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2020-04
くまもりの4月、本日よりスタートです
新しく2名の職員も加わりました
新型コロナウィルスが猛威を振るう不安の中で新生活を迎えられた方がたくさんおられると思います。
水曜日が定休日のくまもりは、本日、4月2日木曜日より、新入社員2名が加わりました。
山が芽吹き始める春は野外での活動も本格化する季節です。
新しい仲間や支えてくださる全国のみなさんと、豊かな森再生や野生動物との共存のために飛び回れないのがとても残念です。
少し落ち着いたときに、フル回転できるように、今は種をまき、芽を出す準備をするときと考え、感染拡大に気をつけながら、今、できること、しなければならないことにスタッフ一同取り組んでいます。
新型コロナウィルスの影響で苦しい状況にある方もたくさんおられることと心配をしています。非常事態だからこそ、危機を乗り越えられるようお互いに助けあいましょう。
新入社員よりひとことご挨拶
◇今年度から環境教育を担当することになりました!右も左もわからない社会人一年目、手探りいっぱい不安いっぱいですが安全第一で頑張りたいと思います!(K.M)
◇クマたちと共生できる奥山の環境回復を目指すと説くと関心を持ってくれる友は少なくありません。1人でも多くの人に熊森協会を知ってもらい、輪を広げたいです(S.N)。 |
はじめまして!とよくん!
- 2020-04-02 (木)
- _クマ保全 | くまもりNEWS | 大阪府 | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
はじめまして、四月から正式にくまもり職員となりました
社会人1年生、Kです。
私は3月31日に初めてとよ君に会うことが出来ました!
檻にボランティアさんが近づいた途端、ご飯がもらえると思ったのかすり寄ってくるとよ君。
つやつやした毛並みとつぶらな瞳がとってもキュート!
投げ入れられたリンゴをもしゃもしゃと食べるとよ君。
お昼頃になると、とよ君の食べているくまフード(大きいドッグフードのような見た目)ですら美味しそうに見えてきます。
事前に去年とよ君は足を悪くしていたという話を聞いていましたが、この日は檻の中をグルグルと元気そうに歩きまわっていました!ほっとひと安心。
たまにプールのほうをじっと見つめていたので、
早くプールに入れるようにしてあげたいなぁと思います。
近々プール工事が予定されています。
プールは工事が終わり次第使えるようになるとのことなので、その日が待ち遠しいね、とよ君。
3月23日 室谷悠子会長が香美市法光院晶一市長と面談 絶滅寸前四国ツキノワグマ生息地復元を!
室谷悠子会長をはじめ熊森本部・愛媛県支部スタッフら5名は、3月23日、高知県香美市役所で法光院(ほうこういん)晶一市長と面談し、森林環境譲与税を活用しながら放置人工林の広葉樹林化を進めてほしいとの要望書を手渡しました。
室谷会長が、法光院市長に要望書を提出
この日、室谷会長は、法光院市長に、徳島県境に接する高知県香美市の四ッ足峠付近にある熊森トラスト地(22ヘクタール)でくまもりが進めている広葉樹林化について、
「今後クマなどの大型野生動物が食料として利用できるような実のなる樹を植栽していきます。森林環境譲与税を活用して、豊かな水源の森を復元し、絶滅危惧種である四国のツキノワグマが今後も生息できる環境を取り戻していきたいです」
と、現場の写真や午前中にスタッフらと現地に登り視察してきた山の様子も交えながら、詳しく説明しました。
トラスト地では、昨年11月に、第一弾として40m四方のくりぬき小面積皆伐を実施しています。
2019.11.21に小面積皆伐した熊森トラスト地のヒノキ人工林 2020.3.23撮影
法光院市長はとても真剣に聞いてくださり、
「山は本来、経済林でもありますが、林業で活用していない山奥に放置されている人工林は自然林に戻すようめざしたいですね。日本熊森協会さんが所有するトラスト地は、自然林に戻すべき場所だと思います」
と、森林環境譲与税を使っての広葉樹林化に前向きの姿勢を示してくださいました。
前向き姿勢の法光院市長
みんなで記念撮影
地元の市長さんが、森林環境譲与税を人工林の広葉樹林化に使うことにご理解があるというのは、とてもありがたいことです。
今後、香美市と熊森がいっそう協力していけると感じました。
熊森の話を一生懸命聞いてくださった法光院市長と、市長と熊森本部をつないでくださった四国熊森会員のみなさんに、熊森本部は心から感謝しています。
3月21日22日、四国のクマたちの餌場づくりに向け、石立山トラスト地までの山道補修(第二弾)
2020年3月21日、22日
本来ならば、この日、絶滅寸前の四国のクマたちの餌場づくりに向けて、石立山の保護林に隣接する熊森トラスト地のヒノキ人工林の群状間伐第2弾を行う予定でした。
すでに、地元から10名ものボランティアさんが名乗りを上げてくださっており、大いに作業がはかどるだろうと期待していたところです。
しかし、新型コロナウイルス感染防止のためもあって、残念ながら計画を延期せざるをえませんでした。
一刻も早くクマたちのえさ場を再生してやりたいと願っていたので、とても残念でした。
