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12月5日、熊森顧問の片山大介参議院議員が国会で、クマ大量捕殺問題について質問しました

環境省の発表によりますと、2019年は10月末時点で、ヒグマ460頭、ツキノワグマ4289頭、計4749頭もの捕殺数になっています。これは、現時点で過去最多数を記録しています。

参議院環境委員会で質問する片山大介議員

この問題に対し、当会顧問を務める、片山大介参議院議員が、12月5日の参議院環境委員会で、小泉進次郎環境大臣に質問しました。

以下、参議院インターネット審議中継より熊森が文字起こししたものです。

 

片山議員:次はクマの話題なんですけれども、今年度はクマの捕殺数がものすごい増えているんですよね。で、過去最多は平成18年度の4679頭だったんだけれども、これがもう大幅に上回るペースで、10月末の時点で4750頭あまりで、来年3月の年度末には初めて5000頭を超えるんじゃないかと言われているんですよね。それで、なんで多いのかというのを聞くと、罠の数がすごく増えてきているというんですよね。まあシカとイノシシの罠が増えて来ているからそちらの方の罠に引っかかる、それを錯誤捕獲といいます。まずね、原則で確認したいのが鳥獣保護管理法ではシカやイノシシを捕獲する目的で仕掛けた罠にクマが掛かった場合は、これは、野に放す、すなわち放獣をしないといけないという理解でよろしいんですか。

 

小泉環境大臣:そのとおりです。

 

片山議員:そうすると、シカやイノシシの頭数がすごく増えてきているのはわかるんですが、クマがそこまで増えてきているのかなというのはありますし、それから、クマは、地域によっては絶滅の恐れのある地域個体群に指定されている、2年に1度しか子を産まないとも聞いているんですよね。人命第一なのはもちろんなんですけれども、クマの捕殺がこれだけ増えている、過去にないほど増えているということであれば、基本的に捕獲の許可は都道府県の自治事務だと言うんだけれども、やはり鳥獣保護管理法の所管している環境省として、実態がどうなっているか、過剰な捕獲が行われていないのかというのを調べてもいいのではないかと思うんだけれども、これはどのようにお考えですか。

 

小泉環境大臣:環境省では、クマをはじめとする鳥獣の保護や管理に関して、都道府県が鳥獣保護管理法に基づき、特定鳥獣保護管理計画を作成するための指針となるよう、ガイドラインを作成しています。クマ類に関するガイドラインの見直しは、来年度に予定しているところであります。その見直し作業において、クマの適切な保護管理のために必要な、生息状況や出没状況、そして捕獲状況等についても調査をしていく予定です。尚、先生がおっしゃった通り、今、クマの捕殺数においては、過去最多、今の時点でもそうですので、まさにそういった変化というのは見られるというふうに考えております。

 

片山議員:今年は、山の木の実りも少ないとか、いろいろなことがあって人里に降りてくるというのもあると思います。それが、人への被害とかもあるのかもしれないですけれども、少し、野生鳥獣についてもきちんと管理をするというか、絶滅の恐れのある個体群もあるというので、そこはきちんとやっていただきたいなと言うのはありますけれども。最後にそれだけ聞いて終わります。

 

小泉環境大臣:先程、錯誤捕獲というお言葉が有りましたが、まさにそれはシカやイノシシの罠にクマが誤って入ってしまったという、そういった場合についてでありますが、これは原則、安全に配慮しつつ放してください、放獣を行うように都道府県に対しては指導しています。ただ、人身被害防止の観点から有害鳥獣として捕殺をされている場合もあるというように聞いておりますので、いずれにしてもしっかりと調査をしていきたいと思います。

 

片山議員:ぜひ頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

熊森から

今回、小泉環境大臣によって、錯誤捕獲されたクマは放獣すべきというのが国の方針であることが確認されました。心強い限りです。

シカやイノシシを捕獲する名目で設置許可を得た罠に、誤って他の動物がかかってしまったら、その場で逃がさねばならないのは当然ですから、錯誤捕獲されたクマは原則、安全に配慮しつつ放獣するよう都道府県に対しては指導していますとの小泉環境大臣の答弁は真っ当です。

た、出された問題から逃げるのではなく、しっかりと調査をしていくという答弁は頼もしい限りです。熊森が声を挙げたことで、環境省の調査が開始されるのであれば、こんなうれしいことはありません。

 

×しかし、現実には、北海道や東京都など、クマの放獣体制がいまだにない都道府県がいくつもあります。実際に環境省が具体的にどのようにこのような都道府県を指導されてきたのか、熊森としては知りたいところです。

 

×更に、今年どうしてこれだけクマが大量に捕殺されているのかというと、ひとつには、誤捕獲されたクマが大量に捕殺されているからです。環境省の方針に反して勝手に誤捕獲グマをどんどん殺処分している府県の実態をぜひ調査して発表してください。

 

また、誤捕獲されたクマを捕殺していると言われないように、兵庫県のようにクマの生息推定数の3倍ものクマ捕獲罠を常時設置して、米糠でクマを誘引し、巧みに大量捕殺を進めている県もあります。こちらにも厳しい指導が必要です。

 

罠を使ってのクマ狩猟は禁止されています。理由は、罠を用いるとクマを獲りすぎてしまうからです。

×しかるに一方で、有害駆除名目で大量のクマ捕獲罠を常設している実態を放置していては、何をしていることかです。今年のような乱獲や過剰捕獲を防げません。

 

環境省は今後、誤捕獲グマ殺処分問題と、クマ捕獲罠大量設置問題に取り組んでいただきたいです。

今年度のようなクマの行き過ぎた捕殺が今後起きないように、早急に対策をお願いします。

 

日本の水源の森を守ってきたクマを害獣視して、数を低減させることばかりに躍起になっている都道府県を放置すれば、生物多様性条約締約国としての責任が果たせません。ここで一つ環境省に、がんばってもらいたいです。

「私たちが取るべき道は、クマと人の棲み分け」室谷会長が、北海道新聞のクマ特集記事に!

12月4日、北海道新聞の特集「水曜討論」に日本熊森協会の室谷悠子会長のインタビュー記事が大きく掲載されました!

