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カテゴリー「京都府」の記事一覧

10月27日 京都府支部 桑谷山佐保の森の実り調査→良好

京都市花脊(はなせ)にある桑谷山佐保の森は、50ヘクタール。2007年に奥山保全トラストが購入しました。10月27日、京都府支部の皆さん7名が、秋の実り調査を行ってくださいました。以下その報告です。

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今回は、久多峠から入りました。樹上のドングリはもうありませんでしたが、林床にはミズナラのドングリやシバクリがたくさん落ちていました。今年の実りは良好でした。今年は、動物たちも喜んでいることだろうと思うと嬉しくなりました。アスナロの巨木たちも健在でした。(上写真右)

クリはイガだけになっており、傍らには、栗の中身がきれいに食べられ、皮だけになった実が落ちていました。クマ棚や熊の爪痕など、クマの痕跡を探しましたが、登山道を歩いた限りでは見つかりませんでした。

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ミズナラの枯死木が多くありましたが、いずれも何年か前のものばかりで、今年、新しく枯れた木は見当たりませんでした。これまでミズナラの枯死木を多くみてきて、森がなくなってしまうのではないかと胸が痛んでいましたが、今回、2~3年生のミズナラやクリの実生苗が、枯死した木の根元でたくましく成長しているのがたくさん見つかり、希望が芽生えているようで嬉しくなりました。特に、栗の苗木は無数に生えており、なぜここの苗木はシカに食べられないのか、不思議に感じました。

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イヌブナの実生稚樹

ミズナラの実生_1

ミズナラの実生稚樹

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シバグリの実生稚樹

5/17 クマたちの棲める森再生めざして、17名で初の人工林皮むき間伐88本!(京都府支部)

京都府京北トラスト地の人工林部分を、クマたちの棲める森に再生させるために、本部の応援も得て総勢17名で初の皮むき間伐に挑戦しました。

 

めざすは、頂上付近のヒノキの人工林です。ロープを伝って急な斜面を登ります。

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林内は、茶色一色。

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本部リーダーの説明や注意は、とてもわかりやすかったです。どんな小さな事故も起こさないように、心を引き締めます。

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念願の皮むき間伐、ついに京都府支部でも開始です。

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楽しいお昼と言いたいところですが、実は震えるくらい寒い日で、午後からは霧雨でした。

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88本の皮むき間伐達成!早く下草が生える森に戻したいので、がんばりました。終わってから山を降りて見上げると、あんな急で高い所に登っていたのかとわかり、自分でもびっくりしました。

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今日は、京都府支部にとって、記念すべき日となりました。指導して下さったみなさん、参加して下さったみなさん。本当にありがとうございました。いつ下草が生えだすか楽しみです。

(お知らせ) 5月19日(日) 安田喜憲先生講演  立命館大学

熊森顧問の安田喜憲先生(東北大学大学院教授)が、京都で講演されます。

お時間の都合がつく方は、ぜひ、ご参加下さい。

5月19日(日)13:00~16:40

シンポジウム3「環太平洋生命文明圏」

立命館大学衣笠キャンパスの創思館1Fカンファレンスルーム

参加申し込み・・・先着200名、シンポジウム3、住所、氏名、電話、メールアドレスを記入して、以下にお申し込みください。

r-ppc@st.ritsumei.ac.jp  5月15日締切

主催:立命館大学環太平洋文明研究センター

 

 

 

第6回 熊森 森再生活動 本部・京都府支部合同でトラスト地を整備

3月28日(木)、第6回森再生活動を実施しました。今回の参加者は本部6名、京都府支部6名、計12名で、京都のトラスト地の整備(苗木の防護ネット再設置、間伐)をしました。雨の予報がでていたのですが、みんなの想いが通じたのか、雨はほとんど降りませんでした。

作業の準備をしてから、まず、はじめに、トラスト地入口にあるシンボルツリーのカツラの木の直径を測りました。メジャーをぐるーっと回してみると、なんと幹周りが6mもありました。今や、このような巨木は森から次々に伐採され、減少する一方です。このカツラの木は、永久保全していこうと思います。

カツラの直径を測っている様子 ↓

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午前中は、冬期に外しておいた苗木保護ネットの設置作業をしました。このトラスト地に植樹した苗木は、京都府支部の方たちが、一本一本大事にしてくださってます。

シカよけネット設置の準備をしているところ ↓
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昼食の様子。 ↓  本部と支部の楽しい交流の場となりました。

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午後は、ヒノキの人工林箇所に移動し、間伐をしました。この日も京都府支部の方が発明した間伐補助器具のアシストくん、かけるゾウが大活躍しました。

伐倒方向を簡単に確認できるアシストくん ↓

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↓ 高い位置に楽にロープをかけることができるかけるゾウを使用している様子
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記念撮影。みなさんお疲れさまでした。

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今年は京都京北トラスト地の間伐計画を立て、本部・支部で協力して整備をすすめていきたいと思います。

 

追加

土壌酸性度・・・ここのヒノキ林の土壌酸性度を測定すると、pH4.2でした。驚きました。これはひどい。

 

兵庫県戸倉トラスト地でも、先日測定してみましたが、pH6.2でした。京都と兵庫、同じpHの酸性雨が降っているはずなのに、場所によってここまで違うのはなぜか、わかりませんでした。

 

 

京都府のクマたちは生きていけなくなっているのではないか

(1) クマ捕獲数の推移グラフ    (昭和43年~平成22年度)

