「第7次エネルギー基本計画に向けたJWPAの提言」を公表し、その中で風力発電事業について、森林法の「公益上の理由」による保安林解除を認めるよう要請していました。

 

保安林は、水源涵養をはじめとする大切な役割を持つ森林故に、伐採や開発に一定の規制がかけられています。大規模風力発電建設の計画地は保安林であることが多く、これによって森林伐採に歯止めがかかり、計画が止まったり、大幅に遅れているものがたくさんあります。

 

熊森を初め、全国再エネ問題連絡会に参加している団体や住民は、各地で、保安林では風力発電事業を進めないようにと大奮闘中です。

 

こんな中、保安林解除手続が規制緩和されると、事業が一気に進んでしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

環境影響評価(環境アセスメント)手続中の陸上風力発電が次々と着工するようになれば、日本国民は大切な水源の森を失ってしまいます。山から土砂が流出します。クマを初めとする野生動物たちはもう山で生きられなくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは、保安林の解除の迅速化、この1行だけは絶対に基本計画に入れないでほしいと、エネ庁に文書で申し入れたり、各地方の経産局での説明会に出かけて行って訴えたり、パブリックコメントで意見を出したり、もう、必死でした。

私たちと共に声を上げてくださったみなさん、本当にありがとうございました。

室谷悠子会長らは何度も東京まで出向き、経産省、環境省、林野庁の担当者や国会議員のみなさんたちに会って、必死に訴え続けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全国再エネ問題連絡会のメンバーと「真の地産地消・地域共生型エネルギーシステムを構築する議員連盟」代表の古屋圭司衆議院議員にもお会いして訴えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

省庁担当者に、なぜ保安林を解除してはならないか説明する室谷会長(左奥)

 

閣議決定された第7次エネルギー計画を読むと、「保安林の解除にかかる事務を迅速に実施する」は消えていましたが、「国土保全及び環境保全の観点を前提としつつ、保安林について、ポジティブゾーニング推進の方向性を踏まえた対応を進める」という新たな文言が入れられていました。

 

陸上風力を増やしていくために、今後、事業者は、市町村を巻き込んで、再生可能エネルギー開発の促進区域を設定し(ポジティブゾーニング)、保安林解除をめざしていこうとするでしょう。すでにそのようなことになっている地域もあります。水源の森を守るためには、保安林解除が進まないよう国民がもっともっと大きな声を上げていくことが必要です。国土保全及び環境保全の観点を前提にすれば森林破壊を伴う風力発電事業などできないはずです。

 

エネ庁の皆さんや審議会の先生方には、一度陸上風力の工事現場を視察していただきたいです。現場を見られたら、あまりの環境破壊・自然破壊に空恐ろしくなられるのではないでしょうか。現場を見ずに頭の中だけで考えるから、今回のような計画になってしまうのだろうと思います。

 

熊森は今後も国会議員や都道府県や市町村の首長さんたち、地域のみなさん、全国民の皆さんに、風力発電による国土破壊・環境破壊がどんなに取り返しのつかないものか訴え続けて行きます。皆さん応援してください。

 

宮城県で地域の風力発電白紙撤回運動に取り組んでおられる方が、ふるさとの森を守るには、国任せ、行政任せ、政治家任せではだめで、今後は日本国民も住民自治という意識をしっかり持っていく必要があると語られていました。その通りだと思いました。(完)

福島市その3 住民団体が吾妻山メガソーラー工事中止・原状回復等を求め県に請願書提出

住民団体が福島県に工事中止や原状回復を求める請願書提出

2月13日、福島市の吾妻山のふもとにある先達山で建設が進むメガソーラーについて、地元「吾妻山の景観と自然環境を守る会」が福島県庁を訪れ、工事中止や原状回復を求める請願書と、街頭やネットで募った署名8273人分を提出。多くの市民が工事をやめてほしいと思っていると訴えられました。
すでに提出した3915人分と合わせると、署名は1万2千人を超えるとのことです。
守る会は、今後も署名活動を継続するとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5か月前、県に4000名の署名を提出したのに、県は動いてくれなかった。(写真は当時の福島中央テレビ映像より)

 

動いてくれない県に動いてもらうために、今回、福島県議会に請願書を出してみたらどうかということになったようです。伊藤達也県議が紹介議員になってくださり、この度無事、請願書を提出することができました。2月定例県議会で審査されることになっています。福島県議会の今後の動きに注目したいです。
地元の守る会の皆さんが、ふるさとの山を守ろうと精力的にがんばってくださっており、熊森も本当にうれしいです。

 

