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シカのために広大な山をトラストしている人たちに敬意
- 2016-01-20 (水)
- くまもりNEWS
「植えない森造り」を進めておられる熊本県の平野虎丸先生は、日本熊森協会を指導してくださっている顧問先生のおひとりです。
現在77才の平野先生は、熊本県の代々林業家の家に生まれ、山や山の生き物たちといっしょに成長されました。自然を知り尽くし、生き物たちにそれはそれは深い愛情を持っておられます。
以前、三重県大台町の山を一緒に歩いていただいたとき、野鳥のお話になり、わたしたちがそんな鳥は知らないと言うと、呼んであげましょうかと鳥の鳴き声をまねられました。そしたら、なんとその鳥たちが私たちの目の前に飛んできたのです。こんなことが出来る人間がこの世にいるのかと、みんなで驚きました。たくさんの鳥を呼び寄せられると言われていました。まるで魔法使いです。
山や山の生き物たちを知り尽くしておられる先生に言わせると、シカは害獣ではありません。完全に益獣です。人間が山を開発したり山に植林したりしなければ、本来、森を荒らしたりしません。
しかし、環境省の官僚や若い研究者たちは、本当の自然をそこまでは知らないので、人間のした自然大破壊を棚に上げておいて、クマ、サル、シカ、イノシシを害獣扱いし、大量の税金を投入して野生動物を殺すことのみに躍起になっています。まさに弱い者いじめです。ここに日本国の危機があります。
シカが有害獣として殺されるようになったことに胸を痛め、平野先生たちは熊本県で、水源地でもあるシカの生息地をシカの為に大規模トラストされています。2008年に球磨村、2009年に八代市の坂本町、2011年には菊池市のスギ伐採地を購入されています。
今や完全に、農水省や環境省、肩書のある研究者やメディアに洗脳されてしまっている多くの国民は、シカを守るために山を買うなんて、この人は頭がおかしいんじゃないかと思うことでしょう。
そんなことをしたらシカが増えすぎて大変なことになる、シカは殺さねばならない。殺してジビエ料理として食べねばならないと思わされてしまっています。
狂気の発言を正しいと思い、全くもってまっとうで正しい主張が狂気に見える。本当にもう無茶苦茶の世の中だと思います。
久しぶりに、平野先生のブログをじっくり読ませていただきましたら、あまりにもすばらしくて、自然を知り尽くした人のかけがえのない発言であることを再確認しました。
会員のみなさん、良かったら、シカ問題の項目だけでも、読んでみてください。
人間としての生き方も含めて、くまもりが教えられることでいっぱいです。
●平野虎丸先生のブログのシカ問題の項目
まだかなと皆で待つ 「とよ」の冬ごもり 大阪府豊能町高代寺山頂
- 2016-01-19 (火)
- くまもりNEWS | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
1月18日。プールの水替えに訪れる。
到着、午前10時。昨日の最高気温6℃。
なんと、とよが運動場に出ていない。
この時刻にまだ寝室で寝ているではないか。
私たちの話し声を聞いても、寝たまま耳を少し動かすだけ。
すわ!ついに「とよ」冬ごもりに突入か。
しかし、水を運んできた車の音を聞くと、元気いっぱい飛び出してきて、またいつもの常同行動を開始。
あーあ、観測史上最高の暖冬だからなあ。
プールの水を全部落とす。
最近は、プールの中で糞をしなくなった。今回もしていなかった。
プールは谷川のように水洗トイレにならないことをやっと学習したのだろうか。
空っぽのプールに入ってどうして水がなくなったのかなと不思議そうな顔をして、きょとんとしている。
新しい水を入れてやると、真冬だというのに、うれしそうに何度もプールに入って、ごくごくと水を飲んでいる。
冷たくないのかな。本当に「とよ」は水が好きだ。
平成27年度の京都府のクマ捕殺数は40頭を超えた。
絶滅の恐れがあるクマなのに、いったいどういうことなのだろう。
1昨年は、「とよ」を元いた京都の山に放してやろうと、会をあげて取り組んだがかなわず、悲しかった。
しかし、もし、山に放していたら、目の前のこのクマの命は消されていた可能性が高い。
「とよ」を見ながら、何が「とよ」の幸せか、改めていろいろと考えてしまった。
寝室のドングリはほとんど減っていなかった。
