くまもりHOMEへ

くまもりNews

クマ空前の食料飢饉 兵庫県現地調査結果 

鳥取県大山の今夏の壊滅的なナラ枯れ写真を見て、兵庫県は大丈夫だろうかと不安になり、熊森本部は9月15日、兵庫県の主要なクマ生息地である宍粟市(人工林率73%)の山の実り調査に入りました。

 

道中の風景です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中の風景

 

人間の住む平地は、米もカキもクリもよく実っています。途中にあるスーパーも、食料であふれかえっていました。

一方、山は実りのない針葉樹一辺倒の人工林で覆われているため、残された広葉樹林の様子がつかめません。

 

自然林が残っているところに来たので、とりあえず遠景を見てみようと思い、対面する旧道谷小学校がある山に車で登り、向かい側から自然林の全容を見てみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対面する山から、赤谷山自然林を臨む 中央草地が戸倉スキー場

 

戸倉スキー場の上に、赤谷山のブナ・ミズナラ林が見えます。望遠レンズで見てみましたが、兵庫の山は緑に覆われています。ほっとしました。

山を下りて、戸倉スキー場に隣接する山に入りました。

この地点の標高は600メートルで、植生はコナラです。

 

山のふもとで、20本のコナラの実りをチエックしました。なんと、実がついているのは1本だけで、その実の数も少しです。

残念ながら、コナラ、凶作。こんな程度では、クマのおやつにもなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し実がついていたコナラ

 

一本のコナラの根元に粉状の木くずを発見し、近づいてみました。カシノナガキクイムシがあけた穴があり、よく見ると一部の枝が枯れていました。

カシナガが入っている!

周り数本にも、同様の状況が見られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コナラの根元に粉状の木くず

 

いったんこうなると、来年、このコナラ林でナラ枯れが爆発的に進むことが予測されます。ナラ枯れの効果的な対策はありません。来年が、恐ろしくなりました。

 

山の上層部を調査するために、車で戸倉峠まで行き、鳥取県側の林道に車を置いて赤谷山に登ることにしました。

 

赤谷山登山

 

標高800メートルの赤谷山登山口から尾根道を登っていきます。この尾根は20年前ごろまでは、人間の背丈を超えるチシマザサで覆われており、人間の進入は無理と言われていた場所です。しかし、今は、県民のハイキングコースになっており、宍粟市によって尾根のササが頂上まで刈り取られています。

 

シカの食害とササの刈り取りで下層植生が失われた尾根は、表土が流出し続け、木々の根があらわになっています。少し見ないうちにますますひどい状況になっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤谷山登山道

 

 

あと何年かしたら、尾根の木々が全部倒れると思います。尾根を破壊してまで、県民のレクレーションを進める必要があるのでしょうか。他生物や次世代のことを考えるなら、わずかに残されたこのような奥山自然林は、祖先がかつてしていたように「入らずの山」にすべきです。(今年も宍粟市に電話で提案します)

 

登山中、ハイイロチョッキリが落としたミズナラの小枝が足元に落ちていました。ミズナラのドングリには、ハイイロチョッキリがあけた穴がついています。

ミズナラのドングリ発見!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイイロチョッキリが落としたミズナラの実付き小枝

 

この山の木々は樹高が高くて、見渡しましたが、それらしきミズナラの木が発見できません。とりあえず、ミズナラが実っていたことに元気を得て、急な尾根道を汗だくで登っていきます。1時間半ほど歩いたところで、貴重なブナ・ミズナラ林に到達しました。

 

ミズナラの木が消えている!

 

なんと、ブナ・ミズナラ林がブナだけの森になっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にかブナ林に変化していた元ブナ・ミズナラ林

 

みんなで、ミズナラの木を探し回りました。

枯れて墓標のように幹だけになっていたり、かろうじて生きていても何本もの枝が枯れて弱弱しくなっていたりで、風前の灯火でした。すでに多くはナラ枯れで枯れて倒れ、消えてしまったのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

幹だけになっていたミズナラの枯れ木

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

枝枯れや梢枯れが痛々しいミズナラの巨木

 

わずかに生き残っていたミズナラの木を何本か探し出して実りを調べてみましたが、ドングリの実は一粒も発見できませんでした。ゼロではないのでしょうが、凶作です。といってもほとんどのミズナラの木が消えているのですから、豊凶など論じても意味がないと思いました。

 

ブナ林になってしまったブナの木を調べてみました。ブナの実りは全てゼロでした。クマの痕跡も完全にゼロで、この山にはもはや野生動物の痕跡がありません。

 

やっとのことで、頂上に登りきりました。

頂上から見回せる景色は絶景で、兵庫県最高峰氷ノ山(1510メートル)をはじめ、兵庫県、岡山県、鳥取県の山々が遠く青々と見わたせます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤谷山から見渡した山々

 

赤谷山に登った人たちのどれくらいが、この眼下に見渡せる青々とした山の危機的な内部変化に気づかれるでしょうか。

 

一見、青々とはしていても、大部分が動物たちが棲めない人工林にされてしまっていること、残された自然林の中で、クマの命を支えてきたミズナラが枯れて消えていること、ブナの木が残っているのはいいが、実りがゼロであること。

 

頂上に弱弱しいナナカマドの木があって、一応、実が付いていましたが、それ以外、この山には、全く実りというものが見当たりませんでした。

兵庫県森林動物研究センターの横山博士がいつも言っている言葉が耳にむなしく聞こえてきました。井戸知事も、彼女の言葉を信じておられます。

 

「今や兵庫の山は、歴史始まって以来の豊かさです。山の中に野生動物たちの食料はいっぱいあります。クマが山から出て来るのは、クマの数が増え過ぎたからです。(爆発増加説)クマが生息地を拡大しようとしているからです。(生息地拡大説)クマが人間を恐れなくなったからです。(人なめ説)クマが里のものの方がおいしいと味をしめたからです。(味しめ説)」

 

帰宅後、グーグルアースで宍粟市の山々を調べてみました。ミズナラの巨木が枯れた痕が白い枯れ木となって、山中に点在しているのが分かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県宍粟市の山2018年グーグルアースより

 

 

