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5月21日 本部第4回森再生チーム活動 スギ人工林の皮むき間伐 (兵庫県但東町)

荒廃した人工林を、野生鳥獣のため、農家をはじめとする地元住民のみなさんのため、広葉樹の自然林に戻そう!

木々の緑も濃くなり、放置人工林の皮むき間伐をするのに最適な時期がやってきました。木が活発に水分を吸い上げるこの時期から、樹皮がはがしやすくなるのです。皮むき間伐なら、チェーンソーを使えない方々や子どもたちでも、簡単に間伐できます。一般市民がボランティアで取り組む間伐法として、この方法はとてもよい方法です。
今回は、地元の方やお子さん、法人会員として応援して下さっている「クレコスいのちの森倶楽部」のみなさん(25名)ら、総勢42名で、兵庫県豊岡市にて皮むき間伐をおこないました。
スギ人工林の手前の日当たりがよい所には、たくさんの草が生えていますが、奥の人工林内は、内部が暗く、草も生えず土がむき出しです。


皮むき間伐の説明。上を見上げると・・、

昨年3月に皮むきしたスギが枯れ、葉の色が茶色に変わっていました。今後は枯れた葉や枝が落ち始め、林内に入ってくる光が徐々に増えてくることでしょう。自然界には、このゆっくりした変化がいいのです。

スギの太さに応じて、一定面積(半径4mまたは半径5.65mの円)内に残す本数を決め、なるべく太いのを残すようにして、残すスギに赤いテープを巻いていきました。

印をしていないスギの皮を、むいていきます。ここは太く立派なスギが多く、「皮をむいて枯らしてしまうのはかわいそう」という声も出ました。しかし、このままだと、山は荒れていく一方で、野生鳥獣の食料はなく、そのうち災害を起こします。皮むきする前や、むきおわった後に、話しかけるように静かに木と向き合っている人たちの姿がありました。

樹皮をむいた部分は水分がたっぷりで、なめると甘いです。木が生きていることを実感します。

皮むき間伐後の林内のようす。今回は、約60本のスギの皮をむきました。

みなさん、おつかれさまでした。
今後、ここがどのように自然の森に変化していくのか、楽しみですね。熊森本部では、変化記録をとっています。

午後は、近くにある熊森植樹地の見学。

シカよけ金網で囲った、植樹後4年目を迎えた植樹地です。今年の冬、2mの大雪で金網柵が倒れてしまったため、応急処置をしたばかりです。ドングリ類や、ナナカマド、ヤマボウシなどの苗木が順調に新芽を出してきていました。木イチゴなどのひとりばえもたくさん見られました。4年前、記念にと植えた3本の大きな桜の木の苗木には、赤い実がたくさんついていました。鳥たちが大喜びしていることでしょう。

こちらは、スギ皆伐地跡に、2003年から、苗木をチューブで覆い(大きくなるまでシカに食べられないように)植樹した場所。

100本ほどの苗木が立派に育っていましたが、今年の雪で倒れてしまった苗木もたくさんありました。また、地面には、シカが食べないミツマタやアセビ、シロダモ、ススキやアカマツなどが自然にどんどん育ってきています。

次回の本部森再生チーム第5回活動は、6月4日(土)です。ここの倒れた苗木を起こす作業をします!お時間の都合のつく方、ぜひ参加のお申し込みをお願いします。

帰り際、ヤマボウシの花が咲いているのを見つけました。秋に赤く色づく果実はクマの大好物。今日皮むきした林や見学した植樹地が、動物が生きられる森に再生され、災害に強く保水力の高い山に戻りますように。人と野生鳥獣とが共存する国に戻すことを夢見て、現地を後にしました。

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