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2014-01

政府は今国会で、さらなる狩猟の規制緩和に向けた捕殺一辺倒の「鳥獣保護法改定案」を提出

1、罠猟網猟の免許取得年齢  

 現行 20歳以上 → 18歳前後の適切な年齢に引き下げる。

 

2、狩猟可能時間帯        

  現行  日の出から日没 → 都道府県や国の事業に限り、24時間、銃の使用可能。 

 

3、捕獲者              

  現行 ハンター  → 捕獲等を行う事業者の認定制度を創設し、効率的な捕獲をめざす。

 

<以下、新聞報道から>

各地で野生のシカやイノシシが急増し、農作物の食害や貴重な生態系への影響が広がっていることを受けて、環境省の諮問機関である中央環境審議会は、1月27日、生態系や農林業に被害をもたらすシカやイノシシの駆除を進めるため、民間の専門業者や団体に、捕殺してもらう制度を新設することを大筋で了承した。

環境省は、1999年に導入した個体数調整から、さらに捕獲を強化し、積極的な鳥獣管理(=鳥獣補殺)へ政策転換する。

 

熊森から

今でも、わが国には狩猟監視員制度がなくて違反狩猟が横行しているのに、18歳狩猟者、24時間銃OK、利潤第一の民間業者に補殺を任せる・・・日本の野生動物は、人間に命をもてあそばれて、もう生きていけなくなる。人間には、こんなことをする権利など絶対にない。

地球は人間だけのものではないし、人間に自然生態系のバランスをコントロールする力などない。

 

 

 

 

ヘルプ

 

くまもり新年の誓いは、この国の奥山の風景を変えてみせる(=自然林にもどす)  

自然生態系は、絶妙のバランスの上に成り立っています。

シカ増加問題に関して、まるでシカに問題があって勝手にシカが増加したように、環境省はとらえておられるのでしょうか。

環境省は、ハンターを増やしたり、民間捕殺会社を創設したりして、シカを殺せばシカ増加問題が解決するかのように、次々と殺害強化法案を出し続けていますが、そんな単純な問題ではありません。

各地の山で、キツネ、ウサギ、ネズミなど、多くの野生鳥獣たちが激減している問題の方は、どうされるおつもりでしょうか。

 

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食料がなく動物が棲めないスギ人工林を除去中(遠景)静岡県

 

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上記写真の(近景拡大)静岡県2013年11月撮影

 

シカ増加問題は、人間が、戦後、自然を大破壊した結果、自然生態系がバランスを壊してしまったのが原因だと、私たちはとらえています。

シカも人間の自然破壊の被害者なのです。

自分たち人間がしてきたことを隠し、物言えぬ生き物たちにすべての罪をかぶせるやり方は、銃によってこの地球上で最強となった人間として、この上もなく卑怯であり、いじめの最たるものです。

環境省は、どうして、根本原因である、破壊し過ぎた山の自然林復元に、林野庁が乗り出してくださるようお願いしないのでしょうか。

 

殺すだけでは解決しない、シカ増加問題。今こそ、壊した自然の復元を!

(阿仁移送ヒグマ速報) メスは無事、全頭冬籠りに入る

阿仁クマ牧場では、移送された19頭のヒグマたちをすべて個室に入れ、多めの餌を与え、様子を見ていたところ、メスからだんだん食べなくなって冬ごもりに入っていったということです。

オスの方は元気に食べ続けていましたが、5日ぐらい前から食べなくなってきたので、大量のワラを入れたところ、次々と、うとうとしかけているそうです。

今まで、冬ごもりさせてもらったことのないクマたちですが、環境が整えば、冬ごもりに入るのですね。

阿仁の飼育担当者から、電話で報告を受けました。クマたちに対する愛情が伝わってきます。

 

尼崎市の小学校1・2・3年生に、今年もくまもり環境教育を実施

 

1月15日に、兵庫県尼崎市内の小学校で、くまもりの環境教育をさせていただきました。

この小学校は、毎年くまもり環境教育部を呼んでくださっています。今年で12年目!となります。

今回の授業は、1年生・2年生『もりとどうぶつ』、3年生『森と人間』です。

くまもり環境教育部の10人で授業に臨みました。

 

