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カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

兵庫県井戸知事の「連携してクマを管理(=捕殺)」の呼びかけに、岡山県伊原木知事が合意

以下、山陽新聞より

 

岡山県の伊原木隆太知事と兵庫県の井戸敏三知事が政策課題について話し合う会議が3月27日、岡山市内のホテルで開かれた。

両県をまたぐ中国山地でツキノワグマの推定生息数が増加していることを受け、連携して管理計画(熊森注=捕殺計画のこと)の策定を目指すことで合意した。

鳥取を含めた3県で協力し、生息数の調査や駆除の方向性を盛り込んだ計画を想定している。

井戸知事が「狩猟許可を出して捕獲しているが、効果が上がっていない。共同で広域的な計画を作りたい」と持ち掛け、伊原木知事は「クマは県境を越えて行き来している。人命を守るためにも協力したい」と応じた。

両知事はまた、シカやカワウなど有害鳥獣対策(=捕殺対策)でも連携する。

同会議は2002年度から開いており、7回目。

 

熊森から

ちなみに、鳥取県は、今後もクマ狩猟を再開しないと発表しています。理由は、山にいるクマまで獲る必要はないと思うからだそうです。

その通りです。熊森は鳥取県に拍手です。

 

宮城県の雪山で、今年初のクマによる人身事故が発生。熊森本部が地元行政へ電話で聞き取り

2018年3月31日、今年度全国初となるクマによる人身事故が、まだ雪が残る宮城県の山奥で発生しました。

以下、河北新報 ONLINE NEWS (2018年4月1日付)より

 

クマに襲われ男性が大けが 加美・荒沢湿原

 31日午前11時ごろ、宮城県加美町鹿原の荒沢湿原で、仙台市太白区の団体職員男性(68)がクマ1頭に襲われ、頭に大けがをした。
加美署によると、男性は10センチほどの裂傷が2カ所あるが、命に別条はないという。現場は荒沢自然館の西約4キロの山中で、男性は景色などを撮影するため1人で歩いていたという。
荒沢湿原は県内有数のミズバショウの群生地。以下略。

 

熊森本部は、すぐに加美町役場の担当者へ電話して、くわしい状況を聞き取りました。

 

【加美町担当者の話】

 

事故があった場所は今も雪に覆われている。冬眠しているクマを刺激する恐れがあるため、町としては現場調査は行わない。

ケガをされた男性は、自然の写真を趣味で撮られている方で、撮影時、動物に気づかれないように、クマ鈴など音の出るものを携帯していなかった。

人の気配を近くで感じてびっくりしたクマが、冬ごもり穴から出てきたのかもしれない。

 

事故後、男性は電話で荒沢自然館へ救助を要請し、荒沢自然館の方が、当日現場方面の山の中にスノーモービルで入っていた方に、男性の捜索と救助を要請して、無事男性を救出した。

 

現場はクマの生息地なので、町としては今回、有害駆除はしない。現場につながる道路を閉鎖するとともに、山に入る時は音の鳴るものを携帯して十分注意して頂くよう、看板設置をして回っているところ。

人身事故が発生した場所。加美町担当者の話を基に熊森本部が作成。(クリックしていただくと、大きくなります)

 

熊森から

お怪我をされた方に、お見舞い申し上げます。

 

クマは、人間に対して恐怖心を抱きながら生きています。ふつうは人間を察知すると、クマの方がさっと逃げますが、うっかりして臨界距離(12メートル)内で人間に出会ってしまうと、クマは逃げられないと思い、恐怖でいっぱいになります。クマの中には、習性として人間をはたいてそのすきに逃げようとする者がいます。クマの棲む山に入る時は、熊鈴などを携帯して早めに人間の存在をクマに知らせるなど、人間側の努力が必要です。

 

今回、加美町は、クマと人間、両者の視点から中立的に見て、クマを有害駆除しないと決められたそうで、ほっとしました。

 

お怪我の程度が心配されます。メディアの報道が「大けが」となっていたり、「引っ掻かれた」となっていたり、まちまちです。

 

2017年度、兵庫県ではクマによる人身事故が2件発生し、県はどちらも重傷と発表しています。しかし、本人にお会いすると、軽傷と言われました。うち1名の方は、医師の判定も軽傷だったと教えてくださいました。

 

