くまもりHOMEへ

くまもりNews

くまもり本部2018年5月度 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)

熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。

会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。

学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。

ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。

本部電話番号 0798-22-4190

本部FAX番号 0798-22-4196

メール contact@kumamori.org

 

2018年5月の活動予定

 

<いきものの森活動>

毎月第3火曜日、他

5月15日(火)皮むき木の伐採(三田市)

(チェンソーを使えない方はのこぎりでご参加いただけます。)

5月19日(土)植樹地の草刈り(宍粟市波賀町原 リンゴ園裏山)

午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください

  • いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、誰でもご参加いただけます。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

天候不順で中止になることがあります。

昨年の草刈り風景

 

<環境教育例会(於:本部事務所)>

5月7日(月) 毎月第1月曜日

  • 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。

4月例会 フィールドに出て植物の勉強会

<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>

5月1日、8日、14日、22日、29日

(第1,2,4週は火曜日、第3週のみ月曜日)

  • 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。

現地までの交通手段は本部にご相談ください。

4月16日のお世話風景

 

<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>

5月27日(日)(毎月第4日曜)

参加費:1000円(交通費)

本部の車に同乗される方は残席2名なので、お早めにご予約下さい。

  • 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。

    くつろいだ様子の太郎

環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。

自車参加も可能です。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。

山からクマが出て来なくなるにはどうしたらいいの?-4月15日大阪府八尾地区BBS会の研修会

上記研修会にくまもりが講師として参加させていただき、お話や紙芝居をした後、グループワークを実施しました。

(くまもり本部から、4名のスタッフが参加)

 

BBS(Big Brothers and Sisters Movement)とは

「兄」や「姉」のような身近な存在として、少年たちと一緒に遊んだり、悩みの相談にのったりなど、”同じ目の高さで”接しながら、彼らが健やかに成長するお手伝いをしている青年ボランティア団体です。全国で約6,000人のBBS会員が、それぞれの地域で少年たちと交流したり、非行のない社会環境作りのための活動を展開しています。

 

今回の研修会の参加者年齢は幅広く、中高生が7名、あとは20代~50代ぐらいまでの大人たちでした。参加者が同伴してきた小さな子供たちもいて、くまもり青年部作の実話紙芝居「ドングリの森を守って」には声を出して反応してくれました。

 

紙芝居に涙、、、グループワークに真剣な姿

研修会の初めに、参加者にクマの印象をたずねると、

「印象はありません」「全然わからん~」というような回答でした。

都会に住む人たちにクマの話はピンとこないかもと、少し不安がよぎりました。

しかし、紙芝居を始めると、みなさんが食い入るように見てくださり、母グマがハンターに有害獣として撃たれる場面になると、涙を流されている人たちもいました。

 

紙芝居を一時中止し、「どうすればクマが山から出てこなくなるでしょうか」という質問を投げかけました。

この後、7グループに分かれて意見を出し合ってもらい、まとめて発表してもらうことにしました。

 

真剣にグループワーク

 

<主な発表内容>

・山にどんぐりの木を植える

・変なところに税金を使わず、森の整備に使う

・日本熊森協会を支援をする

・自然を守ろうと思う人を増やす

などなど。

 

それぞれの発表に対して、くまもりスタッフが一言ずつコメントを述べさせていただきました。すごく盛り上がりました。くまもりが保護飼育中のクマの「とよ」の話や、「人工林率」の話など、予定していなかった話まで披露してしまいました。

 

BBS会は、「兄」「姉」のような存在の人たちと少年たちが一緒に学び、一緒に悩み、一緒に楽しむ活動をされているからでしょう、大人の人たちが少年たちの意見をうまく引き出して議論する様子を見せていただくことができました。、熊森も勉強になりました。

 