仕方なく、熊森本部スタッフ4名と愛媛県支部スタッフ2名、那賀町地域おこし協力隊の方の計7名で、今後作業に参加してくださるボランティアの方々の安全も考えて、徳島県側から熊森トラスト地までの山道の補修を行うことにしました。
山道は、昨年11月にも補修したのですが、再び崩壊していた場所もありました。
今回の山道補修は、人工林皆伐跡地の急斜面です。
倒木や丸太を使って橋をかけました。
大人5人ががりで、6m程の丸太(1本200kg程)を7本~8本運びました。
熊森本部から参加した大学生アルバイト2名も、すごくがんばってくれました。
橋を架けるといっても、足の置き場がない急斜面ですから、大変危険です。皆、必死でした。
大変でしたが、2時間かかって橋を架けることが出来ました。
歩きにくい場所は、クワで道を拡張していきました。
これには、愛媛県支部員2名ががんばってくれました。
新型コロナが落ち着いたら、しっかり行程を組んで、群状皆伐地をどんどん作っていきます。
また、皮むき間伐や実のなる木の植樹も、どんどん進めていきたいです。
<参加スタッフの感想>
スタッフM:拡大造林政策の失敗を垣間見る
山を登るみんなの速さが速いのと、四国の山の傾斜の激しさに驚きました。
やっと辿り着いたトラスト地には、前回の作業で伐倒されたヒノキ材がありました。
良く乾いてすごくいい材になっているように見えました。
こんないい材なのに、山奥過ぎて運び出せないというジレンマ。
こんな標高の高いところにまで人工林を造ってしまった拡大造林の失敗を、垣間見たような気がしました。
運び出せないのであれば、その場で使う。この材で、山仕事に必要な道具を保管する山小屋を作ってみたいなあ…とほのかに考えています。
スタッフF(大学生):四ッ足堂周辺のゴミ回収
昨年11月と合わせて、今回、2度目の参加です。
前回、僕が参加して直した山道は、全く崩れていませんでした。直した甲斐がありました。
道中、ミツマタの群生地があって、黄色い花が満開でした。とてもきれいでした。
今回は道の修繕以外に、四ッ足堂周辺のゴミ回収も行いました。約60年前くらいと思われる古いゴミが多くありました。長い間、四ツ足峠の旧街道が放置されていたことがわかります。
峠道はスギ、ヒノキの針葉樹に囲まれていて暗かったですが、群状皆伐されたトラスト地は地面まで日が当たっていてとても明るかったです。
山を下りてから、地元の熊森会員さんを訪れたりしました。
どれもこれも、貴重な体験でした。
スタッフK(大学生):砂漠のような四国山地
四国は温暖で多雨な気候だと思っていましたが、人工林がいっぱいで、中に入ると、下草がなく礫がゴロゴロしていて、砂漠のような感じがしました。
このままにしていると、どんどん四国の山が崩れていくと感じました。
放置人工林の保水力のなさは一目瞭然です。
今回、道直しをした場所は、60ヘクタールもの広大な人工林を16年前に皆伐した跡地(注:この山は、熊森のトラスト地ではない。山林所有者には林道補修の了解を得ている)です。
生えている植物は、シカの食べないアセビやミツマタぐらいで、植生回復は全く進んでおらず、所々で林道が崩壊していました。
(本部から)今回、人工林の伐倒はできませんでしたが、熊森徳島県支部を作ろうという動きが出てきました。
こんな折なので、徳島県会員が集まったりはできないのですが、どうやって支部を作っていけばいいかなと考えているところです。
3月12日 室谷会長らが兵庫県宍粟市の福元晶三市長と白谷敏明元市長をそれぞれ訪問
赤松正雄顧問(元衆議院議員)のお力添えで、熊森の室谷悠子会長、水見職員、地元の熊森会員計3名は、赤松顧問と共に、宍粟市の福元晶三現市長と白谷 敏明元市長(現:播州山崎花菖蒲園理事長)にお会いすることができました。
宍粟市(しそうし)の森林率は、9割です。
人工林率は73%にも達しており、その9割が放置されているそうです。
市としては、放置人工林対策に市を挙げて取り組もうとしているということでした。
令和元年の森林環境譲与税で、森林所有者の意向調査を行ったそうです。
すでに6割の森林所有者の意向調査を完了したと言われていました。
2017年に宍粟市一宮町で開校した林業大学校の第一期生が今春卒業です。
宍粟市は卒業生を職員に採用するなど、若い力に期待されていました。
宍粟市の紅葉祭りは今年4年目となります。
福元市長は、森林共生モデル都市としての自覚を強く意識されているようでした。
広葉樹林が水源の森づくりに欠かせないことや、広葉樹林を人工林に変えてしまったことで、瀬戸内海の栄養不足が起きていることなど、山に関して熊森と共通する思いが多々ありました。
福元市長や森林担当職員との語らい
福元市長に要望書を提出した室谷熊森会長
白谷元市長は、菖蒲園でのシカ害にとても頭を悩まされていました。
柵を張っても、人が見ていないとすぐにシカが入ってしまうのだそうです。
柵の高さを3mにまで上げると、さすがにシカも入って来ないようになったということでした。
白谷元市長との語らい
奥山生態系保全活動に取り組む熊森は、これまで宍粟市波賀町原地区と15年間にわたり、人工林の広葉樹林化やクマたちのえさ場づくりに取り組んできました。
今後は、宍粟市とも協力して活動を広げていけるのではないかと期待します。
赤松顧問、このような機会を作っていただき、本当にありがとうございました!