環境省HPのクマ類捕獲数の速報値によると、今年は全国でツキノワグマ4289頭、ヒグマ460頭もの過去最多数のクマが捕殺されています。

駆除されたクマの多くは、人々の生活を危ぶめるような危険性のない無実のクマもたくさんいます。クマとの棲み分けがいかに大切か、熊森は今年も多くのメディアに伝えてきましたが実際に報道してくださった方はごく一部です。この記事を書いてくださった内山記者には感謝申し上げます。

ぜひ皆さんも読んでみてください。

北海道新聞 水曜討論「ヒグマとどう共存するか」 ※有料記事になります。

北海道新聞、12月4日掲載の水曜討論「ヒグマとどう共生するか」

 

絶滅危惧種の東京都ツキノワグマ、今年14頭も有害駆除 東京都議会で高倉良生議員が質問。

全国各地でクマが大量に駆除される現状に、熊森は非常に心を痛めております。

 

東京都のクマ生息地にあたる西多摩郡の山々は台風によりスギやヒノキの人工林が崩れ、人々はライフラインを絶たれたまま未だに復旧が追い付いておりません。

 

クマなどの野生動物は、拡大造林政策によって植え替えられたスギやヒノキの人工林によって餌場を失った上、今年は山の実り凶作年。今日、明日、来年まで生き延びられるかという瀬戸際です。

 

正直、東京都の奥地では、人もクマたち野生動物も、オリンピックどころではないでしょう。

 

一方、東京都議会では、オリンピック関連の質問でにぎわっていました。そんな中、ただお一人、無残に殺されていく野生動物たちに心を寄せて、東京都のクマと森について14分間質問してくださった議員がおられます。当協会赤松正雄顧問の友人でもある高倉良生議員です。

 

以下は、2019年11月27日 東京都議会 環境・建設常任委員会における高倉議員の質問と当局の回答です。インターネット中継で視聴可能です。

 

高倉議員 

 

①クマの出没時、捕殺ではなく、第一に追い払いや誘因物の除去、電気柵の設置を徹底してください。クマ専門の被害防除事業を行ってください。

 

絶滅防止の観点から、子連れのメスグマは原則捕殺しないことをルール化してください。

 

ツキノワグマの違法捕獲が発生しないよう、捕獲許可権者である東京都が捕獲従事者の監視体制の強化、各自治体への指導を徹底し、違反者に対しては適正な処分をしてください。

 

 ④森林環境税・森林環境譲与税を活用し、クマが生息する西多摩郡で、林業に不向きな非経済林は、小面積皆伐を行い自然林への誘導を行ってください。

 

議会質問に立つ、高倉良生議員(写真右上でご起立されている方) 東京都議会インターネット中継より

 

以下は、当局の答弁です。

 

東京都近藤豊自然環境部長

 

●クマのことについて

東京都では、クマの被害防止のために電気柵の設置や誘因物の除去などを行っております。今後も行ってまいります。

 

熊森から: 熊森本部は、今年8月に熊森東京都支部の要請を受け、兵庫県から東京都奥多摩町のクマが出て来ている現場まで、誘因物の除去に飛んでいきました。

(当時の詳細はこちらをクリックしてください)

また、熊森東京支部のメンバーは、地元行政に電気柵を設置してほしいとお願いしましたが、行政担当者から「クマ用の電気柵は予算が無くて設置できない」と何度も断られ、熊森が電気柵の費用を負担して設置してあげるからという交渉までもしましたが、行政担当者に断られるという歯がゆい思いをしています。なので、支部のメンバーは、東京都でクマ対策にも電気柵設置の補助金がでる、もしくは電気柵そのものをクマが出て来て困っている地域へ貸し出しの仕組みを作ってほしいと、訴えていました。なのにこの答弁!これは虚偽ではないでしょうか)

 

●人工林のことについて

東京都では、これまでに約3000ヘクタールの人工林の間伐を行ってきましたので、これからも行います。

熊森から:今年8月、熊森本部がクマがたくさん集落に来ているという集落の裏山を見に行くと下の写真のような光景が広がっていました。

2019年9月11日撮影、東京都奥多摩町の人工林

 

この場所の人工林の間伐は全く出来ていません。

人工林は一般的な林業用の間伐を施しても、自然林になど戻りません。自然林に戻すには9割程度の間伐が必要だと思われますが、それは、もはや間伐と呼べないものです。

高倉議員は、人工林を自然林に誘導してくださいと言っているのに、近藤部長は質問に真面目に答えておられません。

熊森から

東京都の行政担当者の皆さま、どうか議員に、都民に、正直に答弁してください。

いかに嘘をつくかというのが行政の仕事にならないようにしてください。

この国がダメになってしまいます。

手が回っていないのであれば、正直にそうおっしゃってください。

 

高倉議員が提案された内容は、クマと人の不幸な事故を回避するために最も重要な基本的対策です。

都民のためにも、クマをはじめとする多くの野生動物たちのためにも、必ず取り組んでいただきたいです。(完)

 

 

 

 

11月21日・22日、ついに四国のクマのえさ場づくり始まる 高知県香美市熊森第2トラスト地22ha

残りわずか16頭と言われる四国のクマたちの絶滅を回避するには、調査研究だけではだめです。

短期的には、給餌したり、気候風土が似ており遺伝的にも近いと言われる紀伊半島のクマを導入することなどが必要でしょう。

 

また、長期的には、戦後の拡大造林で高標高にまで植え過ぎたスギ・ヒノキを除去し、えさ場となる天然林を復元してやることが必要です。

 

この分野は熊森が会設立以来ずっと取り組んできた分野なので、まず第一弾として熊森がお手本を見せて、行政に続いてもらおうと考えています。

 

今回伐採することになった人工林は、2018年10月に、熊森が四国のクマの餌場復元のために購入した、高知県香美市と徳島県那賀町の県境の標高約1050mにある、広さ22ヘクタール(甲子園球場約4ヘクタール)のトラスト地です。このトラスト地面積の90%以上がスギ・ヒノキの人工林となっています。

 

この歴史に残る記念すべき伐採作業に参加したのは、熊森本部2名、熊森愛媛県支部2名、そして地元地域おこし協力隊1名の5名です。

 

11月21日(作業日1日目)天気快晴

 

先週みんなで整備した旧街道を、伐採用大型工具などを背負ってトラスト地まで登りました。

空身では1時間15分程で登れるのですが、今回は大荷物のため、2時間15分かかりました。トラスト地が近づくとますます急勾配となり、さすがの猛者たちも限界状態でした。

何とかして四国のクマたちにえさ場を造ってやりたいという強い気持ちがなければ、登れるものではないと思いました。

 

トラスト地まで登ってしまうと、標高差50m前後のフラットな地形が約20ヘクタールほど広がっています。そこが熊森トラスト地です。

伐採前。1回間伐が入っているが、下草は皆無。

 

 

