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くまもりNews

東中国山地の奥山では動物がほとんど撮影されない、西中国山地もドーナツ化現象!

人里でクマが目撃される例が各地で年々増えています。

今年もすごい数です。

熊森本部にも、なぜこんなにクマがひんぱんに目撃されるようになったのかとの問い合わせの電話やメールが入ってきます。

かつて奥山に棲んでいた森の動物たちが、重大な訳があって、人里に生息地を移動していることが考えられます。

野生動物たちにこれまで起きなかった異変が起き始めた時、それは絶滅の前触れであると熊森はとらえています。

 

<東中国山地>

東中国山地の山中に約2か月間かけていた5ケ所のセンサーカメラを先日回収してみて、がっかりしました。

クマが写っていたのは以下のたった1度だけでした。(画面の下を歩いている姿が、5秒間ほど動画で撮影されていました)

 

シカ、キツネ、タヌキ、ネズミ、ウサギもごくわずかに写っていましたが、数が本当に少ないのです。

この奥山は、奇跡的に残された巨木の自然林です。

これでは動物たちはほとんどいないことになる。

去年の同時期は、もう少し動物たちが写っていました。

カメラのかけ方が悪かったのだろうか。

何か不都合なことがカメラに起こったのだろうか。

不安になってきました。

 

<西中国山地>

広島の奥山原生林を調査されている金井塚務先生の、2017年6月21日ブログを読んで納得しました。

長文ですが、みなさんもぜひ、お読みになって下さい。

広島の原生林には、まだシカが入っておりません。よって、林床はササで覆われています。

現地調査に同行させていただいたことがありますが、東中国山地をフィールドとしているわたしたちには、まだ広島にはクマたちが住める環境が残っている!と、うらやましいかぎりでした。

しかし、その広島でさえ、なぜかクマは奥山からどんどん姿を消しているのです。

 

以下の文は、金井塚先生のブログから、一部コピーさせていただきました。

 

「いま根本的な対策(クマが暮らしていける奥山を取り返すこと)を講じなければ、早晩西中国山地のツキノワグマは絶滅の道をたどるにちがいない。これは再々指摘していることでも有り、今年度策定の保護計画にも触れていることなのだが、クマの分布域の拡大と中核的生息地での密度低下が生じている。つまり分布のドーナツ化だ。確かに都市部への出没は突然生じることではあるが、全体的なトレンド(生息状況の傾向)を考えれば何時どこへ出てもおかしくない状況にある。クマはもはや奥山の動物ではなく、集落周辺の二次林を主たる生息場所としている野生動物なのである。たまたま山に餌がなかったから出てきたという突発的現象ではないのだ。」

 

<熊森から>

人間は鈍感でわからないだけで、何か日本の森、否、元東邦大学教授の大森禎子先生的に言えば、地球上の森が、人間活動によって野生動物を育めなくなってきているのだと思います。

森の危機を知らせてくれている野生動物たちに感謝しなければならないのに、深く考えることもせず、今年も害獣として、大量捕殺し続けている日本の行政には胸が痛みます。殺すという一番簡単で卑怯な対応ばかり続けていたら、気が付いたとき、とんでもないことになってしまっていたとなるのではないでしょうか。

 

<日本奥山学会7月2日のお知らせ>

奥山研究は1円のお金にもならないので、研究者がほとんどいません。

もっともっと研究者たちが誕生して、なぜ、野生動物が山から出て来るのか、研究する必要があります。

7月2日の、日本奥山学会の研究発表会に、まだの方はぜひ参加申し込みをしてください。

 

 

 

 

 

 

 

6月15日 とよが初めて野菜を食べました!