一方的にクマを狂暴な動物に仕立て上げるのではなく、怪我の程度は本人に会って確認して、正確に伝えていただきたいものです。

 

3月15日 日本で初めて巨大ダム工事の建設を止めた藤田恵氏をお招きしました

元徳島県那賀郡木頭村村長で、国や県を相手に建設省の直轄ダムとして計画されていた細川内(ほそごうち)ダムの建設を止めた藤田恵氏を本部にお招きしました。

藤田氏は物静かな方で、3時間半とつとつとお話を聞かせてくださいました。

 

木頭村は山深い山村です。

幼少のころから山に入ってきつい山仕事に従事してこられた1939年生まれの藤田氏の話は、熊森にとってどれもこれも貴重な証言でした。

 

藤田氏は、山仕事をされていたのに、クマサルシカイノシシなどの大型野生動物に出会ったことは1回もないということです。当時、ずっと山奥に、人間が行くことも入ることもできない深い森があり、そこにはクマやイノシシなどの動物たちがいると聞いたことがあるということでした。人と動物との棲み分けが完全にできていたもようです。

 

拡大造林が始まって、村では、ブナ、ミズナラ、もう巨木という巨木を片っ端からすべて伐り倒して、跡地にスギの人工林を延々と造っていきました。

人工林は、10年たつと次々と崩れ始めたそうです。多くの土木作業員が募集され、崩れた林道や山を直していきます。仕事が終わると、作業員たちは失業してしまうので、次の土木工事の仕事を作らねばなりません。拡大造林が土建国家日本を作りあげて行ったようすが良くわかりました。

 

この日お聞きしたことは、何らかの方法で、ぜひ会員のみなさんにお伝えしなければならないと思っています。

今まで、なぜ熊森と藤田氏が出会えずにいたのか、不思議でなりません。

熊森には、まだまだ藤田氏から教わらねばならないことがいろいろあります。

藤田さん、また機会を作ってくださって、ぜひお話をもっとお聞かせください。

 

第2代会長就任のご報告

平成30年4月1日より、当財団の会長が森山まり子より室谷悠子に代わりましたので、ご報告いたします。

森山まり子は、今後も役員(名誉会長)として、当財団の活動に従事し続けます。日本熊森協会は新しい会長のもと、森を守り全ての生きものと共存できる社会をめざして、ますます力強く活動を展開していきますので、変わらぬご支援をいただきますようお願いいたします。

 

 

第2代会長就任のごあいさつ

 「未来の子どもたちのためにも、奥山再生の流れを全国に」

室谷 悠子

中学生の時から、私の「理科の先生」であった初代会長の森山まり子とともに、ツキノワグマの絶滅を回避し、豊かな森を守ろうと、26年間、自然保護活動を進めてまいりました。この度、第2代会長に就任いたしましたので、ごあいさつ申し上げます。

 

奥山の広大なスギ・ヒノキの人工林が荒廃したまま放置され、日本は豊かな森を失っています。生きられなくなった野生動物たちは里に出て来るようになり、地元の人達も困っています。しかし、社会は目の前のことに必死で、奥山の問題は忘れ去られています。

 

中学生の時、日本の森が危機的な状況にあり、森を失えば島国である日本は水源を失うことを知り、大きなショックを受けました。未来の社会を担う自分たちが先頭にたって森再生に取り組まなければと、大学生の時、日本熊森協会を立ち上げて以来、会の中心で自然保護活動を実践し続けてきました。

 

母親になった今は、100年先、1000年先に、子どもたちが豊かに生きていける自然環境を遺すためにも、奥山再生に人生をかけようと思うようになりました。

 

初代会長の「本当に自然や野生動物を守ることのできる、市民に支えられた100万人の大自然保護団体を日本にもつくろう」という大きな夢を引継ぎ、思いを同じくするたくさんの方々と手をつないで、大型野生動物の棲める奥山の豊かな森再生の流れを全国に広めてまいります。

平成30年4月1日

 

室谷悠子(むろたにゆうこ)略歴

1992年、尼崎市立武庫東中学校在学時、理科教諭であった森山まり子(当財団の初代会長)や同級生たちと、絶滅寸前のクマの保護運動に取り組む。兵庫県立尼崎北高校から京都大学文学部に進学し、1997年の日本熊森協会の設立に参加。以来、最前線で熊森活動に従事。その後、京都大学文学部大学院に進むも、大きな自然保護団体を育てるには中心に法律の専門家が必要と気がつき、修士課程修了後、大阪大学法科大学院に進学し、弁護士資格を取得。現在、1児の母で、大阪のあすなろ法律事務所に所属する弁護士。

