くまもりNews
4月22日 20周年記念くまもり全国大会 集まることが大きな力に お申し込みはお早めに
- 2017-04-12 (水)
- くまもりNEWS
4/8植樹地のシカ防除ネット修復作業 豊岡市但東町 4/12(水)、4/16(日)手伝ってください!
今年の兵庫県但馬地方は数年ぶりの大雪でした。
雪解け時に塊となって斜面を動いていく雪の力で、毎年植樹地のシカ防除ネットが倒されます。一刻も早く修復しなければ、シカに苗木を食べられてしまうので、さっそく4人で修復作業に出かけました。
くまもり植樹地に行く道中、人工林のスギの木で倒れているのがありました。通れないのでチェンソーで伐り倒しました。直径30cmくらいの元気なスギの木でした。こんな木まで倒してしまうとは・・・、雪の力はすごいです。
倒れていたスギの木を伐採
いよいよ、植樹地に到着。運んできた資材を降ろしました。
アー重たかった。資材運びも大変です。
いよいよ植樹地に入ります。
シカ防除ネットを張ったままにしておいた斜面のパッチディフェンスは、杭もネットも倒れていました。
平地部分のシカ防除ネットは無事でした。
下の写真は、去年初めての試みとして、雪が降る前にネットを降ろしておいた場所です。ほとんどの杭が立ったまま残っています。セーフ。
雪が降る前にネットを降ろしておいた場所
しかし、何と、もうすでにシカが来て、新芽を食べてしまっていました。あ~あ。
一緒に植樹をしてくださった会員の皆さんのお顔が浮かんできます。せっかく植えてくださったのに、申し訳ない。
実は、心配で、3月下旬にも、ここの植樹地を見に来ていたのですが、その時は、まだ雪が残っていて、降ろしたネットが雪に埋まったまま凍り付いていました。
近くに住んでいつも見回りしていないと、ネットの引き上げチャンスを逃してしまうと思いました。
都会に住んで、ボランティアを募って修復に来るという今のシステムでは、どうしても対応が遅れてしまいます。
しかし、嘆いている暇はありません。さっそく、倒れている苗木を起こしたり、植え替えたりしながら、防除ネットも修復していきました。
今回新しく買ってきた杭は、雪で折れないように、直径5.5cm、長さは210cmもあります。地面に埋め込むことを考えるとこれぐらい長くないとシカから苗木を守れません。
この日の豊岡市は最高気温28度。暑いくらいでした。
一つ一つ状況が違います。丁寧に直していきます。
ヤマグワの苗木は非常に成育が良くて大きくなっていたので、防除ネットを大きめに張り直しました。
この日は4人で日没まで作業しましたが、まだ半分以上残ってしまいました。
そこで4月12日(水)に緊急的にいきもり活動但東町を実施します。
また、4月16日(日)は兵庫県宍粟市波賀町戸倉にある植樹地の防除ネットを補修します。こちらはまだ雪が残っているので、雪かきをしながらの作業になると思います。両日とも、人手がもっともっと必要です。
手伝っていただける方は、本部にすぐにご連絡ください。<森再生担当>
次回のいきもり活動
【内容】
4月12日(水)くまもり広葉樹植樹地のシカよけネットの補修(兵庫県豊岡市但東町)
4月16日(日)くまもり広葉樹植樹地のシカよけネットの補修(兵庫県宍粟市波賀町)
【集合時刻・場所】
午前8:00 阪急電車神戸線夙川駅南口ロータリー(兵庫県西宮市)
【参加費】無料
(兵庫県ボランティア保険に未加入の方は年間500円で加入できます。保険期間4月1から来年3月31日まで)
【お申し込み先】
TEL:0798-22-4190
Mail:contact@kumamori.org
よろしくおねがいします。
冬ごもりから覚めた「とよ」の近況
- 2017-04-06 (木)
- _クマ保全 | 大阪府 | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
4月6日の「とよ」です。
昨年秋にため込んだ脂肪が、まだ幾分残っている感じ
お世話隊のみなさんから、思わず「かっわいー」の声があがります。
本当にかわいいです。みなさん会いに来てやってください。