伐採現場は太さ30cmほどのヒノキに覆われています。

急に大規模な皆伐をしてしまうと、乾燥に強い植生ばかりになってしまったり、急激な環境変化で野生動物の移動経路を変えてしまったり等、様々な問題が懸念されるため、今回は40m四方の小面積皆伐を行い、様子を見ながら徐々に伐採面積・伐採箇所を広げていくことにしました。

長年放置され枝打ちがされていないため、伐倒時に掛かり木になりやすい場所です。

 

記念すべき最初の1本目の伐倒

予想どおりかかり木に。みんなでロープを引いて倒しました。

ヒノキの高さ13~15m程。枝は堅くて多く、枝払いだけでも一苦労です。

倒した木は、枝を落とす人、3~4mごとに切って丸太にする人、みなで分業して片づけていきます。

切った枝葉の量だけでもものすごい量です。
当協会の研究者から、ヒノキの葉はアレロパシーが強いから、置いておくと他の植物が芽を出せず、植生回復が遅くなるというアドバイスをいただいていましたので、皆伐地の外に全て運び出しました。

幹の部分は丸太にして、積み上げて置いておきます。丸太が崩れないよう、切り株にかけて積み上げています。こうしておくことで、皆伐地の地面が露わになり、今後植樹活動がしやすくなります。

急遽予定を空けて駆けつけてくださった那賀町地域おこし協力隊の方は、まだ伐倒をしたことがないという事でした。熊森スタッフの指導のもと、1本伐倒体験をしていただきました。

1日目は約4時間にわたる作業の末、約20本伐倒。ようやく青空が仰げるだけ林冠が空いてきました!

 

 

11月22日(作業日2目)天気雨

 

朝早く山を登り、午前中に現場に到着しました。

昨日ある程度伐倒したために、どんどん切る本数が増え作業が進みました。

視界はどんどん開けていきます。

そして午後4時、目標としていた40m四方の小面積皆伐が、無事終了しました!

2日間で計9時間作業、合計65本のヒノキを伐りました。

 

伐採前

伐採後

 

最後までやり切った、熊森伐採チームと地元地域おこし協力隊

 

雨足が強まってきたため、まだ倒木処理が終わっていないものもありましたが、下山。

大雨の中下山

下山後、車置き場につくと真っ暗でした。

 

作業にかかわってくださったみなさま、本当にありがとうございました。

本部に電話報告すると、よくやったと大変喜んでもらえました。

 

今後も、このトラスト地の人工林を伐り進めてまいります。

来春には、クマの食料にもなる、実のなる樹をどんどん植樹していこうと考えております。

やるべきことはたくさんありますので、ご協力いただけます方はぜひ日本熊森協会までお問い合わせください!

日本熊森協会本部 TEL:0798-22-4190 FAX:0798-22-4196

メール:field@kumamori.org    担当:水見(みずみ)

ドングリ十分に集まりました。ありがとうございました。以後、ストップをかけてください。

みなさん、お久しぶりです。大阪府豊能町高代寺の「とよ」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


クリやドングリをもらってご機嫌の11月初旬のとよ


 

 

 

 

 

 

 

 

集まったドングリ  於:熊森本部事務所前

 

今年も全国からたくさんのクヌギやコナラ、アベマキ(落葉広葉樹)のドングリを送っていただきました。ドングリ拾いは腰が痛くなって本当に大変なんだよと、本部スタッフの皆さんが教えてくれます。

今年も皆さんに、ご苦労をおかけしました。本当にありがとうございます。

 

例年、ボクは冬ごもり用に400キロのドングリを平らげてきました。

おかげさまで、今年も、十分な量のドングリが集まりましたので、ストップをかけてください。

集まり過ぎた分は、和歌山県の太郎君にも運んでもらっています。

 

間違ってマテバシイやアラカシなど常緑のドングリを送ってくださった方もいます。

ボクたちクマは、食べませんので、和歌山のイノシシのポーちゃん(メス)にあげてもらっています。

イノシシは何でも食べるようです。

 

 

ボクは今年の夏、突然、両後肢がマヒして歩けなくなり、皆さんにも大変ご心配をおかけしました。8月14日以降、再び四つ足で歩けるようになりましたが、依然と比べると、後ろ足が弱っています。お世話隊の皆さんが、今年は太り過ぎると足に負担がかかるからと、冬ごもり前の食い込み期のドングリを、去年までの食べ放題ではなく定量給餌に変えました。今は1日ドングリ6キロ給餌になっています。

 

それでも、11月末には、おかげさまでおなかが地面に近づくほど太りました。

お世話隊の皆さんが、もう何時でも冬ごもりに入れるねと、ボクのおなかを見て安堵したように言われています。

ここまで太ると、ちょっと体を支えるのがしんどくなっています。

そこで、以前は立って排泄をしていましたが、最近は、座ったままするようになりました。

 

今年はまだまだ、気温が高い。

でも、初雪が積もれば、春まで冬ごもりです。

 

ボクたちの仲間の野生のクマたちは、今年ブナ・ミズナラ・コナラなど山の実りが悪くて、冬ごもり前の食い込みができず、苦しんでいるということです。

クヌギやアベマキ等、里のドングリを食べに来たら、あげてほしいな。

最悪の場合は、常緑のドングリでも食べちゃうクマもいます。

柿とドングリどっちが好きと聞かれたら、断然ドングリです。

冬ごもり中に死なないようにするには、ボクたちには今、ドングリが必要なんだ。よろしく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11月下旬の、もう十分に太ったとよ。

 

11月16日、増える人身事故とクマ捕殺を食い止めるため、本部と支部が初のテレビ電話使用会議

クマの人身事故と捕殺に歯止めがかかりません。熊森としても何とか手を打とうと連日奮闘しています。

この度初めて、テレビ電話を使って、本部・支部合同クマ部会を実施しました。

11月16日夜、熊森事務所3階で行った拡大クマ部会。会場には京都府支部と本部が出席。クマ生息地の支部はテレビ電話で参加。

 

 

まず、室谷会長が、今年、全国各地で山の実りが凶作で、クマは今、冬ごもり前の食い込みに必死の状況であることを話しました。

今の日本はえさを求めて出てきたクマを撃ち殺すニュースばかりです。

その一方で、人身事故が多発です。

人間がクマに対する正しい対処法を身につけない限り、いくらクマを殺しても、1頭でもクマがいる限り、人身事故は起きます。

 

マスコミの皆さんには、クマが出てきたので、こんな風に対処したら殺さなくても済みましたというニュースを、どんどん報道してもらいたいです。

 

狩猟は罠禁止なのに、大量罠常設で有害が認められるのはおかしいと室谷会長

 