今回、BBS会の皆さんと時間を共に過ごせたこと、くまもりのことやクマの窮状を伝えることができたこと、本当にうれしかったです。貴重な体験をさせていただきました。

みなさん、ありがとうございました。

4月14日(土)第2回 くまもりサロン開催 「地球温暖化と自然」

本部スタッフが進行係となり、最近の地球温暖化研究の紹介と野生動植物への影響について問題提起しました。

 

温暖化は野生生物にどのような影響を与えているのでしょうか。

 

生物には、「温周性」「光周性」があります。

「温周性」とは気温に影響される生物の性質です。

昆虫などの変温動物は、最近の温暖化によって活動時期が早くなっています。

 

一方、「光周性」とは日射に影響される生物の性質です。

これら光周性生物は、地球温暖化にあまり変化を受けません。

従って、温暖化すると昆虫の孵化の時期は早くなったのに、植物の若葉や花の時期はこれまで通りであるため、葉を食べたり花蜜を吸ったりすることができなくなります。その結果、昆虫が消えたり虫媒花植物の受粉がうまくいかなくなったりします。

これが、今、日本の自然界における生物の多様性を貧しくする大きな原因となっています。

 

<参加者の感想から>

Fさん:林業の村で育った。昔もスギの人工林はあったが、1ヘクタールあたりの苗木が500本くらいだったので、自然と針広混交林になっていた。戦後の拡大造林は1ヘクタールあたり3000~5000本の苗木を密植し、その後放置した。これが諸悪の根源。最近も大分県で山が崩れたが、新聞報道には、人工林の字の字も出ていない。地下水や岩盤劣化などが原因とある。地下水や岩盤劣化がない山なんてあるのか。

S1さん:生命は環境に適応して進化してきた。人類だけが環境に適応せず、環境を改変して生きていこうとしている。

Mさん:アル・ゴアが言った「環境問題は経済ではなく、モラルの問題です。」という言葉が好き。人間のモラルを立て直していかねばならない。

K1さん:子どものころと比べると、台風の数が減ったように感じる。回数が減って1回当たりの規模が大きくなる。これも温暖化の影響か。

K2さん:1961年の地球人口は30億人だった。今は70億人を超えている。機械文明は進んだが精神文明は進んでいない。これが環境問題に皆が取り組まない最大の理由だと思う。

S2さん:都市部に人間が集中しすぎている。無駄なエネルギーを使わない、ゆったりした暮らしができる社会をめざせばよい。

K3さん:地球の健康を取り戻すのは人間の仕事、地道な活動に意義がある。

U:地球の温暖化の原因は二酸化炭素だけでなく、メタンや一酸化二窒素、フロン、水蒸気などもある。モデルによる予測もどこまで正確かはわからない。しかし、二酸化炭素の排出を減らして、少しでも温暖化を遅らせていく努力が必要だ。

森山名誉会長:若い世代は、昔を知らないので、本来、自然とはどういうものなのかわからない。今の状態が異常であることを、若い世代にどう伝えていくかが問題だ。4月28日の熊森全国大会では、熊森が育ててきた若いスタッフたちを前面に出すので、いろんな人を誘ってぜひ参加してほしい。

 

次回のくまもりサロンはは6月9日(土)です。

 

2月17日 兵庫県シカシンポ 生息地を失った哀れなシカを殺す話ばかり 胸が悪くなりました

<森林動物研究センター主催シンポジウムの感想>

基調講演を聞いて、気候も風土も文化も歴史も違うヨーロッパやアメリカのシカ狩猟が、なぜ日本がめざすモデルになりうるのか疑問に思いました。

 

大変な思いをして集落総出で土や石を運んで造ったシシ垣で、集落や農地を徹底的に囲い、全体としてはシカを殺さずに共存してきた私たちの祖先のシカ対応の方が、ずっとレベルが高いと思います。

 

奈良大学名誉教授の高橋春成先生は、滋賀県や三重県などに残された大量のシシ垣跡を研究されています。また、京都大学には金網柵からなる現代版シシ垣を考案して普及させようとされている研究者もおられます。

 

