くまもりNews
日本のクマ大量殺処分に歯止めを!クマの命も人の安全も守る共存対策を広めたい!!
- 2024-12-03 (火)
- クラウドファンディング
日本ではクマ(ツキノワグマ・ヒグマ)と人とのトラブルが連日報道され、社会問題になっています。クマが人里へ現れたとなると、捕まえて殺処分がいまの主な対策ですが、元はと言えば、クマのすみかである奥山を開発し、奪ってきた人間側に原因があります。その原因を解消しないまま、殺処分を続けてもよいのでしょうか。森にエサ場がなく、人里近くに頼るしかない今、この対策を続けると、クマが絶滅するまで人身事故はなくなりません。
クマの目撃情報や人身事故があれば、現場へとんで地元の方と対策を話し合い、行政に捕殺に頼らない対策を提案するなど、地道な活動を続けています。「棲み分けによる防除」を早急に全国的な流れにするため、全国を飛び回って活動した結果、財政状況が非常に苦しくなっています。私たちは27年間、完全民間団体として会費と寄付だけで運営してきました。これからも森や野生動物を守りたいという純粋な想いを原動力に、活動していきます。
クマ問題は年々深刻化していき、待ったなしの状況です。クマの命も人の安全も守る対策を広げる歩みを止めないために、ぜひご支援ください!!
クマの命も人の安全も守る対策で共存する社会を作りたい!
【集まった支援金の使い道】
・クマ被害防除対策などの作業 500万円
・共存のための現地調査・研究 300万円
・シンポジウムや勉強会など周知活動 200万円
●各計画の旅費交通費、人件費(クマ被害対策作業、現地調査、その他クマ保護活動のため)、資材購入費、広報/宣伝費 (予定)
※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。
環境省令で指定管理鳥獣にクマ追加も、初年度から不適で、熊森はクマを外すか別案を提案
指定管理鳥獣とは、全国的に生息数が著しく増加していたり、生活環境や農作物、生態系に被害を及ぼしたりする野生動物で、集中的かつ広域的に管理(=捕殺)が必要な種に対し、国が大幅な個体数低減をめざして捕殺強化のための交付金を出すもので、2014年に鳥獣保護管理法に新しく導入され、シカ・イノシシが指定されました。
(熊森は、1999年に当時環境庁が個体数調整捕殺を導入しようとした時から、自然保護上からも生物倫理上からも、山の中にいる何の被害も出していない野生動物を個体数調整の名で人が殺すことに一貫して反対してきました。)
仲睦まじい親子のヒグマ
今春、私たちが大反対したにもかかわらず、環境省は伊藤信太郎環境大臣が主導して、この指定管理鳥獣に、環境省令(=施行規則)でこれまでのシカ・イノシシに加え、クマを追加しました。
このような発想のバックには、クマが山から出て来て被害を及ぼす最大の原因は生息数の増加であるというクマ研究者たちの一方的で誤った考えがあります。
このクマ指定管理鳥獣、案の定、初年度から不適です。
以下、北海道のヒグマの例で見ていきます。
<北海道庁ヒグマ捕獲(=捕殺)新目標>
年間捕殺目標雌雄計1329頭、10年間で1万3290頭を捕殺する。
目標:人里周辺の森林に生息する個体を中心に捕獲を強化し、推定生息数を22年末の1万2200頭から34年末で約35%減の7931頭にする。
今年8月21日の道ヒグマ保護管理検討会では、検討会委員の一人である兵庫県立大の横山真弓教授(野生動物管理学)が、「10年で1万3290頭捕殺では不十分で、5年間で達成すべき」と主張していました。そうなると、毎年の捕殺目標は、2658頭になります。
ちなみに、山の実り大凶作の異常年となった2023年度の道内ヒグマ捕殺数は、最終統計によると過去最多の1804頭でした。
命あるヒグマをまるで工業製品でもあるかのように数字だけで機械的に扱うことを恐ろしく感じます。ヒグマは人間同様、豊かな感情を持ち親子の愛情も深い動物です。ヒグマをはじめとする北海道の野生動物たちは、北海道の豊かな自然生態系を形成してきた生き物たちで、人間から尊厳されるべき先住民です。クマ研究者の皆さんが作られた「北海道ヒグマ管理計画」には、クマが生存することによる恩恵を、今、私たち人間が受けているという視点が完全に抜け落ちていると感じます。
機械的な捕殺目標に基づき、問題を起こしていないクマも、子グマでも親子グマでも無差別に捕獲する個体数調整捕殺を止めるべきです。狩猟と有害駆除で十分です。
ところで、11月12日に報道されたUHB 北海道文化放送の番組によると、今年の北海道はこれまで長年続いていた秋の山の実り不作から一転して、10年ぶりにクマの主食であるドングリが大豊作です。
札幌市西区の登山道入り口に大量に落ちているミズナラのドングリ(UHB)
