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カテゴリー「北海道」の記事一覧

10月30日 安藤誠講演会 in 芦屋市・尼崎市

2018年10月30日、びっくりするような大きなオートバイに乗って、北海道釧路の鶴居村から、くまもり新顧問の安藤誠氏が兵庫県まで来てくださいました。

 

この日、昼は芦屋市で、夜は尼崎市で、日本熊森協会本部主催の講演会「安藤誠の世界」が持たれました。

昼の部

 

安藤氏は、プロのネイチャ―ガイドとして北海道やアラスカの原生的な自然をガイドされているだけではなく、アメリカのスミソニアン博物館で今年動画部門でグランプリを獲られたプロの写真家でもあります。

 

昼の部と夜の部では、全く違う内容でした。どちらもとてもよかったです。

安藤氏は何日間話しても尽きないまでの膨大な話す内容を持っておられ、会場の人達に合わせて語っていかれます。

今回は熊森協会主催の講演会だったので、熊森に合わせたお話を用意してくださり、私たちにとってはとても贅沢な時間でした。

 

夜の部

 

熊森の顧問を受けてくださったのは、熊森が21年間運動し続けているという継続への信頼(安藤氏流の信頼できる人=継続している人)や、権力に取り入ろうとしない姿勢を評価されたからです。

 

安藤氏は、検閲のないネットの世界が広がって、インチキ情報が渦巻く人間社会となってしまっている現在に大変な危機感を持っておられ、ヤラセが一切ないすべてが本物の自然界を垣間見ることによって、人間の嘘・社会の嘘を見抜く力をつけてほしいと強調されていました。

 

自然界で生き物たちは皆一生懸命生きており、人間と同じように豊かな感情があり、個性が全て違う。ずっとみていると、いとおしくてたまらなくなる。生き物たちはお金や権力とは無縁で、人間の100倍も1000倍もピュアに生きており、私たち人間に、人生で何が一番大切なのか(お金や地位ではないよ)を教えてくれるという話には感動しました。

 

予備校の人気講師だったというだけあって、語りは人をひきつけます。写真や映像には魅せられ、本当に癒されました。

原生的な自然や生き物たちの話の中に、強い意志や確固とした哲学がこめられており、参加者のみなさんは口々に、もっと聞いていたかったと言われていました。

 

小さい頃からお母様が心配になるほどヒグマにとりつかれ、深い愛情を持ってクマを守りたいと思われてきた安藤さんですが、プロの手になるきちんとした狩猟は認められます(彼自身は狩猟をしない)。その点が、私達熊森本部には理解できなくて、講演終了後、質問してみました。そうしてわかったことは、私は日本人ではなく北海道人ですと安藤さんが言われるだけあって、北海道の人はアイヌの狩猟採集文化(縄文タイプ)の影響を強く受けておられ、私たち熊森本部の日本人は、稲作漁労文化(弥生タイプ)の影響を強く受けているということです。納得しました。どちらにしても、自然への強いリスペクトという点では、連携できると思いました。

 

クマなんかいない方がいいという人には、自然は全てつながっているのでクマだけを切り取れないことを伝えるべきだと教えていただきました。アイヌ語でヒグマを表すキムンカムイは、「豊かなる山の神」の意と一般に説明されていますが、本来のキムンカムイの意味は神々の中の一つの神を指しているのではなく、アイヌの自然観では、ヒグマを失うことはかけがえのない自然全てを失うことなのだそうです。それほどクマは重要なものだということです。アイヌの自然観を勉強してみたくなりました。

 

安藤さん、お忙しくて全ての講演依頼には応じられない状況の中、兵庫県で私たち熊森のために講演してくださって本当にありがとうございました。

 

まだまだ教えていただきたいことが山のようにたくさんあります。今後とも、よろしくおねがいします。

 

 

かわいそうと思う心をとりもどそう 島牧村 罠の中でおとなしくしているヒグマを山に運び射殺 

9月になって北海道島牧村に連日出没していたヒグマが箱罠にかかり、9月30日、罠ごとトレーラーで山に運ばれて射殺されました。

せっかく山まで運んだのなら、射殺ではなく放獣してやれなかったのでしょうか。

体長約170センチ、体重100キロの4歳から5歳くらいの雄グマだったそうです。

 

写真は、北海道新聞デジタル版より

 

熊森から

私は、このヒグマの目と顔が、脳裏に焼き付いて離れません。

人間を疑うことを知らない、すごく性格の良いクマだったように思います。

 