実際、兵庫県は今や平成のシシ垣ともいえる金網柵を郡部に、8262km(平成28年度時点)張り巡らせて、集落や農地を徹底的に囲い続けており、熊森もこの点に関しては、兵庫県を高く評価しています。

 

問題なのは、現在、農地や田畑から追い出したシカの行き先を山にしていることです。森とシカは共存できません。森の下層植生は脆弱なので、シカが食い尽くすと消えてしまいます。その結果昆虫も激減し、兵庫の森の中はクマも棲めなくなって、今、大変なことになっています。

 

そもそもシカは、やわらかくて背の低いイネ科やカヤツリグサ科などの草におおわれた草原(ススキは食べられないので、ススキが原では生きられません)や湿地をえさ場にして生きてきた林縁の動物です。危険を察知すると草原から林内に逃げ込んでいたようです。

 

これらの草原の草は、森の下草と違って、食料生産量がとても大きいので、シカのような大型野生動物でも養うことができます。冬は草が枯れるために餓死するシカも出るでしょうが、そうやって自然界がシカの頭数を調整するのだと思います。

 

戦後これらの草原や湿地を、農地や宅地としてつぶしてしまったのは人間です。今や、シカが草を食める草原は、スキー場ぐらいしかありません。

 

現在シカは、森を破壊する害獣にされていますが、戦後の拡大造林政策で奥山に一時期大草原を誕生させたり、林道を造り続けてシカを山奥にまで導いたのは人間です。

 

突然現れたシカの群れに悲鳴を上げておられる地元の惨状をこれまでいくつか見聞きして、私たちも胸を痛めてきましたが、といって人間がしたことを反省することなく、いかにして効率よくシカを大量にハイテク技術で殺せるかだけを発表されても、拍手する気が起きませんでした。ハイテク罠の扉が遠隔操作で落ちた瞬間、罠の中のシカやイノシシが恐怖で必死のジャンプを続けている映像は残酷すぎて、見ていて気分が悪くなりました。子どもたちがみたら胸がつぶれると思います。

 

人間が知らないだけでシカにも自然界に存在する大きな意義があるはずです。この県土で生きる権利もあります。江戸時代の兵庫県内のシカの密度は大変なものだったという研究発表もあります。やみくもに見つけ次第シカを殺すのではなく、シカが安心して生存できる草原や湿地を保証して、奥山からシカを移動させ戻れないようにする方策を考える必要があると思います。

 

大学に狩猟学を導入して銃を使える人を増やし、シカやイノシシの狩猟文化を日本に創成しようという基調講演には違和感を感じました。生きとし生けるものとして畏敬の念を持って殺さずに棲み分け共存してきた祖先の文化こそ取り戻すべきだと思います。

 

森林動物研究センターのシンポジウムはいつも野生動物を殺すことによって野生動物問題を解決しようとする西洋思考の研究者たちの発表だけです。野生動物は殺すしかないのだと県民を洗脳する場になっているような気がします。公的な費用で実施するのですから、もっと多様な野生動物対応を国民に提示するシンポジウムにしてほしいと願います。

【参加者募集】親子くまもり自然農のお知らせ

都市の子どもたちに、自然とふれあえる場をつくりたい。

以下は、今年度の本部主催「親子自然農イベント」のご案内です。

 

自然農は、農薬なし化学肥料なし、

生きものの命と寄り添う農法です。

生きものたちの息遣いや、四季の移ろいを感じながら、

とっておきの「自然農米作り」に、親子でご参加ください!

 

*************************************************

 

場所: 兵庫県三田市 小柿(現地集合 公共バスもあります)

添付チラシ参照

日程:

【第1回】6月3日(日)✽予備日6月10日

「田植えと自然あそび」

【第2回】6月24日(日)✽予備日7月1日

「草刈りと生きもの調査」

【第3回】10月28日(日)✽予備日11月11日

「稲刈りと自然あそび」

【第4回】11月25日(日)✽予備日12月2日

「自然に感謝!収穫祭」

※お好きな回のみのご参加もできます。

 

時間:10時~16時

 

参加費:1回につき1人1000円(くまもり会員は800円)

✽お昼付き!

