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鳥取県さん、腹すかしたクマを殺さんといてやってくれ、お願いや (大阪在住H氏の大奮闘)

大阪で商売を営むH氏(非会員)が、1ヶ月ほど前、熊森本部に飛び込むようにして入ってこられました。がっしりした体格でこわもてのH氏。熊森に何か言いに来られたのかと、一瞬、私たちは身構えました。しかし、H氏の口から出た言葉は、

「殺されたクマの胃の中は、からっぽやったんやて。えさがないから出てきただけやないか。何で殺すねん。もう耐えられへんわ。クマがかわいそうやないか。なんとかしてやってくれ。毎日毎日全国で、腹空かしたクマが殺されていってるんや。熊森の会員、何人おるねん?みんな何してるねん!」と、うめきにも似たものだったのです。

何日か後に、H氏、再び熊森本部に、今度は元気良く飛び込んでこられました。「鳥取県が、26頭のクマを今年捕まえたというので、そのクマをどうしたのかきいてみたら、4頭殺して、あとは放獣したというんや。鳥取にドングリをいっぱい持って行こうと思う。放獣するとき、いっぱいくわしてやったらええんや」

さっそく電車に乗って、H氏、鳥取県庁へ。わかってもらえなかったようですが、めげずに、こんどは鳥取県のクマ生息地役場へ。「むずかしいことはわからん。お願いするしかない。お願いや、腹すかしたクマ殺すのだけはやめてやってくれ。かわいそうやないか。もう、たえられへんのや」H氏は、鳥取県民に協力者が必要と感じ、大阪の、鳥取県人会を訪れることまでしました。もちろん、熊森鳥取県支部にも電話。その純粋さと行動力は、18年前の中学生たちと同じです。

最近、H氏に電話したら、「今、鳥取です。今日は電車違う。車や。ドングリいっぱい積んでるから、車でないとあかんねん。思てるだけでは世の中変わらんで。自分が動かな」元気な声が返ってきました。「お願いします。殺さんといてやってほしいねん」大きな体を曲げて、鳥取のクマ生息地を、頭を下げてまわっているH氏の姿には、熊森スタッフ一同も、胸を打たれます。本当は、日本の自然や森、動物を守っていく力を持っているのは、このような人たちなのです。

そういえば、昔、私の周りには、H氏みたいな大人が、たくさんいたような気がします。人間の心を失っていないあたりまえの人間たちです。

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