くまもりNews
本部 東北クマと森調査 (1)宮城県
- 2017-09-09 (土)
- _現地訪問・調査
東北3泊4日の調査で、私たちは実に多くのものを得ました。ここでは、ごく、簡単に報告させていただきます。
今回の調査に参加した本部3名は、仙台まで飛行機で、後はレンタカーで移動しました。
8月21日
①宮城県庁自然保護課の方と懇談
②午後から、宮城県の森調査
ふだん、人の手が入り尽くした近畿地方の奥山を歩いている私たちには、東北の森は深くて別の国に来たのかと思うほど豊かでした。
しかも、人口密度が低いせいか、車で行けども行けども集落がありません。この森は、野生動物の国なのです。
宮城県の森の中
森の中を歩くと、餌の少ない夏の時期ですが、次々と実がなっている木が現れます。
サルナシ、ヤマブドウ、ミズキ、ウワミズザクラ、ヤブデマリ・・・
サルナシに無数の実がなっていた
足元には、地面を踏みしめる度に様々な昆虫がたくさん飛び出してきます。
クマの生息痕跡が至る所にあります。熊棚、背こすり跡、杉の皮ハギ跡、爪跡、足跡、糞・・・
ウワミズザクラの巨木にあった今年の熊棚(中央)
木の実を食べた後のクマ糞(この日見つけた4つの糞のうちの一つ)
この森には、クマが何頭もいるなと感じました。
クマはここにいたらいいのに、中には夏にデントコーン畑などに出て行くのがいて、昨年度も宮城県では1か月に30~40頭ぐらい有害捕殺されています。
しかし、東北のクマは、秋になるとふつうは一斉に山に戻ってしまうそうです。
なぜなら、山の中にドングリの木がたくさんあるから、人里にまで食べ物を探しに行く必要がないのです。
宮城県、月別クマ出没数
ここの人達は、山にクマがいるのは当たり前で気にしていないそうです。
山から出てきたクマは、駆除すればいいと思うそうです。
一応、人とクマとの棲み分けができています。
しかし、殺生は良くないので、山から出て来ても、追い払ったり、畑の周りに電気柵を張ったりして、殺さない解決策を追求してほしいです。
宮城県ではクマは狩猟対象獣で、毎年10頭前後のクマが狩猟されています。
追伸ですが、谷川の水が冷たいと思ったら、水温が12度でした。
真夏に水温12度
野生のクマにも会えて感激でした。
車の中から撮影したクマ
宮城のブナ林
宮城の森を案内してくださった先生に、感謝でいっぱいです。