✽4回すべて参加で、1回分が無料!

 

申し込み:

活動日の3日前までに電話、メールにてご連絡ください。

TEL 0798-22-4190

メール volunteer@kumamori.org(担当:山本)

秋田県が今春、クマ推定生息数を2300頭と増加訂正した件について

秋田県はこれまでクマ推定生息数を約1000頭としてきましたが、昨年度1429頭に増加させ、この3月、更に、 2320頭に増加訂正しました。

昨年800頭以上もクマを有害捕殺したのに、なぜ、推定生息数が900頭以上も増えるのかミステリーです。熊森本部が秋田県庁担当者に問い合わせた所、いつものようにていねいに対応していただき、2300頭に至った資料も送ってくださいました。担当者の皆さん、お忙しい中、ありがとうございました。

 

秋田県:これまでは、クマを目撃しやすい4月~5月に猟師が山の中で目撃したクマ数を基に計算していた。その結果、推定生息数は1000頭前後で推移していた。しかし、その時期は、親子グマはまだ冬ごもり穴から出ていないので、過小生息数ではないかという指摘があり、2017年の夏、カメラトラップ調査(注:誘引物を高所に仕掛け、寄ってきたクマが立ち上がった時、首のツキノワが確認できるよう自動撮影して個体識別する)という新たな手法を用いてクマの推定生息数を推定した。クマ数が増加したのではなく、調査手法が変わったため、推定生息数が増えた。

 

以下、詳細

2017年に、クマが高密度に生息している森吉山や太平山を中心とした、1521㎢の開放的な空間で、2期に分けてカメラトラップ調査を行った。

①1期は8月~9月 117台のカメラを設置。208頭のクマを撮影(重複あり)。71頭のクマを識別。推定生息数143~219頭。

②2期は9月~10月 119台のカメラを設置。537頭のクマを撮影(重複あり)。150頭のクマを識別。推定生息数408~620頭。

 

第2期の調査で識別された150頭のクマ数から推定される生息密度(頭/㎢)をもとに、地域別の目撃数からクマ生息密度の濃淡を出し、県内生息数を計算してみたら、2600頭という数字になった。

2017年度は、クマの捕殺が824頭であったので、2018年度の推定生息数は、

2600-824+544(生まれた子グマの数)=2320頭

 

 

<熊森から>

 

・秋田県のクマ推定生息数の出し方のいいところは、兵庫県のように山から出てきたクマ数(目撃数・捕獲数)で生息数を推定するのではなく、山の中にいるクマを数えて推定しているところです。山中にどれくらいのクマがいるかが大事なのです。

 

・また、クマを捕獲して恐怖に陥れたあと全身麻酔をかけてマイクロチップを入れたり、発信器を付けたりして、クマに耐えがたい負担をかける調査が一般的な中、カメラで撮影するだけというクマへの負担を最小限に抑えた調査方法を採用されたことも、熊森は評価します。

 

 

・ただ、調査区域が閉鎖的空間でクマが流入・流出がないことを前提として計算されていますが、実際はクマは森の中を広い範囲に自由に歩き回っていますから、どこまで正確な数かは誰にもわかりません。1期と2期を比較してみても、推定数にはかなりの違いがあります。

なぜ、推定数の大きい2期の結果だけを採用されたのか不明です。1期と2期の平均数を使わないと、過大な推定数なってしまいます。

また、生まれた子熊の数が544頭というのもどこから来たのかわかりませんでした。子熊も成獣も、野生ではかなりの自然死があるわけで、それも考慮されねばなりません。

 