これまで何を与えても、一切野菜を食べなかった「とよ」に、本日、ミズ(=ウワバミソウ)を与えたら、初めて野菜を食べました。

熊森的には、ビッグニュースです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を輝かせてうれしそうに、ミズをたべる「とよ」

 

「とよ」お世話ボランティアのKさんが、岡山の山からミズを取って持ってきてくださいました。

「とよ」は、なんと、ミズにむしゃぶりついて、バケツ1杯分も食べてしまったそうです。

驚きニュースに、熊森本部事務所は湧きました。

お世話隊長のHさんが、動画でばっちり撮影してきてくださいました。

 

クマの大好物とは聞いていたけれど、ミズなら食べたのか。

かつて、母さんに教えてもらって、一緒に食べたんだろうな。

「とよ」の、この上もなくうれしそうな表情を見ていると、

やさしかった母さんとミズを食べた幸せな日々を思い出したのかなと思いました。

 

お世話隊は、さっそく、本日、獣舎内に、ミズを植えたそうです。

「とよ」がこんなに喜んで食べる野菜があっただなんて。

 

Kさん、ミズを取ってきてくださってありがとうございました。

 

 

6月4日 兵庫県三田市で皮むき間伐フェスタ開催!29名参加。

今年も三田市の「NPO法人里野山家」さんが共催団体として協力くださり、場所も提供していただきました。

今年は2回目以上の参加者もいらっしゃいます。

まずは環境教育部長からくまもりの説明

この日はいいお天気でした。

NPO法人里野山家の佐藤さんから一言

今回は皮むき間伐の前に紙芝居を実施し、動物のエサが山にないことを分かりやすくお伝えし、フィールド担当者から皮むき間伐を実施する意義を説明しました。

多くの人にイベントに参加していただいて皮むき間伐を体験してもらい、光を入れて日本の山を再生することの必要性を感じてもらうことが一番の目的です。

くまもり紙芝居「どんぐりの森を守って」

皮むき間伐で山を再生する意義を説明

山に入ります。まずは準備体操です。

スタッフが皮むき間伐のデモンストレーション。

みなさん、初めて見る皮むき間伐に興味津々です。

子供たちはヒノキの皮に夢中です♪

お味はどうかな?皮をなめると少し甘いです。

それでは皮むき間伐開始!

6月の時期は、初めての方でもきれいに剥けます。

慣れない手つきで頑張ります。 一人できれいに剥けてますね。

昨年は大人と一緒に皮を剥いていた子供たちも成長しました。

今年は自分でしっかり剥いています。

きれいに皮がむけて、思わず笑顔。

こちらは上まで皮を剥いています。うまく引きちぎれるかな?

いきもりメンバーも頑張りますよ。

さーて、お昼は佐藤さんのおいしいカレーです!

ロケットストーブで炊き出し体験

ボランティアさんが手伝ってくれてます。

お昼ご飯はこんな感じです。わいわいしてます。

午後は伐倒のデモンストレーションをしました。

掛かり木になりました。。。

なんとか倒して年輪を数えました。

きれいに一枚つなげてむけました

午後はネーチャーゲームも実施しました。子供たちは田んぼで生き物探し。楽しかったようですね。

青空がすごくきれいです

最後はみんなで記念撮影

これからも多くの人に親子皮むき間伐を体験してほしいです。

 

6月25日(日)には、和歌山県那智勝浦でも実施します。お近くの方は是非ご参加ください。詳細はこちら

 

三田市では7月30日(日)に今回と同じ場所で2回目の皮むき間伐を実施します。

7月30日(日)9:30現地集合 10:00~16:00

内容:皮むき間伐、森の紙芝居、ネイチャーゲーム、ロケットストーブで炊き出し体験

参加費:ひとり600円(昼食のカレー代・保険代)

集合場所:酒井公民館(兵庫県三田市酒井212-2)

持ち物:帽子、飲み物、動きやすい服装、雨具、マイ食器(コップ・お皿・スプーン・はし)

当日連絡先090-3288-4190

 

是非多くの方にご参加いただき、皮むき間伐で、放置人工林の中に光を入れていきたいです!