もう、脂肪は十分たくわえたから、何もいらないのだろう。
和歌山県の花子はどうかと思い、山田さんに電話した。
「例年なら、クリスマスごろに冬ごもりに入るのですが、今年はまだそのそぶりもありません」との答えだった。
やっぱり・・・
野生グマはどうしているのだろうか。
兵庫県森林動物研究センターに電話してたずねると、「12月末以降、目撃がほとんどなくなりましたから、暖冬であっても、冬ごもりに入っているんじゃないですかね」という回答だった。わからないことだらけだ。
「とよ」お世話係の人達が、「とよ」が冬ごもりに入れるようにとある作戦を立てた。
さて、その作戦とは?うまくいくかな。
お世話隊のみなさん、今年もよろしくお願いします。
西宮市サル 野生ザル、善意の捕獲作戦がサルを負傷させる結果に 人間はそっと見守るべし
- 2016-01-16 (土)
- くまもりNEWS
- <事の経過>
- 1月6日昼ごろに、西宮市立体育館武道館の高さ約20メートルの屋根の上に1頭の野生離れザルが孤立しているという目撃情報がツイッターなどを通してまたたくまに拡散。
- このサルを保護してやって欲しいと願う善意の市民やマスコミ関係者がどっと現地に集まった。
- 何とか捕獲して山に返してやろうと警察などが高い屋根の上で捕獲作戦に乗り出したことで、恐怖のあまり驚いて逃げまどったサルが高所から地面のコンクリートの上に直撃落下。足を大きく負傷してしまった。
1月15日現在、このサルは、閑静な住宅地を移動中。西宮市行政としては移動先や健康状態などを連日秘かに把握し続けており、
<保護捕獲→獣医による治療→元気にして市内の山奥に放獣>
をめざしている。
市行政としては、サルが負傷していることもあり、見物者やマスコミに騒がないようそっとしておいてやってほしいと自粛を願っている。
現地は熊森本部から車で5分ほどの近く。
①サルが捕獲隊員たちに追われて高所から落下し負傷した映像、
②その後、屋根の上に再び上がりうずくまる負傷ザルの周りに、たくさんのカラスたちが集まっている映像、
これらの衝撃ニュース映像を見て、人間側の野生ザル対応の誤りに大ショック。
今回のサルの負傷は、明らかに人間側の対応ミスによるもので、人間の責任です。
くまもりは西宮市に電話で問い合わせた後、担当部署を訪問し、じっくり懇談しました。
(その結果わかったこと)
西宮市の野生動物担当者のみなさんは、町に出てきた野生動物はそっと見守り、山に帰るのを待つという正しい対応をご存じで、これまでもそうしてきたし、今回もそうしようと思われたそうです。
ところが、市の担当者が情報を得て現地に駆け付けると、それより先にツイッターなどで知った人々やマスコミがすでにつめかけており、「サルを早く助けてあげて」という善意の声に押された警察の人達が、高い屋根の上で保護捕獲を試みていたようです。
みんなが善意だったのですが、その結果、このサルに大けがを負わせてしまいました。
この負傷事件後から現在に至る西宮市の対応は、市のHPにも掲載されています。
野生動物を思いやる立場にたった誠にまっとうなもので十分納得できるものです。西宮市民としてうれしく思います。
また、テレビニュース放映後、何人か数えられないほどの多数の電話が西宮市に殺到したそうです。内容は全て、「サルがかわいそう。何をしている。早く助けてやってくれ」という、おサルを心配するものばかりだったそうです。
最近、サルの生息地では、国の指導で、被害防止や管理という名のサルの射殺や捕殺がかなり広く行われており、狂気とも思えるほどに、ますますこの残虐な傾向が強まってきています。(年間2万頭以上のおサルが殺されている)
くまもりは、問題があるなら防除を強化すべきであり、人間とほとんど変わらないサルの殺害には反対です。
そんな中、今回の西宮市の離れザルにかかわった人たちや声を上げた人たちが、なんとか助けてやりたいと願うものばかりだったということがわかり、サル負傷という残念なことになったものの、一般市民のやさしさや人間としての正常な感覚に、正直、くまもりはほっとしました。
今後、関係者のみなさんにはこのようなことがあった時は、善意であってもすぐ捕獲に動かず、まず市の担当部署の指示を仰いでもらう指示系統を確立して欲しいと思います。(くまもりに連絡してほしかったです)
