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ヨーロッパなどでは、再生可能エネルギー万能論はもうない 青山議員再エネ賦課金廃止を訴え

第213回参議院経済産業委員会(令和6年5月16日)で、・低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案及び・二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の両案が一括して審議されました。


以下は、熊森の文責で、自由民主党の青山繁晴議員の質疑応答の要旨をまとめたものです。
(質疑応答の全文をお読みになりたい方は、上の青山繁晴議員の質疑応答をクリックしてお読みください。)

 

 

 

 

 

 

<以下、概略要旨>

青山議員

水素法の審議を通じて、いまだに再生可能エネルギー万能説のような主張も聞きます。(水素法が)またぞろ太陽光パネルを増設する理由にされるのではと危惧しております。知床でも長崎県の五島列島(宇久島)でも、太陽光パネルを敷き詰めて環境を破壊するのはもうやめてほしいという地元からの訴えがあります。
大規模太陽光発電や巨大風力発電(陸上・洋上)は、森林や海の自然破壊であるというのは、もう自明の理です。しかも廃棄物の処理方法がない。(再エネをさらに拡大することがないように)再エネを拡大して水素を作ることを一定限度内にとどめるべきじゃないでしょうか。
齋藤経産大臣答弁
※Sプラス3Eを大前提に、特定の方法のみに依存することなく水素等の安定供給を実現していくことが大事ではないかと考えています。

※くまもり注:S+3EとはA安全性(Safety)を大前提とし、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時達成するという意味です。
熊森から政府への注文:国民に分かる日本語で政治をやってほしいです。

 

青山議員
再生可能エネルギー万能論は、もうとっくにヨーロッパでも中東でもなくなっています。再エネ賦課金は、もう廃止すべきじゃないかと思います。
齋藤経産大臣答弁
政府としては、再エネ特措法がございますので、この法律に基づいて、2030年度の電源構成比に占める再エネ電気の割合を36%~38%にするという目標がありますので、この実現に向けて再エネ賦課金は私は必要なのではないかと思っています。
青山議員
(当時は)福島原子力災害後だったので、太陽の光や普通に吹いている風で発電できるならいいねとなったのですが、やってみると低周波障害などいろいろデメリットが明らかになってきた今、当初の再エネ賦課金のロジックはもう崩れていると思います。
実は、日本が風力発電を強化する前に、デンマーク環境省当局者3人と議論した時、いずれも、風力発電は日本には合ってないよ、まず陸でやってきっと失敗するだろう、で、海に出ていくだろうが、日本は遠浅の海が少ないので、これもまた余計な負担を強いられることになると懸念も示されたわけです。残念ながら、長い月日を経て、今現実になっているわけです。
齋藤経産大臣答弁
2030年度目標を実現しなくてはいけないというその前提があります。この目標を下げていいんであれば、これはもう楽になるんですけど、そうもいかないということであります。
青山議員
これ、政権党の現職議員が今の国策を変更をしたいという意思表明しているわけです。もちろん自由民主党全体の意見にはまだなっていませんけれども。ちょうど今、エネルギー基本計画の新しいものの策定にも入ったところですし、当然私はその主張もしていきたいと思います。水素を作るときに再エネに過度に依存しないために(日本海の海底に豊富に存在する)自前の海洋資源であるメタンハイドレートからの水素製造にも注目していただきたいと思います。
齋藤経産大臣答弁
私は、メタンハイドレートも含めた自前資源による水素の製造の可能性というものはしっかりと追求をしていかなくてはいけないと考えています。
青山議員
次に、CCS法案について質問します。CCSというのは、 カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージ、つまり二酸化炭素をつかまえて、土の中に埋める、貯蔵するという新しい国策事業、要は地層処分です。 太陽光パネル、風車の巨大なブレードも、恐らくは結局は(廃棄時)地層処分、土に埋めましょうということになると思います。地震の引き金になったりしないか、太陽光パネルの中の毒物が地下水に混じったらどうなるのかという懸念もあります。地層処分は海外もやっているというのは全然あてになりません。大体、再生可能エネルギーは万全だと言っていたのはヨーロッパ諸国でしたから。現段階では、CCS技術は国民の不安を払拭するに至っていないと思います。
熊森から