港に出て来て船の中の魚を食べたり、夜中に集落をはいかいしたりしたのは確かにいけなかったと思います。

ヒグマがうろつくことによって、人身事故が起きるのではないかと心配された方も多いと思います。

しかし、殺してしまう前に、人間の所に出てきてはいけないと、このヒグマに教育することはできなかったのでしょうか。

以前、地元のガイドが、ヒグマは人間より大きいので、人間を見るとかわいいと思って寄ってくる傾向があるので困りますと言われていました。

このヒグマも、人間という動物に、良い感情を持っていたのだと思います。

 

殺すなんてかわいそうという人はいなかったのでしょうか。

日本社会は、かわいそうという感情を、もう一度取り戻さなければならないと思います。

それは他生物の為でもありますが、とりもなおさずわれら人間の為でもあるのです。

 

船の魚を食べられるなどして、漁民のみなさんは腹が立ったと思います。

しかし、海に魚が豊かに存在するのは、奥に豊かな森があるからです。

その豊かな森を造っている生き物の一つが、ヒグマです。

人とヒグマは、持ちつ持たれつなのです。

まして、ヒグマは先住民です。

 

殺さない共存方法を探ってこそはじめて、人間は生態系の頂点に立つ資格があります。

 

 

 

 

 

信じられない! 北海道北見市 デントコーン収穫後の畑で箱罠にかかった子グマ3頭を殺処分

9月30日、北海道東部にある北見市で、箱罠にかかったヒグマの子供3頭が駆除されました。

以下、TBSニュースより

TBSNEWS、10月2日付

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3487775.html

 

子グマ3頭は親グマとはぐれたとみられ、体長がおよそ70センチ、体重が8キロほどで、今年生まれたばかりの“三つ子”とみられます。

地元のハンターによりますと、設置されたわなは通常、子グマ1頭の重さだと扉が閉まる装置が反応しませんが、3頭がいっぺんに中に入ったため、扉が閉まり捕獲されたとみられます。

地元の猟友会は近くに親グマがいないか警戒を続けています。(02日02:01)

 

熊森本部はさっそく、北見市役所留辺蘂総合支所の担当者に電話しました。

 

熊森:子グマがデントコーン畑を荒らしたのですか?電気柵は、設置されていましたか?

 

担当者:9月初めにデントコーン畑がクマの食害を受けた跡があって、調べたら十数センチのヒグマの足跡がありました。

被害を防ぐために捕獲罠を設置しました。しかし、なかなか被害は減らずでした。9月27日ごろにデントコーンは収穫されました。収穫後もヒグマがデントコーンを探しに来るのではないかと思い、その後も罠をかけておいたところ、およそ3日後に3頭の子グマが罠にかかっていました。デントコーン畑を荒らしたのは子グマではありません。電気柵は、設置しておりませんでした。

 

熊森:「北海道ヒグマ管理計画」には、●捕獲する前に被害防除対策をすることとあります。まず電気柵を設置してください。デントコーンの●収穫後は、罠を撤収すべきです。体重8kgの●子グマまで殺すなんてひどすぎます

留辺蘂の隣の遠軽町では、ヒグマの被害防止対策や追い払いに力を入れている方がいます。ヒグマがデントコーン畑へ侵入した経路を特定して、クマの通り道に数mの長さの電気柵を設置しただけで、一度電気ショックを受けたヒグマは2度と畑に入ろうとしなくなったという動画を撮影されています。

今後は、ぜひ被害防除対策をやってください。

 

熊森から

人間には人の情けというものがあるので、多くの行政は、子グマが有害捕獲罠にかかると放獣します。

今回の北見市の対応には、胸が痛みました。

 

「北海道ヒグマ管理計画」では、北海道はヒグマの数を調整する<個体群管理>ではなく、1頭1頭のヒグマの性格を見て対策を考える<個体管理>を行うことになっています。

人とヒグマが共存していくためには、まず捕殺ありきではなく、電気柵の設置や誘因物の除去など、被害防除対策を徹底していくことと、記載されています。

 

しかし、現実は、被害防除もせずにいきなり罠を掛けて、デントコーン収穫後も罠を片付けず、かかったクマは子グマであっても無差別に殺害していました。

北見市出身者でとしては、非常に残念でした。

 

北見市留辺蘂町は、北見市西部に位置する

 

みなさんも、北見市のクマ行政担当者に声を届けてください。

 