番組の中では登山者たちも、「10何年歩いていてこんなにドングリやクルミの実がなったのは見たことがない。今年は異常なほどの実りだ」 「すごく多いですよ。ドングリは大豊作。山ぶどうも多い。今年はクマ出てこないと思う。いままで出てきていたでしょ、エサなくてね」と語っていました。
ヒグマは今年の5月~7月はいつも通り出没していましたが、秋以降の出没がピタッと止まっているそうです。これまでクマと人の軋轢が増えるのは、クマ数の増加が問題とされてきましたが、熊森がずっと主張してきたように、クマの出没数は、山の中の餌量で決まることが証明されました。
道庁は、今年、どうやって1329頭(2658頭?)のヒグマを捕殺するのか。
山の中に分け入って殺すのでしょうか。捕殺する必要などあるのでしょうか。
これがクマ指定管理鳥獣初年度の実態です。
ちなみに今年10月末までのヒグマ捕殺数は579頭です。
クマという動物の特性を知らない一般の方は、今年ドングリが大豊作なら来年クマが爆発増加するのではないかと心配されているようです。
しかし、ヒグマは6月ごろの交尾期、オスの子殺しもあるそうで、生まれた子供が全て成長するわけでもなく、元々、クマは繁殖力の弱い動物です。
秋の実りの凶作年、十分な脂肪を貯えられなかったメスは受精卵を着床させません。
自ら個体数を調整する能力を持っているのではないでしょうか。
ヒグマだけではなくシカやイノシシに関しても同様ですが、野生動物と人が日本列島で共存するには、祖先がしていたように、使用する大地を分け合ってお互いに生息地を侵さないように棲み分けることが必要です。野生動物たちの聖域内で、彼らが増えようが減ろうが、それが自然なので、人間は何もしなくていいのです。
生き物にとって命ほど大切な物はないのですから、私たち人間は生き物を殺すことばかり考えずに、餌量が確保されるよう、戦後の国策であった拡大造林や奥山開発で人間が破壊し過ぎた生息地を再生させていただくこと、クマを初めとする森の生き物たちが安心して山で暮らせるように、人間が一歩後退して、原則として彼らの生息地に人は入らないようにすること、祖先が延々と設置していたシシ垣のように、被害防止柵を設置するといった棲み分け対策を優先すべきでないでしょうか。
クマとの軋轢を低減させたいのなら、まず、クマ生息地での観光開発や道路開発、メガソーラー、風力発電など自然破壊を伴う再生可能エネルギー事業をやめねばなりません。
環境省の職員の皆さんが、クマがシカ・イノシシのように捕殺強化だけにならないように、クマの交付金メニューに捕殺以外のものも入れてくださっています。しかし、地方自治体次第で、捕殺強化に偏る恐れがあり、そうなると絶滅が心配されます。元々、指定管理鳥獣はクマという動物の特性に合わないものなのです。(伊藤環境大臣の失敗です。)
浅尾慶一郎新環境大臣には、シカやイノシシと比べて繁殖力も弱く、生息数が3ケタも少ないクマを、シカやイノシシと同列に扱わないように、クマを指定管理鳥獣から至急外すことを、まずやっていただきたいです。
ただし、電気柵の設置や専門員の配置などの目の前のクマ対策に国からの交付金は必要ですから、指定管理鳥獣に、捕殺強化をめざさない種類をつくり、クマをそちらに指定する案などはありだと思います。
シカやイノシシも捕殺以外の方法で対処していけるようにすべきだと思います。殺しても殺しても、手を緩めるとすぐ元の数に戻ってしまいますから、無用の殺生になっています。これは残酷なだけで、永遠に殺処分が終わりません。明治にオオカミを滅ぼしたから、シカ・イノシシの数が制御できなくなったという説もあります。自然界のことは、調べても調べても人間にはわからないことだらけなのです。それが自然です。ただ、祖先の生命尊重思想だけは、子孫として忘れずに持ち続けねばなりません。(完)
みなさんのドングリで、「とよ」は今年も順調に冬ごもり前の食い込み
- 2024-11-28 (木)
- _クマ保全 | 大阪府 | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
熊森が保護飼育の援助しているクマたちのために、今年も多くの方が公園のドングリや栽培クリ、果物などを送ってくださいました。
皆さん、毎年、本当にありがとうございます。
おかげで、とよは、ドングリ中心に1日約10キロ食べ続け、おなかの周りに冬ごもり用の分厚い脂肪層が付いてきました。
11月17日朝、九州で焼き畑にかかわってきた一人の青年が熊森にやってきたので、まず、とよのお世話の手伝いに行ってもらいました。
以下は、彼の感想文です。
とよ君のお世話を手伝って
本日、週1回のクマ舎のお掃除に同行させてもらえることに!!