 

 

今夏、旧奈良市管理地区で天然記念物のシカの初捕殺が開始されることに疑問 

以下の新聞報道を読んで、衝撃を受けるとともに、大いなる疑問を抱きました。

昔、物がなかった時代の奈良の人達が、深い思いを持って守ってきたシカを、これだけ物質的に豊かになった経済大国・科学技術大国の日本で、なぜこれまで通りの旧奈良市全域で守り続けられないのでしょうか。

(以下、毎日新聞より)

奈良市で保護対象となっている国の天然記念物「奈良のシカ」について、農作物被害対策として初めての捕獲が今夏にも始まる。奈良県が文化庁に捕獲のための現状変更許可を先月申請し、認められる見通しとなった。県は、市中心部では従来通り保護を続ける一方、郊外では頭数管理を進め、人とシカの共生を図る。

県の計画では今年7月から始める意向で、11月まで数十頭程度を捕獲する見通し。21年度まで毎年捕獲する。捕えたシカは調査などに充てる。県は「農作物への被害にきちんと対処する体制を整えたい」としている。

 

 

奈良市のどこでシカの初捕獲(=捕殺)が始まろうとしているのか調べてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤枠内が旧奈良市 赤色部分が今回シカ管理地区とされた部分(奈良市シカ管理計画より)

 

春日大社境内など3平方キロを生息地として重点的に保護する「重点保護地区」に、その東側の春日山原始林など7平方キロを「準重点保護地区」に指定。これらを囲む形で、市郊外との間に保護管理地区(18平方キロ)を設け、それら以外の地域(上図赤色部分)で鳥獣管理計画に基づき捕獲する。

 

奈良県に確認したところ、捕獲されたシカは、100%殺処分するそうです。管理という行政言葉は、殺すことを意味します。

 

先日訪れた奈良市郊外は、屋敷も田畑も徹底したシカよけ柵でシカ防除がなされていました。

ある意味、異様な田園風景でした。

農業をされている方に尋ねると、これでシカ被害は確実に防げているということでした。

 

昔と比べたら、柵の素材は各段によくなっています。

シカによる農業被害を受けている地域があるのは想像できますが、シカよけ柵の設置や強化で解決できないのでしょうか。

 

これまで旧奈良市内のシカは天然記念物として戦後1頭も殺さずにきたのに、世界に一つしかないこのすばらしい伝統、文化をここで途絶えさせることは余りにも惜しい。

 

第一、今年数十頭殺したところで、シカは大移動しますから、別の地域や県外から新たなシカがまた入ってきて、元の木阿弥になるはずです。

農業被害はいつまでもなくならず、毎年、無用の殺生をしているだけになりませんか。

それより、捕殺にかける費用をシカ柵の強化に使った方が、確実に農作物被害が減り、費用対効果の面からもいいと思うのですが、みなさんはどう思われますか。

 

シカを害獣視し、西洋文明を真似て、残虐なだけのレジャー狩猟、頭数調整という名の大量捕殺、ジビエ料理という名の食文化を旗を振って進めている今の我が国にとっては、旧奈良市のように1頭もシカを殺さないという町の存在は、この上もなく目障りだったはずです。

 

国は例外は認めませんから、奈良市もシカ数の頭数管理をやれという、中央からの圧力があったのかもしれません。

生き物たちを工業製品と勘違いしているのか、科学的・計画的に頭数管理できると誤解している野生動物管理派の研究者たちの高笑いが聞こえてきそうです。私たち保護派、生命尊重派がもっともっとまとまって、反対の声を上げていかなければならないと思います。

 

奈良に、平成の丸尾萬次郎よ、出でよ!