以下は、京都府におけるクマ捕獲数の推移グラフです。白が狩猟による捕殺数で、黒が有害駆除による捕殺数を表しています。尚、このグラフには記載されていませんが、平成23年度の有害捕殺数は4頭で、平成24年度の有害捕殺数は2頭です。

現在、京都府では、クマの狩猟は禁止されています。

(グラフをクリック頂くと拡大されます)

 

 

 

 

 

 

 

ふつうこのようなグラフは、平成以降だけが提示されますが、昭和43年からが提示されていることによって初めて見えてくるものがあります。クマの捕殺合計数が激減していっているのがわかります。

最後の平成22年度は、夏の食料である昆虫も、秋の山の実りもないという異常年で、食料を求めて人里に出て来た54頭のクマが、有害捕殺されています。

この異常年を除いてみると、クマがますます激減しているようすがうかがえます。しかし、グラフの解釈はいろいろにできますから、これだけでは断言できません。

実際の京都のクマの生息地を訪れてみました。

 

(2)芦生原生林五波峠 (2012、11、7)

少し前まで人間の背丈を越えるササで覆われていた林床ですが、温暖化で枯れたり、シカによってきれいに食べ尽くされたりして、原生林が、まるで都会の公園状態になっていました。臆病なクマは、姿を隠せなくなったこのような所には棲めません。

広大な山が公園状態 → ここではもう臆病なクマは棲めない。

 

 

 

 

ナラ枯れで枯れたミズナラの巨木が、撮影地点の周りを見回しただけで約30本倒れていました。1本の木で、1万個ほどのドングリが実っていたと予測されますから、クマたちは冬ごもり前の食い込み用食料を、もはや原生林で以前のようにはとれなくなってしまっています。

下に生えている緑色の植物は、エゾユズリハやヒメユズリハで、毒性があるため、シカが食べません。

→ ここではもうクマが棲めない。

 

 

 

 

 ほとんどのスギの木に、クマハギの跡がありましたが、最近のものはゼロでした。

→ ここには、もうクマがいない。

 

 

 

 

 

 

ここの原生林には、クマの痕跡はゼロであるばかりか、他の動物たちの痕跡もほとんどありませんでした。2012年度はここでは、シバグリ、ミズナラ、コナラのドングリは、並の下ぐらいの出来で、1平方メートルに30個ぐらい落ちていました。そこそこ落ちているという感じでしたが、食べに来ている動物がほとんどいませんでした。テンの糞がたった2ヶ所、シカの糞が少し。シカも、ここで食料を食べ尽くしたので、里の方へ移動しているのではないでしょうか。トガリネズミの掘った穴2ヶ所。あとは何もない山でした。アカネズミ、ヒメネズミ、ヤチネズミの巣穴見つからず。

クマノミズキを食べたテンの糞。

(クマがクマノミズキを食べると、種子まで噛み砕く 。)

 

 

 

 

 

 

 

<考察> 人工林、ナラ枯れ、昆虫謎の消滅(温暖化?)、シカの食害・・・本来の安心して身を隠せた奥山生息地と食料を失ったクマたちに今必要なのは、

研究者や業者が主張しているような、クマの出没予防専門官の育成でも、「野生動物管理システム」という名の捕殺を含めたクマいじくりまわしでもなく、「昆虫がいて下草の生えた森を取り戻す森復元・再生事業」であると、熊森は思います。

 

さらに大事なことは、人間が1歩も2歩も下がって、彼らの生息地に入らないようにすることです。平地をすべて取った人間は、奥山だけでも、動物たちに返しましょう。これが、21世紀に人類が生き残る唯一の道です。

 

京都府行政は、今年、クマの目撃が多かったにもかかわらず、捕殺を2頭と、最少に押さえておられます。自然保護団体として、熊森は、京都府のクマ対応を高く評価します。

 

京都府がツキノワグマ保護管理計画(第3期)パブリックコメントを募集 提出期限2月10日

平成24年4月1日から平成29年3月31日までの計画です。

詳細は、京都府庁のホームページから取れます。人間の命、すべての生き物の命を次につなげるために、国民が勉強し、声をあげていきましょう。

特定鳥獣保護管理計画に係る意見募集について-京都府ホームページ

8月20日(土) 第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」(京都)のお知らせ

8月20日(土) に立命館大学、及び、森びとプロジェクト委員会主催の、第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011」が立命館大学朱雀キャンパス「大講義室」にて開催されます。午前中は建勲神社鎮守の森のナラ枯れと防除方法を現地で見学し、午後はキャンパスで質疑・討論会。共に参加費無料です。現地視察をした上で意見を交わし合える貴重な機会ですので、ご家族ご友人をお誘い合わせの上、是非ご参加ください。熊森本部も参加します。

スケジュールは以下の通りです。
チラシ

10:00 建勲神社鎮守の森観察会(定員100名・要申込)
12:00 昼食・移動
13:00 開会あいさつ・来賓あいさつ
13:15 質疑・討論
テーマ:みんなの知恵でナラ枯れ防止!
■座長
岸井成格氏 (森びとプロジェクト委員会理事長)
■アドバイザー
青木淳一氏 (横浜国立大名誉教授)
小川眞氏   (大阪工業大学客員教授)
小林正秀氏 (京都府立大学特別講師)
京都市代表
■アシスタント
高橋佳夫氏 (森びとプロジェクト委員会副理事長)
16:50 フォーラム宣言(案)採択
17:00 閉会あいさつ
17:30 懇親会(希望者・会費制)

森びとプロジェクト委員会 連絡先
電話 03-5692-4900
メール info@moribito.info

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