まず2年生

この学年は、去年もくまもりの環境教育を受けてくださっています。去年のプログラムを踏まえて、さらにステップアップした内容の授業を企画させていただきました。

テーマは<森と動物の支えあい>

去年は、動物たちが森の恵みを受けて暮らしていることを学んでもらったので、今年は反対に、動物たちが森にしている「お返し」について学んでもらいました。行き過ぎた人工林化によって、動物たちが日本の山で生きづらくなっている問題について、子供たちは、「動物と人間が住み分ける」「山に動物の食べ物を植える」「自然の森を取り戻す」等、たくさんの解決策を考えてくれました。

次は1年生

クマの食べ物クイズや紙芝居「どんぐりのもりをまもって」を通して、動物は森から食べ物をもらって生きているということを伝える内容です。食べ物クイズでは、みんな元気いっぱい、笑顔いっぱいに手を挙げてくれました。

一方、紙芝居が始まると、子供たちは、とたんに真剣なまなざしに。子どもたちが集中して参加してくれている様子に、私たちもやりがいを感じました。

最後は3年生

自然の森と人工林とを比較しながら、森のもつ力を「生き物」「土」「水」「木材」の4つの観点で見ていきます。

自然や環境に興味を持っている子も多く、自分で勉強したことを一生懸命伝えてくれました。さすが中学年。大人びた意見には驚かされました。

木の根っこ比べでは、「おお~」とどよめきの声。視覚的な授業の大切さを実感します。

環境教育を終えて

今回、環境教育部の新メンバーもたくさん行かせていただきました。今年も、子どもたちから大きな元気をもらい、楽しい一日となりました。そして、たくさんのことを学ばせていただきました。

森や自然と直接かかわる機会の少ない現代っ子に、日本の森や動物たちの現状や人間とのつながりをもっともっと伝えていかねばならないと、改めて思いました。

今回の環境教育では、子どもたちの中に‘知ることの楽しさ’が見えたように感じます。

子どもたちの「もっと知りたい」を生み出し、「もっと知りたい」に答えられるような授業を目指します。

この小学校は『伝える力』の向上に努めているとのことで、子どもたちが活発に発言してくれ、すばらしい学校だと思いました。

毎年、環境教育の機会をいただけていることに、心から感謝です。関係者の皆様、ありがとうございました

 

<くまもり本部環境教育チーム定例会のお知らせ>

環境教育部は、毎月第1土曜日午後13時半から、西宮市の本部事務所にて定例会を開いております。

次回は、2月1日(土)13:30~です。

現在は‘水’をテーマにした新プログラムを考案中。初めての方でも大歓迎ですので、どうぞ、お気軽にご参加ください。

 

環境教育部の練習風景

 

 

祝  最後のヒグマ、ビッグ無事、阿仁クマ牧場新施設へ 八幡平ヒグマ全頭無事故で移送完了 1月8日

●<秋田県八幡平クマ牧場ヒグマの、阿仁移送に関する報告>

 

最後まで移送用檻に入ってくれず、八幡平クマ牧場の関係者の皆さんをてこずらせていたビッグですが、おかげさまで1月8日、無事、移送できたということです。

 

昨年12月下旬、食べ物を入れた檻を獣舎にドッキングさせて、八幡平クマ牧場最後の1頭となったビッグが檻の中に入ってくれるよう、スタッフの皆さんは何度も試みてくださいました。

しかし、賢いビッグは用心して、後ろ足を獣舎の餌箱固定金棒に引っかけて、全身と腕を思い切り伸ばして檻内の食べ物を取って食べ、全身が檻に入らないようにします。

そこで、年末の12月30日に、ビッグが足を引っかけられないように、県庁職員さんが獣舎の横金棒を切り取ったところ、ビッグは、檻にすっぽり入ってくれました。フーッ。

 

さて、そこからがまた大変です。次回移送予定日は、お正月明けの1月8日なのです。それまで八幡平クマ牧場の移送檻内で元気に生きていてもらわねばなりません。

関係者の皆さんで、檻の周りに風が入らないようにべニア板を張り、ブルーシートもかけて、藁も入れました。

元八幡平クマ牧場経営者の長崎さんや県庁職員さんら関係者の皆さんは、大変な積雪の中、冬休み中も毎日、吹雪にもめげず、入れ代わり立ち代わり、遠くて不便な八幡平まで、ビッグのために水と餌やりに通ってくださいました。移送檻内に藁を入れてやったためか、檻の中はビッグの体温で温かくなっていたそうです。