・熊森は、クマが何頭いるかは、そんなに大切ではないと考えています。山になら何頭いたっていいのです。大事なことは、なぜ去年、大量のクマが山から出てきたのか。その原因を究明するため山中の餌量を調査することと、予期せぬ自然界の異変が起きても、山から出てきたからと殺してしまうのではなく、被害防除対策を徹底させ、場合によっては食料の分かち合いを実施することです。(熊森が知る限りでは、秋田県は初めに駆除ありきで、山中餌量調査と被害防除を、全くやっていません)

 

 

秋田県が生息推定数を2320頭にかさ上げしたことによって、駆除数の上限が上がったり、安易な駆除が横行したりすることがないようにだけは願いたいです。クマたち野生動物も、この国に生きる権利があります。

 

3月24日 和歌山県の太郎と花子、いとおしさで胸がいっぱいに まだの方はぜひ会いに来て 

久し振りに和歌山県有田川町生石(おいし)高原の太郎と花子に会いに行きました。

西宮からはこんなに遠かったのかと思うほど、遠かったです。

毎月1回~2回ですが、本部から生石までお世話に行ってくださっているボランティアさんたちのご苦労を思いました。

 

コンクリートの上で暮らす動物園のクマは、爪がこすれて伸びられません。

狭い獣舎の土の上で暮らすクマは、爪が伸び過ぎて巻きづめとなり、掌に食い込んで皮膚を突き破ります。

人間が飼うといろいろとクマも大変です。

 

実は前日、太郎は獣医さんに全身麻酔を掛けてもらい、両手足の爪をニッパの大きいような道具で、切ってもらったのです。

前日の夕方時点の山田さんの電話では、皮膚に食い込んでいた左前足の第4爪を抜いて切った後、血がなかなか止まらなかったのでみんなで心配したということでした。

やっと血が止まり、獣医さんの処置も終わって、夕方には麻酔も切れ、太郎が目を動かし始めたということでした。

高齢ゆえ、全身麻酔は大丈夫だっただろうか。いろいろと、心配になります。

いっそのこと見て来ようということになりました。

 

天気は快晴。獣舎横のニオイコブシの花のつぼみが大きく膨らんで来ています。

そばで太郎と対面しました。

じいっと目と目でしばらく見つめ合いました。(デジカメでは、クマの表情がわかるような写真が撮れなくて残念)

昨日怖かったよと言っているように感じました。

指の包帯がまだ痛々しかったです。

左前足第4爪の包帯が痛々しい太郎

 

山田さん一家も心配で、昨日の夜中は懐中電灯を持って、今朝は早朝に、太郎が大丈夫か心配で獣舎に見に行ったと言われていました。

太郎はまだ包帯を巻いた部分が痛いらしく、時々ぶるぶるっと手を震わしていましたが、食欲は旺盛で、頂いたものを次々と平らげていました。

良かった。大丈夫だ。

爪が肉に食い込んで痛そうなのでどうしたものかと案じていたが、こんなのならもっと早く獣医さんに来てもらったらよかったと山田さんの弁。

傷口が治ったら、また普通に歩けるようになるから、それまで包帯をとったらだめだよ。

私も太郎に話しかけました。太郎はじいっと聞いている感じでした。

故東山省三先生を母のように慕っていた太郎。いろいろなことが思い出されて、本当にいとおしさでいっぱいになりました。

 

花子の方は、まだ爪切りの必要はありません。

お世話隊のみなさんに背中を書いてもらって、大喜びです。

うれしくてたまらないとき、クマは大きな口をあけて笑います。

この日は、花子もいとおしくてたまらないと思わせる表情でした。

熊手で背中を書いてもらう花子

 

ずっとお世話に通ってくださっている人に聞くと、この季節、クマは上機嫌だそうですが、そうではない季節もあるそうです。

良い時に訪れました。

 

お世話隊の方が、寝室の床に開けられたコンクリートの穴に手を突っ込んで何かしておられたので訳を聞くと、排水穴に詰まった糞尿を取ってきれいにしてあげているということでした。

獣舎の床に開けられた排水穴

 