福島市の動き

昨年、福島市の木幡市長は福島県庁に出向き、 県は山間部の開発許可に慎重に対応するように求めておられます。
今春4月から福島市が施行を目指して検討中の規制条例案には、メガソーラーと風力発電施設を実施できない「禁止区域」を設定し、それ以外は許可制とすることが盛り込まれています。
禁止区域はメガソーラーが市内面積の約7割、風力発電施設は市内面積の約3割に及び、砂防指定地や保安林、国指定史跡名勝天然記念物などに該当するエリアとなっているとのことです。
やっとではありますが、福島市にも山を守る流れが出きてきました。

 

福島県の動き

そもそもこんなひどい開発工事が可能になったのは、福島県がこのメガソーラー事業に林地開発許可を降ろしたからです。
福島県ではメガソーラーなどの再エネ事業建設が相次ぎ、再エネ発電能力は全国最大となっていますが、山林が開発されるケースも多く、一部の悪質業者によるずさんな工事が原因で、土砂が宅地に流出するなどの被害も各地で起きています。
これまで県は事業者に配慮して工事中止の指示や命令を受けた事業者名や開発場所の住所などを黒塗り発表にしていましたが、ことし4月以降は黒塗りをやめて、ホームページで実名公開すると発表しました。

 

 

 

 

 

 

 

これまでの福島県の林地開発違反行為台帳(NHKテレビより)

 

事業者より住民の方を大切にすべきなので、違反事業者の実名や工事場所の公表は当然だと思います。

 

遅れている日本政府の動き

2月12日のアゴラ言論プラットフォームにエネルギーと環境コンサルタントの室中 善博氏が
「米国のデータベースからみる大規模再エネ発電への世界的な抵抗の流れ」という文を寄せておられます。大変興味深い内容なのでお時間のある方は読んでみてください。

 

室中氏によると、世界各地で大規模な太陽光発電や風力発電プロジェクトが撤退や中止に至っているケースが増えてきているそうです。もはや世界の潮流は、経済的・政策的・自然環境などの理由によって、再生可能エネルギーの大規模プロジェクトの撤退や縮小という動きになってきているとのことです。

 

一方、我が国は今にも閣議決定されようとしている第7次エネルギー基本計画からもわかるように、2050年カーボンニュートラルめざして脱炭素の御旗のもと、いまだに森林破壊や地域を脅かす開発まで強引に進めようとしています。
自然破壊、環境汚染、台風や豪雨などの自然災害によるパネルの崩落や飛散、そして火災などが強烈な写真とともに発信され、再エネ事業が大きな社会問題となっている中、世界の潮流に乗り遅れ、再エネをいっそう推進していこうという日本の政官財の動きは、ほんとうに理解しがたいと室中氏は述べておられます。

 

私たちは4年前、再エネによる森林破壊の問題に直面して、地方行政の対策のなさに絶望的な気分に陥りましたが、やっと地方行政も住民の声に押され少しずつ動き出してきてくれました。希望が見えてきました。あとは、国です。
国は、水源の森を守るために、再エネ自然破壊問題を自治体任せにしないで、一刻も早く強力な規制をかけるために頑張っていただきたいです。再エネ業者べったりの再エネ利権議員のみなさんは、再エネによる水源破壊、国土破壊、クマを初めとする野生動物たちの生存地破壊の悲惨な現状を一度現地視察してみてください。(完)

第7次エネルギー基本計画(案)及びGX2040ビジョン(案)についての地方説明会・意見交換会

第7次エネルギー基本計画(案)全84ページは、政府の審議会等における議論を踏まえ、経済産業省が昨年12月にまとめたものです。

一読後の感想は2つで、GXとかS+3Eとか、一般国民には意味が分からない略語や英語が多すぎる、いったいこれはどこの国の政府の文章なのかと思います。もう一つは、再生可能エネルギーについて、何が何でも進めることしか考えていない案のように感じました。

 

たとえば、31ページの陸上風力発電の項には、「事業実施への地域の懸念を背景に、運転開始に至っていない事業が存在している。(略)導入を推進するために、効果的・効率的なアセスメントに係る制度的対応の在り方を検討するとともに、保安林の解除に係る事務を迅速に実施する」と、あります。

運転開始に至っていないのは、環境破壊や、災害誘発の恐れ、健康被害など、尾根筋風車には様々なデメリットがあるため、地域の人たちが必死に反対しているからです。
経産省はこれらの問題には一切触れずに、アセスメントを効果的・効率的にしたり、保安林の解除に係る事務を迅速に実施することで解決しようとしているのです。無茶苦茶です。

 

保安林の多くは、水源涵養目的などのために開発してはならない場所だから保安林にしているのです。水源の森を次々と破壊していけば、我が国は水源を失って、国民は生きていけなくなります。