今回、人生で始めて、クマを見させていただきました。
西宮市の熊森本部から車に乗せてもらって、クマ舎まで約1時間。
その間にクマのことなど、事前情報を色々聞く。
クマの種類はツキノワグマ。聞いたことはあったが、胸に三日月のような模様があるとのこと。
会う前からすごくドキドキわくわくしました。・・果たしてどんな子に会えるのだろう・・?
現場に到着して獣舎の鉄格子越しに初対面。
名前はとよ君。
・・・彼は、ただただ、猛烈にずっとドングリを食べ続けていました!!!笑
冬眠前にたっぷり食べるのであろうその本能というか、「食べる」ということに100%の意識が向いているクマがとっても純粋で。。。
下の写真は、ドングリから一瞬顔を上げた時のとよ君です。
もちろんだけど、この時期、里山に降りてくるクマたちも、畑を荒らそうとかそのような考えは決して一ミリも頭にはないんだろうな。
冬ごもり前のこの時期、ただただ、食べることに必死なのだ。
この後、飲まず食わずで何か月間も厳しい冬を越さねばならないのだから。
とよ君のただ純粋なまでの、「食べる」ということに向けられた意識から、自然界で生きる動物たちの山と生きている一体感のようなものを感じました。
とよ君を通して、自然界に感動。
とよ君はこの時期、1日に大きな糞を10個するそうで、運動場には大量の糞がありました。70個?
糞の片づけを手伝いながら、クマの糞って全く臭くなくて甘酸っぱい香りがすることを発見しました。
日本全国から寄せられた、とよ君の大好物の種類(クヌギ)のドングリ、
寝床にするための無農薬の藁、
スタッフやボランティアの方々の丁寧すぎるほどの清掃、、、
過保護のようにも思えるほどの奉仕は、とよ君を保護すると決めたときに、全力で飼うという熊森の皆さんの決意の表れだったのですね。
おなかの周りに脂肪がたっぷり蓄えられたとよ
事務所に帰ってから、とよ君との出会いから飼うことになるまでの一連の経緯をまとめた特別報告をくまもりユーチューブ動画で見せてもらい納得。
熊森さんがずっと活動し続けてきた道のほんの少しを知れた感じで、あらためて熊森の皆さんに敬意を感じました。
この度は、急な訪問にも関わらず、貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました!!
これからの活動に生かしていきます^^
とよ君おげんきでね~!!!