続いて、本部クマ保全担当の水見より、全国のクマ捕殺数の推移と、西日本のクマ捕殺数の推移が提示され、過去最多、こんなに捕殺してもクマによる人身事故が減らないことが指摘されました。

 

 

27年間民間としてクマ問題に取り組んできた熊森としては、クマが人里に出て来る原因や、人里に出てきたクマへの対応法など、地元の人たちに伝えたいことがいっぱいです。

 

マスコミが現象を報道するだけで、原因や対策を報道しない今、どのようにして原因や対策を地元に伝えれば良いのかが課題です。みんなで知恵を絞りました。

 

(1)新たな人身事故を起こさない対策

これまでしてきたように、事故現場の検証と、けがをされた方からの聴き取りを行い、その地域での事故例の原因と対策をまとめてチラシを作る。そのチラシを使って、以下のことをする。

 

・学校で、人身事故が起きないコツを熊森が授業して、帰宅後、家の人たちに伝えてもらう。

・地元町内会でチラシを回覧板にして回してもらったり、町内掲示板に掲示させてもらったりする。

・新聞に折り込みチラシを入れてもらう。

・新聞広告を出す。

・警察や地元行政にチラシを送る。

 

クマが出ていることがわかれば、人間はすばやく家に入り、戸締りをすることを行政が指導すべき。

夕方・夜・・明け方など、クマの活動時間には当分出歩かないか、音のするものを持つなど熊対策。又は車を使うこと。

?最近ガラスを割るクマが続けて出たが、クマはケガをしないのか。なぜ、ガラスを割ろうとしたのか。この問題について熊森は情報不足です。

 

(2)大量捕殺を止める対策

クマ狩猟で罠使用が認められていないのは、獲り過ぎてしまう恐れがあるからである。
ならば、クマ用捕獲罠を半年間も常設している問題はどうなる。こちらこそ獲り過ぎてしまう。

不特定グマを常設罠で捕獲することを禁止する署名を集める

住民監査請求。

環境省に頼んで、クマ捕殺が暴走している都道府県に助言・勧告してもらう。

人々の、クマに対する誤解を解く。クマが水源の森を造ってくれていることを知り、クマに感謝できる人づくり。

熊止め林造り

 

(3)シカ・イノシシ用常設罠にかかった誤捕獲動物を殺処分している件

「鳥獣保護管理法」に違反しているため、絶対に認められない。

情報公開で、データ集め。

住民監査請求。

 

石川県支部からは、クマが連日出ている。先週はカキもぎに現地へ馳せ参じたが、そこの地域はすでに実施済みだった。しかし、地域の方も手が回っておらず、クマ対策が不十分なので、支部として地元をどう支援していけるか考えていきたいという声が出ました。その他支部からも積極的な発言が相次ぎました。

 

熊森本部から

テレビ電話はこれまでのスカイプと違って、発言者のお顔が自動的にアップ動画で出るなど、優れもの。共に会議している感じがする。

こんな便利なものができているのなら今後も利用すべきだ。

テレビ電話で会議を実施するにあたって、本部は利用料金を払う必要があるが、支部側は無料。

支部側はスマホがあれば誰でも参加できる。

今後も機会を見つけて使っていきたい。

11月7日8日クマたちの餌場再生に向けて、熊森四国第2 トラスト地22haに至る道を整備しました 

昨年度購入した熊森高知県第2 トラスト地は、四国に残された最後のクマたちがまさに今も生息している場所にあります。高標高ですが、現況は、ほとんどがスギ又はヒノキの人工林です。

 

今年の夏、仕掛けた自動撮影カメラに、このトラスト地の人工林内をゆっくり歩いているクマの成獣が写っていました。(誘引物なしで、四国のクマの撮影に成功しました!)

 

一刻も早くこの人工林を広葉樹林化して、クマたちの餌場に戻してやりたい。

気はあせるのですが、トラスト地に至る道が何か所かで崩れており、チェンソーを背負った人が山に入れないという大きな壁が立ちはだかりました。森林組合にお願いしても、仕事がたくさん入っているので、いつできるかわからないというお返事でした。

 

やっとこの度11月7日と8日の2日間かけて、地域おこし協力隊の方に教えていただきながら、本部2名愛媛県支部2名高知県支部長が現地を訪れトラスト地に至る道を整備することができました。

 

まず、山道入り口付近を閉鎖していたジャケツイバラを刈って人が通れるようにしました。下の写真は草刈り前と後です。

草刈り前(ジャケツイバラ)

 

草刈り後

ジャケツイバラのトゲ。

ジャケツイバラは、トゲがとても鋭く、そして長く、皆丈夫な長袖長ズボンで作業していましたが、服を貫通して痛みに耐えながら作業を行いました。草刈り機を持っていきましたが、鋭いトゲのついたツルが勢いよく飛んでしまうので、カマや鋸で刈ることにしました。

 

今回の最大の難所は、下の2枚の写真にあるような、道が土砂に埋まり斜面になってしまった場所を、再び人が歩けるような道に修復するという作業です。どこが道かわかりませんが、江戸時代にはここは土佐と阿波を繋ぐ街道で、馬を引いて人々が歩いていた道があったそうです。

修復前

修復後

 

今回の道の修復方法は、道沿いのスギの木を伐採したり(山林所有者の許可を得ている)倒木を回収したりして斜面に横倒しにし、土をかぶせて平坦な段をつくるものです。(模式図参照)勉強になりました。

今回行った急斜面の道づくり方法の模式図。

なるべく倒木を活用します。とても重いです。

 

 

手頃な倒木が無い場合は、小径木のスギを切り、入手します。

あまりにも急な斜面には、丸太と斜面の間にスギの枝を敷き詰め、その上に土をかぶせると、土は雨で流されにくくなり、道が長持ちします。

作業終了後、現場で記念撮影。みごとに人が通れる道に修復できました。

 

四国の山はどこも急斜面。本当に昔の人たちはこんな場所に道を造っていたのかと思いました。

すぐ近くに、昔の街道の跡がありました。

江戸から明治にかけて使われていたと思われるこの街道は、現在も所々に往時の道の名残りがありました。当初は地域の方たちが石垣を積んで、立派な道を造っていたようです。

木を組むだけでも大変だったのに、昔の人はすごいなあと感銘をうけました。

山間に生活する四国の方々にとって、道造りは重要です。元々崩れやすい場所なので、クワなどをもって歩き、道が崩れていたらその場で直しながら歩いたということです。

 

修復した道を使い、今後伐採を進めていく熊森トラスト地の林内を調査してきました。

太さ20cmほどのスギがみっちり生えています。

 

近々、第一弾として、ここを小面積皆伐して経過観察していこうと思います。

小面積でしたが、2年前も高知県第一トラスト地佐保の森でスギの人工林を切り捨て皆伐してどうなるか様子を見ているところです。

四国で初めて、熊森がクマたちの餌場再生を始めています!

