くまもりHOMEへ

くまもりNews

クマ料理絶滅の危機 マタギの里山形県小国町 原発事故で出荷制限 

 以下、産経ニュースより 2013.04.16

 


「小玉川熊まつり」で張り出されたクマの毛皮とマタギ=2007年5月、山形県小国町【拡大】

 マタギの里として知られる山形県小国町で、名物のクマ肉料理が消滅の危機にある。東京電力福島第1原発事故の影響でクマ肉の出荷制限が続いているためだ。地元では「伝統の食文化が絶えてしまう」と不安が広がっている。

事の発端は昨年4月。山形県内で捕獲されたツキノワグマ2頭の肉から、国の基準値を超える放射性セシウムが検出された。国は同9月、県全域のクマ肉の出荷制限を指示。半年以上たっても制限が解除されていない。

マタギ文化が残る小国町では毎年5月、春の猟で捕獲されたクマの供養のため「小玉川熊まつり」が開かれ、約3000人の来場者でにぎわう。客のお目当てはクマ汁。クマ皮の抽選会も評判だ。

昨年は出荷制限前で例年通りだったが、今年はクマ汁販売は中止。抽選会は原発事故前に捕れたクマの皮で行う。マタギ歴50年という実行委員の舟山堅一さん(70)は「クマ汁が出せないと客が減ってしまう」と祭りの人出を心配する。

山形県内では鶴岡市の「タキタロウまつり」など、大型連休のイベントでも例年クマ汁が提供されてきたが、今年は見送られる。

観光業界も影響を受けている。小玉川地区にあるクマ鍋が自慢の国民宿舎、飯豊梅花皮荘では年間約800万円の売り上げ減という。熊谷勝弘支配人は「クマ肉が出せないと伝えると、常連客も予約をやめてしまう」と頭を抱える。

国と県はこの春の猟で捕獲されたクマを検査し、出荷制限を継続するか解除するか判断する。小国町猟友会会長の金熊太郎さん(72)は「規制が長引けば、猟をやめる人が増えてしまう」と危機感を募らせている。

大日本猟友会によると、クマ肉は北海道から中部までの一部地域で食べられている。主に駆除目的で年間1000~2000頭が捕獲されており、食用になるのは1割程度。1キロ1万円以上と高級和牛並みの高値で取引される。

厚生労働省のまとめでは15日現在、山形、岩手、宮城、福島、群馬、新潟の6県でクマ肉の出荷制限が続いている。

 

<熊森から>

クマ汁を楽しんでいる場合ではない。野生生物の被曝問題に、人間がどう責任を取るか考えるべきでしょう。

福島第一原発の事故は収束していない

以下、熊森顧問橋本淳司氏の週刊「水」ニュース・レポート (2013年4月10日) より

 

東京電力福島第一原子力発電所の 「地下貯水槽」から汚染水が漏れています。5日夜、貯水槽7ヶ所のうち、2ヶ所で漏水が判明。 別の貯水槽への移送作業が進められているものの、 9日午後、移送先でも汚染水漏れの可能性が発覚し、 東電は移送作業を停止しました。

 

「地下貯水槽」は、 ポリエチレンなど3層のシートで汚染水を管理しています。 安全性の高い鋼鉄製タンクに移すべきとの要望もあるが、 物理的な容量不足のため現実的でないという声が多いのです。 そうしたなか、地下水の流入などで、 汚染水は毎日400トンのペースで増えています。

 

原発事故から2年が経過し、 報道量も少なくなり、世間の関心も薄れています。 あたかも事故は収束したかのような空気が広がっています。 今回のような事故が起きても、 「まったく東電はどうしようもないな」とか、 「東電じゃ、しかたないよね」というような、 東電を許容したり、東電のミスに慣れるような 声が多いのも気になります。

 

実際には、核燃料の冷却は綱渡り状態であり、 いまだに適切な対策が打てず、 試行錯誤の状態が続いています。 そして、 その間、汚染水は福島の地下へ浸透、 あるいは太平洋へ流れ出し、 周囲への汚染は広がり続けています。 もっと真剣にこの問題に向き合う必要があります。

 

 

厳しい状況をどう打開すべきか、 朝日、毎日、読売、産経各紙の論点をまとめてみました。 原発への姿勢の異なる各紙ですが、 原発廃炉工程を東電だけで進めるのは不可能であり、 国や規制委の関与強化を共通して求めています。