 

 

奈良のシカを市民が守ってきたことを知り感動 

NHKテレビ5月26日放送、歴史秘話ヒストリア

「奈良・人と鹿 1300年 涙の共生物語」を見ました。

柵のない動物園?約1200頭、これだけのシカが街中で人と共に暮らしているところは、世界広しといえども、奈良だけなのだそうです。

世界でもここだけ。まさに貴重です。

 

(以下、歴史秘話ヒストリアから)

奈良の人々はなぜシカを大切にしてきたのか

1300年前、平城京遷都の際、都の守護神として迎え入れた神様が、茨城の鹿島神社から白鹿に乗って奈良にやってこられたという伝説があるそうです。

貴族たちが、この神様を乗せてきた白鹿を神鹿(しんろく)として大切にしたため、そのうち、奈良の庶民も鹿を神の使いとして大切にするようになったそうです。

 

鹿と人が共存するための知恵

鹿と共存することによって、困ったことが次々と発生してきますが、番組によると、そのたびに奈良奉行が難問を解決していきます。

町を柵で取り囲む、秋の発情期には雄ジカの角を切って人身事故が起きないようにする等々・・・本でも調べましたが、その他、次々とアイディアを出していったようです。

(熊森から)感動その1 鹿を殺さないで問題を解決していく奈良奉行に大拍手です。

 

明治政府の県令が奈良の鹿を銃などで大量殺処分し、一時絶滅の危機に

県令の言い分:神鹿を敬うなど時代遅れの迷信で、近代化の妨げになる。鹿を殺してかわりに牛や羊を放牧して牧場にすべき。

(熊森から)県令は、鹿を殺して食べる文化を広めようとします(ジビエ料理)。

政府によって、奈良の神鹿伝統はなくなり、シカは害獣とされ、人々は有害捕獲に走るようになります。700頭のシカが、38頭にまで激減しました。

今の時代とあまりにもそっくりなのに驚きました。近代化とは人間中心・経済第一の西洋文明をまねることです。

 

◎鹿を守ろうと市民が立ち上がる

 

(明治24年7月18日)

「春日神鹿保護会」結成、リーダーは、こまものやの店主丸尾萬次郎さん

丸尾萬万次郎氏の訴え:「ご神鹿は、先祖が代々守り続けた奈良の宝やないですか」

 

(大正14年10月24日)

「神鹿問題露天大会」会場 興福寺 集まった奈良市民3000人

リーダー丸尾平次郎さん(萬次郎の息子)

丸尾平次郎氏の訴え:

奈良の鹿は誰のものでしょうか。みなさんの宝です。奈良に暮らすものはみんな先祖代々、鹿に守られて暮らしてきました。鹿に心癒されたり、角切りに夢中になったり、かけがえのない思い出がみなさんにはあるはずです。今こそ、私たちの手で鹿を守らねばなりません。力を貸してください。お願いします。

(熊森から)感動その2 魂を揺さぶられる名演説だと思います。これぞ、われら祖先の日本文化です。全生物と共存する持続可能な文明です。

この後、市民、行政、春日大社で、奈良の鹿を守ることになったのだそうです。

 

TV後談

戦争中の食料になったのか、第2次世界大戦後、鹿数は79頭にまで激減していました。

1957年、奈良(市)の鹿は国の天然記念物となりました。

鹿数が回復するにつれて、農作物被害も問題になり始めます。

1979年1981年と、被害農家が訴訟を提起。

その結果、奈良市をABCDの4地区に分け、農地のあるCD地区では、鹿の有害駆除が認められました。

感動その3 しかし、現在に至るまで、有害捕殺申請がゼロのため、旧奈良市内では1頭のシカも殺されていません。

 

(熊森の感想)

奈良の鹿にこんな歴史があったなんて、感動です。奈良の人たちを心から尊敬します。

他生物の尊厳こそが、自然保護の基本なのです。

 

 

5月31日、会津若松市の工業団地に迷い込んだクマを駆除→山へ帰す優しさを望む

5月31日、福島県会津若松市内の住宅地と工場が隣接する場所で、クマの目撃情報が相次ぎ、同日午前10時頃、地元猟友会の会員がこのクマを駆除しました。

熊森本部は、すぐに会津若松市の担当部署へ電話しました。

 