熊森から

大切なことは、本当に見えにくいのです。私たち熊森に、日本の水源の森の危機を知らせてくれた恩人は、里に出てくるようになったクマたちです。この国に、クマが残っていてくれて本当に良かったし、これからも残っていてくれねばなりません。

 

この恩人を今、日本人は片っ端から殺し尽くしているのです。

 

行政や、一般のマスコミは、熊森の調査結果や見解を全く取り上げようとしません。もう水源の森保全は手遅れかもしれませんが、他生物のために、次世代のために、どこかにこの真実を取り上げてくれるところを必死で探しています。

 

お心当たりのある方は、週刊誌、雑誌、何でもいので熊森を取材するようにお勧めいただけないでしょうか。(完)

 

 

 

 

今年のナラ枯れ状況とクマ生存の危機

今年もブナ、ミズナラ、コナラなど、山のドングリの豊凶が発表される季節になりました。

 

しかし、ドングリの豊凶を論じる前に、ドングリの木そのものが大量に枯死してしまっていたとしたら、豊凶発表にどれほどの意味があるでしょうか。

 

全国で発生する深刻なナラ枯れ被害

以下の写真は9月9日産経新聞に掲載された今年の夏の鳥取県大山です。森が消えるのではと思うほどの壊滅的なナラ枯れです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳥取県大山  赤色部分が今年枯死したミズナラやコナラなどのドングリ類(産経新聞2020.9.9)

 

ナラ枯れというのは、2000年代に出現した奇妙な木の枯れです。奥山にわずかに残された貴重な自然林のドングリの木が、夏に葉を赤くして一気に枯死してしまうことから始まりました。

 

熊森本部は、全国クマ生息都府県の今年のナラ枯れ状況を行政担当部署に電話で聞き取り、下のマップにまとめました。

 

 

日本熊森協会作成

 

北海道を除く全国で、山奥のクマの食料になるドングリ(ミズナラ・コナラ等)から、地域によっては、島、海沿い、平地の暖地性のドングリ類(シイ・カシ)まで枯れています。

 

秋の食糧を失った山の動物たち

人間は、食べ物を田畑で生産しますが、野生鳥獣たちは木の実や昆虫など、自然界にあるものを採食するだけですから、このナラ枯れ状況は致命的です。

 

クマなどの冷温帯にすむ野生動物が秋に一番好むのは、ブナです。アクがなくて、人間が生で食べてもおいしい実です。しかし、ブナは、豊凶が激しい上、数年に1回しか豊作にならず、凶作年となるともう全く実を付けません。ブナだけに頼っていては、野生動物たちは生き残れません。

 

そこでクマたちが、冬ごもりのための食い込み用食料として頼りにしてきたのが、秋に大きなドングリをどっさりつけるミズナラです。ミズナラにも豊凶はありますが、ブナほど極端ではありません。そのミズナラを筆頭にドングリ類が、大量枯死しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

林野庁発表:ナラ枯れ被害量の推移 クリックすると大きくなります。

 

山の実り凶作年の昨年度、クマたちが里にある食料を求めて山からどんどん出てきました。そこには、人間の銃や罠が待ち構えており、片っ端からクマたちは殺され、ツキノワグマの捕殺数は過去最多5283頭にものぼりました。過疎化高齢化した地元は、農作物を荒らされたり人身事故が発生したりで悲鳴を上げました。

 

今年もすでに大量のクマが捕殺されています。いくつかの県で、2年連続山の実り大凶作が発表されています。これまで大凶作が連続して続いたことはありません。自然界で大異変が起きているのです。

 

生息地の状況がわからない鳥獣保護行政

今回、野生鳥獣担当の行政官にナラ枯れの程度を尋ねると、自分たちは調べていないのでわからない。森林担当部署に聞いてほしいといいます。

 

森林担当の行政官にナラ枯れの状況を尋ねると、なぜそのようなことを尋ねて来るのかと聞かれました。ある東北地方の担当官は、真っ赤になった山を見て、あれはいったい何なのかと県民からの問い合わせが相次いでいるということでした。ナラ類カシ類はクマをはじめとする森の動物たちの命を支えてきた貴重な木であったことを話すと、野生動物のことは担当外でわからないと言われました。

 

自然生態系を守るには総合的な知見が必要です。この縦割り行政の弊害を何とかしなければなりません。

 

この20年間ほどの間に、日本の山から実のなる木が大量に枯死して消えてしまったのです。

日本の山の緑の中身がすっかり変わってしまっているのです。マスコミは全国民にこの事実を伝える責任があります。どうか伝えてください。

 

熊森から

本来の生息地の惨状を踏まえた共存策を

9月1日の熊森フェイスブックにナラ枯れの惨状を訴えたところ、7万件という過去最大のアクセスがありました。多くのみなさんが関心を持ってくださったことを、心強くうれしく思います。

 

ナラ枯れ被害や2年連続の山の実りの凶作などの影響で、今年も秋にクマが出てくる地域が増えそうで、私たちも、秋へ向けた注意喚起や対策の準備を始めていますが、特効薬のような解決策は無く、頭を抱えています。

ナラ枯れでどんぐりの木を枯らす直接の原因はカシノナガキクイムシという外来昆虫ですが、ナラ枯れの大発生には異常気象や酸性雨(酸性雪)などにより森の木々が弱っていることが影響していると言われています。いずれにせよ、人間の環境破壊の影響です。

 

野生動物たちの窮状に見て見ぬふりをし、今年もクマの大量捕殺を認めるのか、同じくこの大地に生きとし生けるものとして食料を分かち合うか、どちらかだと思います。

 

肥沃な平地である里のクリや柿は今年も豊作です。生き残るため、夜、命がけでそっと出てくるクマたちに可能な限り与えてやってほしいです。すべての生き物と共存してきた日本人の祖先なら、きっとそうしたと思います。クマたちはエサを求めて里に下りてきているだけで、人身事故を起こしたいと思っているわけではありません。突発的な至近距離での遭遇がないように注意し、彼らをパニックにさせなければ事故は防げます。

 

私たちの保水力豊かな水源の森を守るには、絶滅しない程度にわずかに野生動物が残っていたらいいのではありません。野生動物たちが豊かに残っていなければならないのです。(完)