 

 

衆院の原子力問題調査特別委員会で8日、 国会事故調査委員会の黒川清元委員長が 「事故は明らかにまだ収束していない」と述べています。 その通りなのです。 事故はまだ渦中にあり、 きちんと考えれば、 最悪のシナリオを進む可能性もあるのです。

 

原発推進、原発反対かどうかの議論はここでは別にして、 客観的、科学的な判断として、 福島第一原発の事故は収束していないという認識を、 日本人は共有すべきでしょう。

東電、政府、原子力規制委員会は、 福島第1原発は、まだ事故の渦中にあるという認識に立ち、 事故収束への道筋を早急に示してほしいものです。

4月4日 会報75号発送終了

s-DSC_0013

今回の会報発送作業には、2日間で30名の会員さんが、ボランティアで駆けつけてくださいました。市民団体のすばらしさです。本当にありがとうございました。(写真は、会報発送風景)

4月1日 今年の春は、早い

兵庫県西宮市では、今年4月1日、早や、桜が満開でした。あまりにもきれいなので、本部スタッフ一同、急遽、近くの公園に出かけて、桜を見ながら昼食をとりました。今年の桜は、4月9日の小中学校の入学式までも、持ちそうにありません。

s-画像-0004

兵庫県北部の豊岡市では、今年、3月9日に最高気温が25度を超える真夏日を記録しました。やはり地球温暖化なのだろうかと一瞬思いましたが、よく考えてみると、去年は寒い春でした。

よく行く山には、4月になっても70センチの雪が積もっていたことを思い出しました。

 

 

第6回 熊森 森再生活動 本部・京都府支部合同でトラスト地を整備

3月28日(木)、第6回森再生活動を実施しました。今回の参加者は本部6名、京都府支部6名、計12名で、京都のトラスト地の整備(苗木の防護ネット再設置、間伐)をしました。雨の予報がでていたのですが、みんなの想いが通じたのか、雨はほとんど降りませんでした。

作業の準備をしてから、まず、はじめに、トラスト地入口にあるシンボルツリーのカツラの木の直径を測りました。メジャーをぐるーっと回してみると、なんと幹周りが6mもありました。今や、このような巨木は森から次々に伐採され、減少する一方です。このカツラの木は、永久保全していこうと思います。

カツラの直径を測っている様子 ↓

IMG_5254

午前中は、冬期に外しておいた苗木保護ネットの設置作業をしました。このトラスト地に植樹した苗木は、京都府支部の方たちが、一本一本大事にしてくださってます。

シカよけネット設置の準備をしているところ ↓
IMG_2709
昼食の様子。 ↓  本部と支部の楽しい交流の場となりました。

IMG_2719

午後は、ヒノキの人工林箇所に移動し、間伐をしました。この日も京都府支部の方が発明した間伐補助器具のアシストくん、かけるゾウが大活躍しました。

伐倒方向を簡単に確認できるアシストくん ↓

IMG_5272
↓ 高い位置に楽にロープをかけることができるかけるゾウを使用している様子
IMG_5270
記念撮影。みなさんお疲れさまでした。

IMG_2753

今年は京都京北トラスト地の間伐計画を立て、本部・支部で協力して整備をすすめていきたいと思います。

 

追加

土壌酸性度・・・ここのヒノキ林の土壌酸性度を測定すると、pH4.2でした。驚きました。これはひどい。

 

兵庫県戸倉トラスト地でも、先日測定してみましたが、pH6.2でした。京都と兵庫、同じpHの酸性雨が降っているはずなのに、場所によってここまで違うのはなぜか、わかりませんでした。

 

 

第5回 くまもり本部 森再生活動 新規参加者2名 

3月23日(土)、2013年度-第5回森再生活動を実施しました。前回は積雪があり、とても寒い中での活動でしたが、この日はすっかり雪はなくなっていました。春が訪れ、いよいよ森再生シーズンの始まりです!