 

昨年12月27日から今年の1月26日の間、第7次エネルギー基本計画(案)は、パブリックコメントに掛けられていました。熊森はしっかりとこれらの問題点を指摘しました。

 

パブコメが終わったと思ったら、今度は経済産業省は1月29日から2月12日にかけて、第7次エネルギー基本計画(案)及びGX2040ビジョン(案)についての説明会・意見交換会を、全国10地方の各経済産業局で順次、開催すると発表しました。
熊森会員有志は、いずれも平日開催なので仕事を休んだりして、それぞれの会場に行ったりzoomで参加したりして意見を言いました。それぞれの会場での様子が、参加者から本部に報告されてきます。

 

以下は、2月10日(月)の札幌で開催された説明会・意見交換会にzoomで参加した会員からです。

 

第7次エネルギー基本計画についての説明会が、午後15時より、北海道札幌市にてありました。

熊森の北海道支部副支部長が、山の尾根筋を削り風車たてることは、大きな自然破壊てしかなく、奥山の大切な水源が無くなると発言、札幌市地区長は、野生動物たちの住みかを奪い、また、次世代の子供たちから大切な大自然を奪う。20年後に壊れる、壊れたものは、どうやって撤去するのか、撤去費用は?などと、たずねました。

 

GXについて発言されている人もいました。

 

経産省の説明に保安林解除の話などが一切入っていなかったので、私は、「保安林の解除事務を迅速にするという話が、今日の説明に入ってなかったんですが、どうしてですか」と、チャットを入れました。

説明者の方はこのチャットを取り上げてはくださったのですが、自然環境を考えながら林野庁と、環境省アセスメントとの連携のもと行いますという答えでした。

その後、ある地域の風車を考える会の方が、陸上風力は自然破壊に繋がり、それは日本の国土破壊に繋がるため、保安林解除事務迅速にの文言は削除してもらいたいと言ってくださいました。

経産省の方は、もちろん自然環境を考えながら、地元の協力を得て、環境省のアセスや林野庁の規制緩和も受け、そういうことも踏まえて、保安林に風車を立てるということでございますとの答えでした。

そのあと、自然を考える団体に入っているという方が、生物多様性を考える世界の動きを考えると、日本の風土を残していかなくてはならない。野生動物たちに絶滅危惧種のものが多いなか、このような大型風車の設置を北海道に増やしていくということは、自然を大切にしないということに他ならないと発言されていました。

 

また、風車を考える会の方が、北海道においては、世界遺産、ラムサール条約、国立公園や保護区など自然が多く残されている。この北海道で、保安林の規制を緩和することなどあつてはならないと言われました。

 

北海道の説明会で出た意見のうち7割は、再エネ推進による自然破壊に反対の意見で、後の3割は原発に反対してきた人たちの反論で、福島原発事故以来の大前提であった「原子力依存度の低減」が削除されていたり、原発の建て替えを敷地外にも容認するなど原発回帰の内容となっているのはおかしいなどと反論する声でした。

 

計画案に賛成する人はひとりもいませんでした。

 

最後に、このような会で国民ががんばって出席して発言したことで、第7次エネルギー基本計画案が幾分でも変わる見込みはあるのかと質問している人もいました。

 

経産省の方は最後に、いろいろなことを踏まえ、経済的効果や脱炭素を考えて、クリーンなエネルギー開発に力を入れ、これからの多大な電力を補うためにがんばっていきますと発言されていました。

 

この説明会に参加して、国民から反対の意見がたくさん出ても経産省は押し切ろうとしているのでは、パブリックコメントも無視して自然破壊に突き進もうとしているのではと私は感じました。国民の声を無視して進めるやり方を問題にしていかねば、安心して住める国ならないと思いました。

再エネ推進のための自然破壊国土破壊は絶対に止めるべきです。

(以上)

 

福島市の再エネ森林破壊事業に新たな歯止めか その2 吾妻山メガソーラー 大学教授が注視団体

福島市の吾妻山山麓にある先達山に建設中のメガソーラー事業があります。熊森はこのメガソ―ラー事業に反対する「吾妻山の景観と自然環境を守る会」という地元市民団体の署名集めに協力しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建設反対の署名用紙

 

2月4日の河北新報によると、同市出身で現場近くに住む大学教授の松谷基和氏(ハーバード大学, Ph.D)が、開発で山肌がむき出しになった現状を憤り、奮起。
「先達山を注視する会」という市民団体を立ち上げ、一住民一研究者として検証を始められるそうです。まず情報を開示請求し、先達山問題の背景や構造を理解するうえで参考となる情報や文書を集積。住民はじめこの問題に関心を寄せる人々に広く提供していきますとのことです。ぜひ「先達山を注視する会」のwebサイト https://sendatsu-chushi.com/をご覧ください。