ナラ枯れの原因は虫ではない

どんな問題にも原因があります。

その原因特定に誤りがあれば、打つ手は全て外れます。

 

ナラ枯れは2000年代になって、日本海側の豪雪地帯の冷温帯から始まりました。

熊森は当初、地球温暖化によってこの暖温帯の虫が、まだこの虫に抵抗力を持たない冷温帯の木々に上がって行って(地球温暖化)、中国起源の酸性雪で弱ったミズナラの木を(土壌酸性化)、虫が片付けに入ったことが原因ではないかと考えました。

 

しかし、現在、日本海側だけではなく太平洋側も、奥山だけではなく里山も、ナラ枯れが蔓延してしまいました。

 

今年のナラ枯れの猛威には今年の酷暑ともいえる異常な猛暑も加わって、全国の実のなる木が弱ってきたからではないでしょうか。

 

一方、国は、ナラ枯れの原因を、カシノナガキクイムシという長さ5ミリほどの甲虫であるとしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

その結果、各地の山に大量の殺虫用化学物質を運び込んでいます。これで死ぬのは、カシノナガキクイムシだけではなく、全ての虫です。弊害の大きさは計り知れません。国の大量の薬剤散布にもかかわらず、ナラ枯れは北海道を除く全国に広がる一方です。人間にはこの虫をコントロールすることなどできなかったのです。

 

この虫は外来種ではなく、昔から日本の暖温帯にいた虫です。この虫でドングリの木が枯れるのなら、とっくの昔に、この国からドングリの木が消えていたはずです。

 

虫原因説から脱皮すべきでしょう。

 

当協会顧問の故宮下正次先生の研究によると、佐渡島では虫侵入の形跡が全くないのにミズナラが総枯れしていたそうです。こうなるともう完全に、ナラ枯れの原因は、虫ではなくなります。

土壌の酸性度を緩和すべく根元に炭をまいたところ、枯れそうになっていたミズナラが何本も生き返ったということです。

 

ナラ枯れの原因は、直接的には虫であったとしても、地球温暖化、酸性雪雨、大気汚染などの人間活動の総合作用によって、木々が弱っただけではなく、土壌内の共生菌である微生物たちが変化したり衰えたりしていることではないでしょうか。

 

この目に見えないミクロの世界で行われている多種多様な微生物たちの働きは、永遠に人間がはかり知ることができない世界であり、まして、人間がコントロールすることなど不可能です。人間はもっともっと謙虚にならねばなりません。

 

一時の楽さや便利さを享受するため、たった一つの母なる地球環境を壊し続けていくのでは、人間は余りにも愚かであまりにも無慈悲な動物です。

「人間は発展するために生まれてきたのではなく、幸せになるために生まれてきたのです。」

ウルグアイ 元ムヒカ大統領

リニア新幹線を筆頭に、水源の森を壊してまでこれ以上の便利さを求めることは、不要なばかりか人類の自殺行為です。

 

流れを変えるには大きな声が必要です。熊森は心ある皆さんの声をひとまとまりにして、他生物のために、次世代のために、奥山水源の森を聖域化する力を持ちたいのです。ぜひ多くの方に熊森協会の会員になっていただきたいです。会費は、毎年の会員数を正確に把握するための年千円でいいです。年千円の会費で年4回の会報を送付させていただきます。(完)

 

 

メガソーラーで、生きものあふれる森17haが伐採危機!

9月27日(日)13時30分~ 埼玉県飯能市民会館

メガソーラー開発を考えるシンポジウムにお越しください!!

写真提供:加治丘陵の自然を考える会 飯能 開発地の豊かな自然はこちらの動画から

 

埼玉県飯能市は、スギ・ヒノキが人工林が多く、人工林率は82%と埼玉県で一番です。

自然の森がほとんど残っていないこの地域で、わずかに残った豊かな森林(針広混交林)17haが、メガソーラ開発により、伐採の危機にあります。

 

保護のため買い戻した森林を民間に格安で貸し出し

開發予定地(提供:阿須山中の自然を考える会 飯能)

 

埼玉県の人工林マップ

開発予定地は、入間市、飯能市、青梅市にまたがる加治丘陵(かじきゅうりょう)の阿須山中(あずやまなか)にある飯能市所有の森林約17haです。この森林は、飯能市が、豊かな自然を残そうと20億円かけて買い戻し中の場所です。飯能市は、この森林を、月たった10万円で、一般財団法人インターナショナル・スポーツアカデミーに貸し出し、森林を伐採し、メガソーラー(約11ha)とサッカー場(約1ha)を造る計画が進んでいます。

多額の税金をかけてせっかく買い戻した森林は市民の貴重な財産のはずなのに、一部の人の利益のために破壊することが許されるのでしょうか?

豊かな自然を破壊してしまうことに一番心を痛めるのは子どもたちです。多様な生きものの生息地を奪ってできたサッカー場で子どもたちが喜んでプレーができるとはとても思えません。

森林伐採により、豊かな自然生態系は永遠に失われます。開発地は斜面地で地滑りを起こしやすく、森林を伐採し、根を掘り起こすことで、土砂災害の危険性も高まります。

 

豊かな自然をどう守る? みんなで考えよう!

写真提供:加治丘陵の自然を考える会

熊森は、自然エネルギーに反対ではありませんが、大規模な自然破壊につながる大型風力発電やメガソーラー開発には反対です。地元では、「加治丘陵の自然を考える会 飯能」のみなさんが、メガソーラー開発を止めるために奮闘しておられます。しかし、開発手続は、着々と進んでおり、林地開発許可がおりようとしています。

絶滅危惧種も多く発見される生きものあふれる森を破壊する開発を何としても止めたい。この問題をもっとたくさんの人に知ってもらい、開発を止めるために頑張っているみなさんを応援したいとシンポジウムを企画しました。全国で、風力発電やメガソーラー開発の問題に取り組んでいる北海道の市川守弘弁護士にもお越しいただき講演いただきます。

飯能市、埼玉県だけでなく、この問題に関心のあるみなさんにお越しいただきたいです。

メガソーラー開発に関する詳しい情報は、加治丘陵の自然を考える会 飯能のブログまたはFacebookで。

飯能市 加治丘陵 メガソーラー開発を考えるシンポジウム

※チラシはこちら

2020年9月27日(日)