去年京都府では、70頭のクマが有害であるとして捕殺されました。
「とよ」を獣舎に入れて飼うのはかわいそうなのですが、野生でいたら里の柿やドングリを食べに来て、罠に掛けられ、殺されていた確率が高いです。生息地の広葉樹林の復元が進まない限り、クマと人の軋轢問題は解決せず、殺されるのはいつでも罠や銃の前に絶対弱者であるクマです。
3月23日、冬籠りから覚めた「とよ」は、最初、運動場をゆっくり歩いていました。
2か月も歩いていなかったから、無理もないですね。
しかしこの日の「とよ」は、もうすっかり元にもどって、運動場を元気に走りまわっていました。
寝室をのぞいてみてびっくりしました。
この間まで、藁には大きな穴があけてあり、そこに潜って冬ごもりをしていましたが、もう穴は不要となったのでしょうか。
穴が埋めてありました。
「とよ」が、藁の穴を埋めた。
去年、餌として与えた麦が残っていたらしく、運動場が麦畑のようになってきました。
とよの麦踏み効果はあったのでしょうか。
お世話が終わって、みんなであたたかいコーヒーを入れて飲んでいたら、「とよ」がそばに寄ってきました。
鼻を上に向けて一生懸命においをかいでいます。
りんごを与えたら、これじゃないという感じで無視。
どうも昨年から、「とよ」は、コーヒーの香りに魅せられているようです。
クマさんがうっとりと匂いを嗅いでいる横で、コーヒーを飲む。
これぞまさに、クマカフェですね。
お世話隊は今年も毎週木曜日、しっかりお世話をします。
いっしょに「とよ」のお世話をして下さる方は、本部までお電話ください。
埼玉県会員から 狭山丘陵墓地開発に反対の声を
- 2017-04-05 (水)
- くまもりNEWS
熊森にお願いがあって連絡させていただきました。
埼玉県所沢市三ケ島2丁目の自然豊かで希少な湿地(埼玉県立狭山公園内)に約7000㎡(0.7ヘクタール)856基の大規模な墓地開発計画が進められてます。
墓地計画地では、市内では見ることの稀になった蛍も棲息しています。
所沢市では墓地や駐車場や住宅地などで、年々、森林伐採が進み自然がなくなっているのでとても胸が痛いです。
カブト虫もクワガタ虫も野鳥もあまり見なくなりました。
狭山丘陵は僕の住んでる近くです。墓地計画が確定すると所沢市では希少な蛍がいなくなってしまいます。
貴重な所沢市の自然とそこに住む生き物のために、どうか署名と拡散お願い致します
(熊森から)
以前、日本には至る所に湿地があって、様々ないきものの良好な生息地だったそうですが、今や、ほとんどが埋められてしまいました。狭山丘陵の湿地はなんとしても残していただきたいです。
今回の開発場所は奥山ではありませんが、熊森は自然保護団体としてこの開発計画が気になり、関係各部署に問い合わせてみました。
この開発を計画しているのは大聖寺(だいしょうじ)というお寺で、開発しようとしているのは事業型墓地と言い、ふつうの檀家さん用のお寺のお墓とはちがうものだそうです。この開発計画には、石材店などの業者もかかわっているもようです。申請はこれまで2回出され、いずれも市から棄却されています。現在3回目の申請の手続きが進行中とのことです。
所沢市は2015年4月、市内の事業型墓地の余りが5%以下にならない限り、事業型墓地の造成は認めないという新しい墓地条例を作りました。現在、所沢市の事業型墓地は9%以上余っており、新条例ではこの墓地造成は不許可となります。しかし、この開発のための事前協議の申請が、新条例ができる前になされていたため、今のところ、新条例の適用は受けないのだそうです。
大聖寺は現在、開発計画の練り直しをしており、市から許可されそうな新しい開発申請を出してくるもようですが、今のところ、市役所にまだ新開発申請は出てきていないということでした。
詳しくは、公益財団法人トトロのふるさと基金や、狭山丘陵墓地開発反対協議会のHPをご覧になってください。埼玉にも、自然を守ろうとがんばってくれているなかまたちがいる。うれしいですね。
季節が少し早いのですが、大阪私立中学・高等生徒がスギ・ヒノキ人工林の皮むき間伐に挑戦!
