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2024-11-08
祝 山形県米沢市栗小山風発計画が白紙撤回に!
今回の本部東北遠征時、米沢市の会場に「米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会」の方たちが参加してくださり、栗小山風力発電計画をどのようにして白紙撤回に持ち込んだのか発表してくださいました。
本気の人たちの、勇気いっぱいのすばらしい内容でした。
福島県側から見た栗小山風力発電計画
山形、福島両県にまたがる奥羽山脈の栗子山(標高1217m)周辺で、JR東日本エネルギー開発が風力発電事業(高さ168mの風車10基、発電最大出力3万4000キロワット)を計画していました!
計画地にはイヌワシやクマタカなど希少猛禽類の生息地があり、地形は急峻なうえ地盤は火山灰地質で土砂災害の危険がありましたが、事業者は、令和5年に環境アセスメント準備書を提出し事業を進める意向を崩しませんでした。
大きな自然破壊を伴うこの計画に危機感をいだいた米沢市の心ある皆さんが、「米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会」を結成(令和5年11月)。事業撤回に向けて署名活動や勉強会を開催してこられました。
熊森も会報発送の際、署名用紙を同封するなど協力しました。なんと、熊森会員からの署名筆数は、最終総筆数(白紙撤回発表の前日に、経産省に全原本提出)6,970筆のうちの2,003筆もあったそうです。寄附金同封や激励の言葉などもあり、こんな短期間にこれだけの署名をよくぞ集めてくださったと、皆さん感激されていました。
住民の皆さんの粘り強い活動が実を結び、令和6年8月には、米沢市長が事業者に対して風力発電事業の全面撤回の申し入れをし、山形県知事、環境大臣、経済産業大臣からも厳しい意見・勧告が出て、今回の白紙撤回につながったということです。
JR東日本エネルギー開発は、(勧告により)スケジュールの大幅な遅延とコストの増大が見込まれ、事業が成り立たないことが明らかになったため、令和6年9月27日に風力発電計画断念を発表したとしています。
10月末、考える会から、お礼状ハガキが熊森にも来ました。
今は事の重要性がわかっておられない人もいるでしょうが、米沢市の森を守った皆さんは、後の世で米沢市の偉人として讃えられると熊森は思います。
熊森から
やったことのある者にしかわからないと思いますが、市民運動というのはそれでなくても仕事や生活で手いっぱいの一般市民が、公益のためにわが身のお金も時間も頭も、限界を超えるまでに使わざるを得なくなる無償の活動です。
今、全国各地で、国策であるメガソーラーや風力発電事業などの自然大破壊に反対して、故郷の自然を守ろうとする市民と儲けることしか考えていない業者が闘っています。時には、業者からにらまれ、身の危険を感じることもあります。
本来、役所が市民の役に立つために存在する所なら、市民にこんなしんどい目をさせないで、役所の皆さんががんばるべきでしょう。
一方、今回の米沢の風力発電事業がこんなに早く阻止できたのは、米沢市が本来の役所として動いてくださったことが大きかったようです。役所の皆さん、業者とつながっていない新しい米沢市長さん、会派にかかわらず市民運動に協力した市議会議員の有志のみなさん、彼らを動かした考える会の皆さん、すばらしいです。
「野生動物を環境破壊から守ろうの会 風力発電の嘘 クリーンエネルギー風力発電の闇」と名乗る人が、栗小山風力発電白紙撤回を祝って、おめでとうの歌をプレゼントしたそうです。私たちもいっしょにおめでとうと歌ってあげたいです。皆さん本当によくがんばられました。(完)