みなさん、四国のクマの絶滅回避をめざす熊森の「クマの餌場再生活動」を応援してください。

 

今度の伐採地は甲子園球場の5倍というとても広い場所です。

材の搬出は難しい場所なので何回かに分けて少しずつ切り捨て皆伐していく予定ですが、何人もの伐採者が必要になります。

ボランティアだけではなく、仕事として有給で伐採してくださる林業家や業者さんも募集中です。

四国のクマの絶滅阻止のために、是非ご応募ください!

 

10月29日 兵庫県農政環境委員会「クマの大量捕殺問題」傍聴 兵庫県当局の答弁に熊森一同唖然

2019、10、29、兵庫県ツキノワグマの大量捕獲問題について、与党議員3名、内訳、黒川治議員(尼崎市)、島山清史議員(神戸市)、柴田佳伸(姫路市)が質問されました。

 

熊森本部が最後列に設置された席で傍聴       兵庫県インターネット中継動画より2019.10.29

 

10月29日開催の農政環境常任委員会のもようは、兵庫県議会HPのネット中継バックナンバーよりご覧いただけます。

こちらをクリックください。(過去分1年間配信)

 

熊森本部から3名が傍聴に出かけ、残りの本部スタッフは、本部でインターネット中継を見ることになりました。

 

上記インターネット中継動画面では、傍聴者と兵庫県当局者が近い距離にあるように見えますが、実際はかなり離れていました。その上、当局の県庁職員たちは立って前を向いて発言するため、机上のマイクが用をなしておらず、傍聴席では当局の声がほとんど聞き取れませんでした。

 

本部に戻ると本部スタッフたちがみんな当局の発言に憤慨したりあきれはてたりしていました。どうして聞き取れたのかと思い、インターネット中継を視聴してみてびっくり。

 

会場ではあんなに聞き取れなかった声が、ネット中継では全てはっきりと聞き取れるのです。何も会場に機材はなかったようでしたが、天井にマイクでもついていたのでしょうか。また、私たち傍聴者の一挙一動がはっきりと見れるのにもびっくりしました。1台もカメラなど会場で見かけませんでしたが、どこにカメラがあったのかなと思いました。

 

さて委員会冒頭の当局の発表ですが、発表者に問題意識がないのでしょうか、問題点がさっぱりわからない報告ばかりでした。その後、県会議員からの質問が相次ぎました。

 

以下は、質疑応答の要旨です。 熊森作成の全議事録は、ここをクリックして頂くと見れます。

 

 

黒川治議員(尼崎市):クマの推定生息数が、800頭以上は狩猟可ということは、県としては400~800頭くらいが兵庫県に於けるクマの適正頭数と考えているのですか。

三輪課長:800頭以上は絶滅する恐れのない数になります。それなりにいて、獲ったとしても大丈夫という数です。

400頭から800頭は、狩猟はしませんが集落に出てくる加害個体に関しては、集落から200mゾーンまでは有害捕獲を実施する状況です。

(熊森から:田畑や山奥にある施設から200m内も捕獲実施地域というのが抜けていますね。兵庫県のように山が浅く奥山が大荒廃している県で、全国一律の規定を持ち出すのはいかがなものか。兵庫県は数字ばかり見ているが、たとえ800頭いたとしても、えさ場を失えば絶滅します。兵庫県担当者は、生息環境を見れていない。一度、部屋から出て現場に行ってほしい。ご案内します)

 

黒川議員:狩猟実績はどれくらいですか。

三輪課長:平成28年が4頭、29年が1頭、30年が5頭のです。

 

黒川議員:どのくらいの数の箱罠を設置しているのですか。設置期間はどれくらいですか。

三輪課長:概算で2000基です。環境省の指針や森林動物研究センターのクマの増減率を加味しまして、生息推定数の15%である124頭を上限に有害捕獲し、狩猟もやります。124頭超えても、集落周辺に加害個体が出てきましたら当然捕獲して参ります。

(熊森から:この日すでに、兵庫県のクマ推定生息数が県によると800頭を大きく割っていたのに、なぜ狩猟を実施するのか説明されていません)

黒川議員:124頭上限で、人里や、集落・人がおるゾーンに罠が2000基?!異常なくらい数が多いのではないか。また、有害捕獲、錯誤捕獲って何ですか。

三輪課長:クマの有害捕獲ということで、元をたどれば集落の方々の思いで申請があがってきて許可を受けたものは、殺処分します。シカとかイノシシで申請を出している檻にクマがかかった場合は、錯誤捕獲という事で放獣しております。

(熊森から:集落の方々から捕殺してほしいという申請があがってきたから県が許可を出したことになっています。しかし、この件に関しては、熊森は以前から、はなはだ疑問です。確かに、捕殺を希望する地元もあるでしょうが、地元をまわってみて感じるのは、殺すまではしなくて良いという声も結構あります。

情報公開請求で熊森が県内全部の捕獲要望書を入手したところ、まだ、クマが出てきていない春の時点で県からの捕殺許可が数百も降りていました。しかも、捕獲要望書は県が印刷したものであり、捕獲申請理由には全く同じ文がたくさんありました。県が(正確には、兵庫県森林動物研究センターの研究者が)、クマの大量捕殺を企て、捕獲申請理由の例文を地元に提示して書かせていることが考えられます。2379基のクマ捕獲用箱罠の設置場所には、全て、北緯東経が細かく記録されていました。何のため?研究者として新たな論文発表を企てているのでしょうか?)

 

捕獲要望書(=捕殺要望書)クリックして頂くと大きくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捕獲許可書(=捕殺許可書)クリックして頂くと大きくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(熊森から:捕殺許可書には適切な被害防除対策がなされていない場合は放獣するとあるが、県は春の時点ですでに約650頭の捕殺許可を降ろしてしまっている。矛盾している)

 

黒川議員:獲らえるだけではなく、集落のカキの木を除去したり、シカの有害駆除した遺体をほったらかしにして、クマのエサになっているような状態もあることを聞いてますので、そういう対策もしっかりとしていただきたいです。罠にクマが来そうな好物も入れていると聞いています。2000基の罠というのは多すぎるし、クマを里におびき寄せているという話も聞いています。過剰な捕獲体制になっているのではないかなというふうに思います。今必要でないところは外して、過剰捕獲にならないよう考えていただけないかなと思います。よろしくお願いします。

罠の設置期間に対する答弁はまだでしたね。

 

三輪課長:狩猟期間以外です。

黒川議員:要は何か月間ですか?何日間?