祝 宮城・鳴子温泉の大規模風車白紙撤回 業者はアセスの「準備書」段階まで進めていたが撤退
地元では、自治会「川渡(かわたび)地区親交会」(加賀元会長、160戸)や住民団体「鳴子温泉郷のくらしとこれからを考える会」(曽根義猛代表)などが
(1)風車などの施設建設により災害誘発の危険性がある
(2)鳴子温泉は環境省の国民保養温泉地に指定されており、景観にもそぐわない
(3)建設地周辺は渡り鳥の飛来ルートと重なり、ラムサール条約に登録されている湿地もある
などとして計画は中止すべきだとの反対意見を表明していました。
事業者のアセスでは判明しませんでしたが、ラムサール賞を受賞された日本雁を保護する会の呉地正行先生の指導のもとの市民調査で絶滅危惧種1Aという極めて希少な渡り鳥、シジュウカラガンの飛行ルートであることも確認されました。
熊森も風車完成予想図を示したりして、建設阻止に向けてささやかではありますが自然保護団体として協力してきました。
感謝 釧路湿原メガソーラー拡大に土地買収で対抗しているNPO法人・トラストサルン釧路
トラストサルン釧路は、土地を購入し管理する活動に取り組み、これまでに主に湿原の南部で59カ所、約607ヘクタールの土地を取得したとのことです。(釧路湿原の1/40)
湿原に依存する生物の保護や開発からの保護を目的として、1980年、釧路湿原は日本で初めて中心部の7863haがラムサール条約登録湿地としてラムサール条約に登録され、国際的に保護の重要性が認められた場所です。湿原の中央部やわずかな丘陵地が、1987年に国立公園に指定されましたが、行政に聞くと、国立公園内でも環境省の許可でメガソーラーが設置されているとのことです。
南部湿原一帯には、環境省のレッドリストで絶滅危惧種のキタサンショウウオ、タンチョウ、猛禽類のチュウヒの生息が確認されており、キタサンショウウオは釧路市指定、タンチョウは国指定の天然記念物。チュウヒは激減しており、全国で「135つがい」(日本野鳥の会による推定繁殖つがい数)しかいないとのことです。
南部湿原にあるメガソーラー。(撮影:河野博子)
発電所ができる前、この付近では、タンチョウの営巣やチュウヒの繁殖が確認された
熊森から
太陽光発電施設は現在、建築基準法上の建物にあてはまらないため、開発が抑制されている市街化調整区域でも設置できます。
釧路湿原に太陽光パネルが次々と設置されていくのに、止めることのできない国や自治体って何のためにあるのでしょうか。
かつて原野商法で釧路湿原に土地を買ったものの手放したい人々が多くいるそうですが、行政はそういう土地を受け取ると管理コストと管理責任が半永久的に続いていくから困るとして、受け取りを断っているそうです。
釧路市には、2023年7月に施行された「自然と共生する太陽光発電施設の設置に関するガイドライン」がありますが、2014年6月には96施設だった市内の太陽光発電施設が、2023年12月には631施設と6.6倍に増えているそうで、条例に格上げしないと太陽光発電施設の建設ラッシュが止まらないもようです。
市長さんと市議会議員のみなさん、条例化を急いでください。お願いします。条例には効果があります。利益追求しか考えていない外資や道外の事業者から、釧路湿原を守ってください。
国は、再エネ事業による自然破壊を止めるために、法規制を急いでください。(完)
速報 北海道支部が札幌大通公園で初の街宣
以下、北海道鈴木ひかる支部長からの報告です。
11月9日(土)、札幌大通り公園3丁目で、14時から約2時間、くまもり北海道会員6名が参加して、北海道支部初のくまもり街宣を行いました。
今日と明日、札幌ドームで人気アイドルであるスノーマンの5万人集まるコンサートがあるので、札幌の街は全国からやってきた10万人の若者たちですごいことになっていました。
スノーマンの話も折り込みながら、楽しい街頭演説、考えさせる街頭演説をやりました。
ひぐまの出没、出没したら殺すと言うことだけを考える世の中にするのではなく、もっと原因を考えましよう。
なぜ、ひぐまが出没するのか?
風力発電による自然破壊も原因の一つですよ。
北海道で夏、クーラーが必要になって来たのはなぜですか。
原因を追及しないのですか?
森は夏の気温が暑くなり過ぎないように、気温調節をしてくれるところですよね。
北海道の森を再エネで伐ってしまえば、夏、北海道の気温がさらに上がってしまいますよ。
皆さんは、日々の生活に追われて、考える気力を無くしてはいませんか?
自然災害が増えたのは、人間が自然を破壊したのが原因です。
石狩ではものすごい数の洋上風力発電が計画されていますが、そこから出る低周波音が、北札幌市民の体に影響を与えるようになるというシュミレーションがでていますよ。ご存知ですか?