〇会津若松市の担当者のお話

クマが出没したエリアは、阿賀川とJR只見線が交差している地域で、山からは遠い。

阿賀川は、奥羽山脈から流れ出る大きな河川で、河川内には人の背丈を超す繁みが広がっている。

今回のクマは奥羽山脈の方から阿賀川を伝って北上し、JR只見線の法面の繁みに入って住宅地に侵入してしまったのだと思う。

会津若松市は、周囲を山に囲まれた盆地。

市街地と山の接する場所や河川の近くでは度々クマが出没し、行政の担当者らが爆竹等で追い払ったりしてきた。

このクマは、最終的に周囲を住宅地で囲まれた緑地の中に潜み、この後どこへ逃げるのか分からなかったため捕殺する以外の対応はなかった。

会津若松市の担当者からのお話しを基に熊森本部が作成した地図

 

 

 

(熊森から)

福島県郡山市では、2015年11月27日に工場内に入ってしまったクマを捕獲し、山へ放したという報道がありました。

今回もクマを捕獲して、山へ放獣してやる優しさが必要だったと思います。

もし自分がこのクマだったらと、共存するには常に相手の立場に立って考えてみることが必要です。

繁み伝いに移動していたら、突然町に入ってしまい、人間たちに追い掛け回されて、元来た道に帰れなくなってしまった可能性があります。

熊森本部は、今後、人間の居住区にクマが迷い込まないようにするために、河川内のクマの侵入経路となる繁みをできるかぎり刈りはらって、クマの潜み場を失くしていただくよう、市の担当者にお願いしました。

クマと人間の事故を防ぐためにも、ぜひ実施してください。

市民もボランティアで、手伝えればいいですね。

秋田県、早急に立ち入り禁止措置「やれることは全部やっています」田沢湖死亡事故

2017年5月27日、秋田県仙北市田沢湖玉川で、ネマガリダケをとりに笹薮へ入られた女性が、クマと思われる動物にかまれたり引掻かれたりして亡くなるという事故が発生しました。土曜日であったため、県や市とは連絡が取れず、熊森本部はすぐに警察に状況を聞き取りました。

 

〇警察担当者のお話

女性は、本日早朝から、お連れ様(女性)とネマガリダケをとりに山へ入られていた。笹薮の中でお互いにはぐれ、お連れ様は近くにいた他の山菜取り客に捜索を手伝ってもらった。しかし、女性が血を流して倒れているのを発見され、病院に搬送された。女性はニュースでは重体と言われているが、亡くなられている。

 

6月2日、熊森本部は秋田県庁・仙北市へ電話し、詳しくお話を伺いました。

 

〇仙北市の担当者のお話

事件現場は、田沢湖から北へ20km離れた場所で、鹿角市との境界近く。標高1000m前後で、国道341号線から近い場所にあり、国道の東側の焼山山系に属する。

この現場は、毎年多くの方がタケノコ取りに来るスポットで、去年の鹿角市での事故が相次いでいるときも、多くの方々が山へ入られていた。

しかし、これまで、この現場付近でタケノコ取りに入った方がクマに襲われるということはなかった。近くには玉川温泉郷などの観光地もある。

 

〇秋田県庁の担当者のお話

亡くなられた女性は、頭や左腕に深い引っかき傷と、かまれた跡があったようで、警察は失血死だとみている。警察の報告では、傷の状況からクマによるものと考え、県もクマによる人身事故として対応していく。女性の身体は、クマに食害された跡はない。

今後の現場対応としては、事件現場付近の笹薮への立ち入り禁止措置をとっている。事件現場は国有林で、国道から現場付近へ向かう林道を封鎖して、毎日朝4時から昼まで8人の警察官がパトカー4台で見回りし、現場へ入ろうとする人がいないか監視している。やれることはすべてやっている。

 

(熊森本部から)

この度の事件で、亡くなられた方とご遺族の方々にご冥福をお祈りします。

 