- 2017-03-31 (金)
- _奥山保全再生
昨年の11月13日、大阪のインターアクトクラブ年次大会で室谷副会長がくまもり講演会を実施しました。当日は本部スタッフも同行して、「人間と野生動物が共存するには?」というワークショップを実施し、たくさんのアイデアを出していただきました。
その時参加していた生徒たちが、春休みのこの時期、実際に山に入って皮むき間伐をしたいと申し出てくれました。うれしかったです。
本当は、皮むき間伐は4月~8月あたりの樹木が水を大量に吸い上げる時期が一番適しているのですが、とりあえず、3月30日に実践していただきました。中学1年生4名、中学3年生1名、高校1年生16名、先生2名を含めて総勢23名の参加です。
三田市のNPO法人、「里野山家」さんと共催で実施しました。「里野山家」の佐藤さんに、場所の提供と昼食作りをお願いしました。
最初は、説明です。日本の森や林業の現状、野生動物や地元の獣害の現状、皮むき間伐の意義を、熊森本部スタッフが話しました。
現場に移動、まずは準備体操と皮むき間伐のデモンストレーションです。
いよいよ、生徒たちにやってもらいます。最初は皮が剥きにくい木ばかりで大変でした。
午前中はあまり時間がなく、すぐに炊き出しの時間が来てしまいました。炊き出しは生徒たちも手伝いました。
炊き出しをしている間、手の空いている人を連れて佐藤さん宅の裏山を案内しました。佐藤さんの裏山は人工林を皆伐してクヌギなどの実のなる広葉樹を植林しています。
お待ちかねのお昼ごはんです。育ちざかりの中高生にたくさんたべてもらおうと大量のカレーを作っていただきました。
お昼のあとはくまもりスタッフから、豊かな森の指標であるクマの生態などを説明しました。
たらふく食べた後は午後の皮むき間伐開始です。まずはスタッフがチェンソーで樹木を伐り倒すデモンストレーションをお見せしました。
いよいよ午後の皮むき間伐開始です。細い木より太い木の方が水分をたくさん吸い上げているからか、意外と皮が剥けやすいことを、数人の生徒が発見しました。さらに分かってきたのが、ヒノキよりスギの方が皮が剥けやすいということです。スギはヒノキより多くの水を含んでいるようです。
細い木をのこぎりで伐りたいという生徒がいたので、やってもらいました。さっき見せてもらったチェンソー伐採を参考にして、受け口と追い口をしっかり入れていました。自分で木を倒したのが嬉しかったようで、記念に伐った木の輪切りを持って帰りました。
中学・高等の生徒のみなさん、森再生のための皮むき間伐をしていただき、ありがとうございました。この日の成果は65本。まだ皮が剥けにくい時期に実施した割には、たくさんできました。
生徒のみなさんにとっては、自然や林業、野生動物や地元の人達のことを考える良いきっかけになったのではないかと思います。
昨年は関西大学学生、そして今回の大阪の私立中学・高等の生徒、くまもりは、これからも学生や生徒の皮むき間伐のご要望におこたえします。ぜひ、お声かけください。
今年は、この後、6月4日(日)、7月30日(日)、9月3日(日)の3回の一般向け皮むき間伐イベントを実施します。
たくさんの方にご参加いただきたいです。
<くまもり本部2017年4月度> 森林整備・環境教育・クマ飼育 ボランティア募集(会員・非会員)
※拡散希望
熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。
以下に、4月度の予定を掲載させていただきます。
会員・非会員に関わらず多くの方々にご参加していただきたいです。
学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。
ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。
本部電話番号 0798-22-4190
本部FAX番号 0798-22-4196
メール contact@kumamori.org
2017年4月の活動予定
<いきものの森活動>
①4月8日(土)植樹地のネット補修
(兵庫県豊岡市但東町)
②4月16日(日)植樹地のネット補修
(兵庫県宍粟市波賀町戸倉)
集合時刻・場所 午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー
現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。自車参加も可能。
- いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、どなたでもご参加いただけます。
現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。自車参加も可能。
天候不順で中止になることがあります。
当日連絡先090-1073-0980(担当:家田)
<環境教育部例会(於:本部事務所)>
③4月11日(火)10:15~ 見学も歓迎。