この話になると、意外と若い人たちが振り向いて関心を示してくれました。
こうして、用意したチラシ100枚がなくなりました。
街頭演説をして良かった!
信号待ちの人とか、結構多くの人たちがこっちを向いて話を聞いてくれていました。
がんばれと言ってくださる方や、そうだそうだとうなずいてくれるおばあちゃんたちもいました。
「くまもり協会だって」と話している人や、熊森の新しい旗をスマホで撮っている人もいました。
チラシをもらいに来てくださった人たちは、家に帰って中身を読んでくださると思います。
翌日のアメリカの国立公園のガイドであるスティーブ・ブラウンさんとのコラボ講演会に参加してくださる方も、何人か増えました。
行政の方も参加してくださいます。
北海道はもうすぐ雪になります。
街宣、大成功でした。😀
風車ができたらヒグマが出て来たと稚内の酪農家が証言 くまもり北海道が稚内で学習会
広大な土地を持つ北海道は東北と並んでメガソーラーや風力発電など、再エネ事業の草刈り場となっています。
再エネは、火力発電の何百倍もの土地が必要ですから、北海道のや東北の山間部や大地が狙われるのです。
道北の稚内ではもうすでに稼働している大型風車が188基もあります。
この1年間で44基増えました。
今後も続々と風車計画があがっています。
なんともかとも、もう信じられない思いです。
下の図は、稚内を中心とした道北地方のアセス中、建設中、稼働中の風力発電です。
クリックして拡大してから見てください。作成時のもののため、現時点と異なるものもあります。
佐々木邦夫氏Facebookより
こんな稚内で、10月13日、熊森北海道支部が風車学習会を開きました。十数名の方が集まってくださいました。
以下、北海道鈴木ひかる支部長からの報告です。
・
稚内に来ると、山の尾根筋にずらりと風車。ものすごかったです。
稚内の山々の尾根に林立する風車群 クリックしてください。
地元で昔から代々酪農を営んでおられる方にインタビューしました。
風車ができたらヒグマが山から出て来た、電波障害が起きて携帯電話が使えなくなったと訴えられています。
すでに稼働している稚内の風車の騒音を録音してきました。
風車の音
この風車の騒音や振動、人間の耳には聞こえない超低周波音などに耐えかねて、山から出て来るヒグマなど森の動物たちを責められますか。
北海道庁は、ヒグマの大量捕殺を計画しています。
稚内風車に関する新聞記事です。
町を上げて風車推進の中では、稚内市民もいきなり反対の声を上げにくいと思います。
風車の真実を学ぶ市民学習会を市内各地で順次持っていくことが、まず必要だと思いました。
熊森本部から
北海道鈴木直道知事は、再生可能エネルギーの積極導入に熱心です。
北海道の自然を大破壊をして、東京などの首都圏に電気を送ろうとしています。
北海道の大地を愛する者ならできないのではないでしょうか。
稚内も市長以下、ほとんどの市議が風車推進派だそうです。
日本は、産業構造上、地方がどこも疲弊しています。
膨大な利益を得ることになる発電業者からのおこぼれのお金をたった20年間もらうために、地方はふるさとの大自然破壊行為を許すのでしょうか。一度壊してしまった自然は元には戻りません。
風車で命を奪われることになる鳥や獣や昆虫などは、どうなってもいいのですか。
未来の子供たちのことは考えないのですかと問いたいです。
自然の大切さを理解できるトップが、行政側にも企業側にもほとんどいないことが、日本社会の深刻な問題です。
風車には、バードストライクや騒音低周波音による風車病、山崩れなど、様々なデメリットがあります。
風力発電は製造から、発電中ずっと必要なバックアップ電源まで考慮すると、火力発電以上に二酸化炭素を出すともいわれています。
このようなことは国民には伝えられていません。
マスコミは、風力発電の負の側面や私たち国民の電気代から徴収されている再エネ賦課金を使って、どこの国が、どんな事業者が再エネで莫大な利益を得ることになるのかしっかりと伝えてほしいです。
ネットの時代ですから、国民のみなさんも、その気になって調べたら、今行われている再エネの嘘がわかってくるはずです。
要は、この国の未来に責任を持とうとしている大人がどれだけ我が国にいるかという問題だと思います。
再エネは、我が国の存続にかかわる重大問題です。やるなら、都市部と屋根置きまでにとどめるべきです。
再エネ業者に道徳心を失わせ、地元行政を狂わせている再エネ賦課金を即時廃止は見直すべきと考えています。(完)
祝 準備書段階まで行っていた山形県米沢市栗子山風発計画が白紙撤回に!