再エネによる国土自然破壊・海洋破壊にはすさまじいものがあります。国が推進しているからか、批判的な報道がない上、一般国民の見えない場所で実施されているため、まだ、国民の多くは再エネの恐ろしい実態に気づいていないと思います。私たちも最初、再エネは素晴らしいものなのかと思っていました。各地の事業現場を見に行って、この国を潰す気かと絶句しました。


次の選挙では、大規模にわが国の自然を破壊し続けている再エネという名の地球破壊事業を止められる人たちを選ばないと、もうこの国に、人類に、未来はないと思います。

近藤邦明氏は、そもそも今わが国で行われている「再エネ」は環境に配慮したものなんかではなく、

製造過程も考慮するといっそう空気中のCO2濃度を増しているだけで、自然エネルギー発電システムは、火力発電システム以上に化石燃料を浪費する

と言われています。

また、杉山大志氏は、我が国がたとえ2050年にCO2排出量をゼロにしたところで、

地球の平均気温は0.006℃しか低下せず、(地球温暖化抑制になんら)意味がない

と言われています。

 

再エネ事業は電気の安定供給や地球環境のために進められているのではなく、

経済界や国内外の投資家たちが莫大な利益を得るためにだけ進められている経済活動事業

であるという真実を、マスコミは国民に伝えるべきです。
齋藤健経産大臣は、大学を出てからずっと資源エネルギー政策に関与してこられたそうです。一方、青山議員がエネルギーに専門家としてかかわって四半世紀。この二人の質疑応答がどうなるのか、今回、非常に興味がありました。
青山議員は非常によく現実を見ておられます。
齋藤大臣も、再エネの問題点についてはさすがにわかっておられるのでしょうが、大臣は内閣の一員で国策を推進する立場にあるので、わかっていても、政府の意に反したことは言えないんだろうなと、答弁を聞いていて感じました。
ただ、大臣は、自然エネルギー100%をめざすのではなく、エネルギーはベストミックスであるべきと考えておられることがわかり、少しだけ、ホッとしました。
しかし、閣議の中では、専門知識を生かして、信念に基づく発言をし、総理をはじめ閣僚たちの認識を変えていっていただきたいです。すべては日本国と日本国民のために。
一度動き出してしまった国策を方向転換させることは大変でしょうが、取り返しのつかない再エネのデメリットが現在明らかになってきた今、熊森は、青山議員が言われるように、電気代に上乗せされて私たち国民から強制徴収している再エネ賦課金を、早急にやめるしかないと思います。気づいた時に方向転換する。その勇気が政治家に求められます。再エネ賦課金が廃止されると再エネ事業は成り立たなくなり消滅します。カギを握っているのは再エネ利権のない私たち一般国民なのです。
間違った国策の方向転換には、有権者たちの大声が必要です。絶望的な再エネ自然破壊に気づかれたみなさん、声上げをがんばりましょう!全生物のために、次世代のために、山川海田畑を守りたい人は、ぜひ日本熊森協会の再エネ森林破壊から大型野生動物たちが棲む水源の森を守る活動にご参加ください。(完)

NHK盛岡 再生可能エネルギーか?絶滅危惧種イヌワシか?を見て

NHK盛岡2024年07月04日放映

再生可能エネルギーか?絶滅危惧種イヌワシか?両立のジレンマ

 

 

 

以下は、上記番組を見て書かれた文です。

本人の了承を得て、以下に紹介させていただきます。

 

風力発電とイヌワシは、両立しない

 

比企の太陽光発電を考える会(埼玉県) 小山正人(獣医)

 

このNHKの番組のタイトルに「再生可能エネルギーか?絶滅危惧種イヌワシか?両立のジレンマ」とあります。ジレンマとは、相反する二つの事の板ばさみになって、どちらとも決めかねる状態のことですから、一方的に風力発電が進められている現状ではタイトルとしてふさわしくないと思います。

 

番組の中で油井先生が重要なことをおっしゃっていました。「風力発電所が建設されると、衝突を恐れて、発電所の周囲500mはイヌワシをはじめほとんどの鳥が近づかなくなり、餌場として使えなくなる。貴重な餌場が減ることで、イヌワシが飢餓状態に陥ってしまう。このまま発電所の建設が相次いだら、あっという間にイヌワシは滅んでいなくなる。このままでは、第2のトキになってしまう」むしろバードストライクよりこのことの方が深刻なのです。

 

イヌワシが繁殖能力を持つようになるには、生後4年かかります。イヌワシのつがいは、日本全国あわせても200つがいしかいません。それに繁殖能力を持たない4歳未満の若鳥100羽を合わせても全国で500羽しか生息していません。