 

熊森から

福島先達山太陽光発電所について

事業者はAC7合同会社(東京)。2021年に福島県の林地開発許可を受け着工。約60ヘクタールの山肌を開発し、4万kWの発電をめざす。2025年夏、完成予定。
森林伐採が進むにつれ景観悪化などを懸念する市民の声が高まり、福島市が2023年に「ノーモア、メガソーラー宣言」を発表するきっかけとなった。
昨年6月にはむき出しの山肌から泥水が県道に流れ出る問題を引き起こした。
昨年8月、市民団体が建設の中止などを求める要望書を市民ら4000人の署名簿を添えて県に提出したが、工事は止まらない。
現在、積雪のため工事は休止しているが、雪解けとともに太陽光パネル張りが進む予定。

 

合同会社とは:2006年5月施行の会社法によって新設された法人形態で、資本金10万円から設立可能。株式会社と違い、出資者が経営を行う。1事業に特化した特別目的会社(SPC)の会社形態として、再エネ開発の事業用にたくさん設立されています。ひとたび事故でも起これば、地元補償されない可能性が高いです。合同会社に膨大な金額を出資をして利益を得るお金持ちは、責任を取らなくていいシステムになっています。

 

松谷教授の専門分野は韓国近現代史ですが、研究者が吾妻山麓メガソーラー問題に乗り出してきてくださったのは本当に心強いです。
そもそもこのような住民たちの生活に関わる大変な問題は、本来、行政が住民を守るために真剣に事業者と対峙すべきです。しかし、日本の行政は、私たちは中立ですから、開発業者の皆さんと住民の方で話し合ってくださいと逃げています。

仕方がないので何の知識もない一市民が、本業のかたわら、手弁当で自費で、慣れない法律文を読みながら、本当に涙ぐましい努力をして睡眠時間まで削って業者と対峙することになるのです。日本全国この有様です。

見かねて熊森のような小さな自然保護団体が、無償でどころか、交通費や宿泊費も自前で、自然を守ろうとする地元みなさんを応援して回っているというのが、我が国の現状です。そのため、熊森の財政はどんどん苦しくなっていきます。

 

再エネ推進は国策ですが、たとえ国策であっても、ダメなものはダメと言える完全民間の熊森のような団体がもっともっと大きくならないと、日本の自然は守れません。

ぜひ多くの国民の皆さんに、熊森協会の会員になっていただいて、熊森を支えていただきたいです。

再エネ自然破壊問題・森林破壊問題は、国民を守るために、本来は、国、都道府県、市町村が、取り組むべきだ問題だと熊森は思います。(完)

 

参考記事 政経東北2023年8月号【福島市】メガソーラー事業者の素顔

祝 準備書段階まで行っていた山形県米沢市栗子山風発計画が白紙撤回に!

今回の本部東北遠征時、米沢市の会場に「米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会(以下、考える会)の方たち5人が参加してくださり、栗子山風力発電計画をどのようにして白紙撤回に持ち込んだのか発表してくださいました。

 

山形、福島両県にまたがる奥羽山脈の栗子山(標高1217m)で、JR東日本エネルギー開発が高さ168mの風車10基、発電最大出力3万4000キロワットの風力発電事業を計画して、環境影響評価配慮書を提出したのは2019年です。

 

しかし、多くの市民はこの計画を知らず、知ったのは2023年9月の環境影響評価準備書段階での住民説明会の時でした。

環境アセスメント段階:①配慮書→②方法書→③準備書→④評価書

 

説明会で事業者が提出した内容は、実際には予定地から3キロのところにイヌワシの巣が見つかっていたのに、「国の天然記念物イヌワシの巣は、風車建設予定地から10キロ以上離れており、風車に衝突する可能性は20年に1羽未満」と書くなど、データを改ざんしたものでした。(10月にデータ改ざんが発覚)

 

署名など集めたこともなかった素人ばかりの米沢市の女性5人は、大きな自然破壊を伴うこの計画に危機感をいだき、11月に考える会を結成。今年1月から本格的に活動を開始しました。

チラシを作って配布しながら計画の白紙撤回を求める署名を集め始めました。

 

下は、そのチラシの裏面です。クリックで大きくなります。

チラシの内容は以下です。

1、イヌワシやクマタカがバードストライクにあう。

2、低周波音によって、頭痛、めまい、睡眠障害が引き起こされる。

3、尾根を削るので、山の保水力が失われ、土砂崩れや水質汚濁の危険性がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