今回の本部東北遠征時、米沢市の会場に「米沢の子供の未来と豊かな自然を考える会(以下、考える会)の方たち5人が参加してくださり、栗子山風力発電計画をどのようにして白紙撤回に持ち込んだのか発表してくださいました。
山形、福島両県にまたがる奥羽山脈の栗子山(標高1217m)で、JR東日本エネルギー開発が高さ168mの風車10基、発電最大出力3万4000キロワットの風力発電事業を計画して、環境影響評価配慮書を提出したのは2019年です。
しかし、多くの市民はこの計画を知らず、知ったのは2023年9月の環境影響評価準備書段階での住民説明会の時でした。
環境アセスメント段階:①配慮書→②方法書→③準備書→④評価書
説明会で事業者が提出した内容は、実際には予定地から3キロのところにイヌワシの巣が見つかっていたのに、「国の天然記念物イヌワシの巣は、風車建設予定地から10キロ以上離れており、風車に衝突する可能性は20年に1羽未満」と書くなど、データを改ざんしたものでした。(10月にデータ改ざんが発覚)
署名など集めたこともなかった素人ばかりの米沢市の女性5人は、大きな自然破壊を伴うこの計画に危機感をいだき、11月に考える会を結成。今年1月から本格的に活動を開始しました。
チラシを作って配布しながら計画の白紙撤回を求める署名を集め始めました。
下は、そのチラシの裏面です。クリックで大きくなります。
チラシの内容は以下です。
1、イヌワシやクマタカがバードストライクにあう。
2、低周波音によって、頭痛、めまい、睡眠障害が引き起こされる。
3、尾根を削るので、山の保水力が失われ、土砂崩れや水質汚濁の危険性がある。
今年3月には、考える会と市議会議員20名が意見交換会。
風車10基のフォトモンタージュを示すと、驚きの声があがりました。
福島県側から見た栗小山風力発電計画
近藤洋平米沢市長は、市民全体を対象にした説明会を早急に実施するよう業者に求めます。
8月に開かれた住民説明会には2日間で300人~400人の住民が詰めかけました。
この説明会は、まさに、業者の不誠実さを市民の目に焼き付けるものとなりました。
9月には考える会が市議会に提出した「栗子山風力発電事業の白紙撤回を求める請願」が、賛成多数でで採択されました。
市長は事業者の本社を訪れ、「全面白紙撤回」を求めました。
しかし、事業者があきらめなかったため、考える会は9月末、「事業の白紙撤回を求める署名」約7000筆を経産省と環境省に提出。
経産省が厳しい意見を出したため、業者は(勧告により)スケジュールの大幅な遅延とコストの増大が見込まれ、事業が成り立たないことが明らかになったとして、ついに、風力発電計画の断念を発表。今年9月27日。
短期間の活動で、風力発電を白紙撤回に追い込んだ考える会の共同代表のひとりは、「まるで山の神様が守ってくれたのではないかと思うぐらい、ラッキ―なことが続いた」と言われていました。
熊森も会報発送の際、会員に署名用紙を同封するなど協力しました。熊森会員から送られてきた署名には、寄附金同封や激励の言葉などもあり、皆で感激しましたとのことでした。
10月末、考える会から、熊森にもお礼状ハガキが来ました。
熊森から
5人の女性の中の一人は、学校では今、子供たちに再エネ推進を無条件でいいこと大切なことと教えているので、子供たちの中には私たちは再エネを止めた良くない人たちという見方もあることを知って、ショックを受けたと言われていました。
今は事の重要性がわかっておられない人もいるでしょうが、米沢市の森を守った皆さんは、後の世で米沢市の偉人としてきっと讃えられると熊森は思います。
「野生動物を環境破壊から守ろうの会 風力発電の嘘 クリーンエネルギー風力発電の闇」と名乗る人が、栗子山風力発電白紙撤回を祝って、考える会に、おめでとうの歌をプレゼントしたそうです。私たちもいっしょにおめでとうと歌ってあげたいです。
5人の女性の皆さん、本当によくがんばられました。(完)
再エネ森林破壊を止めねば日本がなくなってしまう 危機感でいっぱいの本部が初の東北遠征
