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9月23日 本部クマ部会が山の実り豊凶調査・・・ 並作です

熊森では、今年も春の花の時期からずっと現地を回り、ドングリ類の豊凶を予測し続けてきました。今年は、3年連続になりますが、ハイイロチョッキリの出現もほとんどなく、ドングリは木についたまま、無事、秋を迎えることができました。熊森を指導してくださっている研究者のおひとりによると、虫の発生が抑えられているのは、冬の気温が低かったからということです。

 

9月23日(月)に本部クマ部会で参加者を募り、計10人で兵庫県北西部のクマ生息地の山の実りの豊凶調査(最終)に出かけました。調査方法は、兵庫県森林動物研究センターに教えていただいた調査法を参考にさせていただきました。

IMG_1430

まずは調査地1カ所に対して10本ほど調査木を決めます。道のそばの林縁部で、できるだけ樹木全体が見えやすく、日当たりも良好で健康そうな樹木を選びます。そして、その樹木を双眼鏡で見て、ランク分けをしました。

×凶作→0点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数1個未満

△不作→1点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数1-4個

○並作→2点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数5-9個

◎豊作→3点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数10個以上

以上のようにランク分けを点数化して10本の平均を出すという方法です。実際は、兵庫県ではこの数字を計算式に当てはめて最終的には6段階の評価にしていますが、私たちはこの4段階評価でも十分豊凶を知ることはできると考えました。

IMG_0011ブナ

ということで、実際にやってみるといろいろな問題点が出てきました。

・双眼鏡の良し悪しで豊凶が違って見える

・実を探すのが人によって得手不得手がある

・逆光や日陰の具合によって見えにくいときがある

・見えやすい木と見えにくい木で豊凶結果に影響されてしまう

・特にミズナラは下からだと実が見えにくい

・豊作の樹木を見たあとに少し実なりの悪い木をみると、たとえその樹木が豊作であっても並作などと評価を低くしてしまう

・クマの生息地とそうでない場所を同じ基準で考えて良いのか

 

今回は初めて豊凶調査をする人がほとんどでしたので、ブナ、ミズナラ、コナラの特徴をお教えしました。特にミズナラとコナラの違いはしっかりと覚えていただきました。

IMG_0040ミズナラ

そして、もうすでにブナの実が落ちていたので、みなさんに味見していただきました。みなさん、アクもなく、香ばしくておいしいと言われていました。昔の人たちが食料にしていたのもうなずけます。

結果的にはブナは1.9点、ミズナラは1.8点で、共に並み程度ということですが、今回の調査で様々な改良点を考えると全体的に厳しく見ていたかなと思うので、並以上かなと思います。ただこれはこの地点においてはという話ですので兵庫県全体を見ていくと、また違う結果の地域があるかもしれません。(当協会は、クマの生息地のみ、調査しています)

今回、ボランティアの皆さんに集まっていただいて豊凶調査をしたのは、初めてです。今後、調査方法を改良しながら、多くの会員のみなさんに参加していただき、結果をクマ保全に生かしていきたいと思います。

 

 

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