今年3月には、考える会と市議会議員20名が意見交換会。

風車10基のフォトモンタージュを示すと、驚きの声があがりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

福島県側から見た栗小山風力発電計画

 

近藤洋平米沢市長は、市民全体を対象にした説明会を早急に実施するよう業者に求めます。
8月に開かれた住民説明会には2日間で300人~400人の住民が詰めかけました。
この説明会は、まさに、業者の不誠実さを市民の目に焼き付けるものとなりました。

 

9月には考える会が市議会に提出した「栗子山風力発電事業の白紙撤回を求める請願」が、賛成多数でで採択されました。

市長は事業者の本社を訪れ、「全面白紙撤回」を求めました。

しかし、事業者があきらめなかったため、考える会は9月末、「事業の白紙撤回を求める署名」約7000筆を経産省と環境省に提出。

 

経産省が厳しい意見を出したため、業者は(勧告により)スケジュールの大幅な遅延とコストの増大が見込まれ、事業が成り立たないことが明らかになったとして、ついに、風力発電計画の断念を発表。今年9月27日。

 

短期間の活動で、風力発電を白紙撤回に追い込んだ考える会の共同代表のひとりは、「まるで山の神様が守ってくれたのではないかと思うぐらい、ラッキ―なことが続いた」と言われていました。

 

熊森も会報発送の際、会員に署名用紙を同封するなど協力しました。熊森会員から送られてきた署名には、寄附金同封や激励の言葉などもあり、皆で感激しましたとのことでした。

10月末、考える会から、熊森にもお礼状ハガキが来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森から

5人の女性の中の一人は、学校では今、子供たちに再エネ推進を無条件でいいこと大切なことと教えているので、子供たちの中には私たちは再エネを止めた良くない人たちという見方もあることを知って、ショックを受けたと言われていました。

今は事の重要性がわかっておられない人もいるでしょうが、米沢市の森を守った皆さんは、後の世で米沢市の偉人としてきっと讃えられると熊森は思います。

 

「野生動物を環境破壊から守ろうの会 風力発電の嘘 クリーンエネルギー風力発電の闇」と名乗る人が、栗子山風力発電白紙撤回を祝って、考える会に、おめでとうの歌をプレゼントしたそうです。私たちもいっしょにおめでとうと歌ってあげたいです。

5人の女性の皆さん、本当によくがんばられました。(完)

 

 

 

9月24日奥山保全トラストと熊森が三重県大台町大森正信町長らを訪問

三重県の人工林率は64%と高率です。

 

そんな中、大台町の広大な山林676ヘクタール(池ノ谷:一部人工林を含む、父ケ谷:全山自然林)が売りに出され、当時のNPO法人奥山保全トラスト(現在:公益財団法人 奥山保全トラスト)は、何とか三重県に残された自然の森を守りたいと、全国民に寄付を訴え、2010年に見事、トラスト地としての購入に成功しました。

 

当時、ご寄付くださった方の多くは、地元を初め東京や名古屋など都市市民の皆さんで、都市の力が中心となって守った森と言ってもいいかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三重県大台町池ノ谷トラスト地

 

今回、本部は公益財団法人 奥山保全トラストの職員や、トラスト地の整備を毎年続けている熊森三重県支部の方たちと、久しぶりに大台町役場を訪問しました。

 

町長は大森正信さんという方になっていました。

大森町長は、「みなさんに大台町の水源の森をトラストしてもらって、本当にありがたかったです。中国が買いに来てたんです。」と、大喜びで私たちを迎えてくださいました。

あれから14年たっていますが、地元の皆さんに今もこんなに感謝されているのだとわかり、うれしかったです。

 

 

大森町長が私たちの訪問を喜ばれて、くまもりの森山名誉会長と固く握手(中央)

 

この日、大森町長、西尾副町長と共に、林野庁近畿中国森林管理局三重森林管理署の皆さんにも入っていただき、大台町の奥に広がる広大な久豆(くず)国有林と大杉谷国有林(どちらもスギやヒノキの人工林になっている)の今後について話し合いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大台町、奥山保全トラスト、三重森林管理署、熊森協会のみなさん

 

大森町長さんは、大台町としては全部元の天然林に戻してほしいと思っていると、森林管理署に強く申し入れられました。

昔の山や川をよくご存じの町長さんは、「昔は山から大量の清らかな湧水が湧き出し、宮川はすばらしく豊かな川だった。魚をはじめ生き物がいっぱい溢れていた。今は水量も激減。もっと水を流してくれと下流から言われるが、うちも水が必要だから、全てに応じられない。