三輪課長:6か月間です。1年間ぶっ通しで置いているものではありません。

黒川議員:1年間ではなく6か月間だからそんな心配はいりませんよという答弁なのかもしれませんが、逆に2000か所に6か月間も置いているというのにびっくりしました。

 

 

島山清史議員(神戸市):クマ捕獲檻が2000個あるという事で、人の命を守ることも大切ですけれども絶滅する危険があるのではないかという声もある中で、まず獲ったツキノワグマをどうゆう処理にしているのかを確認したいです。

三輪課長:メスのクマは今年も、森林動物研究センターの研究員がメスの体の中を見て繁殖の状況がどうかとかいうことで研究材料に使います。オスにつきましては、研究材料的なものはほとんど揃いましたということなので、今年度から基本的にはセンターは引き取らないという事ではありますけれども、狩猟者の方がセンターに引き取ってくれと言えば引き取ります。

(熊森から:野生動物は誰のものでもないはずなのに、これまで見てきたところ、兵庫県では研究センターがあるため、論文を書きたい研究者のしたい放題。クマの死体が多数手に入らねばできないような研究ってどうなんだろう。過去の歴史を見ても、研究者がトップに立つと残虐さが暴走した例がいくつもある。軍隊だけではなく、研究にもシビリアンコントロールが必要。)

島山議員:獲ったクマは価値があるとも聞いております。124頭という捕獲したクマをしっかりと管理できるのかという心配をこの罠の数をみて思います。私が見た感じで言うと、それ以上に闇で獲られて流通している心配はないのかどうかを確認したいんですけれども。

三輪課長:有害捕獲でやっている部分については、申請が来て、県が許可を出してきちっとやっておりますので心配ないと思います。熊の胆の話が先ほど出ましたが、いろんな方から、東北の方からいろいろ情報をあつめたり、面識のある森林動物研究センターにも聞いたんですが、今は熊胆は売れないと聞いております。もしそれが高い金で売れているというものでありましたら、私どもの関知しないところで回っているのかなあと思いますけれども、今私たちが確認している中では、そうゆう流通はしていないよと聞いております。

(熊森から:突然、東北が出て来たのでずっこけました。東北の山は福島原発事故の放射能汚染がいまだ高くて、熊の胆の売買を禁止されているところが多いため、東北にしたのかもしれません。今年、兵庫県の猟師が、熊の胆は今も流通していると証言した話を熊森が県に伝えているのに、県は調査しなかったのだろうか。関知しないところ、確認している中ではなどと、後で突っ込まれないように答えているのはさも役人らしい)

島山議員:まあそのへんは私が聞こえてくる所とは実態が違うのかもしれませんが、やはりそうゆう危惧はあると思うんですよね。クマというと。利用価値があると思いますし、この罠の数は今の生息数の数からするとちょっとあまりにも多くてですね、(3年前から大量罠を常設し始めたのは)、集落の安全対策でやられているという事以上に危惧を、実際私は感じました。そうゆう124頭という数の管理ですね、ここを越えたものでも安全対策で獲っていくというのはですね、安全という事であれば、そこはもう少し見直された方が。私も人身の安全は一番ですけれども、やはりかつて絶滅が危ぶまれていて、20年間保護されてきてここまで回復したものを、また一気に獲るという所をみると、危惧するところがあります。来年もそうゆうことが無いようにですね、しっかり管理をしていただきたいと、これは要望しておきますのでよろしくお願いします。

 

 

柴田佳伸(姫路市):野生動物の生息地の整備についてなんですが、広葉樹林の育成を進めているという事なんですが、どの地域でどのような成果が表れているのかを教えていただきたいのと、クマの生息地の整備が大切だと思うのですが、どのようにお考えですか。

豊かな森づくり課 山口課長:野生動物共生林整備事業でありますが、県民緑税を活用しまして実施をさせていただいております。事業の目的ですが、1つはバッファゾーン整備とございまして、農地と森林部分を刈りはらいまして見通しを良くします。そうすることによりまして野生動物の潜み場が無くなりまして、野生動物というのはシカでもイノシシでも潜み場を使って集落近くまで移動して参りますのでそういった環境を作らないようにしますのがこのバッファゾーン整備事業でございます。効果ですが、5年前に調査をいたしました第二期の緑税の対策におきましては、バッファゾーン整備といいますのが防護柵の設置とセットで行いますので効果が高いという事もございまして、12市町22集落で調査を行いました結果、8割の農地で被害が減少したという検証結果がございます。

 

それとその近隣の奥山での広葉樹林整備も行いまして、そういったところで生息環境を創出しまして、集落に出てこないようにという事で人と野生動物の共存と、共生という考え方ではなくて共存という考え方で事業を実施しております。又奥地の方につきましても植生保護柵をしましてシカに食べられてしまってなかなか広葉樹林が育ちにくい状況にございますが、それを囲む柵をつくることで下草の回復や、広葉樹の稚樹の生育を順調に助け、野生動物の生息環境が徐々に整ってきているというような効果を確認しております。

(熊森から:クマの餌場が復元できたような場所を見たことがないので、あるのならぜひ見せてほしい。議員の質問は、広葉樹林化した地域と効果を尋ねている。生息地整備が進んでいるのか聞いている。これでは答えになっていない。バッファゾーン整備の必要性は認めるが、野生動物の餌場を作ってやることが抜け落ちている。)

三輪課長:獣害ベルト整備事業というのは同じような藪の刈り払いや未利用果樹の除去でございますが、集落単位で取り組める事業という事で、今取り組んでいる所でございますので、こういった事業を活用しながら野生動物との棲み分けを図っていきたいと思います。

(熊森から:野生動物の餌を除去するばかりでは、野生動物は空腹に耐えかねて、死を覚悟で集落に出て来るしかなくなる。奥山にそれ相当の餌場を同時に復元してやるべきだ。一番大切なことが、完全に抜け落ちている。)

 

 

田中環境部長:クマに関しては柵というものが通用しないという事もありますので、集落の周辺を罠で囲ってベルト地帯をつくっているようなイメージであります。この2000基という罠の数ですが確かに多いと思います。ただ、ちょうど平成28年、29年と人身事故が続いた年、29年度の途中からやったんで、30年度から通年化してやったわけですけれども、だからと言って100の罠が2000になったからと言って20倍獲れるかというとそうゆうことはございません。

(熊森から:電気柵の効果は大きいですよ)