 

この200つがいを維持するには、繁殖成功率が36.17%以上必要であることがわかっています。繁殖成功率とは、全つがいのうちヒナが巣立ちしたつがいの割合です。かつて40~50%であった繁殖成功率は、1990年頃から激減し、現在は11%です。つまり、何もしなくてもどんどん減っている状態であり、風力発電施設を作る余地などないのです。風車とイヌワシの両立など到底無理、直ちに風力発電計画を中止にしなければならないと言えます。

 

記事の最後の方に出てくる風力発電事業者社長は、取材に対し「これだけの(イヌワシ調査の)負担増は、風力発電事業をやっていく上では経済的に難しい問題はある。イヌワシが餌を実際にとっているかをしっかり確認し、イヌワシの保護にもデータをいかしていきたい。我々ができる範囲で対策を講じれば、イヌワシと風力発電所は共存できると思っている」と述べています。しかし、ここにも大きな落とし穴があります。今のつがいが餌場として使っていなくても、風力発電機を建てることによって次世代のイヌワシがなわばりを作る場所を狭めていることになるのです。

 

岩手県は、「再エネ拡大の一方、イヌワシの保護の方針も当然、掲げている。どちらも環境を重視した政策。どちらかを無視することはできない。」と言っています。どちらかを無視することはできない、本当にそうなのか?と考えてみる必要があります。イヌワシの生息地を変えることはできません。生態系が失われたら二度と元には戻らないし、イヌワシが絶滅したら元に戻りません。一方、風力発電は他の発電方式に変えることができます。そもそも現在計画されている風力発電施設をすべて設置したとしても国内全電力量の1%にすぎません。そのわずか1%の電力を得るための犠牲が大きすぎると思いませんか。

 

環境省は、令和3年8月19日に「イヌワシ生息地拡大・改善に向けた全体目標」を策定しました。全国の目標つがい数を206つがい、繁殖成功率を36.17%と定めました。この目標が達成できていない以上、国は風力発電開発を止めなければならないと思います。

 

 

熊森から

すごい視点です。多くの方に伝えたい。

福島県からまっとうな声があがった!福島民報6月30日玄侑宗久氏の文「ソーラーパネルと熊」

 

 

 

熊森から

 

福島からのまともな声をやっとキャッチできました。
このような文を掲載してくださった福島民報に感謝します。
書いてくださった玄侑宗久さんは、まっとうな方だと思いました。

 

福島の山は、メガソーラーや風力発電で、すでにズタズタです。

今後もますます脱炭素という偽名目で、巨額のもうけを狙う人たちによって森林破壊が続いていくと思います。

 

彼らは今さえ自分さえ儲かれば、日本の水源の森なんか、どうなってもいいのです。
森の動物たちが生きられなくなって困ってしまい、里に出て片っ端から殺されていても、地元の人たちがどんなに困っていてもいいのです。

 

国も大手マスコミも、みんな彼らとつながっています。ならば、利権のない一般国民が組織的に声を上げるしか、この国を守る方法はないのです。

 

残念ながら福島県には熊森協会の支部がないので、熊森も動けておらず、やきもきしています。本部としては、どなたか福島県に熊森協会の支部を作ってくださいと叫びたい気分です。

支部ができたら、森林破壊の止め方を伝授します。

全ての命を大切に クマによる八甲田タケノコ採り女性死亡事故の終え方提案

6月25日朝、青森市郊外にある八甲田山地獄沼周辺(十和田八幡平国立公園特別保護区内)で、タケノコ(ネマガリダケ)採りをしていたむつ市の80代女性がクマに襲われ意識不明の重体となり、市内の病院で死亡が確認されたということです。死因は、多発性外傷ということです。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

 

起きてしまったことはもうどうしようもないのですが、問題は、この後どうするかです。

 

現地は国立公園の特別保護区であり、自然公園法によりすべての動植物の捕獲採集が禁止されている場所です。
もちろんタケノコ(ネマガリダケ)の採集も禁止されています。ここは野生動物たちの国なのです。

 

6月26日、西秀記青森市長は、(権限を持つ林野庁に)入山規制を要請したということで、妥当だと思います。

 

6月27 日、県や市は登山道を当分の間、閉鎖することにしたそうです。これも妥当だと思います。

 

 

 

 

 

NHK青森より

 