3月29日(木) 神崎ロータリークラブで副会長が卓話

神崎ロータリークラブは都市部と山間部のちょうど中間くらいに位置する場所にあります。

みなさん、人工林の問題に関心を持っておられ、熱心に聞いてくださいました。

熊森協会にご入会してくださる方も現れました。

とてもうれしかったです。

2018年4月1日から室谷悠子副会長は、熊森の2代目会長となり、熊森会長としてお話をしていきます。

会長一年目の今年は、とにかくくまもりを広めることに専念しますので、お話させてもらえる所がありましたら、是非ご連絡ください。

3月26日 春の訪れを感じる兵庫県クマ生息地の広葉樹植樹地のシカよけネットを補修

クマ生息地のくまもり植樹地は、シカ除けネットで囲ってあります。

このネットが毎年、雪溶け時に斜面を移動する雪によって杭ごと倒されてしまいます。

シカに広葉樹の苗木を食べられる前に、倒れたネットの補修に行かねばなりません。

何とか、倒れないネット張りが出来ないものか。

 

昨年度、雪の流れを考えたり、ネットを周りの立木に結び付けたりして工夫した場所を見に行きました。

一部雪の重みでネットが下がっていた部分はありましたが、ほぼ完ぺきにネットが残っていました!

右上の広いエリアが工夫して張ったネット

立木を使ったネットの固定は、効果がありました。

 

以前設置したネットの中にも、雪に耐えたものがありました。

しかし、ネットと苗木が近いとシカが首を伸ばして苗木の先端を齧ってしまいます。

ネットがたるんでいるのは、シカが首を突っ込んだ痕跡です。

シカに先端を齧られた苗木

 

下写真の尾根筋に残された落葉広葉樹林は、今年ネットで囲って下層植生を回復させたいと考えています。

尾根の落葉広葉樹林

 

2つ目の植樹地。こちらのネットは雪の影響を受けて結構倒れていました。ネットを張ってから5年ほど経って支柱が劣化していることも影響していると思われます。倒れたネットを次々と立て直していきました。

作業終了

 

この植樹地の周辺には4月になると白い花を咲かすタムシバがあります。この日はすでに花が咲いていました。クマの大好物と言われています。

カマキリの卵も発見。もう少し暖かくなると孵化するのかな。

満開のタムシバ

カマキリの卵

この日はなんとコウノトリにも出会いました!暖かくなって田んぼから出てきた虫をついばんでいるようでした。

足に標識がついていました。

 

今年は雪が多かったと聞いていましたが、場所によっては少ない地域もあったようです。

雪の影響を受けていた植樹地のネットは、ある程度補修できました。

この日はとても暖かく春の訪れを感じた一日でした。

 

4月7日のいきもり活動では、雪が多かった戸倉でシカ除けネットの修繕をする予定です。みなさん、是非ご参加ください!

3月25日 西宮市サクラ満開 観測史上最速か?

今年の西日本の冬の寒さは、尋常ではありませんでした。

ネットで調べると、32年ぶりの寒さだったそうです。

32歳以下の人にとっては、今までで一番寒かった冬ということですね。

 

これでは桜の開花も遅れるだろうと思ったのですが、事務所周辺のソメイヨシノは、何と3月25日にはもう満開でした。

観測史上最も早い満開ではないでしょうか。

まこと、自然界のことは、人間には予測できないことだらけです。

 

3月30日昼、 近くの万葉植物苑に、みんなで束の間のお花見に出かけました。

ここには万葉集ゆかりの72種類の植物が植えられています。

 

同じバラ科の植物でも、サクラは花と葉が別々の場所から出てきますが、ナシやリンゴは同じ場所から出てきます。おもしろいですね。

満開のソメイヨシノ

 

ナシ

万葉の時代(8世紀)に、ナシはあったのだろうかと思って下を見ると、ナシを歌った歌がちゃんと下の石に掲示されていました。

 