昨年の鹿角市での死亡人身事故を受け、秋田県は今年4月からの新しいツキノワグマ管理計画で、

「死亡事故が発生した場合の入山禁止、道路閉鎖等を関係機関と協力して迅速に実施する。」という方針を示しています。

 

今回の事故現場は、秋田県や関係機関によって早急に立ち入り禁止措置をとられました。このような対応は、今後さらなる人身被害を防ぐために必要だと思います。

しかし、立ち入り制限を行っても、現場を柵で取り囲んでいるわけではないので、どうしても入山される方がおられるそうです。

 

見通しの悪い森林内では、常にクマと人間が遭遇しやすい状況です。

これから事件現場へ山菜取りへ行こうと思っておられる方は、さらなる人身被害を防ぐため、入山をお控えいただきたいと思います。

 

 

「秋田県で、鈴を携帯していてもクマに襲われるケースが相次ぐ」という報道の真偽を考察する

「相次ぐ」という言葉から、みなさんはどれくらいの数字を思い浮かべられますか。

 

上記報道の根拠を確かめてみました。

2016年度秋田県でのクマとの人身事故19件発生…うち、鈴を携帯していたのは2例のみ。

2017年度秋田県でのクマとの人身事故1件発生…うち、鈴を携帯していたのは1例のみ。

20件中3例あれば、相次ぐと報道しても日本語としては許されるのでしょうか。

 

しかも、この3件は、いずれもネマガリダケのタケノコ(鉛筆サイズ)を採集中の事故です。

ネマガリダケのタケノコは小さいため、しゃがんで採集している時、鈴が鳴っていなかったことは考えられませんか。

秋田県当局に問い合わせると、「考えられますね」という返答でした。

 

ではでは、「クマは、鈴を携帯していても人を襲ってくる」と思わせる報道は、完全に国民をミスリードしたことになります。

鈴の音が鳴っていなかったのなら、鈴を携帯していたことになりません。

「相次ぐ」報道が、実はゼロ事例だったのかもしれないのです。

 

近年世間を見ていると、クマに口がないのをいいことに、マスコミ報道が国民に間違ったクマ狂暴像を一方的にセンセーショナルに伝え、何も知らない国民が、クマなどこの国からいないほうがいいのだと判断ミスするようになってきていると感じます。

 

昨年の米田一彦氏による「殺人グマ誕生!」などのマスコミ報道が、面白おかしく過激にクマを報道した結果、秋田県民がクマに過剰反応するようになり、昨年度、生息推定数の約50%にあたる476頭が有害獣として捕殺されました。マスコミの無責任報道の罪は、クマという種を絶滅させるかもしれないまでに本当に大きいのです。

 

豊かな水源の森を造ってくれるクマを凶悪犯に仕立て上げて大量捕殺の流れを作り、この国からクマを滅ぼして日本をダメにしてやろうとしている者たちがいるのかもしれないと、わたしたちは疑ってしまいます。

 

<入山時、クマとの人身事故を避ける方法>

秋田県を代表する以下のお二人のコメントに、熊森は賛同します。(以下、NHK TVニュースより)

 

①秋田県立大学星崎和彦准教授

同様の被害はどこでも起きる可能性がある。どうしても山に入る必要がある場合は、複数で常に声を出しながら行動すべきだ。
本来、クマは人を恐れる動物なので、人の声が聞こえれば逃げていく。鈴よりも人間の声の方が効果的だと考えられるので、山では常に複数で会話しながら行動してほしい。

 

②秋田県佐竹敬久知事

国有林や私有林の所有者と協力して一定期間、入山を規制することは可能だが、タケノコ採りで収入を得ている方もいるし、県の名産品にもなっている。クマがいそうな山については立ち入りを自粛してほしい。

 

(熊森から)

