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2018-08-06

映画「おだやかな革命」確固たる希望を持って現場で活動している人々の多さに衝撃を受ける 

以下のようなメールが、熊森本部に入りました。

 

映画「おだやかな革命」は、原発事故後に福島県の酒蔵の当主が立ち上げた会津電力、居住制限区域となった飯館村で畜産農家が立ち上げた飯館電力、岐阜県石徹白(いとしろ)で集落存続のために100世帯全戸が出資した小水力発電など、エネルギー自治をめざす各地の取り組みから、これからの時代の真の豊かさ、持続可能な社会の在り方を問いかける作品です。

未来の私たちへのヒントがたくさん詰まったこの作品ですが、私たちは宣伝にかける予算を持っておりません。何とか広報していただけないでしょうか。

 

熊森は自然保護団体として、奥山の尾根筋に建てられる風力発電、山林を大規模伐採して設置されるメガソーラーなど、新たに貴重な自然を大規模に破壊することによって推進拡大していく自然エネルギーに危機感を持っています。といって、いったん事故れば大地が永久に使えなくなってしまう原発は、絶対に容認できません。

 

この映画がどんな映画か知らないので、まず見てみようと思いました。

 

さっそく8月5日、上映中の神戸市にある元町映画館を訪れました。驚いたことに、座席はびっしり人で埋まっていました。この日は上映後、上の階で渡辺智史監督のトークがあるので参加しようと思ったら、もう定員オーバーで無理と断られました。こんなに人々が押し掛ける映画は久しぶりなので驚きました。

人でいっぱいの映画館

 

映画には、自分の頭で前向きに考えることのできるしっかりとした市民たちが次々と登場してきます。現場に根差して石油に頼らない暮らしに挑戦するこれらの人々の知性の高さと確固たる希望に圧倒されました。(日々のニュースに接していると、人間不信に陥ってしまいますが、日本には、こんなにまじめで未来に責任を持とうとする人たちが、こんなにいっぱいいたのか。もう、うれしくなってきました)

 

「地方が疲弊し過疎化高齢化していくのは、地方が生み出している農林産物やエネルギーを、都市が安く買いたたくからだ」という言葉には、都市市民としてギョッとさせられましたが、まさにその通りです。

財力から見ると都市が上ですから、都市は地方を低く見ていますが、実際には都市は、水、食料、エネルギー、全てを農村や地方に依存しており自分だけでは生きられない弱い存在です。この関係をまず認識することから始まり、都市住民と地方住民が対立するのではなくつながる試みが、全国各地で今展開されていることを、この映画で初めて知りました。そして、そういう所には若者がたくさん詰めかけているのです。

 

日本だけではなく全世界が今、利益追求のためにどこまでも速さや効率を追求し、過剰労働や自然破壊をもたらす現代文明に行き詰まっています。

今の経済の仕組みを続ければ、人類は近い将来破滅するしかありません。このことに気づいた人たちが、人類に絶望するのではなく、目を輝かせて真剣におだやかに、新たな取り組みを始めている。登場人物は、みんな見事にしっかりと自己の考えを述べておられました。日本には、社会を変えていく力を持った人たちがこんなにたくさんおられたのかと、希望でいっぱいになりました。

 

延々と続く放置人工林。材を搬出すると搬出費で赤字になります。ならば、搬出せずに、村内で石油の代わりにボイラーで燃やし、石油代を浮かそう。なんとしなやかな試みでしょうか。

 

嘘やごまかしでいっぱいの横暴な国や行政などに頼らずに、この映画に出て来るような人たちみんながつながれば、日本はすごい国になっていくだろうなと思いました。

 

結論:ネルギー問題の解決法がわからなければ、自然保護ができない時代です。熊森会員はもちろん全国民に見ていただきたい映画です。大きな力、元気、そして希望をもらえます。

こんな映画を30代の若い監督が作ったのかと思うと、信じられない驚きです。

 

ただし、この映画には、熊森の視点はまだ入っていません。監督に、熊森小冊子「クマともりとひと」を、お渡ししてきました。読んでくださるといいな。

 

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