あいさつ        日本熊森協会 会長 室谷悠子

「開発予定地の豊かな自然とメガソーラ計画の問題点」
 加治丘陵の自然を考える会  飯能 代表:長谷川順子
(講演)
「開発から豊かな自然をどう守る?」弁護士:市川 守弘

【 時 間 】開場 13:00 / 開演 13:30~
【 会 場 】飯能市 市民会館 小ホール
    飯能市大字飯能226-2 ☎042-972-3000
【参加費 】無料 (定員120名)

【参加申し込み】

Tel:0798-22-4190 FAX:0798-22-4196(熊森協会本部)  

E-mail:azu.hanno@gmail.com
※新型コロナウィルスの感染防止のため、定員制限があります。お早めにお申込みください。

 

 

 

 

 

 

 

無被害のクマが大量殺処分されているその訳は 

今年も連日、全国的にクマの目撃や捕殺、人身事故のニュースが絶えません。

そんななか、県内どこにでもクマがいると言われているある県の県民から、無被害のクマが大量に殺処分されているという訴えが熊森本部に入りました。

 

公式な行政発表がないかとネットで探したところ、平成30年度にその県の県庁で開催されたツキノワグマ出没対策連絡会の記事が見つかりました。

それによると、平成29年度捕獲されたクマ83頭のうち80頭を殺処分した。捕獲されたクマの9割を占める72頭がシカとイノシシの有害捕獲のためののくくり罠に間違って(錯誤)捕獲されたものだったとありました。

 

錯誤捕獲されたクマを殺処分するのは、鳥獣保護管理法違反です。各地でこのような法違反が常態化している実態があります。しかし、行政がごまかして発表するため問題が闇に葬られているだけです。そんな中、この県が、正直に実態を発表されていることは評価できます。

 

どうしてこのようなことになるのか、電話で担当者に聞き取りました。

 

熊森:シカ・イノシシの捕獲罠は、山の中にもかけられているのですか。

:森林被害対策のためにかけています。

熊森:おたくの県は、県内どこにでもクマがいるのですから、山の中に罠を描けたらクマが次々と掛かるのは当然ですね。クマが掛かるのは、くくり罠だけですか?

:箱罠にはクマ脱出用の穴を上部に完備しているので、箱罠にクマが掛かることはありません。

熊森:錯誤捕獲されたクマは鳥獣保護管理法で放獣することになっていますよね。なぜ、放獣できないのですか。

:県に麻酔銃はあるのですが、使える人がいないのです。T市だけには麻酔銃を使える人がいて、わずかですがその市では放獣できています。

熊森:どうしてそんなに次々と山中にいる無被害のクマがくくり罠に掛かるんでしょうか。くくり罠直径12センチ規制を守っていたら、子熊はともかく成獣グマは掛からないはずですが。

:直径12センチと言っても、真円ではありません。

熊森:弁当箱型というやつですね。そのようなくくり罠を禁止すべきです。

:環境省が認めているんですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

弁当箱型くくり罠(短い部分が12センチ)

 

 

 

 

 

 

 

 

真円12センチくくり罠

 

 

皆さんはどう思われますか。

山の中でひっそりと暮らしており、何の被害も出していない無実のクマを次々と殺し続けることは、道徳面から、倫理面から、生態系保全面から、人として許されるのでしょうか。しかも、法違反です。

この県はたまたま、正直に発表しており、担当者も正直に答えておられますが、他府県ではごまかしがとても多いのです。

 

何とかしてほしいので、久しぶりに環境省の野生生物課鳥獣保護管理室に電話しました。

 

熊森:錯誤捕獲されたクマが大量に殺されている問題について何とかしてほしいです。

環境省:そのような事実はないです。(昨年、熊森に言われて錯誤捕獲の実態を調べましたが)クマの捕殺許可も出ていたから殺処分したと聞いています。

熊森:だから、去年も言いましたが、環境省に聞かれたので、みなさんそういうことにされたんです。しかし、正直に発表している県もあります。

環境省:何県ですか。

熊森:○○県です。一つは、くくり罠の12センチ規制が守られていないことが原因です。環境省は、くくり罠の12センチ規制について真円12センチを明記してください。私たちがくくり罠は残虐な上、誤捕獲がものすごく多く、誤捕獲された動物は人が近づくと暴れるため罠が外せない。結果、皆殺しにされている。使用禁止にすべきだと、以前、激しく運動した時、環境省の担当者から、使用禁止にはできませんが直径12センチ規制をかけますのでとりあえずこれで我慢してくださいと言われました。その時は当然、真円12センチだったと思うのですが、いつから弁当箱型に規制緩和されたのですか。

環境省:いつからか知りませんが、現行鳥獣保護管理法では、12センチ規制は、内径の最大長の直線に直角に交わる内径を計測するとなっています。

熊森:だから、それだと捕獲する必要のない無被害グマまでどんどん掛かってしまうのです。放獣できる人がほとんどいない現状で、闇から闇へと殺処分されています。くくり罠12センチ規制は、真円12センチですと規定しなおしてください。

以前、ある県の猟友会のトップの人に会ったことがありますが、その方は、真円12センチでシカやイノシシは十二分獲れる。獲れないという人は腕が悪いというか素人ですなと笑っておられましたよ。

今年も、クマの錯誤捕獲の実態調査を至急してください。その時に、都道府県の担当者に、嘘ごまかしなしに教えることと、念を押してくださいね。公務員が嘘ごまかしなど、許されるものではありませんよね。

9月24日に検討会が予定されているなら、そこでデータを発表して、専門家と言われる人たちの意見を求めてください。一番いいのは、検討会の委員に、結成以来24年間、嘘ごまかし一切なしでやってきた熊森を入れることです。

環境省:私の権限で委員を決められません。

熊森:上司にお伝えください。それと、ナラ枯れがものすごくて、山の中に動物たちの秋の食料がありません。クマにとって一番重要なミズナラだけでもいいので、いったい何割ぐらいのミズナラが枯れ残っているのか、およそでいいので、各都道府県に聞き取りをして発表してください。お願いします。私たち自然保護団体は、環境省にお願いするしかないのです。