2020年菅首相が所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル」を宣言され、この国策実現に向かって、大規模森林伐採を伴うメガソーラーや風力発電など、再生可能エネルギー事業計画が東北や北海道で次々と目立ってきました。
クマたちが棲む奥山水源の森の保全・再生活動だけでも大変だった熊森ですが、再エネ名目の森林破壊を止める活動にも全力で取り組まねばならなくなりました。
2021年には、再エネ問題に取り組む全国の仲間たちと情報交換しようと全国再エネ問題連絡会を結成し、熊森は共同代表と事務局を引き受け、日本の国土を守るため、これまで手薄だった東北や北海道にまで活動を広げていきました。(本来国土保全は、国がすべきことです。しかし、悲しいことに日本国は私たちの税金を使って国内外の投資家や海外の会社に、カーボンニュートラル名目で日本の国土破壊を許し大儲けさせているというのが、現実です)
私たちは各省庁を訪れ問題点を伝えたり、国会議員を訪れ法規制を訴えたり、皆で必死に動いてきましたが、再エネ推進国策には膨大な予算と膨大な人員が付けられているため、小さな民間団体が必死で動き回ったところで、限界があります。その割には、結構各地で事業を止めるなど市民活動の成果を上げてきた面もありますが。
しかし、がんばってもがんばっても、新たな再生可能エネルギー事業計画が次々と出て来ます。
これはひどい福島市先達山メガソーラー工事現場60ha 雨の日に泥水が流れだす
事業者は東京の「AC7合同会社」
(熊森も加盟している全国自然保護連合機関紙表紙写真より)
こんなことを放置していたら、日本は文明を支えてきた水源の森を失って、稲作ができなくなっていくことでしょう。
クマを初めとする森の動物たちはもちろん、漁業にも大きなデメリットを与えます。各地で山崩れなどの災害が多発するようにもなります。日本文明の終焉です。何とかこれらの再エネ森林破壊を止めねばならない。
この地域で、すでに熊森の支部活動が展開されているのは、宮城県、秋田県、青森県、北海道です。現在、未組織の福島県、山形県、岩手県にも、なんとか早急に支部を立ち上げねばなりません。
無謀とは思いながらも、兵庫県本部は支部のない所で講演会をセットして歩くという東北3泊4日の計画を立てました。
会場は、福島県(郡山市、福島市)、山形県(米沢市、山形市)、岩手県(盛岡市、花巻市)の6ケ所です。
JR郡山駅前では初の街宣も実施。
福島のみなさーん、大都市の電気のために福島の森を犠牲にすることはない!
東北配布チラシ表
東北配布チラシ裏
地元会員の皆さんらが一生懸命友人知人に声掛けくださったこともあって、各会場には会員や会員外の方々約20人ぐらいが集まってくださいました。森山名誉会長が2時間半、東北向けの講演を行いました。
10月11日夜 郡山
10月12日朝 福島
10月12日夜 山形
10月13日朝 米沢
10月13日夜 盛岡
10月14日朝 花巻
会場に集まってくださった皆さんの多くは、最後まで食い入るように聞き入ってくださっていました。今回の遠征で、新たに31人の会員が誕生しました。元々の会員の方たちと協力して、この後、何とか支部結成まで進めてほしいと、本部は祈る思いです。
熊森は、国の政策であっても、間違っていると思うことにはしっかりとノーの声を上げます。国のお金に頼らない完全民間団体だからできることです。
日本の自然や水源、国土を守るには、このような団体が増え、大きくなる必要があることを、国民の皆さんにご理解いただきたいです。
9月24日奥山保全トラストと熊森が三重県大台町大森正信町長らを訪問
三重県の人工林率は64%と高率です。
そんな中、大台町の広大な山林676ヘクタール(池ノ谷:一部人工林を含む、父ケ谷:全山自然林)が売りに出され、当時のNPO法人奥山保全トラスト(現在:公益財団法人 奥山保全トラスト)は、何とか三重県に残された自然の森を守りたいと、全国民に寄付を訴え、2010年に見事、トラスト地としての購入に成功しました。
当時、ご寄付くださった方の多くは、地元を初め東京や名古屋など都市市民の皆さんで、都市の力が中心となって守った森と言ってもいいかと思います。