- 小学校や保育所などで、森や野生動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育部例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。
<保護飼育グマのお世話>
④とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)
4月6日、13日、20日、27日(毎週木曜日)
- 大阪府豊能町高代寺で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。
現在はとよ君が冬ごもりに入っているので、安否確認のみになります。3月中旬には冬眠が明けると予測されます。
現地までの交通手段がない方は、本部にご相談ください。自車参加も可能。
⑤太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石高原)
4月23日(日)(毎月第4日曜日)
和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。
集合時刻・場所 午前8:30に阪急夙川駅南口ロータリー
現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。自車参加も可能。
・環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。
・本部の車に乗車される場合は集合場所から現地までの交通費は不要です。
多くのみなさんのご応募をお待ちしております。
どうぞ、よろしくお願いします。
2003年当時、こんな急な斜面でも命綱をつけて植樹活動をしていました。この場所に植えたクリの木は今ではクマが食べに来た痕跡のクマ棚が見られるようになっています。
兵庫県本部<実のなる木植樹地> シカ除けネットの雪害状況を点検
くまもり本部がこれまで植樹をしてきた場所は全て奥山にあります。
毎年雪で植樹地のシカ除け柵の杭が折れたり倒れたりするため、雪害対策として植樹地のネットを降雪前に一部はずしてあります。雪が解けると同時に修復しておかなければシカに苗木を食べられてしまいます。各植樹地を点検してきました。
①まず1か所目は兵庫県宍粟市原のリンゴ園近くに植えたクマ用の柿の大苗植樹地です。少し雪が残っていますが、現場に入ることはできました。
ここは、昨年金網フェンスの下を掘ってイノシシが入っていたので、地元の方と電気柵を張った場所です。
ここは金網フェンスや電気柵のポールを買いなおす必要があるので、地元の方と協力して至急、修復します。
②続いて、兵庫県宍粟市戸倉の植樹地。ここはスキー場も近くにあり、今春かなり雪が積もった場所です。まだスキー場に雪が残っていましたが、暖かくなってきて雪が緩くなってしまったため、今年の営業は終了していました。
戸倉植樹地の斜面上の杭が倒れてしまっているので、シカに苗木を食べられる前に、タイミングを見計らってネットの修理に行かなければなりません。今はまだ無理です。
③続いて、兵庫県但東町大河内です。ここは例年そんなにも雪は積もりませんが、今年は大雪となりました。
雪がまだ40~50センチほど残っていたので、植樹地に行くのはあきらめました。この植樹地も、雪解けと同時にネットを修復しに行かなければなりません。
本部のある阪神間はすっかり春ですが、北部の但馬地方の奥山は、まだまだ雪で覆われていました。
人間はこの程度の雪で山に入れなくなりますが、シカはどうなのでしょうか。彼らは生きるために必死で、わずかに雪から顔を出した苗木の新芽を食べてしまうかもしれません。シカに食べられる前にネットの修復をすませたいです。
植樹地のネットの補修はいきもり活動で実施します。
4月のいきもり活動は4月8日(土)と4月16日(日)です。
4月8日は兵庫県豊岡市但東町の植樹地のネット補修を実施します。4月16日は兵庫県宍粟市波賀町戸倉の植樹地を修復します。植樹した苗木を育てていくにはこういう地道な活動が必要です。是非ご参加ください。
【内容】
くまもり広葉樹植樹地のシカよけネットの補修
【集合時刻・場所】
午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー(兵庫県西宮市)
【参加費】無料
(兵庫県ボランティア保険に未加入の方は年間500円で加入できます。)
【お申し込み先】
TEL:0798-22-4190
Mail:contact@kumamori.org
【本部いきものの森活動】3月12日(日)トチノキ苗畑のシカ除け柵修繕 兵庫県千種町
- 2017-03-26 (日)
- くまもりNEWS
熊森活動に賛同してくださる兵庫県宍粟市千種町の方が、トチノキの苗木を200本ほど育ててくださっています。2015年の植樹活動の時にも、20本ほどここから苗木をいただきました。今年は、兵庫県北部では5年に一度といわれる豪雪に見舞われ、この苗畑を囲うシカ・イノシシ防除柵が一部倒れたり、ネットが破けたりなどの被害が出ました。
3月12日の熊森本部のいきものの森活動では、この柵の修繕を行いました。
Before:倒れたシカ・イノシシ防除用柵。雪の力はすさまじい!