ウメの木には、小さな実がびっしりと付いていました。ウメは他家受粉ですから、ミツバチが大活躍して受粉します。このあたりにミツバチがいるのかどうか知らなかったのですが、ウメの実の数を見ていると、開花時には、たくさんのミツバチがきていたことがわかります。

ウメの実

 

リニア工事を止める運動を! 第9回ストップ・リニア!訴訟 (3月23日東京地裁の傍聴報告)

ストップ・リニア!訴訟の第9回口頭弁論が東京地裁で行われました。

傍聴定員98名に対し、140名が傍聴券を求め抽選に並びました。

 

2016年5月に提訴し、同年9月には第1回目の口頭弁論が行われました。第2回目からは、沿線各地の住民の方が次々と陳述を行ってきましたが、原告からの各地の報告は今回の町田、相模原で終了しました。

今後は、被告(国交省)側が3回にわたって反論し、それを受け、私たち原告側が追及していきます。

 

この日は、町田から地元のシイタケ農家の森和幸さんが、相模原からは桜井真理さん、浅賀きみ江さん2名の方が陳述されました。

 

シイタケ栽培に必要な井戸水が枯れてしまう

町田の陳述者は、シイタケ栽培にとても重要な井戸水が、リニアトンネルの掘削によって枯れてしまうことを危惧されていました。山梨実験線では果樹園や田畑に水を供給していた水路が枯れてしまったので、沿線各地で農家の方が危機感を募らせるのは当然のことです。

 

 

情報開示がないまま「影響は少ないと思われます」と言われても・・・

850人の地権者がいる相模原からは、桜井さんが、「大地が陥没する恐れはないのか」「JR東海は説明責任を果たしてほしい」「今まで全く説明がなく、盗人のごとく我が家の地下を勝手に掘り、リニアのトンネルを作ることが平然と行われてしまう。今のこの国を信じられない」などと、地権者たちの悲痛な声を代弁しました。

どの地域にも共通していることですが、ここも例に漏れずJR東海側からの説明は、情報開示などが無いまま「安全です」「影響は少ないと思われます」というだけです。このような状況では、住民の不安はぬぐわれることはありません。

 

 

相模原では、地元住民に愛され続けてきた神奈川県立相原高校がリニア工事によって移転を余儀なくされます。地元住民の浅賀さんは、そんな「心のオアシス」を奪われることが、地域住民の生活環境をも破壊すると訴えました。

 

 

被告側は、反論準備ができていないのか??時間稼ぎは認められない

原告側の陳述を終え、裁判長が、被告側に反論はいつごろ提出いただけるかといったことを質問しました。しかし、被告側代理人は、「すぐには反論できません」と回答しました。

今まで陳述してきた8か所を2か所ずつ(計4回で)反論していくことにしますと、被告側が述べたのに対し、裁判長、原告側からは、それでは時間がかかりすぎます。どうにかして3回までで終わらせるようにと伝えて、次回以降の期日が設定されました。

 

 

工事を止めるための運動をしなければ

このような裁判中をしている間にも工事は進んでいきます。訴訟だけでは、リニア工事を止めることはできません。

第3回の口頭弁論の際の報告集会で、原告団長の川村先生が、「裁判を進める一方で、この裁判を支える運動の裾野を各地にどんどん広げ、そのことが裁判に跳ね返るようにしていくことが大切」と、おっしゃったことを思い出します。

各地でストップリニアの運動を盛り上げていく以外に、リニアをストップさせる方法はないのです。

例えば、沿線各地で被害が出る度に小さな訴訟を行うなど、今後は、いかに「工事を進ませない運動」ができるかにかかっています。

 

次回以降の口頭弁論の日程は6/25(月)9/14(金)11/30(金)です。時間は14時半から東京地裁です。

第10回目以降も傍聴席をいっぱいにしていきましょう!ぜひご協力ください。

訴訟前集会にて
熊森本部が共に活動しているリニア市民ネット・大阪の春日代表も挨拶

訴訟後の院内集会 約100名が参加

大切な国土が、企業の利益のために取り返しのつかない破壊を受けているのに、指をくわえてみているだけの大人でいいわけない?!

もっともっと、大きなうねりを起こしていこう!

【本部】春の陽だまりの下、ハッピーアースデイ大阪に出展!