三重県大台町池ノ谷トラスト地
今回、本部は公益財団法人 奥山保全トラストの職員や、トラスト地の整備を毎年続けている熊森三重県支部の方たちと、久しぶりに大台町役場を訪問しました。
町長は大森正信さんという方になっていました。
大森町長は、「みなさんに大台町の水源の森をトラストしてもらって、本当にありがたかったです。中国が買いに来てたんです。」と、大喜びで私たちを迎えてくださいました。
あれから14年たっていますが、地元の皆さんに今もこんなに感謝されているのだとわかり、うれしかったです。
大森町長が私たちの訪問を喜ばれて、くまもりの森山名誉会長と固く握手(中央)
この日、大森町長、西尾副町長と共に、林野庁近畿中国森林管理局三重森林管理署の皆さんにも入っていただき、大台町の奥に広がる広大な久豆(くず)国有林と大杉谷国有林(どちらもスギやヒノキの人工林になっている)の今後について話し合いました。
大台町、奥山保全トラスト、三重森林管理署、熊森協会のみなさん
大森町長さんは、大台町としては全部元の天然林に戻してほしいと思っていると、森林管理署に強く申し入れられました。
昔の山や川をよくご存じの町長さんは、「昔は山から大量の清らかな湧水が湧き出し、宮川はすばらしく豊かな川だった。魚をはじめ生き物がいっぱい溢れていた。今は水量も激減。もっと水を流してくれと下流から言われるが、うちも水が必要だから、全てに応じられない。
宮川にダムを造ったことも失敗だった。ダムを造ってから、川の豊かさがすっかり失われてしまった。
宮川ダムを撤去したいと思って調べたら、ダムの部分の土地は今や大台町のものではなく中部電力のものになっており、できないことが分かった」と残念そうに言われていました。
広大な国有林に造ってしまった奥山人工林を今後どうするかは、林野庁の本庁が判断されるそうですが、林野庁としても地元の意向は無視できないとのことです。当面、林野庁としては国有林に至るまでの奥山道路の補修をしたいそうで、この予算が下りるのに5年ぐらいかかると言われていました。
大森町長さんに、「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」を手渡して別れました。後から思うと、大森町長さんは私たちが提案書に書いたことを全部わかっておられたので、手渡す必要はなかったです。昔の大台町の山や川をを知っておられる町長さんの存在は大きいと思いました。
熊森から
「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」について
<三重県のクマは保護対象>
広大で最高に豊かな森があって初めてのクマの生存が可能となります。戦後の林野庁の拡大造林政策によって、大半の山を人工林にしてしまった紀伊半島では、クマの生息は難しく、環境省は残り少ない紀伊半島のツキノワグマを絶滅の恐れのある地域個体群に指定しています。これを受けて三重県ではクマは保護対象であり、ずっと捕獲が禁止されてきました。
<今年、人身事故発生>
今年の8月14日夕方、音のする物を持たずに三重県の熊野古道をひとりで下山中の大阪の70代の女性がクマとばったり出会い、人身事故が発生しました。(クマに襲われたのではなく、事故です)
<三重県知事がクマを駆除対象にすると言い出す>
これを受けて、三重県の一見勝之知事は8月22日の記者会見で、県内のツキノワグマを「駆除の対象」に改めるよう、環境省に申し入れることを明らかにしました。知事に当選されるほどの方ですから、立派な方なんだろうとは思いますが、自然生態系の方の知識は不足のようです。
<知事や三重県議会議員の皆様に、三重県のためにもクマやクマの棲む森の保全・再生の必要性を伝えたい>
この日の午前中、私たちは三重県議会の大物議員を訪れ、クマのためにも人のためにも、クマを駆除するのではなく、奥山の自然再生が急務であると申し入れ、「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」手渡しました。知事や議員の皆さんに自然界の仕組みについて伝える機会を作っていただきたいです。(完)