 

熊森から

野生動物保護管理と言っても、日本の実態は保護ではなく管理がほぼ100%です。管理というのは頭数削減であり、殺すことです。

日本は今、国を挙げて野生鳥獣を大量捕殺し続けているのです。年々エスカレートしていく一方です。

今年8月の環境省主催の検討会をネットで見せていただきましたが、国を動かしている野生動物の専門家と言われる人たちの発言の99%は、いかに捕獲(=捕殺)するかでした。

そのせいか、多くの日本人は以前とすっかり変わってしまい、野生鳥獣を殺すことにマヒしているのかもしれません。(専門家の罪は大きい)まだマヒしていない人は、国が壊れていく前に意思表示をしてください。一番簡単な意思表示は、熊森の会員になってくださることです。

わずかに残された野生鳥獣の生息地のど真ん中にまで大量罠を仕掛けるのは、やり過ぎです。

人里に出て来る野生動物が悪いと言いますが、山の中の彼らの食料が激減したのは人間活動が原因であることを忘れてはなりません。

 

9月29日夕、熊森は新大阪ワシントンホテルプラザで、「クマが教えてくれた日本国の危機」という環境講座を持ちます。

害獣というレッテルを張られたクマサルシカイノシシだけではなく、すべての野生鳥獣の生存権を認める方向に国を転換させないと、野生鳥獣はもちろん人間にも近い将来、水源枯渇など取り返しのつかないことが起きます。

その仕組みをわかりやすく語らせていただきます。

参加費2千円。コロナ対策につき限定30名。利益ゼロでやります!

 

 

当協会東京都会員が9月11日、以下の論文を紹介してくれました。

日本哺乳類学会2020年度論文

「錯誤捕獲問題から目をそらし続けることはできない」

山崎晃司:東京農業大学森林総合科学科教授

穏やかでとても可愛いとよ君         くまもりインターン生の感想(2)

とよ君ってどんなクマ?

 

とよ君は2014年6月19日大阪府豊能郡豊能町でイノシシ罠に誤捕獲された当時推定4歳のオスのツキノワグマです。

大阪府が殺処分しようとしたところを熊森協会が豊能町の高代寺に協力していただき、終生保護飼育をしています。

 

 

今回行ったお世話

 

まず、安全性のためとよ君を寝室に閉じ込めてから、運動場の掃除。糞の撤去。プール内の清掃や水入れをしました。

掃除が終わったらとよ君を運動場に出してあげて、ごはんをあげます。とても食欲旺盛で、いっぱい食べていました!

とよ君は赤のリンゴが好きなようで、青リンゴよりも先に全部食べていました(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ、給水中なのに待ちきれずにプールに入ったとよ君 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満腹になってベランダの上で寝ている幸せそうなとよ君

 

 

とよ君のお世話をして

 

当日はとても暑くて作業するのが大変でしたが、ボランティアの方たちのおかげで作業がスムーズに進みました。

まず思ったのは、とよ君がたくさんの人に愛されているんだなぁということです。

 

会いに来た時、ご飯をあげている時、掃除している時…。お世話係の方々は皆、「とよ君!」「とよ君!」と絶えず笑顔でとよ君に声をかけておられました。みんなのアイドルみたいだと思いました。

人間に殺処分されそうになって、人間を怖がり、必死で人間を威嚇していたクマが、こんなに人に懐くのかとびっくりするぐらいとよ君は穏やかでとても可愛いかったです。

 

でも、とよ君は様々な人々の必死の想いのおかげで運良く保護されて皆に可愛がってもらっていても、世の中には殺処分される「可哀想なクマ」がたくさんいることを考えると、心が痛くなりました。

僕はもっと多くの人たちにとよ君を通してクマの生態や現状を知ってもらい、クマに対して正しい理解をしてほしいと思いました。

 

皆さんはどう思われますか?もし、少しでも何か思うことがあればクマの正しい知識と現状を周りの人に広めていってほしいです。

そして声を上げてほしいです。

 

僕は、可哀想だなぁだけで終わらせず世の中から少しでも命を奪われる動物ををなくしていきたいと思いました。そのためにも様々な知識を得て、経験を積んで、保護の仕事に携わりたいと思いました。

 

(21才男性)

 

 

多くの事を教えてくれた「トヨ君」      くまもりインターン生の感想(1)

8月23日、大阪にある高代寺で飼育されているツキノワグマのトヨ君のお世話にインターン生として参加させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話隊が来てくれた 寝室から顔を出したトヨ君

 

私自身、動物系の専門学校に通っていて、学校ではアルパカやカピバラ、その他小動物のお世話はしたことはあるのですが、ツキノワグマのお世話は経験がなかったので、期待や不安を抱えて挑みました。

ボランティアの方々と5~6人で行ったので、作業内容としてはとても簡単で新鮮な体験を楽しくできました。

 

学んだ事も多く、やはり一番印象が大きかったのはクマへの認識が変わった事です。

この文章を読んでくださっている方でもクマ=人を襲う、怖い動物 と思っている人が大半だと思います。

かく言う私もクマには怖いイメージが少しありました。それをガラっと変えてくれたのがトヨ君でした。

 

トヨ君はとてもおとなしく、穏やかでエサを与える時やデッキブラシを用いてブラッシングをする時でも暴れることなく、むしろ甘えてきて、まるで大きめな甘えん坊の大型犬のようでした。

トヨ君を見ればクマを怖がっている市民や行政の方の印象を大きく変えることが出来るかも知れない、そんな可能性を感じました。

 

住宅街から近く、交通のアクセスが良い所にある大阪府豊能町のお寺で飼育されているにも関わらず、訪れる人が少ないのは、とよ君の存在を知らない人が多いからだと思います。

新聞やテレビなどのメディアでもっと取り上げて欲しいです。

個人で簡単に情報発信できるTwitterやInstagramなどのSNSで呼びかけることも大事だと思います。

この文章を読んでくださっているいる方は、是非、高代寺を訪れてトヨ君の事をSNSで情報発信して下さい。

 