3月25日(日)、くまもり本部は、大阪府八尾市の久宝寺緑地公園で開催されたハッピーアースデイ大阪に出展しました。

動物たちに帰れる森を、地元の人たちに安心を!をスローガンに活動している熊森ですが、都市の人たちにも水源の森が必要で、そんな水源の森を作っているのは、そこにすむ動物たちであることを伝え、野生動物を守ることの大切さや彼らの生息場所が大変なことになっていることを、ブースに訪れてくれた人たちにお話ししました。

 

風は少し冷たかったですが、木々には新芽が芽吹き、足元は草花が彩り、春の訪れを所々に感じました。

ハッピーアースデイ大阪は初参加です。

 

今回の目玉は、「ツキノワグマのとよくん等身大パネル」。たくさんの方が、とよくんと記念撮影をされていました。

子どもから大人まで大人気のとよくん。「クマって意外と小さい!」という声を多くいただきました。

 

アースデイ恒例の紙芝居。たくさんのご家族が、見に来てくださいました。

紙芝居を聞いてくれた子どもたちが、どんぐりボックスを作って、園内のドングリをたくさん集めてくれました。「なんで殺されなきゃいけないの、かわいそう」等、優しい声も。

 

ハッピーアースデイ大阪は、大学生が主体のイベントということで、学生さんたちの頑張る姿が多く見られました。また、くまもりのボランティア活動に興味を持って、積極的に質問してくれる子も。これからは、若い世代とももっと仲間になって、子どもから大人まで、たくさんの方と共に、くまもり活動に取り組んでいけたら嬉しいです。

 

次は5月4日・5日にアースデイ神戸に出展しますので、お時間のある方は、是非遊びに来てください。もちろん出展を手伝ってくださる方、大歓迎です!

 

ハッピーアースデイ大阪の実行委員や出展団体の皆さま、

そして、今回お手伝いくださったボランティアの皆さま、ありがとうございました!(SY)

新温泉町における風力発電事業の地元説明会(3月11日)に参加

兵庫県新温泉町の人工林率は45%です。

天然林内には、今も下層植生が生えており、ツキノワグマをはじめとする野生動物たちの貴重な生息地です。

 

この新温泉町の山の尾根筋に、外資である合同会社NWE-09インベストメントが、21基の風力発電用風車を立てようと計画しています。

何のために。社名のインベストメントというのは、投資という意味だそうです。つまりお金儲け。

総工費280億円の事業となるそうで、他にも日本全国で事業展開を予定されています。

この会社の本社はシンガポールにあり、社長さんは、アダム・バリーンという40歳くらいのニュージーランド人だそうです。

 

高さ150メートルの風車が21基、新温泉町の尾根筋に立ったところの想像図(熊森作成)

 

熊森は、必ずしも風力発電に反対している訳ではありませんが、尾根筋に風車を立てるのはやめていただきたいです。

山の命である一番デリケートな尾根に、大きな穴を掘って大量のコンクリートを流し込まねばなりません。

直径130メートルの羽を運び上げるために、広い道路を山の上まで造らねばなりません。

そこから山が崩れることも十分、考えられます。

 

また、風車の寿命は20年ですから、20年ごとに、尾根筋を爆破して、コンクリート片を除去し、新たなコンクリートを流し込む工事が必要です。

そのうち、山がぐちゃぐちゃになって崩れてくるのではないでしょうか。

セメントの灰汁や泥水で渓流魚は死滅、野生動物を初め、大切な住民の水源も汚染されます。

原発と違って、町にもたらされるお金はスズメの涙だと聞いています。

 

次世代のためにも、他生物のためにも、尾根筋への風車設置は思いとどまって欲しいです。

風力発電は必ずしもエコではなく、立てる場所によっては取り返しのつかない環境破壊となります。

説明会では、マイナス面がほとんど紹介されていませんでした。

造ってしまってからでは遅い。これを機に、国民みんなで風力発電の勉強をしていきましょう。

 

この計画に意見のある方は、3月26日までに、以下に意見書を提出すればよいそうです。熊森提出済み。

〒105-0001

東京都港区虎ノ門4丁目1の28 虎ノ門タワーズオフィス14階

日本風力エネルギー株式会社 「新温泉」と書いてから意見と理由

FAX03-6452-9778  hiroshi.takayama@equisenergy.com

事業開発マネージャーの高山寛氏宛て

 

2018年1月19日くまもりブログを御参考にしてください。

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