また、野生動物に人が押し寄せると、恐怖のあまり野生動物が興奮して事故につながりますから、善意からであっても今後は人間としてこのようなことは自重したいものです。今回の事で、わたしたち市民は一つ勉強して賢くなりましょう。
p.s
1月18日、このおサルは山の近くで目撃されたのを最後に、消息を絶っています。手を骨折しているもようで、胸が痛い限りですが、何とか生き抜いてほしいです。
今回、1頭の哀れなおサルに多くの市民のみなさんが胸を痛めてくださいました。人類が地球上で生き残るために、この感性はとても大切です。
企業勉強会② これからの太陽光発電はシリコン型ではなくチタン型に
- 2016-01-11 (月)
- くまもりNEWS
企業勉強会に出席して、いろいろと学びがありました。
その中でも一番衝撃的だったのは、太陽光発電のことです。
福島原発事故後、再生エネルギーへの転換が進み始め、昨年度、九州のある地域のある時期の再生エネルギーが占める割合は、20%を超えたそうです。これはかつて原子力発電がこの地で占めていた割合を上回るのだそうです。
それが手放しで喜べることなのかどうかは置いておいて、現在のシリコン型太陽光発電器材を製造するには、環境破壊につながるかなり危険な種々の薬品や大量のエネルギーが必要だそうです。しかし、17年後は劣化して、これらの器材は何にも転用できず、膨大なゴミとなる運命なのだそうです。
くまもりは、山の木を伐って太陽光発電のパネルを設置することは、今以上に野生生物の生息地を破壊することになるだけではなく、山崩れの原因となり、家や人命まで失う恐れがあるので、地元の方たちのためにもやめるべきだと考えています。まして、17年後、全てが大量のゴミとなって、谷や海を埋めることになるのかと思うと、恐ろしくなります。
ところが、奈良県生駒市にある中小企業の社長さんが、シリコン型ではなくチタン型の太陽光発電を発明されました。チタンを使うと、製造が簡単で、発電量が多く、パネルに斜めにあたる太陽光でも、北欧の白夜のような弱い太陽光でも発電できるそうです。その上、シリコン型と違って半永久的に器材が使えるそうで、大量ゴミにならないそうです。
社長さんにその仕組みを説明していただき、日本のものづくりは中小の企業が支えているという話を思い出しました。社長さんの話通りに行くなら、素晴らしい太陽光発電革命だと思いました。
くまもりとしては、すぐに大手電機メーカーが飛びついて、チタン型太陽光発電の製造に入ると思ったのですが、大手は動けないのだそうです。なぜなら、シリコン型太陽光発電器材を作るために、既に今、膨大な設備投資をして大工場を建設してしまっており、これを突然やめて新たなインフラ整備を開始するなど無理ということです。
大企業ゆえに、小回りが利かないことがわかりました。開発された社長さんは困ってしまって、海外の企業にアタックしようと思われているそうです。
くまもりがこのチタン型太陽光発電を試してみたわけではないので、強くは言えませんが、シリコンを使ったp型n型半導体が劣化して大量ゴミになることを思うと、日本国内で、チタン型太陽光発電を試してみて、良い物なら国内でどこかの企業が生産してほしいと思いました。ちなみに、この社長さん、チタン型太陽光発電の特許をとられたそうです。
企業勉強会① 経営理念は、「地球への愛」
- 2016-01-11 (月)
- くまもりNEWS
新年早々、ずっと熊森を応援してくださっている企業の勉強会に出席させていただきました。
この企業の経営理念は、「地球への愛」です。
いくらもうかりそうでも、地球環境を破壊することになる原発製造や武器製造には絶対に手を出さないと決めておられるそうです。
どこまでも<人の道>をかたくなに守って企業経営を行おうとする企業があり、その企業を応援しようと全国各地から人々が集まっておられる。胸が熱くなりました。
くまもりはこのような会社に応援してもらっていることを、誇りに思います。
出席者のおひとりが、「外に出ないとチャンスは来ない」と言われていましたが、その通りだと思います。
くまもりを広めるために、みなさん、今年もどんどん外に出て行きましょう。
新春くまもり街頭キャンペーン
- 2016-01-10 (日)
- くまもりNEWS
くまもりの活動を一人でも多くの方に知ってもらいたい。
若いスタッフたちが、新春早々、神戸市の街頭に立って訴えました。
野生動物たちと共存しなければ、人間も生き残れない。
クマ、サル、シカ、イノシシ問題は、
殺さない解決法にチェンジしよう!