北見市役所留辺蘂総合支所 産業課 農務係

TEL:0157-42-2430 FAX: 0157-42-2500

Mail:ru.sangyo@city.kitami.lg.jp

 

p.s  北海道の良い点・・・北海道のマスコミが、捕殺も含めて、クマのニュースを写真や映像でどんどん道民に流しているのは、とても良いことだと思います。行政や地元、猟友会の方々をはじめ、いろいろな立場の方の意見も聞けます。クマの顔もアップで出るので、命を感じることができ、いろいろと考えさせられます。

 

以前、兵庫県のマスコミも、クマのニュースをオープンに報道していましたが、もう何年も前から、一切の捕殺報道が消えました。報道規制がかけられたとしか思えません。よって、兵庫県民は、クマを初めとする野生動物が大量に捕殺されていることすら知りません。今年からは、クマの目撃情報も、新聞紙上から消されました。

 

「民は由らしむべし、知らしむべからず」こんな封建時代に逆戻りの県は、他にあるのでしょうか。知りたいものです。

北海道島牧村で新たに現われたヒグマ、誘引物除去と電気柵で対応を

今夏、相次ぐヒグマの出没で揺れた島牧村でしたが、この1か月間、ヒグマの目撃も出没も収まっていました。

島牧村の位置

しかし、9月20日の朝5時と夜9時に、千走漁港の近くで、これまでとちがう新たな若いオスのヒグマの出没がありました。

その後、9月21日、22日、23日、24日、25日と出没が続いています。

島牧村の村木はブナで、村の奥には有名なブナの原生林が残っており、そこから出て来たのかもしれません。

このヒグマ、9月22日の午前0時30分、23日の午前2時、何と、接岸している漁船に乗り込んで、エビ釣り用の餌のホッケを食べてしまったのです。

 

このヒグマは、人目を避けて、夜遅くか早朝に動いています。人間を恐れているヒグマです。このタイプのクマは、人身事故を起こしません。

 

熊森本部は、さっそく島牧村の役場に電話をして、「大変だと思いますが、ホッケを屋内の冷蔵庫にしまってもらえないでしょうか。それができないのであれば、このヒグマはホッケの味をしめてしまったので、門崎允昭顧問がいつも言われるように、クマに電気柵は有効ですから、電気柵を張って漁船の防除をしてもらえないでしょうか」と、お願いしました。

 

テレビニュースでは、島牧村では今年度分のハンターの報酬金を使い果たしてしまったので、ハンターが出動できないと報道されていました。しかし、熊森が役場の方に電話でお話を聞くと、報奨金が底をついたのは本当だが、そうも言っておれないので、今後、報奨金を工面することを約束して、出動してもらっているということでした。

 

今年すでに数頭のヒグマを駆除した島牧村では、今のところこのクマを有害駆除する予定はないそうです。ハンターのみなさんは、このヒグマの侵入経路を調べたり、花火や爆竹でこのヒグマを追い払ったりされているようです。

 

25日にもクマが出て来ているようです。熊森は、今後も島牧村に電話で状況を聞き取り、適切な被害防除対策やヒグマ対応を提言していきます。

 

 

 

 

 

 

北海道島牧村出没中の若いヒグマ、殺す必要は全くないと門崎博士 北海道文化放送

連日話題になっている島牧村に出ている若いヒグマです。

人間社会の本当の恐ろしさを知らずに、連日夜間に出て来ています。(でもちょっと怖いから、夜ばかり)

島牧村では法律で禁止されている夜間発砲が検討され、猟友会はいつでも撃てる体制が整ったと言っています。

熊森顧問の門崎博士は、電気柵などの設置を進めよ。殺す必要は全くない。そのうち山に帰ると主張されています。

熊森は、この若いヒグマは好奇心が強いだけで、人間を襲う意思などゼロだと思います。

むしろ、人間に好意を持っているのでしょう。

なぜ殺さねばならないのでしょう。

電気柵や追い払いで脅かして、ここはイヤな所だなあと学習させ、山に返すべきだと思います。

 

以下はUHB北海道文化放送テレビのニュースの映像です。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00000008-hokkaibunv-hok

 

8月13日、島牧村で開かれたクマ対策会議。連日のクマ出没に、島牧村の藤澤村長は駆除に向けて警察と協議を進めていく姿勢を示しました。

 

藤澤克村長:「捕獲駆除を行わなければ住民に対する危害は時間の問題。夜間における発砲ができる環境を作っていく」

 