遠くからおいしいものを送ってくださる方も含めて、みんなの愛情に包まれて、太郎と花子、病気一つせずそれぞれ28歳27歳まで来ました。

元気なうちに、まだの人はぜひ会いに来てやってください。ここは、クマとお話ししたり心通わせ合ったりできる、夢のような場所です。(完)

4月7日(土) 雪害を受けた広葉樹植樹地の手入れ 本部いきもり活動 宍粟市波賀町

雪解けを見計らって、波賀町の広葉樹植樹地に出かけました。

ここは今年、雪が多かったのでしょうか。斜面に植えたヤマザクラの苗木が小さなつぼみを付けたまま根こそぎ倒れたりクワの大枝が折れたりするなど、何本かの苗木が甚大なる雪害を受けていました。(被害のない場所もありました)

シカ除け柵も約半分が倒れていました。若葉が芽吹く前に、一刻も早く柵を修理しなければなりません。予想以上に多くの仕事がありました。

植樹地内に自然生えした、クマイチゴ、タニウツギなどは枝がしなっているだけで雪害なし。タラはまっすぐ1本立ちしているというのになぜか幹が折れていません。やはり自然はすごいです。

苗木を起こして、シカよけネットを立て直すボランティアたち

 

この日、天気予報は曇りだったのに、雨が降ったり止んだり、なんと4月というのに途中から雪も降ってきました。気温3度、谷川の水温は4度でした。参加者は5名。寒いし雨に濡れるし、途中で撤退しかけましたが、がんばって応急手当を完了させてきました。

 

シカという新たな要因が加わったからということもありますが、自然林→人工林の時とちがって、兵庫県の豪雪地帯の急斜面における人工林→自然林は予想外に難しく困難な事業です。(九州や四国では、放置しておくだけで、シカがいても簡単に自然林が再生するようです)

 

 

この場所は、もう一度行ってしっかりネットを張りなおす必要があります。

次回、いきもり活動は4月17日(火)、ご都合のつく方は是非ご参加願います。

阪急夙川駅に8:00集合で、現地までは本部が用意した車に同乗していただけます。

4月からボランティア保険が新年度に切り替わるため、平成30年度未加入の方は早めにお申し込みください。

 

 

波賀町の別の集落で長年熊森がお世話になってきた方が、69歳で亡くなられてこの日がお通夜であることを知り、作業の帰りに急遽ご自宅を訪れ、手を合わせてきました。

 

この集落の皆さんは、自分たちが山にスギばかり植えて野生動物たちのえさ場を奪ったことを反省し、自分のしたことに責任をとって死にたいとして、毎年、共有林の人工林を1ヘクタールずつクマたち野生動物のために広葉樹林に再生しておられます。すばらしい人たちです。

同じことを思ったり口にしたりする人たちはいますが、行動で示す人たちはめったにいません。(国が動けば、一気に状況は変わるでしょう)

 

 

まだ明るかったので、この集落の裏で地元の皆さんと一緒に広葉樹の苗木を植えてきた植樹地を見に行きました。

同じ波賀町でも、こちらは広葉樹の苗木が良く育っています。積雪量や気温が違うのでしょうか。ソメイヨシノが満開でした。

シカよけ金網で囲まれた人工林皆伐跡地の広葉樹植樹地、苗木が良く育っている

 

春ですね~。林道に水が湧き出しているところがあり、たくさんのオタマジャクシとそれを狙うアカハライモリに出会いました☆

 

大量の黒いオタマジャクシで水面が埋まっていました

 

クマのために植樹したカキ園も見てきました。今年は電気柵の効果があったようです。イノシシに入られていませんでした。

よく育っている柿園の苗木(葉はまだ)を眺めるボランティア

 

最後に柿の植樹地前で記念撮影です☆

ボランティアの皆さん、お疲れ様でした。

 

祝 3月末、日本初のダム撤去工事完了 熊本県荒瀬ダム

以下、西日本新聞より

 