倒れた杭を起こして打ち直し、ネットを張りなおしました。
After
苗畑のトチノキは、雪の下でもしっかり育っていました。
大きくなったトチ苗木には、支柱を立てました。
この日は、都市会員3名のボランティアと、地元で苗畑でトチを育ててくださっている方、本部スタッフの5名で作業を行いました。皆さまお疲れ様です。
次回のいきもり活動は4月8日(土)です。
【内容】
くまもり広葉樹植樹地のシカよけネットの補修(兵庫県豊岡市但東町)
【集合時刻・場所】
午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー(兵庫県西宮市)
【参加費】無料
(兵庫県ボランティア保険に未加入の方は年間500円で加入できます。保険期間4月1から来年3月31日まで)
【お申し込み先】
TEL:0798-22-4190
Mail:contact@kumamori.org
よろしくおねがいします。
3月7日本部【いきものの森活動】皮むき間伐イベントのための選木作業
戦後我が国は、人工林を造り過ぎて放置、内部が大荒廃しています。
そのため、山で生きられなくなった野生動物たちがどんどん集落に出て来るなどの大変な弊害が地元に出ています。この拡大造林政策の後始末に、国や地方自治体が、乗り出していただきたいのですが、お願いしてもお願いしてもなかなか動いていただけません。
とりあえず、わずかであっても、気づいた市民の力でなんとかしよう。
熊森本部の森再生活動で特に力を入れているのが、小学生でもできる人工林の皮むき間伐です。
昨年は計4回の皮むき間伐イベントを実施しました。
今年は去年以上にたくさんの方に参加していただいて、人工林の皮むき間伐による自然の森の再生活動をどんどん拡げていきたいです。
3月7日のいきもり活動はその皮むき間伐イベントのための選木作業を実施しました。今回の参加者の中には皮むき間伐をしたことがない人もいたので、まずは試しにみんなで皮を剥いてみました。
実は皮むき間伐は樹木が水分を吸い上げている4月~8月くらいが最も適しています。この日はまだ樹木がほとんど水分を吸い上げていないので皮がなかなか剥けません。
今回は試しに皮むき間伐を体験してもらい、次は実際のイベントで皮の剥け具合の違いを体感してもらいます。
この日は林業経験のある方がいたので、2,3本樹木を伐採していただきました。
カナダで林業をやっていたそうですが、頼もしい限りです。
皮むき間伐に行くといつもお昼ごはんを作ってくださるお宅があります。熊森のイベント共催団体のNPO法人里野山家の佐藤さんです。この日は炊き出しをお手伝いさせていただきました。
ごはんを食べたら、今日のメイン作業の選木です。と、その前に、現場へ行く途中にトゲトゲのイバラがたくさんあって道を遮っていたのでイバラを除去。自分の身を守るための進化だと思いますが、このイバラはとてもやっかいでした。
現場の人工林はスギが少し混じったヒノキ林です。中は暗くて下草はほとんど生えていませんでしたがイノシシやシカの糞はいくつか見られました。通り道になっているのでしょうか。
まずは樹高を測って、このエリアの人工林の樹高の平均の値を出します。レーザー距離計という機械を使って樹高を測ります。
樹高に対する胸高直径を形状比と言いますが、これ以上の太さがあれば風雪害に耐えられる太さを計算し、その樹木を残します。それより細い木は皮むき間伐の対象となります。
ピンクテープを巻き終わって辺りを見回すと、ピンクテープが集中している場所と何も巻いていない樹木が多い場所があります。このままでは樹木が込み合うところとそうではないところができてしまうので、半径4mの円の中に何本くらいの樹木を残せば広葉樹林に遷移しやすいかの目安を考えて、その本数になるように調節します。山林所有者さんの意向も踏まえた上で適度な強度間伐をめざします。
最後はまた佐藤さんのお宅でお茶をしました。こういう時じゃないと地元の方とお話できる機会はないので、貴重な時間です。
この日は雪が舞うときもあって寒い一日でしたが、普段なかなかできない体験だったからか、みなさんとても楽しそうでした。