 

1月8日当日、ビッグは、阿仁クマ牧場に着くと、今度は自らさっさと歩いて出て、あきれ返る人たちをしり目に、自分の新築冬籠り室にスポッと入ったということです。かくして、全頭移送、無事終了。

 

年末までに移動を終えていたヒグマ先発隊18頭は、みんな元気で、うとうとし始めているとのことです。初の冬ごもりとなるかどうか、今後の報告を待ちたいと思います。

 

それにしても、大変な積雪の中、19頭のヒグマ全頭を、阿仁クマ牧場新施設まで、完全無事故で移送し終えた、長崎さんや秋田県庁職員及び関係者の皆さんの技術の高さには感服させられました。

 

全員が心を一つにして、雪の中、無事故を決意し、真剣勝負の移送を遂行されたということです。

 

1年8か月の長きにわたって、壊れそうな老朽獣舎の中で27頭のクマたちの命を預かり、無事、新施設に送り届けるまでお世話してくださった皆さんのご苦労はどれほどのものだったろうかと思うと、頭が下がると同時に感謝でいっぱいです。

関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

 

また、クマたちがこのような幸せな結末を迎えられたのは、「八幡平クマ牧場クマ基金」を始め、全国の団体や個人からの支援があったからで、これらがなければ、全頭の命を救うことなど不可能だったと、長崎さんの弁です。

ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございました。やりましたね。

これで、「八幡平クマ牧場クマ基金」の会計報告は、近いうちに出せます。今、しばらくお待ちください。

 

<メディアの皆さんへ>

1年8か月前、死者2名射殺熊6頭の痛ましい事件と、残されたクマたちがどうなるのかという報道が当時、全国ネットで大々的になされました。

多くの人たちが胸を痛めたままになっていますから、ぜひ、秋田県知事をはじめ秋田のみなさんのやさしい対応によるハッピーエンドを、国民の皆さんに、報道してあげてください。

 

 

 

 

 

1月6日締切 経産省資源エネルギー庁が新しい「エネルギー基本計画」に関するパブリックコメントを求めています。

新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた御意見の募集について

 

 

素案のなかみ)

福島の事故を真摯に反省し、原発依存度は限りなく少なくすると書いてはいるものの、2大柱は以下。

①原発は「重要なベース電源」とし、輸出を推進。新増設の比率は明記しないが、将来に含みを残している。

 安全性が確認された原子力発電所については、再稼動を進める。

②使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル計画も引き続き推進する。

 プルサーマルやもんじゅは、原発先進国の欧米でも放棄された技術です。

 

国民の声を、簡単でいいので、経産省に届けましょう。書くのは、名前と意見だけでいいそうです。

 

疑問

名前と意見だけだと、そういう人物が実在するのか、本当に本人が書いたのかという確認ができないのではないか。経産省担当課に問い合わせると、そういうことは確認するつもりはないという答えでした。これでは、民意を正しく把握できません。そもそも、民意を聞いてどうこうしようと思われていないのか、自分たちで組織票を投じて民意を作り上げようとされているのか、どちらかではないかと疑ってしまいました。

 

平成25年12月6日(金)~平成26年1月6日(月)【必着】

意見提出方法等日本語で書くこと。

 

①e-Govからの御提出
「パブリックコメント:意見募集中案件詳細」画面の下にある「意見提出フォームへ」のボタンをクリックし、「パブリックコメント:意見提出フォーム」の入力様式に従い提出して下さい。

 

②FAX での御提出
意見提出様式(別添)に、お名前と御意見を御記入の上、03-3501-2305 宛に送付してください。

 

③書面での御提出
意見提出様式(別添)に、お名前
と御意見を御記入の上、下記宛先に送付してください。
<宛先>
〒100-8931
東京都千代田区霞が関1-3-1
資源エネルギー庁長官官房総合政策課
パブリックコメント受付担当宛

北海道庁、初のヒグマ保護管理計画案にパブリックコメント募集中  締め切り1月6日

 

パブリックコメントの締め切りは16日です。パブリックコメントをがんばって書いても、権威のある方々が作られた案ですから、基本的に案が変更されることはありません。国民の皆さんは、期待しないで応募してください。