森林動物研究センターの方ではじいて出した数の中で、推定生息数の15%124頭を制限値として限りなく守ります。800頭のあたりをうろうろするような政策を行うことで個体数管理、人身被害も0という世界を保てるんじゃないかと今やっておりますので、ご理解いただきたいと思います。

(熊森から:大量に設置した箱罠の中の誘引物で集落周辺にクマを呼び込んでいる今の状態が、一番人身事故を誘発しており、危険。)

1点だけこれは申し上げたいんですけれども、都市部の先生からしたらアメリカでクマを放獣したという話はイメージがすんなり通るかもしれませんが、たぶん郡部の方と温度差があるのかなと思いつつ、しかし我々も捕ること自体が目的化しておりませんし、一定の数の中で共生できるということ、これのせめぎあいを、日本の誇たる森林動物研究センターとともに進めているという事で、ある意味で先進的な取り組みをしているというところで、どうぞ、安心して、ご対策を見ていただいたらなと思った次第でございます。よろしくお願いします。

 

熊森から

当局の説明や答弁を聞いていて思ったこと。

 

当局の答弁には、奥山生息地を人間に破壊されて食料不足に苦しんでいるクマへの思いやりがゼロであり、一方的な人間優位を感じた。共存するには、お互いに相手の存在を尊重し合う必要がある。殺すことによって数合わせゲームをしようとしているようで残念。

 

兵庫県行政が森林動物研究センターの研究者を心底信頼していることが、何度も答弁で示されたと思う。ならば、このような場に彼ら研究者こそ出て来て答弁すべきだ。三輪課長は今春この部署に来られたばかり。3年ごとに部署移動して専門知識を持ち合わせる暇がない当局が答えるのには無理がある。

 

当局は、自分たちには非がないと、自分たちを必死に守るように答弁していると感じた。議員はどうせ良く知らないのだから簡単にあしらっておけば良いとでもいうように感じて、県民としては不愉快だった。

 

都市部に住んでいる議員だからそういうことをいうのだろうなどと決めつけるのは、大変失礼だと思った。野生鳥獣とどのように共存していけばいいのかは、全県民が考えていかねばならない重要問題であり、兵庫県の大多数を占める都市部の県民や都市部の県会議員の声をシャットアウトしてはならない。地元にも熊森会員はいるし、会員でなくても、都市部の者と同じ自然観、野生動物観を持っている人はいる。

 

今回質問された議員の発言は、同じく生きとし生けるものとして大変素朴で的を得ていたと思います。

 

兵庫県が今しているような、強力な誘引剤を使ってクマを集落周辺におびき出し、大量常設した罠にかけて全て捕殺してしまうなど、生態系保全上からも、生物倫理上からも、許されることではありません。

環境省はクマ捕殺に暴走する都道府県に助言・勧告を!

2019.11.16記

1999年に成立した「地方分権一括法」により、野生鳥獣の駆除権限はそれまでの国から都道府県に降ろされました。

これら都道府県の中には、さらに市町村に降ろすところも出て来ました。

私たちは市町村に野生鳥獣の駆除権限を降ろすことに反対です。

市町村に降ろされてしまうと、行政担当者がいつも顔を合わせる声の大きい人たちが怖くて、言うべきことも言えず、結果、「鳥獣保護管理法」など無視して、何の罪もない物言えぬ野生動物たちが次々と犠牲になっている実態が出て来るからです。

 

熊森はこれまで何度も違法行為を見つけ、環境省に都道府県を指導してほしいとお願いしてきましたが、環境省は「駆除権限はもう都道府県に降ろしましたので」と逃げます。

では、環境省の鳥獣保護管理室は何の為に存在するのかということになります。

都道府県に駆除権限は降ろしたと言っても、都道府県は好きなように何をしてもよいという意味ではないはずです。

あくまで「鳥獣保護管理法」は国法ですから、この法律に違反しない範囲に置いてという意味です。

 

これまで見てきた限りでは、環境省の担当者といっても3年ごとに部署替えがあり、林野庁から今年環境省に来ましたなどとという新人にすぐ変わってしまいます。

熊森が会いに行っても、1992年から熊問題に取り組んでいる熊森の方がずっと先輩なので、レクチャーして帰っただけということもありました。

3年ごとに人を動かしていたら、行政内にいつまでたっても専門家が育たないので、日本の自然が守れません。

国のシステムを変えてほしいとお願いしたこともありますが、昔から日本はこうだったと言って取り合ってもらえませんでした。

 

今年のように都道府県がクマ捕殺に暴走し出したなか、やはり環境省が動いてくれないともうどうにもなりません。

環境省の担当部署には電話で問題点を報告し、今年、大変なことになっているので至急動いてほしいとお願いしています。

本気で動いてくださる人が現れるかどうか、まだわかりません。

地方で野生動物保護の話をすると鳥獣担当者であっても、「私たち行政は人間を守るために存在していますので」と、逃げてしまわれる方がほとんどです。本当に人間を守ろうと思えば、自然や野生動物と共存するために動かなければならないのですが、そこまではわからないようです。

 

熊森は環境省のしかるべき人に会いに行って、今、どんな無茶なことが国内で起きているのか、どうすればいいのか、じっくりと伝えたいと考えています。

地方自治法第245条の4には、国は都道府県に助言・勧告できることになっています。

環境省の力で「鳥獣保護管理法」を、全都道府県がきちんと守るようにして頂きたいです。

今こそ、環境省の出番だと思います。

 

P.S  11月27日、室谷悠子熊森会長が東京に出向き、環境省野生生物課鳥獣保護管理室の担当者3名に約90分間、都府県がクマ捕殺に暴走している問題について訴えてきました。環境省の役人たちがどうしたら動いてくれるようになるのか、今後の課題です。

11月11日 兵庫県庁記者室で熊森がクマ狩猟禁止と捕殺抑制を求める記者会見 

ネット情報ですが、環境省が、「小泉進次郎環境相を取材しないように、もし取材規制を破る社があればこれまでのような取材協力や便宜は図れない」と環境省記者クラブに圧力をかけていたことが判明したそうです。

 

ネット情報なので真偽のほどはと思いますが、この環境省圧力に迎合したNHKの記者が、記者クラブの記者全員に取材を控えるよう促すメールを送っていたそうで、今、ネット上でこの記者のメールが公開され問題になっていますから、事実かもしれません。

 

もし事実なら、委縮する国内ジャーナリズムの実態が、浮き彫りになった格好です。

 

環境省の記者クラブには二十数社が入り込んでいるのではないかと思われますが、このメールに対して他社の記者たちが反論した形跡が全くないそうです。(言語道断だが、さもありなん)