宮川にダムを造ったことも失敗だった。ダムを造ってから、川の豊かさがすっかり失われてしまった。

宮川ダムを撤去したいと思って調べたら、ダムの部分の土地は今や大台町のものではなく中部電力のものになっており、できないことが分かった」と残念そうに言われていました。

 

広大な国有林に造ってしまった奥山人工林を今後どうするかは、林野庁の本庁が判断されるそうですが、林野庁としても地元の意向は無視できないとのことです。当面、林野庁としては国有林に至るまでの奥山道路の補修をしたいそうで、この予算が下りるのに5年ぐらいかかると言われていました。

 

大森町長さんに、「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」を手渡して別れました。後から思うと、大森町長さんは私たちが提案書に書いたことを全部わかっておられたので、手渡す必要はなかったです。昔の大台町の山や川をを知っておられる町長さんの存在は大きいと思いました。

 

 

熊森から

 

「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」について

 

<三重県のクマは保護対象>

広大で最高に豊かな森があって初めてのクマの生存が可能となります。戦後の林野庁の拡大造林政策によって、大半の山を人工林にしてしまった紀伊半島では、クマの生息は難しく、環境省は残り少ない紀伊半島のツキノワグマを絶滅の恐れのある地域個体群に指定しています。これを受けて三重県ではクマは保護対象であり、ずっと捕獲が禁止されてきました。

 

<今年、人身事故発生>

今年の8月14日夕方、音のする物を持たずに三重県の熊野古道をひとりで下山中の大阪の70代の女性がクマとばったり出会い、人身事故が発生しました。(クマに襲われたのではなく、事故です)

 

<三重県知事がクマを駆除対象にすると言い出す>

これを受けて、三重県の一見勝之知事は8月22日の記者会見で、県内のツキノワグマを「駆除の対象」に改めるよう、環境省に申し入れることを明らかにしました。知事に当選されるほどの方ですから、立派な方なんだろうとは思いますが、自然生態系の方の知識は不足のようです。

 

<知事や三重県議会議員の皆様に、三重県のためにもクマやクマの棲む森の保全・再生の必要性を伝えたい>

この日の午前中、私たちは三重県議会の大物議員を訪れ、クマのためにも人のためにも、クマを駆除するのではなく、奥山の自然再生が急務であると申し入れ、「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」手渡しました。知事や議員の皆さんに自然界の仕組みについて伝える機会を作っていただきたいです。(完)

再エネで、本当に二酸化炭素の排出量は減るのか

自然エネルギー(再エネ)が排出する二酸化炭素の量は、本当に火力発電よりも少ないのでしょうか。

科学的根拠に基づいて計算し、検証した本に、出会いました。

衝撃でした。

以下に、この本を簡単に紹介します。

 

近藤邦明著「電力化亡国論」2012年発行

全工程に於ける二酸化炭素の発生量を合計すると

太陽光・風力発電 > 火力発電!

計算式が多くて、読むのに一苦労しましたが、目を見張る内容だと思いました。

著者は、科学的根拠に基づく何冊ものエネルギー専門書を出されるかたわら、河合塾で講演されるなどして、エネルギー問題の真実を明らかにされてこられました。計算過程や専門的な内容についてお知りになりたい方は、近藤氏の著書、フェイスブック、ブログなどをご参照になさってください。(高校レベルの数学が必要)

 

 

この本には、様々な観点から、原発や再エネ発電の問題点が明らかにされています。今回は、その中から、同量の電気を得るために必要な化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の使用量について、再エネ発電と火力発電を比較計算した部分に関してのみ、計算式省略にて紹介させていただきます。

 

再エネ発電は、発電装置製造時はもちろん、発電稼働中にも日々大量の化石燃料を消費し続けなければなりません。なぜなら、太陽光パネルは夜間や天候が悪い日には発電できないし、風力発電は風が弱過ぎても強過ぎても発電できません。その上、再エネ発電は発電できている時でも常時予測不可能な変動発電量となるため、この電気を人々が使える常時一定量の電気にするためには、蓄電装置や緩衝装置が必要です。他にも、バックアップ電源として常時、化石燃料を無駄に燃やし続けておかなければならないのです。

 

(太陽光発電による日中の発電量)wクリックでグラフは鮮明に。

九州電力資料より

 

(風力発電による1日の発電量)wクリックでグラフは鮮明に。

九州電力資料より

 

再エネ発電は、延々と続く太陽光パネルや林立する風車だけではなく、国土を覆い尽くす高規格の送電網とそれを支える巨大な鉄塔建設などが不可欠となり、巨大な工業製品を次々と造って国中に設置していく必要が生じます。(日本の美しい山々は、蜘蛛の巣のように張り巡らされた高圧電線や鉄塔などの工業製品で埋まり、殺伐とした景色になってしまうでしょう。熊森泣)