一方で専門家は駆除の前にすべきことがあると指摘します。

北海道野生動物研究所 門崎允昭代表:「生ごみの出し方や保管の仕方を考慮、検討すべき。出てきて困るところには電気柵を設置する。クマが1度でも電気柵に触れると2000ボルトのショックがあるので絶対その場所にクマは寄り付かなくなる」

これは遠軽町丸瀬布のデントコーン畑で撮影された映像です。クマは畑に近寄りますが電気柵を乗り越えようとしない様子がわかります。

 

専門家は現時点での駆除には慎重です。

北海道野生動物研究所 門崎允昭代表:「殺すという対策は、全く必要ありません」

利尻島のヒグマ 消息が途絶えて13日目

8月4日、天皇皇后両陛下が利尻島を初訪問されるそうです。

両陛下は、クマを初めとする生き物たちに大変お優しいお気持ちを持っておられますから、利尻島に人間を徹底的に避けて暮らしているオスのヒグマが1頭いても、何ら問題にされないと思います。

 

気になる利尻島のヒグマのその後ですが、7月12日に本島に向かい合った旭浜で糞と足跡が確認されて以降、消息はぷっつりと途絶えたままです。

利尻島ヒグマの痕跡(北海道利尻富士町役場HPより)

 

 

7月25日、利尻島の役場の担当者に電話をしてみました。

熊森:13日間も全く痕跡がないのは初めてですね。本島に泳いで帰ったのでしょうか?

役場:そうだといいのですが。確認のしようがないので、何とも言えません。捕獲罠は一応利尻島に2基用意しましたが、1回も設置していません。

 

熊森から

106年前にも本島から20㎞も離れた利尻島に泳いで渡ってきたヒグマがいたそうです。

また本島に帰ろうと思ったのか、海の中を泳いでいるところを見つかり、島民に殺処分されています。

 

もう、時代が違います。もし、このクマが罠に捕獲されたら、今度は殺さずに放獣してやってほしいと、北海道庁にお願いしました。

 

北海道庁によると、学術研究のため研究者が山中に仕掛けた罠にかかったヒグマを捕獲して麻酔をかけ、発信機を付けるなどの処置をしてその場で放獣した例は少しあるということです。

 

しかし、いったん罠に捕獲したヒグマを、殺処分せずに適当な場所に運んで放獣した例は、北海道にはないそうです。もし、利尻のクマが捕獲されたら、殺処分しかないということでした。

 

ヒグマの放獣など珍しくないカナダなどと比べると、北海道の野生動物保護は遅れているのでしょうか。

 

 

ヒグマの管理に詳しい人に、電話で聞いてみました。
以下が、その答えです。

 

ヒグマを罠で捕獲して山に運び放獣した移動放獣例は、知床では今年度はありませんが、以前、少しあります。

しかし、せっかく放獣したのに、すぐまた元の場所に帰ってきてしまいました。

北海道でヒグマを有害として罠で捕獲して、山奥に運び放獣することは、北海道ヒグマ管理計画上可能です。

そういうことができる人材は、知床財団はもちろん、それ以外にもいます。

しかし、過去に放獣例がないのは、どこの山に放獣するか、受け入れてくれるところがないからです。

 

もし、利尻のクマを有害捕獲して移動放獣するなら、箱罠(鉄格子檻)で捕獲してはだめです。

逃げようとして、ヒグマが鉄格子をかんで、歯をぼろぼろにしてしまいます。必ず、ドラム缶檻で捕獲しなければなりません。

 

次に、対岸は、宗谷総合振興局ですが、そこがうちの山に放していいよという許可を出すかどうかです。

 

カナダのような広い地域にヒグマがいるわけではありませんから、北海道では放獣先を見つけるのがなかなか難しいです。

 

 

 

 

 

マスコミが流すクマは事故やトラブルばかり 本当のクマはこんなに素晴らしい 妹思いの兄グマ

北海道の鶴居村という所に、安藤誠さんというネイチャーガイド・写真家がおられます。

熊森が購読している宮崎中央新聞で、この方の撮られたヒグマの兄妹の写真とエッセイを見ました。

以下は、その写真です。

久し振りの再会にはしゃぐヒグマの兄妹(撮影:安藤誠)

 

写真に付けられていた記事:

お兄ちゃんと妹が久し振りに偶然再会したんです。このお兄ちゃんは、お母さんや妹と一緒に暮らしている時から、とても妹思いのやさしいクマでした。

この日は、お兄ちゃんが妹を見つけて、ものすごい勢いで走ってきて、でんぐり返しをして見せたり、はしゃぎまわっていました。うれしくてうれしくてたまらない様子でした。

妹に、「おまえ、今まで何やっていたんだ?」みたいなことを兄ちゃんが言う。すると妹は、「カラフトマスもいいけど、私は山のマイタケの方が好きよ」みたいな会話をしていたと思います。2頭は抱き合っちゃってもう大変でした。ぼくたちはこの2頭を見ながら、感動して泣いていました。

親から独り立ちしたクマが、自分がこれから生きていく場所を見つけるのは大変なことです。いい場所は、もうすでに力の強いクマに取られてしまっています。そんな中で、自分の生きていく場所を、大変な思いをして必至で探し回っていたクマの兄妹の再会です。

 

野生のクマというと、マスコミは事故やトラブルだけを流すので、「クマ=危険」というイメージが日本中に広まってしまっています。

もし殺人事件のニュースばかり流されたら、「人間=危険」というイメージができあがってしまうことでしょう。

でも、いいニュースも流れるから、そうはなりません。

しかし、クマに関しては、「今日、山からクマが出てきました。とてもかわいいクマでした。」みたいな報道は、ありません。

それどころかマスコミは、ショッキングなニュースとしてクマを伝えるのが大好きですから、かたよったクマのイメージが日本中に広まってしまっているのです。

宮崎中央新聞2018年5月21日「安藤誠の世界」より引用

 

 

(熊森から)

安藤さんが野生のヒグマを識別できるのは、高性能の双眼鏡でずうっと自然界を見続けているからです。どのヒグマの鼻にはどんな傷があるかまで細かく把握されているそうです。年齢や性別をはじめ、どのクマとどのクマが家族で兄弟でなどまで、ヒグマを見ればだいたいわかるそうです。すごいですね。野生動物に対するリスペクトという点で、熊森と一致すると思いました。

 

1回クマを見ただけでは背景まではわかりませんが、安藤さんのようにずっと野生グマを見続けていたり、熊森のようにクマの保護飼育をしたりすると、ストーリーを持つクマになってきます。こうなると、もうクマを殺せません。

 

この兄グマは、もともととても妹思いの優しいクマでしたと語る安藤さんの脳裏には、この兄がこれまで妹に見せてきた数々のやさしいシーンがインプットされているのでしょう。

この地球上に生まれ来て、人間以外の動物とも心通わす人生を送る。なんと豊かなすばらしい人生でしょうか。

【利尻のヒグマ】北海道のテレビ局が門崎允昭顧問のコメントと熊森の要望書を報道 6月25日追記

北海道文化放送局が6月22日夕方のニュースで、門崎允昭顧問のコメントと、熊森が高橋はるみ知事に6月21日に提出した利尻のクマを捕獲しないようにという要望書を報道してくださいました。リンクが切れないうちにぜひご覧になっておいてください。

北海道文化放送UHB、2018年6月22日

北海道文化放送局さん、ありがとうございました。

 

みなさんも利尻のヒグマを捕獲(=殺処分)しないよう、地元行政へ声をお届けください。

利尻富士町役場 総務課 TEL:0163‐82‐1112  fax:0163-82-1253

利尻町役場 総務課 TEL:0163‐84‐2345   fax:0163-84-3553

 

捕獲許可を出した北海道庁自然環境課は、守るべき自然が何なのかわかっておられないようです。一体どんな理由で、何の問題も起こしていないこのヒグマを殺すことを許可されたのでしょうか。強く抗議したいと思います。

北海道庁自然環境課 TEL:011-204-5205   fax:011-232-6790

 

6月25日北海道庁に熊森が電話

熊森:何もしていないクマを殺処分するのは、犯罪だと思います。なぜ、捕獲許可を出されたのですか。

北海道庁:捕獲許可を出したのは、道庁の出先である宗谷総合振興局です。今のヒグマの状態で、ヒグマを捕獲することはありません。罠もかけていません。万一の事態が生じた時のために、あらかじめ捕獲許可を出しておいただけです。このヒグマが利尻の山に棲みついたとしても自然なので、島民に被害がない限り、このヒグマはそのままにしておくと思います。

利尻島のヒグマ「そっとしておいてほしい」北海道庁にくまもりが要望書提出。

6月7日付けの朝日新聞デジタルに、利尻島のヒグマの今後の対応について、捕獲も検討という記事が載り、熊森はあせりました。ヒグマ放獣体制が全くない北海道では、捕獲後は100%射殺するからです。

