くまもりNews
8月11日 誰にも責任がとれませんが、それでもいいのですか 川内原発再稼働(鹿児島県)
- 2015-08-16 (日)
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2013年7月に策定された新規制基準の下で、「全国初の再稼働」となった九州電力川内原発。
どうしてこんなことが日本のような成熟した社会でまかり通れるのか、信じられません。
昨年6月に市民グループが市民約1万7000人を対象に行ったアンケートで、回答数約1100のうち85%が再稼働に反対だったそうです。
多数派が常に正義とは限りませんが、この場合は当然だと思います。
福島原発事故と、それ以降の福島がどうなっていっているのかを、国民はじっとこれまで見てきました。
国は、もし事故が起きたら国が責任を持つと言っています。気持ちはうれしいですが、元の大地に戻すことは誰にもできないのです。
できもしないことに責任を持ちますなどと言うのは、無責任です。
事故が起きなくても、いまだに放射性廃棄物の処理法がありませんから、原発は地球環境を汚染していく一方です。
たった一つしかない宇宙船地球号を汚染して生物が住めない星にしていくのと、タクシーの運転手や食堂経営者がこれでお客が増えると喜ぶのとを、天秤にかけるのはまちがっています。
私たちの命を支える地球環境の保全と経済は、天秤にかけられるようなものではありません。
冷静な判断力を持つ第三者としての市民が、もっともっと力を持つ社会にしていかねばならないと思いました。
「欲に狂った電力会社の暴走と、そのおこぼれに群がろうとしている人たちを、お天道様は見ています。天は決して許さないでしょう」という声を聞いて、少し救われた気持ちになりました。
8月7日 第20回本部原生林ツアー下見
- 2015-08-15 (土)
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今年も早々と予約バスが満席になった岡山県西粟倉村にある若杉原生林へのツアー。
参加者のみなさんに、安全で楽しく、しかも勉強になる「くまもり原生林ツアー」を体験していただこうと、お世話させていただくスタッフたちが、下見に出かけました。
当日、森の案内を手伝ってくれる地元高校生たちも参加して、みなさん、しっかりと勉強してくれました。
原生林の案内で欠かせないものの一つが、ギャップの説明です。高校生のひとりが、「ギャップ、ギャップ」と何度も声に出して覚えていました。
生き物たちは人が入っていくと逃げてしまうので、なかなか会えませんが、痕跡を探しました。きれいな小鳥の羽が落ちていました。さてこの鳥の名は…当日、
参加されたみなさんにお教えしますね。
赤い実がなっていました。何の実でしょうか。人間も食べられるのでしょうか。答えは当日です。
緑の実もなっていました。
2つに切ってみると
これは何の実でしょうか。食べられるのでしょうか。などなど。→サルナシです。熟すとまるでキウイのミニチュア版です。サルナシを品種改良したのがキウイですからもっともですが。もちろん人間も食べられます。
8月23日の当日、参加者のみなさんにいろいろご説明させていただきます。お楽しみに。
8月9日 本部、クマの生態調査
- 2015-08-15 (土)
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8月4日 本部職員、福島県会員らと福島県庁を訪問
本部職員1名福島県会員5名計6名で、福島県庁生活環境部自然保護課を訪れました。
福島空港到着
県庁では、3名の担当者が出て下さり、ていねいに対応していただきました。
福島県では今年、ブナが豊作だそうです。という事は、来年は凶作です。
大型野生動物の現状は、地球温暖化が原因でしょうか、
会津でイノシシが増加し、クマの生息域と重複しだしている。
ニホンジカが茨城県、山形県より入ってきているなどと、
教えていただきました。
ツキノワグマについては、推定生息数は2700~2800頭。しかし、よくわからないということでした。
最近は人家の近くに出没し、人間を見ても逃げない若グマが増えているのだそうです。
昨年度の有害捕殺数は430頭で、長野県に次いで全国で2番目に多い捕殺数です。
もちろん、放射線量が高いので、食用にすることはできません。
殺す必要はあるのでしょうか。
シカやイノシシがあまりいないためか、シカ罠やイノシシ罠にクマがかかるという事はほとんどないそうです。
誤捕獲グマは、2015年春より現在まで2頭あり、2頭とも放獣したといわれていました。