人間は知らない物に恐怖を覚えます。故にクマを良く知らない市民や行政はクマを怖がり駆除しようとします。

皆さん、クマについて向き合ってください。よく学んでください。

クマは生態系においてとても貴重で重要な存在なのです。

機会があれば是非またトヨ君の飼育のお手伝いに参加したいと思える貴重な体験でした。

(19才男性)

この報道、おかしくないですか 新潟県燕市イノシシ大捕物

(マスコミ報道大意)

9月2日午前6時半ごろ、燕市でイノシシを目撃したと住民から110番通報があり、通報を受けた市職員や燕署員ら約25人が出動し、約5時間にわたり、このイノシシを捕獲しようと追い回して大捕物となりました。

イノシシは最後、用水路の中で疲れ果てて動けなくなっていたところを、地元の猟友会によって銃で射殺されました。

けが人はいませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間に追い掛け回されて、このイノシシ、5時間も走り続けたのです。

どんなに怖かったことでしょう。どんなに息が切れていたことでしょう。

最後、けが人なしと言うテロップが出ましたが、イノシシが殺されたのはいいのでしょうか。

 

燕市役所電話0256-92-1111に電話をしてみました。担当は生活環境課です。

 

熊森:燕市でイノシシの目撃は多いのですか。

燕市:ほとんどありません。山中で年間1~2頭目撃されるぐらいです。イノシシがほとんどいない地域です。

熊森:なぜ、捕獲しようとされたのですか?

燕市:銃を撃てない場所だったので。

熊森:では、最初から、殺すつもりだったんですね。このイノシシが一体、何をしたというのでしょうか。

燕市:ガラスを割ったんです。

熊森:それは皆さんが追い詰めたので、恐怖のあまりパニックになって逃げようとしたからですよ。

燕市:無言

熊森:野生動物を見かけたら、刺激しないようにそっと見守るというのが鉄則ですよ。何の用で出てきたのかわかりませんが、別に野生動物は人間のそばにいたいわけではないので、早朝、ちょっと人間域をのぞいてみただけなんじゃないかと思います。それを、あんなに大勢で5時間も追い掛け回して射殺するというのは、倫理上、教育上、とんでもないと思いました。いじめの最たるものを見せられた思いです。生き物たちの生命の尊厳が完全に忘れられています。

燕市:そのような電話を10件ぐらいいただきました。

熊森:燕市では、クマが出てきたときも、こんな風に追い掛け回されて殺されるのですか。

燕市:クマはいません。シカやサルもいません。

熊森:終わったことを言ってみても仕方がありませんが、次回からは共に生きる地球の仲間たちにこんな仕打ちをしないようによろしくお願いします。

燕市:警察も含めみんなに伝えます。

 

熊森から

いったい最近の日本人はどうなってしまったんでしょう。

ペット以外の動物は見つけ次第殺す。

恐ろしい国になってきています。

みんな狂ってしまったんでしょうか。

このニュースを見て、人間、とんでもないことをしていると思った方はたくさんおられたはずです。

黙っていては伝わりません。おかしいと思った人はみんな声を上げてください!

こんな無慈悲な国にしてしまってはなりません。

それにしても、野生動物を見たら、みんなで追い掛け回して殺す。

クマを筆頭に、このような映像を何の疑問も感じず肯定的に連日流し続けている最近のマスコミを憂えます。弱者を思いやれない風潮を日本社会に広めていると思います。マスコミ関係者はもっと温かい人間性あふれるニュースこそを取り上げるべきです。猛省を促したい。マスコミが、日本人をだめにしていっています。

 

一方、ネットニュースでは、アメリカオハイオ州でプールに落ちたシカ2頭が脱出できなくなっているという通報を受けた警察官が救出に乗り出した。助けられたシカは、そそくさと立ち去っていったというニュースが出ていました。

これでこそ人間でしょう。このニュースにホッとしました。

 

 

 

もはや末期症状 クマたちが山から次々と出て来るその訳は

今、日本では連日、クマたち野生動物が食料を求めて人里に出てきています。

そして、害獣や危険動物のレッテルを張られ、罠や銃で片っ端から人間に殺されていっています。(殺すと役場からお金がもらえる仕組みができあがっている)

 

なぜ、日本のマスコミは目の前の現象だけを報道して、その背後にある原因に誰一人触れようとしないのでしょうか。その知性のなさには、信じられない思いがします。物事にはすべて原因があるのです。その原因とは、

 

奥山生息地から動物たちの食料が消えてしまった!

 

8月下旬、熊森は兵庫県のクマ生息地を調査しました。

放置人工林で埋まっているクマ生息地、人工林の中は茶色一色で動物たちの食料は皆無です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上にわずかに残された貴重な自然林の色が赤い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上付近を望遠レンズで撮影

 

ナラ枯れの再襲来です。

自然林の中のドングリの木々が、「ナラ枯れ」という現象で今夏枯れてしまい、真っ赤になっているのです。山の実りの豊凶を論じる前に、木そのものがなくなってしまっているのです。

 

 

近年、森の中から、

昆虫が消え、

液果の実りが消え、

堅果(ドングリ類)の木が大量に枯れていきます。

この傾向は年々ひどくなっていく一方です。

こんな山に誰がした?

 

拡大造林、

放置人工林、

奥山にまで縦横に張り巡らされた道路、

酸性雨、

地球温暖化、

農薬の空中散布、等々。

 

すべて人間活動が原因です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スギの人工林の前に1本だけ残っていた希望の星、クヌギ(ドングリの一種)の巨木も、今年のナラ枯れで枯れてしまっていました。

クマたちはこれを見て、もう生きられないと泣いていることでしょう。

 

集落周辺にかけた熊森の自動撮影カメラには、農作物を狙って、深夜、人間におびえながら夜な夜な出て来るクマたちが次々と撮影されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森自動撮影カメラ8月14日

 

23時50分、あたりの様子をうかがいながら、そっとクマたちが農作物に近づきます。

でも、電気柵や金網に阻まれて、中に入れません。

 

生きるために食べようとした。彼らのしたことは死刑に値するほど悪いことなのでしょうか。

 