 

朝日新聞デジタル(6月7日)https://www.asahi.com/articles/ASL6635W6L66IIPE003.html

 

熊森本部はすぐに北海道稚内総合振興局と利尻富士町の担当者に電話をしましたが、会議中ということで出られませんでした。

利尻富士町役場で利尻のヒグマ対策会議が開かれ、道(宗谷振興局)、利尻富士町、利尻町、環境省稚内自然保護官事務所、稚内警察署、宗谷森林管理署の6者で話し合いが行われていたのです。

 

熊森本部は、このクマが捕獲(=駆除)されないよう、北海道のヒグマ研究の第一人者である門崎允昭先生(北海道野生動物研究所所長、日本熊森協会顧問)に電話をし、先生の見解を聞いてみました。

先生は、捕獲や駆除はすべきではなく、調査のためにドローンなどを使ってクマを追いかけることも避けるべきで、静かに見守るべきということで、私たちと同じ見解でした。

さっそく、熊森本部から北海道の高橋はるみ知事あてに要望書を提出しました。

クリックしたら大きくなります。

 

この日の利尻ヒグマ対策会議では、

「クマの捕獲や駆除はせず、引き続き島民や観光客にむけて警察・町・環境省でクマの注意喚起をしていく」

ということが決まったそうです。マスコミに、捕獲を考えているなど言ったことはこれまでないということでした。

道や町は、自動撮影カメラを設置し、このクマの姿をとらえようとしています。

 

利尻富士町役場には、このヒグマを捕獲したり駆除したりしないでほしいという声が多数寄せられているということでした。

声を届けてくださった皆様、ありがとうございます。

熊森本部は、今後も、利尻島のヒグマがどうなるか注目していきます。

 

 

 

 

 

 

ヒグマが生存しない利尻島でヒグマの足跡発見、地元行政は、今は、捕獲や駆除は考えていない

5月31日、利尻島利尻富士町でヒグマの足跡が発見されました。

 

【5月31日、産経新聞デジタル】

https://www.sankei.com/affairs/news/180531/afr1805310026-n1.html

 

北海道本土から20km海を隔てた利尻島まで、ヒグマが泳いで行ったのでしょうか。

 

クリックすると大きくなります

 

このヒグマはこのあとどうなるのでしょうか。

熊森本部は、さっそく利尻島行政(利尻町、利尻富士町)に電話をしました。

 

<利尻富士町の担当者>

砂浜にあった足跡の写真を北海道総合研究機構に送って鑑定してもらったところ、ヒグマであるという結果が来ました。

しかし、はっきりとした実体は確認されていません。

島民の皆さんは、普段の生活でクマを見たことがないので、驚いています。

今は、人が生活する圏内を警察とパトロールしています。

学校は、集団下校をしています。

今のところ捕獲や駆除は検討していませんが、住宅地に頻繁に出てくることがあれば状況は変わるかもしれません。

私たちもむやみに駆除をしようとは考えてません。

このまま、本土に帰ってもらうか、深い山の中でひっそりと暮らしてほしいです。

 

<利尻町の担当者>

今から106年前の明治時代にも利尻島にヒグマがやってきた記録があります。

その時は北海道本土で森林火災が多発しており、海を泳いで逃げてきたと言われています。

この時は、駆除されました。

利尻島にはミズナラの豊かな森があるので、このヒグマの食料はあると思います。

今回クマが出たのは利尻富士町ですが、利尻町でも注意喚起をしています。

 

熊森から

利尻島は北海道内でも随一の豊かな自然環境が残された島です。

本部スタッフも行ったことがありますが、クマが棲んでいても不思議ではありません。

 

両町では現在、生ごみは家の外に長時間置かないよう、ゴミの収集日に出すことを徹底しているようです。

島内ではクマ鈴が急に売れているようです。

 

【6月1日 北海道文化放送UHB】

https://www.fnn.jp/posts/2018060100000007UHB

 

島民や観光客の皆さんがヒグマと出会わないように注意していただければ、ヒグマとの事故を防ぐことができます。

 

利尻島行政には、ヒグマがまだ島内にいても、泳いで本土へ戻ろうとしても、そっと見守ってくださるよう伝えました。

 

熊森は、今後も動向を追っていきます。

 

【連絡先】

利尻富士町役場 総務課 TEL:0163‐82‐1112

お問合せフォーム:https://www.town.rishirifuji.hokkaido.jp/rishirifuji/1175.htm

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