IMG_5195

新規参加の方が2名おられたので、地元の協力者の方が地元のことや、山林について丁寧にお話してくださいました。

130323-鷹巣間伐

間伐も、伐倒方向の選定、受け口、追い口の入れ方等、しっかり基本からスタートしました。ヒノキを伐倒、枝払い、搬出、林内整備とスムーズに作業が進み、今日この現場の間伐作業が完了しました。
みなさんのご協力のおかげで無事故で、無事に作業を終えることができました。ありがとうございました。

 

IMG_5201

うれしいことに、地元の公民館で、熊森ボランティアチームによる森再生活動が紹介されていました。

 

森再生活動を通して、郡部の人たちと地元の人たちが交流し、助け合い支え合って、地域の森や動物を守っていく。このような活動を、もっともっと全国に広めていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

ホッとする空間  林業に携わる青年が作った椅子の個展

神戸市垂水区旭ヶ丘のpupaという喫茶店の2階で、4月6日まで、森林組合に勤めている若者が間伐材で作った椅子の個展をしているという情報がありました。

普段は目まぐるしい日々を送っているため、このような情報が入っても、出かけていくことはほとんど不可能なのですが、たまたまめずらしく時間が空いたので出かけみました。

s-DSC06265

 

間伐材を製材して板にし、椅子を作ったのかと思っていたら、そうではありませんでした。製材はせずに、柱をとったあとの使われることのない切株の部分などを、くり抜くなどいろいろと工夫して、椅子にされていました。どれも、世界に1つしかない椅子です。製作者は、美大出ということで、納得しました。スギやヒノキの香り、素材のままの木、なぜかとても心安らぐ空間が、そこにはありました。

 

座ってみると、なぜかとても座り心地がいいのです。林業の話などいろいろ興味深く聞かせていただいているうち、気が付くと、1時間以上も気に入った椅子に座っていました。全く疲れない椅子でした。ホッとする空間で、ホッとする時間が持てました。お近くの方は、のぞいてみてください。

 

s-DSC00000

感想を書く場所に、熊森小冊子が積まれていて、1冊100円で売られていました。森林組合に勤めている人が、そして、会員でもない人が、小冊子を気に入って広めてくださっているのを知り、うれしかったです。

 

 

お手伝いください!会報75号発送ボランティア募集

くまもりスタッフのみなさま

いつもお世話になります。桜の開花も始まり、ますます春めいてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。今年最初の会報(くまもり通信75号3月31日発行)の発送作業が、4月3日(水)から始まります。宛名シール貼り、封入等の作業で大忙しになります。

ご都合のつく方は是非お手伝いに来てください!!なお、すでにご参加のご連絡をいただいてる方以外の方はお手数ですがご参加の日時をお知らせいただければありがたいです。みなさまお忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

作業日程:

4月3日(水)~5日(金)の3日間

毎日10時~19時でご都合のよい時間帯

於:くまもり本部事務所3階

クマと人 すみ分けを 東京都あきる野市 生息環境保全へ初植樹 ヤマグリ大苗9本

以下、東京新聞より

2013年3月21日

ヤマグリの苗木を植樹する参加者ら=16日、あきる野市内の山林で(市提供)

写真

 野生動物の人里への出没が問題となっている中、あきる野市はツキノワグマの生息環境を守ろうと、越冬時に餌となるドングリを増やす試みを始めた。 今月に入り、市内の市有林で、ドングリのなる木の最初の植樹を行った。市の担当者は「人間と野生動物がすみ分けられるように、山林の環境を整えたい」と話 している。 (小松田健一)

 市環境政策課によると、市内ではツキノワグマやニホンジカ、ニホンカモシカなど大型動物の生息が確認されている。このうち、ツキノワグマは昨年秋から年末にかけて、旧五日市町地域の住宅地で目撃が相次ぎ、わなにかかった子グマ一頭を捕殺処分した。

 ドングリの不作が原因とみられるため、市は人里への出没を防ぐには、生息域で十分な量の餌を確保できるようにすることが必要と判断した。ドングリを生み出す樹木は複数あるが、成長が早く、年によって量に大きな差が出ないヤマグリを選んだ。

 今月十六日、市の森林レンジャーや職員、地元ボランティアら約三十人が、檜原村との境に近い市西部の市有林にヤマグリの苗木九本をそれぞれ間隔をあけて植えた。苗木はある程度成長しており、今秋には最初の実をつけるという。

 「森林レンジャーあきる野」の杉野二郎隊長(57)は「クマが人間とかかわることなく静かに暮らせるように息の長い活動にする」と、春と秋を中心に今後も植樹活動を続ける方針を示した。

