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2025-02-21

福島市その3 住民団体が吾妻山メガソーラー工事中止・原状回復等を求め県に請願書提出

住民団体が福島県に工事中止や原状回復を求める請願書提出

2月13日、福島市の吾妻山のふもとにある先達山で建設が進むメガソーラーについて、地元「吾妻山の景観と自然環境を守る会」が福島県庁を訪れ、工事中止や原状回復を求める請願書と、街頭やネットで募った署名8273人分を提出。多くの市民が工事をやめてほしいと思っていると訴えられました。
すでに提出した3915人分と合わせると、署名は1万2千人を超えるとのことです。
守る会は、今後も署名活動を継続するとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5か月前、県に4000名の署名を提出したのに、県は動いてくれなかった。(写真は当時の福島中央テレビ映像より)

 

動いてくれない県に動いてもらうために、今回、福島県議会に請願書を出してみたらどうかということになったようです。伊藤達也県議が紹介議員になってくださり、この度無事、請願書を提出することができました。2月定例県議会で審査されることになっています。福島県議会の今後の動きに注目したいです。
地元の守る会の皆さんが、ふるさとの山を守ろうと精力的にがんばってくださっており、熊森も本当にうれしいです。

 

福島市の動き

昨年、福島市の木幡市長は福島県庁に出向き、 県は山間部の開発許可に慎重に対応するように求めておられます。
今春4月から福島市が施行を目指して検討中の規制条例案には、メガソーラーと風力発電施設を実施できない「禁止区域」を設定し、それ以外は許可制とすることが盛り込まれています。
禁止区域はメガソーラーが市内面積の約7割、風力発電施設は市内面積の約3割に及び、砂防指定地や保安林、国指定史跡名勝天然記念物などに該当するエリアとなっているとのことです。
やっとではありますが、福島市にも山を守る流れが出きてきました。

 

福島県の動き

そもそもこんなひどい開発工事が可能になったのは、福島県がこのメガソーラー事業に林地開発許可を降ろしたからです。
福島県ではメガソーラーなどの再エネ事業建設が相次ぎ、再エネ発電能力は全国最大となっていますが、山林が開発されるケースも多く、一部の悪質業者によるずさんな工事が原因で、土砂が宅地に流出するなどの被害も各地で起きています。
これまで県は事業者に配慮して工事中止の指示や命令を受けた事業者名や開発場所の住所などを黒塗り発表にしていましたが、ことし4月以降は黒塗りをやめて、ホームページで実名公開すると発表しました。

 

 

 

 

 

 

 

これまでの福島県の林地開発違反行為台帳(NHKテレビより)

 

事業者より住民の方を大切にすべきなので、違反事業者の実名や工事場所の公表は当然だと思います。

 

遅れている日本政府の動き

2月12日のアゴラ言論プラットフォームにエネルギーと環境コンサルタントの室中 善博氏が
「米国のデータベースからみる大規模再エネ発電への世界的な抵抗の流れ」という文を寄せておられます。大変興味深い内容なのでお時間のある方は読んでみてください。

 

室中氏によると、世界各地で大規模な太陽光発電や風力発電プロジェクトが撤退や中止に至っているケースが増えてきているそうです。もはや世界の潮流は、経済的・政策的・自然環境などの理由によって、再生可能エネルギーの大規模プロジェクトの撤退や縮小という動きになってきているとのことです。

 

一方、我が国は今にも閣議決定されようとしている第7次エネルギー基本計画からもわかるように、2050年カーボンニュートラルめざして脱炭素の御旗のもと、いまだに森林破壊や地域を脅かす開発まで強引に進めようとしています。
自然破壊、環境汚染、台風や豪雨などの自然災害によるパネルの崩落や飛散、そして火災などが強烈な写真とともに発信され、再エネ事業が大きな社会問題となっている中、世界の潮流に乗り遅れ、再エネをいっそう推進していこうという日本の政官財の動きは、ほんとうに理解しがたいと室中氏は述べておられます。

 

私たちは4年前、再エネによる森林破壊の問題に直面して、地方行政の対策のなさに絶望的な気分に陥りましたが、やっと地方行政も住民の声に押され少しずつ動き出してきてくれました。希望が見えてきました。あとは、国です。
国は、水源の森を守るために、再エネ自然破壊問題を自治体任せにしないで、一刻も早く強力な規制をかけるために頑張っていただきたいです。再エネ業者べったりの再エネ利権議員のみなさんは、再エネによる水源破壊、国土破壊、クマを初めとする野生動物たちの生存地破壊の悲惨な現状を一度現地視察してみてください。(完)

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