行政は私たちの税金を使って、野生動物を食べるジビエ料理を無理やり国民に普及させようとしていますが、
あんなのエコでも何でもない。
日本を一層ダメにするだけです。
みなさん、のらないでください。
昔の人達がやっていたように、まず、防除柵、
次に、野生動物たちの生息地復元・再生!
棲み分け共存の復活!
くまもりは、今年も「生命尊厳社会」の復活をめざして奥山に入り込み、がんばります。
みなさん、いっしょに活動しましょう!
年1回だけの活動参加でも、OKです。
あけましておめでとうございます
- 2016-01-10 (日)
- くまもりNEWS
ドングリが多く落ちている奥山に、くまもりスタッフが自動撮影ビデオを仕掛けました。
まず母熊がやってきて、すぐにカメラに気づき、さわって調べ始めました。
レンズに母熊のドアップ顔が写りました。
危険性がないとわかると、子グマを呼び寄せて、いっしょに落ちた実を食べ始めました。
以前のように、林床に2メートルのササが生えていたら、人間に知られずに暮らせた親子です。
環境省鳥獣保護管理室による報道発表 (平成28年度種々検討会等の傍聴・パブリックコメント)
- 2015-12-31 (木)
- くまもりNEWS
・①平成27年度特定鳥獣(イノシシ、ニホンジカ、カワウ、クマ類、ニホンザル)保護及び管理に関する検討会の開催について
・②特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン(ニホンジカ編)・(ニホンザル編)の改訂案に対する意見募集
パブリックコメント期間:平成27年12月25日(金)から平成28年1月24日(日)まで
・③認定鳥獣捕獲等事業者一覧 [PDF 160KB](平成27年12月24日現在、環境省発表)
第8回くまもり東京シンポジウム
さる11月22日、第8回くまもり東京シンポジウムが、お茶の水女子大学で開催され、117名のみなさんがご参加くださいました。良いシンポジウムだったと思います。
シンポジウム会場風景
まず最初に、くまもり東京都支部川崎支部長が、「環境省は現在、増えすぎているとして、大型野生動物たちを大量捕殺する政策ばかりを進めていますが、問題の原因を作った人間たちについては全く反省がありません。今回のシンポジウムが、このようなことを考えるきっかけになるように願っています」と、あいさつされました。
続いて、一般財団法人 日本熊森協会の森山会長が、会の名前になぜ熊という字が入っていなければならないのかを、わかりやすく説明されました。
また、人間は、トラやライオンのような肉食獣とも共存しなければならないことを思うと、ほとんど植物食といっていいような雑食動物である熊とは、祖先もこの国で共存してきたし、これからも共存できると話されました。
ただ、現在、多くの山で、増えたシカによって自然林内の下層植生が消えてしまい、熊がシカによって山で棲めなくなっているという危機的な状況にあることなどを紹介されました。
環境省資料より
続いて、公益財団法人 奥山保全トラストの室谷理事長が、「日本では、土地所有権というのは大変強い権利です」として、ナショナル・トラストという手法が、自然を守る手段として大変有効であるという話をされました。
この日のメインは、信州大学山岳科学研究所の高畠千尋さんの講演「クマが人里にやってくる理由」でした。
データの結果を説明する高畠さん
28頭のクマにGPSの首輪を装着したことによって得られたデータが、高畠さんによって次々と発表されました。
これによってわかってきたことの一つとして、人間が住みやすい平地や里山は、クマたちにとっても住みやすい、そして、住みたい場所であるということです。クマが人里に出てくると、現在、大問題にされますが、クマたちは、できる事なら、山岳地帯ではなく平地や里山に住みたいと思っているということでした。
下の本(信州大学山岳科学研究所出版)には、高畠さんの研究論文も入っています。今回、東京都支部が高畠さんをお呼びしたいと思うに至った本です。とてもいい本なので、熊森会員のみなさんにも是非読んでいただきたいです。
今回の講演内容等は、何らかの形で文字にして、会員のみなさんにお伝えしたいと思っています。