県民へのクマ対策としては 県が作成した啓発チラシを会津地区の全戸に配布したそうです。(以下参照)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/48231.pdf
最近の クマの行動には、これまでになかった明らかな変化が出て来ており、それがなぜなのかわからないと言われていました。
会津は福島の中では放射線量が低い方ですが、それでも他県と比べると高くなります。
熊森としては、2011年福島原発事故以来、野生鳥獣の体にも被曝変化が出て来ていないか心配ですが、行政の方は、少ない人数で調査もなかなか思うように進んでいないようでした。
熊森福島県会員たちは、市民団体として、自分たちもこれからもっともっと調べていこうということになりました。
お時間を取っていただいた担当部署のみなさん、ありがとうございました。
8月2日 本部生き物調査 兵庫県豊岡市
- 2015-08-15 (土)
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8月1日 命の尊厳を忘れないで 神戸でのイノシシのシンポジウム
- 2015-08-12 (水)
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一等地である兵庫県公館1階大会議室で、井戸敏三兵庫県知事を招いて、「なぜイノシシは都市に出没するのか?」というシンポジウムが持たれました。
いったいいつまで、人間勝手もはなはだしいこのような一方的な研究発表を、わたしたちは聞かされ続けねばならないのでしょうか。
神戸市にある六甲山のイノシシたちに、反論の時間を与えてやって欲しいと、心底思いました。
●本当にイノシシは増加しているのか
いつも思うのですが、増えたか減ったかは、いつと比べてなのか、どの範囲を見てなのか。比較基準が必要です。そこを言わずに、「増えた」と言ってしまえば、他地域の人達は、大学の先生が増えたと言っているから増えたんだろうと疑問もなく信じてしまいます。しかし、ずっと住んできた者から言わせれば、子供の頃の方がずっとたくさん六甲山にイノシシはいただろうと思います。数えたわけではありませんが、六甲山は、全山がイノシシたちの生息地だったからです。
そのイノシシたちの生息地である里山を、戦後、人間が次々と宅地開発し続けました。どんな生き物も、生息地を奪われたら生きていけません。増えられません。小学生でもわかることだと思います。
100年前の禿山だった六甲山を、人間が植林したからイノシシが棲めるようになったんだと恩ぎせがましく言う人がいますが、100年前禿山だったのは、人間の過利用のためですから、えらそうなことは言えません。その当時は、時代的に人口も少なく、開発も進んでいませんでしたから、兵庫県全体としてのイノシシの総数は、もっともっといたはずです。
●イノシシの生息地であった里山を都市にしたのは人間
以下の写真は、阪神間の裏山です。(六甲山も同じ状況です)
子供の時、山は全山木々に覆われ、家はまずありませんでした。
人間は平地に棲み、里山にはイノシシが棲んでいたのです。今や、山の半分以上まで宅地が上がっていっています。しかも、これらの山の裏側にあたる三田市は、大開発され、イノシシの国であった広大な里山に、続々と新しくニュータウンが誕生しています。
●本質的な問題から目をそらさないで
イノシシが都市に出たのではなく、都市がイノシシの生息地に入り込んだから、人とイノシシの出会いが多くなったのです。
シンポジウムでは、学者先生が、餌付けをする人がいるからイノシシ問題が起きる。「人を恐れずに都市部に出没するイノシシに対しては、捕殺する以外の選択肢はない」と結論付けておられました。餌付けの問題もあるでしょうが、それよりももっと根本的な、人間がイノシシの生息地に家を建てたりものすごい数のゴルフ場を造ったりしてきた問題こそ、論じるべきです。全て、人間が引き起こしたことなのです。
●命の尊厳を忘れないで
どんな生き物も、一番大切なのはたった一つしかない命です。捕殺する以外の選択肢はないなど、言い過ぎです。恐ろしい言葉だと思います。子供たちには絶対に聞かせたくありません。
どうか研究者のみなさん、最も大切な命の尊厳を忘れないでください。
クマたちに森を返そう
イノシシたちに里山を返そう
シカたちに草原を返そう
明治以降爆発した人口が最近になってやっと減少に転じ始めたのは、見えざる神の手のはたらきのような気がします。
8月7日三重県いなべ市誤捕獲グマ、山で野生グマとして生存し続けることを認めることで1件落着!