 

しかも、これらの発電装置は雨・風・日光・落雷などの厳しい自然環境にさらされるため、劣化が激しく、耐用年数は10年~20年程度。蓄電装置は非常に高価な上、10年程度で廃棄物と化します。

 

トータルで計算すると、再エネ発電は火力発電よりずっと多くの化石燃料を消費することになるということです。その結果、当然、火力発電よりずっと多くの二酸化炭素を発生させることになります。再エネは、限りある貴重な化石燃料の浪費以外の何物でもないことになります。ならば、まだ火力発電の方がましです。(最近は、技術革新により、限りなく公害を出さない火力発電所ができているということです。もちろん、湯水のように電気を使う生活を改めることが一番であることは言うまでもありません。次世代にも資源を残してやろうと考えるやさしい大人でありたいですね。熊森)

 

結論

 

 

 

 

熊森から

近藤氏は、「日本では福島第一原発事故という大災害を経て、国民は脱原発を求めるようになりました。環境保護系の市民運動家たちは脱炭素、脱原発を求め、その代わりのエネルギーとして、科学的な評価を行わないまま『再生可能エネルギーならば環境にやさしいはずだ』という思い込みのみで、導入促進に向かって活動しているのが現状です。」と、言われています。

 

今の日本国の最大の腐りは、政府が決めた国策に沿った説だけが学会やマスコミによって表にどんどん出され、科学的事実に基づいた見解や論文であっても、国策に反するものは日の目を見れないような仕打ちを受けるようになっているという不公平さです。

 

熊森も人ごとではありません。28年間の活動を振り返ると、拡大造林政策や野生動物の個体数調整捕殺などの国策に異論を唱えたために、日の目を見れない仕打ちをずっと受けています。本当にひどいです。

 

科学的見解は、通常、多様であり、科学的な議論と検証を通じて、科学的知見や技術が確立されていくものです。もちろん、人間は神様ではないので、それでも間違うこともあるし、できないこともあります。それでも、様々な立場から批判的に検討するというのが、科学の発展の大前提です。。

 

事実に基づいた誠実な対論が存在する場合は、必ず並列して紹介する社会にすべきです。(昭和の時代の新聞は、まだ、対論もよく提示していたのになあ)どちらの考えが正しいのか、対論・異論を提示して、国民みんなに自分の頭で考えてもらうようにすべきです。

 

この本からは、近藤氏の誠実さや知的レベルの高さが伝わってきて、感動しました。専門家の皆さんにはぜひ、近藤氏の計算結果を検討してみていただきたです。

 

わが国は、1974年から「サンシャイン計画」と称して、多額の予算を組み、太陽熱や水素エネルギーが使えないかと研究を重ねてきました。結果、科学技術の特性や経済性から、これらのエネルギーは使えないとして、2000年に研究の幕を閉じた歴史があります。技術として、本当に使えるのか。十分な検証や技術的な課題が克服できていないものをやみくもに進めると、再エネ推進もエネルギー自給も頓挫してしまうと思います。

 

近藤氏は、他にもご著書として、何冊もの本を執筆されています。

「温暖化は憂うべきことだろうか」(不知火書房)
「誰も答えない!太陽光発電の大疑問」(不知火書房)
「東電・福島第一原発事故備忘録」(不知火書房)など。

 

近藤氏の了承を得て2021年4月のレポートを読めるように、以下に添付させていただきました。

「工業化社会システムの脱炭素化は不可能」(7ページ)

 

 

新たに続々と再エネ事業計画が出て来ている

自然エネルギー(=再生可能エネルギー。以下、略して、再エネ。ただし、エネルギーは使えばなくなるので、再生することなどあり得ません)と、美しい名で呼ばれている太陽光発電や風力発電。これらは、現在、国内外の投資家の投資対象となっており、巨大事業化されています。

 

これらの発電には、火力発電や原子力発電と違って気が遠くなるような広大な敷地と巨大な発電装置が必要です。

 

狭い日本にそのような広大な土地はありませんから、わが国では今、何をしているかというと、各地で二酸化炭素の吸収源である奥山水源の森を延々と伐採し、災害の元になる切土や盛土を施して太陽光発電や風力発電の事業を推進しています。

 

こんなことになったのは、まず、一番に2012年の「再エネ特措法」による固定価格買取制度の導入、次に、菅(すが)総理大臣が2020年10月26日の所信表明演説で、突然、日本は2050年までにカーボンニュートラルをめざすと宣言したからです。(2030年には、温室効果ガスを2013年度から46%削減することをめざすとも表明)
岸田首相も、この方針を継承して再エネ推進一辺倒です。

