くまもりNews
八甲田みちのく風力発電、青森6市町全首長の白紙撤回要請文提出、ユーラスの返答は計画見直し
以下、青森テレビ2023,8,16より
八甲田周辺などで建設が計画されている風力発電事業について、(地元となる)青森県内6市町が8月16日、事業者へ白紙撤回を求める意見書を提出しました。
ユーラス側は現在、当初計画より風車数を半減させて計画中
意見書を提出したのは八甲田周辺にある青森市や十和田市、七戸町など6市町です。16日は各自治体を代表して、青森市の西秀記市長が(東京の本社まで出かけ)、ユーラスエナジーホールディングスの諏訪部哲也社長へ仮称・みちのく風力発電事業の白紙撤回を求めました。
全市町の総意は風発白紙撤回です
※青森市 西秀記 市長
「6つの市町の総意です。なにとぞ宜しくお願い致します」
ユーラスエナジーは3月から住民説明会を開き事業への理解を求めてきましたが、参加者からは八甲田からの水が流れ込む陸奥湾の生態系への影響が懸念されるとして事業の白紙撤回を求める声が相次いでいました。
民意は白紙撤回 2023年3月の説明会に押し寄せた市民
熊森青森県支部も反対発言
※説明会の参加者は
「事業ありきで進んでいることが信じられなくて、とにかくやめていただきたい」
「青い森・青い海が売りのポイントだと思います。漁業の問題にしても打撃を与えると思います。ぜひやめていただきたい」
こうしたなか、今年6月に宮下宗一郎知事と青森市の西秀記市長がともに仮称・みちのく風力発電事業の白紙撤回を公約に掲げ初当選しました。そして16日、西市長は関係市町村の総意として事業の見直しを求めました。
ユーラスエナジーは事業を実施する前提条件として、「地元首長の了承」が必要としています。
※ユーラスエナジーホールディングス 諏訪部哲也 社長
「内容をですね、一つ精査させていただき、それに必要な調査を今後させていただいて、その結果をもって、当社の計画を見直し、その後見直し計画について改めて説明していただくさせていただくと、そういった誠意を持った説明をさせていただきたい」
今後はこれまでに住民説明会であがった意見などをもとに風車の建設に伴う景観や水質への影響を調査していて、その結果を踏まえ事業計画の見直しをして公表したいとしています。
熊森から
「Protect hakkoda 八甲田の自然を後世に~」さんを筆頭に、青森市木村淳司市議など、青森のみなさん、よくぞここまで反対の声を大きくしてくださいました。
再エネ開発されそうになっていた青森県奥羽山脈の国有林に住むクマや猛禽類をはじめとする全生物を代弁して、熊森は心からお礼申しあげます。もう少しで彼らは生息地を失うところでした。
また、水源の森や川、青い海を守るため等々で、次世代のためにも粘り強く風発反対運動を展開されてきた青森のすべての皆さんに、大きな拍手をお送りしたいです。
みなさん、すごいです。
一方、これだけ地元住民が反対しても、再エネ事業者は事業をあきらめない。国民の再エネ賦課金に支えられたFIT制度が、いかにぼろ儲けできる制度であるかを示しています。
国は、良かれと思って作った制度でも、デメリットが大きいことがわかったら、見直すべきでしょう。
これだけ地元に迷惑をかけながら、ユーラス側は事業を縮小してでも、まだ実施しようとしています。
心底、地元住民や首長を馬鹿にしていると思いました。
全首長が申し入れたのは、白紙撤回要請なのです。