2015年5月17日、三重県いなべ市でイノシシ用捕獲檻に誤捕獲されいったん放獣されたオスのツキノワグマですが、一時期、三重県が再捕獲と殺処分を決定しました。この決定は問題だとして、くまもりは救命の声を上げました。
6月12日、くまもり本部は、三重県がこのクマの捕殺に税金を使うことを認めないとして、三重県に住民監査請求を行いました。しかし、このクマを捕殺するために税金を使おうとしていたのは市だったため、6月30日付で、この住民監査請求は三重県によって却下されました。(市に出すべきだった)
8月7日、三重県庁発表によると、三重県は、このクマが今後もいまのまま山で野生グマとして生存することに問題なしという最終結論を出し、これまで続けてきた電波によるクマ所在場所調査を終了。人里近くに計10基設置していた捕獲オリも全て撤去し、この件を終えました。
ただ熊森としては、このクマの首につけられた一生外れない発信機を外してやれないまま終わってしまったことに、胸を痛めています。三重県は、今回、遠隔操作で首輪を落とせる最新型発信機付き首輪を購入したそうで、次回からはこちらを使用すると言われています。一歩前進です。
今回、滋賀県、三重県、岐阜県及びそれぞれの市町村行政や猟友会員の方々の中に、野生動物たちに共感する心を失っていない人たちが何人かおられました。かれらは、「山の中に逃げ込んだクマを探し出して殺すなんておかしい」とずっと言われていました。今回、クマの命を守る方向で終われたのは、この方たちのおかげであると熊森は思います。(担当者によって、結論はすっかり変わってしまいます。)
また、くまもり本部を初め、各くまもり支部も、今回、本当によくがんばって動いたと思います。
以下、その記事のリンクです。
三重県発表http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/2015080104.htm
毎日新聞http://mainichi.jp/select/news/20150808k0000m040066000c.html
中日新聞http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20150808/CK2015080802000016.html
これまでこのツキノワグマの命を救うために、たくさんの方々が行政に、電話やFAX、メール、手紙などを使って声を上げて下さいました。このツキノワグマが捕まらないようにと心を痛めてくださった方々も多くおられました。
良い結果に終わりよかったです。みなさまに、心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。これからも、全生物と人のため、野生動物たちのすみかや命を守る社会をめざして、みんなで声を上げていきましょう。
▼「地下水保全法案」 議論が進まない理由はリニア? 橋本淳司の週刊「水」ニュース・レポート (2015年7月29日)より
- 2015-08-07 (金)
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現在行われている第189回国会(会期2015年1月26日~9月27日) 中にも成立予定だった「地下水保全法」の議論が進んでいません。 今年2月、水循環基本法フォローアップ委員会から上申された 「地下水保全法案」について、衆議院法制局および関係各省から 膨大な意見書(厚さ3センチ!)が出され、集約すると以下の4 つにまとめられます。 その1「地下水保全涵養負担金条項を削除せよ」 その2「リニア新幹線建設に支障をきたす」 その3「憲法の財産権に抵触の恐れ」 その4「地下水メカニズムがわかった前提で記述されている」 正直、なんでいまさらこんな意見が出てくるのだろうかと思うレ ベルです。水循環基本法が玉虫色であることのツケなのでしょうか。 なかでも、その2には驚きました。 正確には、法案に対する意見書に「リニア」という記載はないの ですが、「トンネル工事中に地下水が湧き出した場合等にも(工 事に対する)規制がかかることになるが、公共事業等に支障が生 じるのではないか」とあります)。 すでに実験線の現場でも集落の水源枯れが起きており、本線も80 %が山岳部のトンネルであることを考えると、同様の水涸れがあ ちこちで発生する可能性があります。 (※詳細については「リニア中央新幹線が水を奪う」を) http://www.aqua-sphere.net/literacy/j/j05.html リニア新幹線は集落の水を枯らし、生き物の生息地を奪う可能性 があるわけで、それに「待った」をかける地下水保全法は成立さ せないということなのでしょう。 地下水保全法は、いままで無法地帯だった地下水の利用・保全 ・涵養のルールを定めたもので、地下水を持続的に活用していく ためにはなくてはならないものです。 それをリニア建設に支障が出るからとストップしてしまうとは、 なんとも本末転倒。 「水は国民共有の貴重な財産」と定めた水循環基本法はいったい 何だったのかと思ってしまいます。
北秋田市の「熊森」と「くまくま園」ツアーの下見(3日目)
- 2015-08-05 (水)
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7月20日(3日目)
ゴンドラを使ってお花畑で有名な森吉山頂上をめざしました。
残念ながらこの日は頂上に到達することはできませんでした。
しかし、ゴンドラに乗ると、ブナやミズナラの原生林を真下に手に取るように見下ろせて、感動でした。

天気は悪いですが、ゴンドラから見下ろした山々
今年は秋田のブナは並作と聞いていましたが、ゴンドラから見下ろしたブナにはびっしりと実がついており、圧巻でした。
今回の下見は、台風の影響で3日間とも雨やくもりという悪天候の中でのツアーでした。
しかし、それを差し引いても秋田県の豊かな自然や「くまくま園」は感動できる楽しいツアーでした。
関西組は18:50秋田空港で帰路につき、20:15伊丹空港に帰り着きました。
今回の下見で、具体的なツアー計画を立て直し、実際に参加者を募ってツアーを実施していきたいと思います。
熊森は、「くまくま園」を訪れる人やリピーターが増えて、秋田だけではなく、日本の「くまくま園」、世界の「くまくま園」と「くまくま園」がなっていくことを願っています。
八幡平クマ牧場から救出されたクマたちが、最後の1頭まで終生保護飼育していただけますように、「くまくま園」の入場者をもっと増やしていきたいと願っています。
ツアー募集の時は、どうぞご参加ください。
8月4日 捕獲罠が4基に増やされ、周囲にまで蜂の巣がばらまかれている 兵庫県○○市やり過ぎ ⑥
心配になって、7月24日と7月29日、8月4日にも、がんばって現地調査に行ってみました。
この幼獣グマ用捕獲罠の設置期限は3度目の延長となり、罠も4基に増やされていました。かかれば殺処分です。
しかも罠の近くには、クマを誘引するための蜂の巣の一斗缶が空っぽになって転がっており、蜂の巣が、罠の中だけではなく、周りのいろんなところにばらまかれていました。(これにより、遠くのクマまで引き寄せて、有害捕殺が拡大される恐れ)罠の外に、魚の頭が置かれていた時もありました。
何が何でもクマを捕殺しようとむきになっている人達の様子が伝わってきました。
空になってころがっていた国産ハチミツ一斗缶
捕獲檻の中だけでなく、周囲何か所にも蜂の巣がばらまかれていた(写真中央の白い物)
上の写真中央の白い物(蜂の巣)の拡大写真
罠の外側にも蜂の巣が振り掛けてあった。もうやり過ぎでは? 実際、成獣の目撃も出て来ている。
(発想の転換を)・・・そもそも旅館街にクマが出て来なければいいのです。ここまでするのなら、むしろ罠をやめて、山奥に蜂蜜の一斗缶を置いてやればどうでしょうか。クマは山奥に向かいます。殺さない解決法が一番すぐれているのです。
このように集落の横にクマの誘引物を大量にばらまいておくことは、集落にクマを引き寄せ続けていることにもなります。観光地の風評被害を恐れて、住民の為に幼獣グマを捕殺したい一心から出た行政行為でしょうが、これでは本末転倒です。本当に地元の人たちはここまでして、多くが殺処分を望んでおられるのでしょうか。
行政のこの様な行為によって幼獣グマが集落をいつまでも離れなくなったり、無関係だった成獣グマまでやってきて、それこそ人身事故が発生したら、行政の責任はどうなるのでしょうか。
熊森としては、この観光地のお客が減ることがあってはならないので、今回の問題において具体的な町の名は差し控えるなど、最大限配慮しました。
熊森は、観光地の特殊性は認めます。よって、クマの早期捕獲には賛成します。
しかし、この罠のかけ方はひどすぎます。
兵庫県では、クマは絶滅危惧種であり、保護対象動物なのです。