 

 

私たち熊森は、これまでどこかからの強い圧力?が記者クラブにあったのか、兵庫県庁記者クラブでの会見を断られることが続いていました。

 

しかし、今回、兵庫県庁記者クラブにアタックしたところ、なぜか今回は認められ、3社だけでしたが久し振りに記者会見をすることができました。(記事にはされなかった)

 

今回驚いたのは、熊森が記者会見する前日の11月10日に、神戸新聞が「ツキノワグマ駆除が最多 人身被害多発でわな増設 兵庫県」という記事を出したことです。

この記事には、今年、ツキノワグマの駆除数が兵庫県内で4~10月、103頭に上り、過去最多だった2010年度の1年間(70頭)を上回ったとあります。

本当に十何年ぶりか、クマの捕殺数がマスコミに出ました。

これまで熊森は何年間も、クマの捕殺数をがどんなに多いか県民が知らないので書いてほしいと新聞社に要請してきましたが、当時過去最多捕殺数であった2010年の70頭捕殺の時ですら書いてくれませんでした。(どこかが、公表させないよう圧力をかけている感じでした)

今回、熊森が記者会見をして今年の捕殺数を発表しようとしたら、突然前出しで103頭の捕殺数記事が出たのです。兵庫県のお計らいでしょう。ただし、この記事には間違いが2か所(後述)あります。兵庫県の発表を一方的に垂れ流しただけなので、このような事実でないことを県民に伝えてしまったのだと思います。事前に熊森など複数ソースに取材してくれていたら、このようなことは防げました。残念です。

 

 

11月11日 熊森の記者会見(於:兵庫県庁記者室)

 

 

 

 

 

 

 

 

記者室で記者会見中の森山名誉会長と水見研究員

 

今回は、狩猟解禁日が近づく中、この日兵庫県井戸知事に提出した熊森協会からの緊急要請書の内容、

 

1、クマの狩猟禁止、

2、クマの大量常設罠除去、

3、無害グマの捕殺禁止

について記者さんたちに聞いていただきました。

 

熊森は、初めて兵庫県のクマ問題について聞かれる記者のために、これまでの流れがわかるように用意した配布物を配りました。

wクリックで大きくなります。 緑文字は、熊森関連です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県のクマ対策は2006年に、兵庫県森林動物研究センターができる前とできた後で大きく方向転換しました。

 

2006年以降は、兵庫県森林動物研究センターに職員として入所してきた兵庫県立大学のワイルドライフマネジメント派(野生鳥獣頭数調整派)の研究者たち(横山真弓氏・坂田宏志氏)が、それまでの兵庫県の行政担当者に代わって、兵庫県の鳥獣行政を取り仕切っていくようになったと感じます。

 

この派は、人間が狩猟や駆除などで野生鳥獣を殺すことによって野生鳥獣の生息数をコントロールし一定数に保つことをめざしており、野生鳥獣の命に畏敬の念を抱き共感する私たち一般国民と自然観や野生鳥獣観が大きくかけ離れています。

永遠に水と油で合わないでしょう。この派は国と結びつく力にたけており、環境省の重要ポストもとっくに彼らが握ってしまっています。

環境省検討会委員名簿

残念ながら、いくつかの道府県の行政担当者も、次々と商売上手なこの派の手に落ちていっています。(平成30年度、坂田宏志氏が社長をする株式会社に、兵庫県から3700万円超が支払われている)

 

以来、私たち野生鳥獣共感派は、野生鳥獣が害鳥害獣に仕立て上げられて大量駆除されていくのを見続けることになり、毎年胸のつぶれる思いです。(多大なる精神被害を受けている)

 

行政はこのところ狩猟者養成講座や野生鳥獣肉料理(=ジビエ料理)の振興策にやたら多く税金を使い始めたなと、国民は感じていると思いますが、この裏には、ワイルドライフマネジメントという新ビジネスの興隆があるのです。

ビジネス=利権であり、多額のお金が動きます。

 

私たちが、まず、この学派がおかしいと思うところは、これまで何回も書いてきたように推定生息数の計算です。

彼らは兵庫県のクマ数が爆発増加しているというのですが、県発表のクマによる農林業被害は反対に激減したままです。

私たちにもわからないことがたくさんありますが、これはどう理解すればいいのでしょうか。

 

兵庫県ツキノワグマ推定生息数の変化

兵庫県資料 平成18年~平成30年 wクリックで大きくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クマによる農林業被害の実態

兵庫県資料 平成5年~平成28年 wクリックで大きくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2枚のグラフはいずれも兵庫県ツキノワグマ管理計画平成31年より

注:スタート年がずれているので比較時注意。

 

次にあるべき自然像ですが、生き物は工業製品とは違います。

人間が決めた一定数に野生鳥獣の生息数を保ち続けることに何の意味があるのでしょうか。

豊かな自然界に於ける野生鳥獣の生息数は、様々な要因により増減を繰りかえします。

一定数で一直線にしようなどあまりにも不自然です。

wクリックで大きくなります。中学校理科教科書啓林館1993年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県行政の主張だけを取材して書かれた11月10日付新聞記事と熊森の主張がどれくらい違うか、この記者会見で明らかにさせていただきました。

11月10日新聞記事

この記事に、16、17年に人身被害が多発したのを受け、兵庫県は駆除対策を強化し、人里周辺に増設したわなが効果を発揮した形だとありますが、以前と比べて人身事故など多発していません。熊森にも同時に取材してくださっていたら、このような誤記は生まれなかったと思います。(本文中の、兵庫県ツキノワグマ対策経緯と駆除数表の下部の人身事故件数参照)

 

また、この記事によると、ツキノワグマ猟は特別な講習を受けたハンターに限って1カ月間解禁すると県が話したそうですが、以前、この講習会に参加した猟師が、「特別な講習と言っても、部屋の中で1時間、これまでクマを捕ったことのあるハンターから自慢話を聞かされただけ。こんなのでクマ猟のコツなど体得できるはずがない」と語っていました。特別な講習を受けたとは言い過ぎです。

 

熊森は毎年クマ狩猟講習会場に行っています。今年もクマ狩猟に反対するチラシを持って会場となった和田山庁舎まで行きましたが、今年も傍聴を認められなかったばかりか、公的な建物なのに敷地内に入ることも許されませんでした。このような兵庫県の姿勢は民主国家にあるまじきもので、本当に問題です。

 

記者さんたちには勇気を出してもっと私たち利権ゼロで活動している環境NGOも取材していただき、一般国民が行政の垂れ流し記事しか読めない状況に陥らないようにしていただきたいです。(完)

 

 

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