野生動物たちが喋れたら、人間は金儲けのため、自分たちの快適さと便利さのため、私たちの生息地を取り返しのつかないまでに壊し続けてきました。わたしたちには食べ物がないのですが、どうすればいいのですかと訴えることでしょう。

 

熊森スタッフたちは、農作物をクマから守ったり、クマと人の事故が起きないようにしたり、連日地元に泊まり込んで地元の手伝いに大汗を流しています。まさに、クマと人の攻防戦です。ずっとブログの更新も止まったままです。

 

 

専門家と呼ばれる先生方は、この異常現象に対して、

クマの生息推定数を毎年どんどん増加させていって、相も変わらず、

クマが増え過ぎている。

クマが人を恐れなくなった。

クマが人間の作物の味をしめたことによる現象であると説明されています。

 

じゃあと、行政のみなさんは、増え過ぎたと言われるクマの捕獲(=捕殺)指示に躍起です。

大量のクマ捕獲罠を仕掛けているだけではなく、山中のシカやイノシシ用の罠に誤捕獲されたクマまで片っ端から殺処分しています。(法違反)

 

イヌブナの実りもゼロ。

今年の山の食料のなさは、2004年(平成16年)の再来だと地元の方の声。

皮肉なことに、人里のドングリやクリ、カキなどはよく実っています。(人間はいいな、おなか一杯食べている)

 

リニアをはじめ、今も自然大破壊に国家予算をつぎ込み続け、自然破壊によって生きられなくなった野生鳥獣は大量殺戮してしまう。弱肉強食の典型国家。

わたしたち人間の倫理観はどうなってしまったのでしょうか。

私たち熊森はもはや、良識ある一般国民のみなさんに訴えるしかありません。

こんなことを続けていて、私たち、そして私たちの子や孫は幸せになれるのでしょうか。

他者の不幸の上に築いた幸せは、いずれ必ず破たんします。(完)

 

 

北海道砂川市の養鶏場で箱罠に捕獲された若ヒグマ、捕獲3日目にやはり殺処分 電気柵設置を!

砂川市で、養鶏場の飼料倉庫のガラス戸を割って中の麦を食べるなど、農家に被害を与えてきた若いオスヒグマが、7月30日夜、箱罠にかかりました。

 

 

 

 

 

 

 

日テレより

 

北海道の多くの町で、罠設置は事実上自由に認められ、罠に掛かったヒグマは100%殺処分されてきました。(2019年度殺処分されたヒグマは、756頭)

7月31日のニュースでは、直ちに射殺せず、動物園などの貰い手を探しているということで、ヒグマに心を寄せている方々の中には、ついに北海道でもヒグマを殺さない動きが出てきたと、感激された方も多かったと思います。しかし、実際は8月2日に殺処分されています。

 

今回すぐに射殺しなかったのは、昨年、土手にいる子グマを砂川猟友会長が射殺した時、同じ場所にいたもう一人の猟友会員が、安全確認が不十分な発砲であったと指摘したことから、公安委員会が猟友会長の銃免許を取り上げたという事件がバックにあるようです。(罠免許は取り上げていない)

この猟友会長に対する処分に反発して、他の砂川猟友会員も、みんなが銃を使わないことにして公安委員会などに抗議している最中のようです。私たちには、問題の真相がわからないので、この問題に対するコメントは差し控えさせていただきます。

 

砂川市で捕獲されたヒグマの貰い手を市が探しているというニュースを初めて知った時、私たちがまず思ったのは、もらい手などいるわけがないのに、本気なんだろうかということでした。

 

放獣するしかない。

 

動物園を探すと言っても、動物園は保護のためにあるのではなく、展示のためにあるのです。今いるヒグマが死なない限り、新たなヒグマなど不要です。かわいい子熊ならまだしも、野生で大きくなったヒグマを貰う動物園や施設など考えられません。(人が根気よく愛情をかけ続けて飼えば、野生で大人になったクマでもいずれ人によくなつくようになることは、熊森がツキノワグマで実証済みです)

このヒグマの命を助けてやろうと思った人がいたとしても、ヒグマを飼うにはものすごく堅牢な獣舎が必要で、そんな獣舎を今日明日にすぐ用意できる人などいません。これだけ力が強くて巨大な動物を養うことができるのは、豊かな大自然だけなのです。

 

捕獲されたことで、このヒグマが学習して、放獣後、もう人間の所には行かないようにしようと反省するのを期待するしかありません。

 

ヒグマ研究第一人者で札幌市在住の熊森顧問門崎允昭先生は、ヒグマがここにやって来ないようにするには、

 

電気柵設置しかない

 

と断言されています。

 

熊森は、砂川市担当者に、①被害額を弁償する、②今後ヒグマがこの場所に来ないように電気柵設置代を出す。よって、このまだ若いオスグマを放獣してやってほしいと交渉しました。

 

しかし、市の担当者は、絶対に放獣しないと断言しました。理由は、放獣してもし被害が出たら自分たちの責任になるからというものでした。

 

みなさんはどう思われますか。

熊森は、放獣したら、このヒグマは森の奥にとんで帰ると思います。人間と違って、よくもオレを捕獲したなと人にかかってきたりしないと思います。放獣後、もし、何かあったとしても、この地にこのヒグマがいるのは自然です。元の自然に戻っただけですから、行政の責任など何もないと思います。

 

 

どうも、北海道民のおおかたの野生動物観は、長年ツキノワグマなど多くの大型野生動物たちと共存してきた本州のわたしたちと違うような気がします。

 

北海道出身のある本部スタッフは、本州に来て近畿地方のいくつかの奥地にクマ調査に入ったとき、地元のみなさんがクマのことを「クマさん」と敬意をもって話すのに驚いたと言います。2階の窓を開けたらカキの木にクマが来ていたと言われるので、行政に知らせましたかと聞くと、不思議そうに、何で届け出る必要があるのか。昔からクマさんと一緒に暮らしてきたと言われ、北海道ではありえない感覚だと思ったそうです。

 