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/yasei/yasei/bear_plan_boshyuu.htm

 

(熊森から)

●保護管理計画案は、初めに殺すありき

ちなみに、行政言葉で管理というのは、殺すという意味です。しかも、保護で殺すというのは、殺すことなのです。(注:一般国民には、行政言葉が理解できないと思います。さすがに環境省は、今後は保護という言葉を削って、管理という表現にするそうです。昔、環境省は、野生動物を守るところだったのではないかと思いますが、今は、180度転換しており、野生動物を遊びやスポーツとして殺すように指導しているところです)

人間は、殺さない対応策を考えるべきです。保護管理計画というのは、野生動物を殺し続けないと、人間は野生動物たちと共存できないという間違った考えにとりつかれている人たちが、作った案です。(とりつかれているのではなく、そういうことにしておこうと思っている人たちかも知れません。)

ちなみに、ヒグマの方は、決まりを守るし、人間を殺そうなどとは思っていません。一方、人間は初めから、ヒグマを殺そうとしています。これは、共存ではなく、いじめではないでしょうか。

 

この素案によると、過去のヒグマによる人身事故例は、以下のように記されています。

 

<人身被害>

—記録が残る昭和30年から平成25年10月末までの58年間に、132人がヒグマによる人身被害を受けており、うち50人が死亡している。昭和37年以降の人身被害について被害者別に分けると、最も多いのがヒグマの狩猟や有害駆除の際に逆襲に遭ったもので、全体の42%を占める。狩猟者以外の一般人の被害で最も多いのは、山菜取りやキノコ狩りの際に発生したもので、全体の23%を占める。—

 

(再び熊森から)

●ヒグマによる年平均死者は、0.85人で、ヒグマによる人身事故のトップはハンターに対するもの

ヒグマは人を殺すという怖いイメージが広められていますが、ヒグマによる年間死者は意外と少なくて、0.85人、年に1人あるかないかです。しかも、その約4割が、ヒグマの狩猟や有害駆除の際にハンターが逆襲に遭ったものということで、人間がヒグマを殺そうとして先に手を出したのですから、これをヒグマ被害と呼ぶのは間違っていると思います。ヒグマにすれば正当防衛です。せいぜい言っても、ヒグマによる人身事故まででしょう。

こういう言葉使いの不正確さを、北海道庁に訂正していただきたいです。

物言えぬ弱者が一方的に不利になるような書き方は、フェアではないし、人間として恥ずべきものです。

 

●1999年から始まった、[特定鳥獣保護管理計画]

そもそも自然界の生き物は、増えたり減ったりするもので、増えても減ってもいいのです。

ところが、1999年に、[特定鳥獣保護管理計画]というわけのわからないものを、環境庁が研究者たちに押されて、鳥獣保護法に導入しました。

当時、環境庁の法改正案提出責任者と長時間面談しましたが、彼は、「日本の野生動物をこの法改正で、限りなくゼロに一直線にする」と言われました。(この方は、自然や生態系を全くご存じない方でしたから、実際に法案を作ったのは官僚ではない別の人達だと感じました。この法律は、国会議員のみなさんによって、廃案になりかけたのですが、その時、この法案を通さないとだめだとして、国会議員たちにFAX攻勢をかけたのが、北海道から沖縄までの何十人かの国立大学の教授たちでした。ただし、文面がみんな同じでしたから、原案を作ったのは、官僚だと思われます)こうして廃案になりかけていた、自然生態系を無視した悪法が、国家権力によって成立してしまったのです。

 

自然生態系は、網の目のようにつながっているのに、その中のクマ・サル・シカ・イノシシだけを特定し、その生息数だけを人間がコントロールしていくことなど、不可能です。この法案提出のバックには、ワイルドライフマネジメントと称して、野生鳥獣を使って仕事を得たい研究者たちがうごめいていました。大学で野生動物を勉強しても、当時、彼らには就く仕事がなかったのです。

 

●生息推定数計算と適正生息数計算の仕事を得た研究者たち

野生動物なんて、棲み分けられれば何頭いたっていいのです。しかるに、頭のいい彼らは、「科学的計画的頭数管理」という、一般国民が批判しにくいような言葉を付けて、(当時、科学と名付けば絶対に正しいと多くの国民が思っていた)生息数を推定する事業が必要と主張し、行政から仕事をもらおうとしたのです。