熊本県南部を流れる球磨川にある県営荒瀬ダム(八代市坂本町)の撤去工事が3月末に完了した。

荒瀬ダムが撤去された地点 熊本県庁HPより

 

ダムの完全撤去は全国で初めて。堆積した土砂のヘドロ化で悪臭を放ったダム湖は6年をかけた工事でなくなり、瀬や淵、砂州といった変化に富む川本来の流れが復活している。

 

県の調査によると、清流に生息する底生動物や魚の種類が増え、アユなどの餌になる藻類も順調に育つ傾向がみられる。専門家でつくる「荒瀬ダム撤去フォローアップ専門委員会」の篠原亮太熊本県環境センター館長は「自然の回復力の強さを実感する。ダム建設前と同じような状態に近づきつつある」と話す。

 

国土交通省の調査では、魚のすみかになる河口干潟沖のアマモの藻場が、ダム撤去前に水門が開放された翌年の2011年から、1~1・7平方キロメートルで推移している。10年まではほとんど見られなかった。球磨川の環境改善は海にも好影響を与えているようだ。(以下略)

 

熊森から

ダム撤去運動を闘ってこられたみなさん、おめでとうございます。

 

アメリカ映画「ダムネーション」を思い起こさせる快挙です。さっそく自然がよみがえってきたようですごいですね。市民運動の輝かしい勝利だと思います。自然保護団体として、とてもうれしいです。

 

2002年に7年後の県営荒瀬ダムの撤去を表明してくださった潮谷義子知事(当時)にも、あらためて感謝申し上げたいと思います。

 

その後紆余曲折があったようですが、負けることなくダム撤去にむけてどこまでもがんばり抜いた地元の皆さんに心から敬意を表したいと思います。

 

ただ、球磨川を完全によみがえらせるには、荒瀬ダムの10キロメートル上流にある瀬戸石ダムの撤去、河口にある堰(せき)の撤去が必要だそうです。

 

熊本県民は国交省直轄川辺川ダム計画も中止に追い込んでいます。すばらしいと思います。

 

アメリカでは2017年にも86ダムが撤去されたということで、ダム撤去の動きが毎年進んでいます。残念ながら、日本では今の所、荒瀬ダムに続くダム撤去計画はないそうです。

 

それどころか、現在、「脱ダム」に関係自治体などが反発し、「国土強靱(きょうじん)化」の名の元、中断していたダム建設がどんどん復活してきているありさまです。

 

ダムが必要だからというのが表向きの理由ですが、実は、公然の秘密として、ダム建設費の5%が関係者の手に入ることになっているため、推進者たちは声を大にダム建設を訴えているのだということです。かつてダム建設にかかわった方から教えていただきました。たった5%と思いましたが、総工費1000億円となってくると、5%は50億円です。人によっては、喉から手が出るほど欲しいお金かもしれません。

 

あらゆる分野に言えることですが、いい国を作るには、利権のない市民が、しっかりと声を上げてくことが大切だと思います。

 

東京新聞が、秋田県がクマの推定生息数を2300頭と訂正発表した件に対する熊森コメントを掲載

記者がクマの生息推定数に関して環境省担当者に問い合わせたところ、「クマの保護・管理は、都道府県が行っている」と取り合わなかったという記述は、国際自然保護連合レッドリスト危急種に対するこの国の姿勢を良く表しています。(日本は生物多様性条約を批准しているのですから、本当は、環境省が逃げないで責任を持つべきなのです)

 

熊森関連記述

深い山にいるクマの生息数を調べるのは難しい。日本熊森協会(本部・兵庫県)の森山まり子会長は「アフリカの草原にいる動物を上から数えるのと違い、クマは単独生活で、何キロも先から人間を察知して逃げるので正確に調べようがない。生息数の数字が独り歩きし、捕獲数が増えていくのが怖い」と危ぶむ。

 

以下、3月24日東京新聞<こちら特報部>です。

2

フィード

Return to page top