今回のいきもり活動参加者の感想
●久しぶりに山に入って、自然に触れる喜びと、まだまだ間伐が必要だなと、あらためて思う1日でした。自分個人的には、まだまだフィールド作業に入れてないんで、少しでも増やし、森再生に貢献したいと思います。皮むき間伐が、自然に優しい方法と聞けましたし、もっとやりたいと思います。それにしても、人間の根源的な喜びや働きって、自然への交流と回帰なんじゃないかなと感じます。今日はありがとうございました。T.Nさん(大阪)
●初めて皮むき間伐をやりましたが、コツがなかなか掴めず四苦八苦しながら作業してました。6月はもっと簡単に皮むき出来るようなので、次回は子供達と参加しようと思います。かまどで作ったお昼のカレーはとても美味しく、今後は佐藤さんと一緒に里山体験もしていきたいです。K.Iさん(兵庫県)
次回のいきもり活動は3月12日(日)です。
【内容】
くまもり広葉樹苗木畑のシカよけネットの補修(兵庫県宍粟市千種町鷹巣)
【集合時刻・場所】
午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー(兵庫県西宮市)
【参加費】無料
(兵庫県ボランティア保険に未加入の方は年間500円で加入できます。)
【お申し込み先】
TEL:0798-22-4190
Mail:contact@kumamori.org
※3月12日はまだ参加者が少ないので、我こそはという方は是非ご参加ください。よろしくお願いします。
2月24日 東京地裁「第3回リニア公判」傍聴報告 裁判に頼らず、もっと反対運動を大きく!
くまもり本部から、今回も傍聴に行ってきました。
98席の傍聴席に、152名が並び、抽選が行われました。
●古田孝夫裁判長が被告側に鋭い質問
古田裁判長は、「事業認可の前に建設指示を出しているが、それぞれの段階での判断がもし違法であれば、最終的に工事実施計画の認可も取消しになるというのでいいですか?」と被告である国に鋭い質問を投げかけました。
国の代理人は、「次回期日までには明らかにしたい」と答えました。
●岐阜県民の意見陳述<リニア工事によるウラン鉱床問題>を聞いて
リニアは国が認可して安部政権が3兆円の公的資金を融資、JR東海という大企業が行う事業だから、きちんと調べてやっているのだろうと思われがちですが、実態は全く違います。
これまでJR東海は、岐阜県側からウラン鉱床に関して、現地調査・ボーリング調査などを求められていたにもかかわらず、文献調査やヒアリングによる調査しか行っていませんでした。
しかし、「リニアを考える県民ネットワーク」が独自で、放射線量測量調査を行い、改めて、調査を要請した結果、JR東海も調査をせざるを得なくなりやっと調査したのです。
その結果、リニアが、ウラン鉱床が生成されやすい地質にトンネルを掘って工事を進めていく事業であることを認めました。住民のみなさんの不安は大変大きなものです。
●裁判中にもリニア工事は進み、自然環境が大破壊されていく問題について
参議院議員会館での報告集会会場で、沿線住民の一人が、「こうやって毎回の公判で、沿線住民の意見陳述をひとりずつ続けている間に、リニア工事が進んでいく。もっと裁判のスピードを上げられないのか」と、心配の声が上がりました。
これに対して、川村晃生原告団団長は、「裁判を進める一方で、この裁判を支える運動の裾野を各地にどんどん広げ、そのことが裁判に跳ね返るようにしていくことが大切」と答えられました。
本当にその通りだと思いました。裁判だけに頼るのではなく、裁判中にも、リニアの問題点を知った私たちが、どれだけ各地域でリニア問題を多くの人に伝えていくことができるか、これがリニアを止められるかどうかの鍵になります。
リニア工事は、人間だけではなく、たくさんの野生動植物の生息場所をも奪う工事です。これほど膨大な自然を失ってまで進める価値がある事業なのかどうか、ひとりでも多くの国民のみなさんに、一度立ち止まって考えていただきたいです。
今後の東京地裁での公判予定日は、以下です。
2017年4/28、6/23、9/8、11/24、2018年1/19