 

ああ、国土が壊れていく。

 

首相が宣言すると、官僚を初め国中の公務員は皆、その目標に向かって総力を挙げて突き進まねばならないようです。(最近わが国では、国会審議を経ずに突然、首相から出される方針が多すぎます)今や、国を挙げて、再エネ推進まっしぐら。新しい法律がその方向に向けて次々と作られていきます。マスコミ報道も研究者の研究も一斉にそれを後押しします。事業者は儲けたいので、大喜びしていると思います。(「再エネ特措法」により、私たちの電気代に上乗せして国民から強制的に徴収している再エネ賦課金によって、再エネ事業は確実に暴利を得られる仕組みになっています。再エネ賦課金は2011年3月11日午前、民主党政権時代の菅(かん)内閣によって閣議決定されたものです)

 

再エネ推進のために全生物の命を支えてきた水源の森を壊していいのか。
再エネ推進のために森を壊してクマなど森の動物たちが里に出て来てもいいのか。
再エネ推進のために、多くの鳥がバードストライクで死んでもいいのか。
再エネ推進のために、山が崩れて地元の人命や財産が失われてもいいのか。
再エネ推進のために、川や海に泥水が流れ込んで川や海が死んでもいいのか。

 

余りにも愚かではないでしょうか。
全生物や次世代に無責任すぎませんか。

 

次の総選挙で熊森は、日本国を守るため再エネを争点として、全候補者にアンケートをとり、結果一覧を示そうと思っています。同時に、立候補者に再エネ賦課金を見直すべきと訴えようと考えています。儲け第一で再エネを進めるのは、国民のためにならない。これは、全国の事例を見れば明らかです。

熊森は水源の森を守る自然保護団体として、2021年から、森林伐採や山の形を変えるような再エネ事業はしてはならないと、全国再エネ問題連絡会を結成し、共同代表も事務局も引き受けて、自然破壊型再エネ事業を止めようと声を上げ、動きに動いてきました。

 

経産省、環境省、国土交通省、林野庁、総務省・・・各省庁を訪れ、必死に訴えてきましたが、官僚のみなさんは国策を推進せざるを得ないようで、規制はほとんど進みません。

 

最近、ネットでは、自然破壊型再エネ事業に反対する声が少しずつ出てくるようになりました。しかし、まだまだ多くの国民は、再エネは原発よりいいだろうとか、地球温暖化を止めるためには仕方がないのではないとか、地元にお金が落ちるのはありがたいとかで、自然破壊型再エネ事業の取り返しのつかないデメリットに気づいていません。反対する声は以前よりも大きくなってきましたが、まだまだ小さすぎます。

 

今年になってからも、秋田県や岩手県をはじめ各地で祖先が残してきた豊かな森や海を破壊する新たな巨大再エネ事業計画が続々と出て来ており、熊森は水源の森を守る自然保護団体として、もう危機感でいっぱいです。豊かな自然が破壊されることや住民の皆さんの生活環境が破壊されることに危機感を持った方が集まって、声を上げ事実を伝えていくしか、止める道はないのです。熊森は、全国再エネ問題の事務局として、地域の皆さんを全力で応援しています。どのようにして事業を止めたらいいのか困っておられる方は、ご連絡ください。

 

元佐賀市長木下敏之氏のユ-チューブ動画がすごくいいです。

ぜひ見てください。

阿蘇山のメガソーラーについて(左文字を、クリックすると見れます)

福島県からまっとうな声があがった!福島民報6月30日玄侑宗久氏の文「ソーラーパネルと熊」

 

 

 

熊森から

 

福島からのまともな声をやっとキャッチできました。
このような文を掲載してくださった福島民報に感謝します。
書いてくださった玄侑宗久さんは、まっとうな方だと思いました。

 

福島の山は、メガソーラーや風力発電で、すでにズタズタです。

今後もますます脱炭素という偽名目で、巨額のもうけを狙う人たちによって森林破壊が続いていくと思います。

 

彼らは今さえ自分さえ儲かれば、日本の水源の森なんか、どうなってもいいのです。
森の動物たちが生きられなくなって困ってしまい、里に出て片っ端から殺されていても、地元の人たちがどんなに困っていてもいいのです。

 

国も大手マスコミも、みんな彼らとつながっています。ならば、利権のない一般国民が組織的に声を上げるしか、この国を守る方法はないのです。

 

残念ながら福島県には熊森協会の支部がないので、熊森も動けておらず、やきもきしています。本部としては、どなたか福島県に熊森協会の支部を作ってくださいと叫びたい気分です。

支部ができたら、森林破壊の止め方を伝授します。

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