 ツキノワグマの生態に詳しい長野県環境保全研究所の岸元良輔自然環境部長は植樹の効果を認めたうえで、クマが見通しの良い場所を嫌う習性をもつことから「森を間伐して山中に見通しの良い場所を作り、クマが人里へ出にくい環境をつくることが重要」と指摘した。

 

<熊森から>

記事を読ませていただき、うれしく思いました。今回の植樹は、あきる野市で昨年末に捕殺された痩せた子グマの供養になったと思います。動物のため人のため、奥山のスギやヒノキを伐って、広葉樹にどんどん植え替えていってもらいたいです。

 

当協会も、以前は一番根付きやすいという3年苗を植えていましたが、雪やシカにやられるので、昨年からは実のなる木の大苗を植樹しています。

3月15日 お寺の涅槃会で、会長講演

兵庫県加古川の上流域にあるお寺に、呼んでいただきました。以前、訪れたどなたかが、熊森小冊子を置いて行かれたそうで、住職さんがそれを読まれて、呼んで下さったのです。お寺の裏の人工林は、実生のスギだそうです。間伐して、きれいな花の咲く卯の花などを植えられたそうですが、なかなか人間の思う通りにはならず、うまく根付かないと言われていました。

s-DSC06232

この日は、涅槃会と言って、お釈迦様がなくなられた陰暦2月15日(現在は、3月15日)に、涅槃図を掛けて、全国のお寺でお釈迦様の遺徳追慕と報恩のために、法要が持たれる日なのだそうです。会場には、明治時代に描かれたという巨大な涅槃図が掛けられていました。写真に撮ってもいいですかと、住職さんにおたずねしたら、どうぞと言ってくださいました。

s-DSC06248

それにしても、見事な涅槃図でした。雲に乗って駆けつけたのは、お釈迦様のお母様に当たるマヤさんだそうです。息子が死なないようにと、不老不死の薬が入った袋を投下したのですが、お釈迦様は、念力で、その袋を、近くのシャラノキの枝にひっかかるようにし、自ら薬を受け取らす、そのままお亡くなりになられたのだそうです。そこから投薬という言葉が出来たと住職さんに教えていただきました。

 

私たち熊森が非常に関心を持ったのは、お釈迦様が亡くなられたのを知って、たくさんの生き物たちが嘆き悲しみ、集まってきているようすが、絵の下半分に描かれていることです。これは、お釈迦様が、全ての生き物たちにやさしいきもちで接しておられたからだと思います。ようく見ると、ゲジゲジのような虫まで描かれてありました。当時は、現代のような生態学は発達していなかったでしょうが、すべての生き物たちを大切に思い、この地球上で共存すべきという思想を、お釈迦様は持たれていたのだろうなと感じました。

 

この日集まられた80名の檀家の方は、みなさん農家だということでした。この町は人工林率が数十%と高く、クマこそ棲めませんが、シカなどの獣害に悩まされているということでした。熊森の全生物と共存すべきだという話を聞いて、怒って、席を蹴って帰られる人が出るのではないかと心配しましたが、みなさん、反対に、うなづきながら90分間の話を聞いてくださいました。ありがたいことでした。

s-DSC06245

質問会の時、近くの川の水が、近年、どんどんと減ってきているのを心配しておられた方が、行政に訴えたがはぐらかされたとして、熊森の活動に理解を示してくださいました。ここは加古川の上流なので、今後、下流の人のためにも、放置人工林をなんとかしないといけないと思われたそうです。下流の人達にも思いを馳せていただき、お心の広さを思いました。官も頑張ってほしいですが、官のできないことは民の手で。国や林野庁を責めるのではなく、官も民も全国民が戦後進めた拡大造林に対して責任を感じ、都市住民と郡部住民も協力し合って、他生物や地球のためにも、森の復元・再生活動に取り組んでいけるようになればと思いました。

 

また、「うちも山を持っています。多分、人工林で放置され、荒廃していると思うが、もう、家族は誰も、どこに山があるのか境界すらわからない。どうしたらいいか」という声も、聞かせていただきました。政治家のみなさんには、山が大雨で崩れて死者を出す前に、所有者や境界がわからなくても、どんどん間伐隊が入り、林業放棄地は自然林に戻していけるように、法整備や条例整備を進めていただきたいものです。

 

 

フィード

Return to page top