この後は、大阪府で誤捕獲されたツキノワグマ「とよ」の救命までの道のりを13分でまとめた動画の上映や、東京都で今年有害捕殺された5頭のクマたちの報告、関東地区の熊森支部の支部長のみなさんによる活動報告などがありました。
準備してくださったみなさん、ご参加くださったみなさん、ご苦労様でした。
本末転倒 森林伐採100ヘクタールで太陽光発電計画 京都府南山城村ら
<以下、京都新聞2015年12月23日記事より>
メガソーラー計画 村が将来見据え対応を
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手前の山がメガソーラー建設予定地の一つ(南山城村北大河原) |
京都府南山城村と三重県伊賀市の一帯で進む大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画は、森林を伐採して合計100ヘクタールの土地を開発する。私有地がほとんどだが、村には住民の生活環境を守るため、将来を見据えた対応が求められる。
メガソーラー計画が財政的に自治体にもたらすメリットは大きい。開発業者の説明資料によると、太陽光パネル設備への課税で固定資産税のうちの償却資産税は年6千万円に上る。
村の2014年度決算では、ダムやゴルフ場などによる村の固定資産税は1億7千万円。村民税は1億2千万円で前年度比8・3%減。人口が2014年に3千人を割り、日本創成会議の「消滅可能性都市」に挙がる村には、魅力的な計画だ。
だが、今回の計画は広大な面積の山を変形させ、樹木を太陽光パネルに置き換えることが盛り込まれており、環境が大きく変わる。ゴルフ場や工場などの跡地を利用したメガソーラーとは異なり、別の問題が起きる懸念がある。
その一つが、山の保水力の低下だ。開発業者は、水路や調整池を設けて流量調整をするとした上で、「現状よりも安心安全になります」と強調する。しかし、村域で54人が犠牲となった1953年の大水害を知る村民は、近年多発する集中豪雨に耐えられるのかを心配している。
生態系をはじめ、周辺のニュータウンや小中学校などへの影響も未知数だ。
太陽光パネルの耐用年数は通常17年。仮に今回の計画が実施されたとしても、パネルに寿命が来た際、事業者がメガソーラーを継続するかはわからない。将来、事業者が村を離れても、敷地は開発前の状態には戻せない。跡地を住宅地やゴルフ場などに変える計画が持ち上がる可能性もある。メガソーラー以後を十分に考えておく必要がある。
「景観が変わる可能性がある。村としてどのような方針をとるのか」。今月10日の定例村議会一般質問で、村議がただした。村が活性化の中核施設に位置付ける「道の駅」(2017年春開業予定)や学校などが予定地周辺に立つことが念頭にあった。
手仲圓容(かずよし)村長は「民間同士の開発計画なので法にのっとり進めてもらう」と答弁し、住民から大きな反対がない限り、静観する姿勢を明らかにした。景観に関しては周囲が樹木で覆われ、ほとんど変わらないと説明した。
森林開発や砂防工事などの許認可権限は府にあり、住民への計画説明は事業者が担っている。村は独自に計画を検証する義務を持たないが、地元自治体として文書で府に意見を述べることができる。府や事業者に任せきりではなく、積極的にメリットやデメリットを村民に示して議論を深め、村として守るべき価値を示す姿勢が求められる。
くまもりから
2016年1月16日に、事業者「ファースト・ソーラー・ジャパン・プロジェクト6合同会社」(東京都)が、全住民(京都府南山城村・三重県伊賀市)に説明会を開く予定だそうです。
森林伐採を行って環境に良い太陽光発電パネルを設置する事業は本末転倒であり、国も府も認可すべきではないと、くまもりは思います。
今でも過疎地は空き家だらけです。これからますます人口も減ってきます。太陽光パネルの耐用年数が過ぎる17年後、壊した里山はどうなるのでしょうか。2度と元には戻せません。宅地開発や、ゴルフ場などやってもうまくいかないと思います。村民のみなさんは、たいせつな故郷の自然環境を失わないようにして下さい。
第一、この山林は、イノシシをはじめいろいろな野生生物のすみかです。開発したら、彼らの行き場がなくなってしまいます。必ず人間にも大変なしっぺ返しが来ます。