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2020-06
ウワバミソウがホント好きだね とよ君
- 2020-06-04 (木)
- くまもりNEWS
京都府ツキノワグマ、昨年過去最多170頭捕殺、熊森のコメントが京都新聞に掲載される
- 2020-06-03 (水)
- くまもりNEWS
熊森本部と熊森京都府支部は、昨年9月に京都府庁を訪れ、京都府がそれまでの保護計画を一転させ、兵庫県の間違ったクマ対応をまねて、2017年より開始した非人道的なクマの捕殺(まだクマが出てもいない春の時点からクマ捕殺許可を出し、集落周辺の箱罠・くくり罠にかかったクマは、シカ・イノシシ罠への誤捕獲も含めてすべて殺処分)を中止するように要望しました。
詳細は、熊森NEWS 2019.11.10参照
しかし、京都府は全く聞き入れず、昨年度、過去最多となる170頭ものクマを大量駆除しました。
いくらなんでも殺し過ぎではないかと疑問に思われた新聞記者から、熊森本部に電話取材が入りました。
以下は、5月29日の京都新聞記事です。
<以下が、記事の内容>
京都府が殺処分したツキノワグマが2019年度、過去最多の170頭に上った。府北部ではクマの出没が相次いでおり、住民は殺処分の件数を評価する一方、自然保護団体は「捕り過ぎで絶滅の恐れがある」と批判している。
府によると、ツキノワグマは府レッドデータブックで絶滅寸前種とされ、生息数は由良川西側の丹後個体群が約900頭、東側の丹波個体群が約500頭と推定されている。
170頭の内訳は京丹後市42頭、舞鶴市39頭、宮津市22頭、綾部市16頭、福知山市15頭、京丹波町12頭、南丹市9頭など。丹波個体群では、府の捕獲上限40頭を上回る83頭を専門家の意見を聞いた上で殺処分した。目撃件数は1460件で、府農村振興課は「ナラなどの実が凶作で出没が多かった。生息数や民家周辺での出没が増えており、人身事故を防ぐために捕獲している」と説明する。
府は02年度からクマの保護を目的に狩猟を禁止し、従来はシカやイノシシのおりに捕まったクマは奥山に放つ学習放獣で対応してきたが、17年度以降は人的被害を防ぐため、集落近くで捕獲されたクマは殺処分を可能とし、17年度86頭、18年度103頭の殺処分した。
舞鶴市の大浦半島は出没が多く、住民団体が府にクマ対策を要望。同市河辺中の会社員男性(64)は「家の中にクマが入ってきた話も聞く。出没が過疎化に拍車をかけている」と語り、同市佐波賀の農業女性(81)は「クマが家の柿の木に来て、家族が夜に軒下にいるのを何度も見た。危害を加えられるかもしれず、殺処分は仕方がない」と話す。
一方で府によると、17年度以降、府内でクマの人身事故は発生していないという。
保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)の水見竜哉研究員は「生息数は正確な数字ではなく、人間が一気に捕獲すると秩序が崩れて絶滅に向かう恐れがある」と懸念する。
クマが本来住む奥山がナラ枯れなどで生息できない環境となり、シカやイノシシをおりにおびき寄せる米ぬかなどの餌が出没を増やしている可能性も指摘。「奥山の状況を調べた上で捕獲を見直すべき。クマは人間を恐れており、音の鳴るものを身につけたり、民家近くの柿の木を切り、クマが潜みやすい茂みを刈ったりする対策も必要」と説明する。
熊森から
クマ生息地の奥山を地道に23年間調べ続けてきた熊森協会の声を取り上げてくださった記者さんに、心から感謝申し上げます。
先日、京都府に隣接する兵庫県豊岡市の山を調査したところ、新たなクマの痕跡が激減しており、ぞっとしました。京都府や兵庫県がクマを大量駆除しているからかもしれません。
稜線の向こうが京都府のスギ人工林、手前は熊森がかつて植林した広葉樹
奥山を広葉樹林に戻したり人間が立ち入らないようにしたりして、クマたちに生息地を返してやることもせず、人間に生息地を破壊され、空腹のあまりエサを求めて出てきたクマをこのまま捕り続ければ、クマは絶滅に向かいます。日本が批准している生物多様性条約にも違反しています。
記事を読んだ、熊森京都府支部員からのコメントです。
Cさん:思ったよりも大きく取り上げられていました。京都府でクマによる人身事故が無くなったのは、クマを殺し過ぎたからではないでしょうか。
Kさん:地域の方の中にも、クマを殺すのはおかしいと思っている方たちがいます。クマが奥山に帰れるよう、生息地を復元したいです。
京都府民の力で、どうか捕殺一辺倒の京都府のクマ対応を方向転換させてください。
京都府農村振興課
住所:〒602-8041 京都府京都市上京区 下立売通新町西入藪之内町