◎朝日新聞デジタルニュース5月22日23時「クマと倉庫で鉢合わせ 64才女性 足かまれる」の表現を高く評価します。

理由 クマ、人を襲うと書いていないから。クマに人を襲う習性はありません。印象操作をせず、事実だけを報道してくださっているのがすばらしいです。他のマスコミのみなさん続いてください。

 

◎5月27日東京朝日テレビに感謝

理由 午後6時半のクマ関連ニュースのコメンテーターとして、くまもり森山会長を電話出演させてくださいました。

6月1日 「とよ」のお世話に行ってきました よしず張り・プールの水替え・掃除・えさやり

今日は熊森本部職員3名と、お世話ボランティア5名の計8名で出かけました。

6月に入り、日差しも強くなってきますので、獣舎の上によしずを張ります。

 

現地到着後、まず最初に、サクランボでつって、「とよ」を寝室に閉じ込めました。

次に獣舎の上に登って、ヨシズ張りです。

落ちないように気を付ける

 

他のメンバーは、プールの水の入れ替え、寝室の掃除などを行いました。

 

プールが大好きなとよのためにがんばって水替え

 

寝室の掃除

獣舎の中には、フキやイチゴなど、様々な植物が生い茂っています。前回に引き続き、西獣舎の運動場で、イチゴを採集しました。

とよに食べてもらいたいと、イチゴを採集するくまもりボランティア

西側運動場には、2種類のイチゴが実っています。クサイチゴとセイヨウイチゴです。

今回も、たくさんのイチゴが、とれました。とよはたべてくれるでしょうか?

ほとんどがクサイチゴ。試食してみたらとても甘くておいしかった。

作業が終わってから、「とよ」を寝室から出してやりました。東側の運動場には、食べ物が並べられています。

イチゴ、ブドウ、モモ、ドングリ、バナナ、タケノコ、キウイ。

さて、「とよ」は、何から食べるでしょうか?

真っ先にイチゴをペロリと食べました。そして、そのあとすぐにブドウを食べ、モモを食べ、キウイを食べました。

ブドウを食べるとよ

この時期の野生のクマは、野イチゴや昆虫などを食べます。「とよ」は、野生の感覚で食べたかもしれません。

以前、「とよ」はお世話に来るスタッフを警戒し、走り寄って鼻息を立てて威嚇するなどの行動が目立ちましたが、最近はとても穏やかになりました。

お世話ボランティアのそばで、まったりくつろぐ「とよ」

 

クマは、本当に賢い動物です。人間と同じように、うれしさ、かなしさ、怒り、恐怖といった感情をもっています。

とよは、捕獲されてから、この獣舎に入るまで295日間も、暗く狭い檻の中で生活してきました。

その間、これからどうなるのかと、不安でいっぱいだったと思います。

しかし、毎日くまもりボランティアの皆さまや高代寺の方々が愛情たっぷりのお世話をしてくださったおかげで、ここまで人間に心を許せるようになりました。

皆様、いつも本当にありがとうございます。

 

野生で大人になったクマでも、愛情を持って飼えば、だんだん人間に心を開いてくることがわかりました。

まだの方は、「とよ」に会いに来てやってください。

 

 

 

 

7月2日 第6回日本奥山学会研究発表会 <聴講者募集中!>

記念講演:日本の天然林をどう守るか・・その法的手段を探る

講師:市川 守弘氏 (弁護士)

日時:2017年 7月2日(日)13時~17時

場所:関西学院大学 法科大学院 講義室(兵庫県西宮市上ケ原一番町1−155 )

定員:80名 資料代:500円(奥山学会員は無料)(学生無料)

 

日本で天然林を保護をするために必要な法的手段とは?違法伐採、過剰伐採に対する住民訴訟等の過去の事例より、国際環境法からのアプローチの可能性も含めてお話し頂きます。えりもの森訴訟、やんばる訴訟など自然保護訴訟を数多く手がけてこられた先生のご講演です。是非ご参加ください。

チラシ

 

昨年度第5回日本奥山学会発表会会場のようす

於:関西学院大学 法科大学院 講義室

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