明治以降、入植した和人たちは自分たちが生きる大地を得るために、人の2倍も3倍も大きい先住民であるヒグマを駆除し続けました。開拓者だったのです。

北海道大学では、どうしたら北海道からヒグマを根絶殺害できるかを研究されていたそうです。

ヒグマから見れば、見つかり次第、訳なく銃を撃ってくる人間は、悪魔のような存在だったと思います。アイヌと違って、和人はヒグマと共存した経験がなかったといえるのかもしれません。

 

もちろん入植者は、全国各地から北海道に新天地を求めて移住してきた人たちですから、殺生を禁止する仏教の慈悲の心を併せ持つ人たちも多かったはずです。同じ生きとし生けるものとして、銃の前には完全無力で人間に滅ぼされようとしている哀れなヒグマに深い思いを寄せた方々もおられたのではないでしょうか。

 

25年ほど前、旭川の営林署の人たち数名に、ヒグマをどう思うかインタビューをして回ったことがあります。「ヒグマにはいつも会っているけど、穏やかな動物だ。本州のツキノワグマのように人身事故など起こさない。私たちの作業場の横で、子供を連れてきて遊んでいるよ」という、回答ばかりでした。ヒグマもツキノワグマ同様、争いを好まない平和愛好者なのだとわかりました。自分が人間にやられそうにならない限り、ヒグマの方から人間をやっつけてやろうなどとは思ってもいないのです。そんなヒグマを、私たち人間は殺すのです。

 

以前はヒグマ駆除一辺倒だった北海道庁ですが、現在、ヒグマとの共存を打ち出しています。しかし、私たちのようにヒグマへの理解や共感からではなく、生物多様性の保全が世界的な流れとなってきたことが大きな原因かもしれません。

北海道のヒグマも平和愛好者

 

ヒグマと共存しなければ、私たちは豊かな自然や豊かな森を失います。ヒグマへの愛ではなく、自分たちの利益のために、ヒグマを絶滅させないようにしようと思ったのでしょうか。北海道は先進的な海外と比べると、共存のための制度が、まだほとんど整っていないように熊森は感じます。

 

今回の砂川市のヒグマ殺処分の件で、いろいろな方から熊森本部にメールが入りました。以下にご紹介します。

 

メール

・7月3日からたびたび養鶏場の飼料にやってきた問題個体だから殺処分するしかなかったと市の担当者は言われましたが、どうしてもっと早くヒグマ用の電気柵を張るなどの対策をとられなかったんでしょうか。問題個体を生み出した人間側の責任はないのでしょうか。おびき寄せておいては殺すという悪循環を繰り返しているように感じます。

 

・アイヌの人々はクマを神聖な生き物としてみなし、共存してきました。北海道も、今後は、自然や野生動物に対して、敬意をもったやり方で問題解決を図って欲しいと思います。

 

・私は、日本人が最近ますます人間第一主義になっていると感じ、とても危惧しております。自然あってこその人間であることがわからなくなってしまっている方が多いと思います。

 

・殺さないヒグマ対策に取り組んでこそ、子供たちに尊敬される大人です。ヒグマが先住民であったことを忘れない謙虚さが、日本人に必要です。

 

・私はカナダに長い期間住んだことがあります。私が出会ったほとんどのカナダ人は、クマに遭遇したことがあると言っていました。しかし、クマを捕獲して殺処分するという考えはなく、人間がクマの生息地の近くにいるのだから、こちらが注意すれば良いという人ばかりでした。

 

クマよりも、※スカンクの方が困ると言う人もいました。(おならをかけられると1週間は強烈な臭いが取れません)
カナダも昔は今の日本のようにクマ駆除一辺倒だったそうです。カナダでできたことは、日本でもきっとそのうちできると信じています!

 

熊森注 スカンク   ツキノワグマ研究第一人者の熊森顧問長野市在住宮沢正義先生は、かねてより、クマ対策に使えるとして、スカンクの強烈な臭いに注目されています。猛獣の目の前を、マリリンモンローのような足取りで平気で歩くスカンクは、相手に脅威を与えるのではなく、相手に嫌われることによって、身を守っているのです。スカンクの臭いを研究して工場で合成できると、クマよけに使えるかもしれません。

 

 

(最後に)暑い日々です。箱罠に囚われの身の3日間、このヒグマに水や食料を与えてやってくださっていたのでしょうか。箱罠の中の誘引物につられてうっかり入ってしまったという一度の失敗だけで死刑判決を受けたこの若いオスヒグマの冥福を祈ります。共存するには、人間側にも寛容ややさしさが必要です。

 

毎年、数百頭ものヒグマが、北海道でこうやって問答無用で殺されていく。北海道は開発されたといっても、山だけではなく、まだ平地にも広大な森が残されているところが多く、そこもヒグマたちの生息地です。本州と自然条件がかなり違っているため、本州人がわからないことも多々あります。そのため、私たちは北海道民の声もしっかり聞いていきたいです。

平地もミズナラなどの森で、ヒグマの生息地である北海道

 

カナダ在住のクマ研究者、カピラノ大学名誉教授の熊森顧問フイッツアール先生は、カナダで半年教え、京都大学で半年教えることを繰り返しておられました。日本のクマ対応を調べて、以前のカナダと一緒だ。クマを駆除対象としか見ていない。生きとし生ける者への共感が日本人から失われている。なんて遅れているのだろう!とショックを受けておられました。先生のご自宅のリンゴの木にも大きなクマが来るそうですが、「ダメ!」と言うと帰っていくそうです。どうしても帰らないクマは、カナダでは自分たち自然保護団体が捕獲してヘリコプターで山奥に運んで放獣しているとして、写真を見せてくださいました。

 

野生動物を害獣視し、殺す対象としか見ない今の日本、人間が根本的に狂ってしまっていると私たちは感じます。

 

彼らが一体どんな悪いことをしたというのか。人間の物を食べた。食べられたら困る物なら、確かに大変な労力を要しますが、殺す前に食べられないように被害防除の努力を人間側もすべきでしょう。

 

ヒグマが先住民として尊重される日々が一日も早く来るように、心あるみなさんに、もっともっと声を上げていただきたいです。わたしたちは、熊森北海道支部が立ち上がる日を、釧路在住のプロのネイチャーガイドで野生動物写真家である熊森顧問安藤誠氏(自称北海道人)と共にずっと待っています。(完)

 


			
フィード

Return to page top