TEL:075-414-5036 FAX:075-414-5039
北海道古平町の山菜採り男性行方不明事件で、ヒグマ研究50年の熊森顧問門崎允昭氏がコメント
- 2020-06-03 (水)
- くまもりNEWS
以下、北海道新聞より
山菜採りの71歳男性、所持品残し不明 クマに襲われたか 古平
【古平】5月15日午後4時45分ごろ、後志管内古平町浜町の無職男性(71)が山菜採りに出かけたまま帰宅しないと、妻から余市署に通報があった。
同署などによると、男性は15日昼前に「タケノコを採りに行く」と妻に書き置きを残し、1人で乗用車で出かけたとみられる。通報を受け、同署や消防、猟友会などが16日、約50人態勢で自宅近くの山中を捜索。酒井さんの携帯電話や長靴、リュックサックが見つかったが、本人は見つからず、午後5時に捜索を終了した。
同署などは、現場の状況から、ヒグマに襲われた可能性もあるとみている。
・古平町の担当者は、北海道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所の間野勉専門研究主幹の「地域の人が気軽に裏庭のように行く集落の目と鼻の先に危険が潜んでいる。同じクマが2年続けて襲ったこともあり、人間をおそれないクマも現れている。今後も人を襲うおそれがあり、問題のクマを早く駆除する必要がある」というアドバイスをもとに、現場への立ち入りを禁止するとともに、ヒグマを捕殺するための罠を山中に11月まで3基設置しており、かかったら殺処分するそうです。
北海道のヒグマの生態とクマの人身事故のメカニズムについて、50年間研究されてきた、北海道野生動物研究所所長の門崎允昭先生は、今回の事件について以下のようにコメントされています。
羆が人を襲った場合の羆の行動特性
1、羆が人を襲った現場には、必ず最低でも半径数㍍の範囲に人と羆が抗争した痕が残ります。
2、人が羆に襲われて、人が羆から逃れて走り逃げた場合にも、必ず、走り逃げた、はっきりとした痕が残ります。
3、羆が人を襲い、人を倒し、羆が己が安心し得る場所に口で衣服や人体を咥えて、移動させる
場合がありますが、その場合は、最遠で90mでした。ですから半径90mの範囲を探すと、人体を見つけ得る事ができます。鹿の死体を300m移動させていた事例が有りますから、半径300mの範囲を、探すのが、最善です。遺体を羆が食べ尽くしても、衣服は残ります。頭部を必ず食べ残します。
4、半径300mの範囲を精査しても被害者の死体が見つからない場合には、被害者が(羆が原因とした場合)発見し得ない場合には、遺留品が有った場所ないしその付近で羆に襲われたとは断じ得ません。
5、檻罠を3個も仕掛けて羆を獲り殺そうという発想を持つこと事態、研究者にあるまじき事です。
熊森から
北海道のヒグマは自分の生息地かそうでないかをきちんと認識しており、人の住む町に出てきた場合、人間を襲うことは皆無です。
しかし、自分の生息地である森に人が入ってきた場合、何か不都合があったのか、年平均約1件の人身事故を発生させています。(たった1件!と意外に思われる方が多いと思いますが、事実です)ヒグマ猟のハンターに対する人身事故は、年平均0.5件です。
怖がりのツキノワグマと違い、ヒグマはまず人身事故を起こさない動物です。にもかかわらず、恐ろしい動物として、北海道で手あたり次第人間に殺されているのが現実です。2019年度捕殺されたヒグマは、711頭にものぼりました。
ヒグマの人身事故に関する門崎先生の知見は、さすが徹底した現場調査を続けられてきただけあって、すごいと思います。
古平町の担当者によると、半径100mをしっかり調べをてみたが、人体が引きずられた跡や衣服などなかったということです。ただし、長靴にクマが噛んだような跡があり血が付いていたり、現場近くにクマの糞と思われるものがあったそうです。この事件はミステリーです。
不明男性の捜索は1週間で終わってしまいました。
この場所は、ヒグマの国です。当然、ヒグマによる人身事故は考えられますが、1週間捜索して何も発見できなかったということから、別のことも考えられます。少なくとも、この場所で事故が起きたわけではないようです。
今回、熊森が問題にしたいのは、古平町がこの場所に誘引物を入れた捕獲罠を長期間設置していることです。またしても無実のヒグマを捕獲して殺人の罪を着せ、殺そうというのでしょうか。許されないことだと熊森は思います。
みなさん、捕獲檻を撤去していただけるよう、古平町にお願いしませんか。
古平町産業課農林係 住所:〒046-0121 北海道古平郡古平町大字浜町40−4
TEL:0135-42-2181 メール:こちらをクリック→古平町お問い合わせフォーム