以降、研究者たちは、毎年、様々な推定方法を次々と打ち出して、その度に生息数推定の事業に多額の予算がつくようにしむけ、行政から仕事を得ることができるようになりました。

いくら調査しても、相手は森の中を動き回る動物です。人を恐れて人間のいる所では昼はほとんど出てこず、夜、そっと動いています。正確な推定数などわかりっこありません。あくまで推定生息数であり、その数にどこまでの信頼度があるのかも疑問です。

 

●すべて、お金がらみ、仕事がらみ

次に、適正生息数を計算するのですが、自然界の状態は様々で、何頭いたら適正かなど、人間に計算できるわけがありません。ここでも嘘があります。

そして、人間が決めた適正数より多いと判断されると、有害駆除、個体数調整、許可捕獲…いろんな名前を次々と作り出して、要するにお金をもらって、ハンターや捕獲業者がクマを殺すのです。

殺したクマの体は、漢方薬として金より高く売れる熊の胆は、北海道だって一番に取って売りますし、残った大きな体はペットフード会社などに卸します。農業被害や人身被害を持ち出して、殺さなくてのいいクマを殺してもうけるのです。

 

●ヒグマは植物質中心の雑食性で、柔らかい草や果実が減少する夏に、農業被害を出す

北海道というヒグマの生息地に人間が入って行って田畑を作ったのですから、農業被害が出るのは当然です。

素案によると、最も被害が多いのは、デントコーンの42%で、2番目はビートの21%、3番目はスイートコーンの7%、4番目は小麦の9%だそうです。

ヒグマは肉食動物のように誤解されていますが、素案にもあるように、平地や低山にすむ植物食中心の動物です。人間も生きたいですから、田畑作りをある程度は認めてほしいのですが、同時に、ヒグマたちにも生息地を残しておいてやらないと、田畑に被害が出ます。当たり前のことです。

ありがたいことに、クマは電気柵で防除できますから、初めに殺すありきでなく、

①ヒグマの生息地を保障しているか。

②ヒグマ被害防止の努力を人間がしているか。

この二つの問題から取り組むべきでしょう。

 

●殺しても殺してもシカが減らない・・・特定鳥獣保護管理は破綻

最近、行政の方々から、殺しても殺してもシカが減らない。シカがどんどんと子を産むようになったという嘆きを聞きます。

シカがなぜ突然増えだしたのか、なぜ、どんどん子を産み始めたのか、大きな謎ですが、驚くような仮説として、1999年から、人間が特定鳥獣保護管理を導入し、シカを間引きだしたからというのがあります。人間がやみくもにシカを殺しだしたので、シカの方としては、種の保全をかけて、体を極限まで改造し、どんどん子供を産むようになっていったというのです。

明治に滅びたオオカミが原因という説よりは、ずっと、年代的には合います。

環境省は今後10年かけて、シカとイノシシの約半数を殺す計画を立てていますが、初めに殺すありきの特定鳥獣保護管理計画が破たんしているのではないでしょうか。

地球上で全生物と人間が共存するというのは、人間が全生物の個体数を多額の税金を使って殺し続けることではないはずです。わたしたちの祖先の棲み分け共存から学ぶべきものが多いはずです。

 

●行政担当者は自然が何たるかわからない狭い範囲の専門家に頼らず、昔ながらの祖先の棲み分け共存をめざすべき

自然との共存に、科学技術研究など原則として必要ありません。なぜなら、相手は自然だからです。

科学技術や研究者などなくても、自然と共存してきた文化が世界各地にたくさんあります。

行政の皆さんは、ふつう、野生動物殺害現場に行かないし、殺害に手を出しませんが、生きたいのに殺されていく無念の動物、親や子、家族を人間に殺されて嘆き悲しむ人間にとても近い動物たち、これらを日々見続けることは、多くの人間にとって、精神衛生にいいものではありません。

もういい加減に、<保護管理=保護して殺す=初めに殺すありき>の呪縛から脱して、生息地復元・被害防除に重点を置いた優しい対応策に切り替えて欲しいものです。

他生物に優しい文明だけが、自然を守り、持続可能な文明となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015.1.1謹賀新年

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