同時に、7月1日から現場に檻を設置してクマを捕獲することになったそうです。

ちょっと待ってください。これは問題です。
びっくりして行政に電話しました。

 

熊森「罠には誘引剤を入れるのでクマはかかるでしょうが、かかったクマが今回の死亡事故と関係があるクマかどうか、どうやって判定するのですか?現場に残されていたクマの毛と同じかどうかDNA鑑定でもするのですか?」

 

行政「そんなこと全く考えていません。別のクマがかかるかもしれませんが、クマが増えているので、別にいいんです」

 

熊森「クマが増えているって言われますが、青森県は去年生息推定数の53%のクマを有害駆除されていますよ。クマが増えたなどあり得ません」

 

行政「クマを駆除してくれという声がたくさん入っているんですよ。忙しいのでこれで。」

 

熊森から

早速、青森県知事と青森市市長に、冤罪グマを死刑にするようなことは、人間社会のためにも良くないという要望書を入れたいと思います。どちらも素晴らしい首長さんですから、わかっていただけるのではと期待します。

こんなことを認めていたら、いずれ人間社会も何らかの事件が起きたら、冤罪でもいいから誰かを死刑にしてしまえとなっていくと思います。

そんな恐ろしい社会はいやです。

クマの国に人間が入っていって、クマたちの大切な食料を取っていた時に起きた事故です。
人間もびっくりしたでしょうが、クマもびっくりして前足で人間をはたいたんだと思います。

クマはその場に10分間ほどいたということです。
クマは倒れた人間がどうなってしまったのか心配になって見ていたのかもしれません。
殺して食べてやろうなどという気はなかったと思います。
クマが食べたいのは、ネマガリタケなのです。

 

罠かけは意味ないでしょう。
どうしても掛けるなら、DNA鑑定して、無関係なクマなら放獣してください。
人身事故、まして死亡事故は痛ましいですが、あくまで事故なのです。
クマの国で起きた事故に対して、無関係なクマまで捕殺するなら、それは八つ当たりであり、正しい人の道ではないと思います。
行政の皆さんが責任を感じて何か行動をと思われるお気持ちはわかりますが、クマの国に罠を掛けて無関係なクマを殺すのはおかしいです。今少し冷静になっていただきたいです。
熊森は、全ての命が大切にされる社会、殺さなくてもいい命は殺さない社会を望みます。

とよに事務所のヤマモモを届ける

一切お世話をしていないそうですが、事務所のヤマモモの木に、驚くほどいっぱい実がついています。

ヤマモモは暖地性の植物で、尾根のようなやせ地でも育つそうです。

これまで北海道にいたので、ヤマモモを見たことがありません。

とよ君に内緒で味見をしました。

紫色に熟したのはそこそこ甘かったのですが、赤いのは酸っぱい!

グルメのとよ君のためできるだけ熟した実を採ってやりました。

とりあえず、ビニール袋2つ。

 

 

早速、担当の方にお願いしてとよ君のお世話日に持っていっていただきました。

ボランティアさん、差し入れありがとう!

とよ君がおいしそうにやまももを食べている様子をみなさんも下の動画で見てください。

 

 

とよ君はクワの実も大好きで、会員の庭に植えられた桑の木にびっしり実る実を、毎年、とよ君に差し入れしているそうです。

肥沃な大地である平地の木々の実りは豊作です。

山の木々(液果・堅果)は、元々、平地ほどは実らないのでしょうが、里に出て来ているクマたちが山に帰れるように、もう少し実ってほしいです。

兵庫県三田市で数年前に皮むき間伐したスギを、すべて伐採!~ボランティアさんの底力~

7年前、熊森は兵庫県三田市で、多くのボランティアさんに参加していただき、放置人工林の皮むき間伐を行いました。
(以下は、当時のブログ)

6月4日(日) 皮むき間伐フェスタ開催!!

 

皮むき間伐は、チェーンソー不要、小学生でも手軽にできる間伐です。

ただし、簡単に皮がはがれるのは、木が地中からどんどん水を吸い上げている6月前後の成長期だけです。

 

今回の熊森の出動は、皮むきされて立ち枯れた木がシカ除けネットに倒れ込んで、シカが畑に入って来たという地元からの連絡を受け、
この際、フィールドチームで全部片づけようとなったものです。

 

伐採する箇所は3か所で、伐採すべき木は300本近くもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

<現場A>

ここは、倒木が小屋の上に倒れる恐れがあり、緊急性の高い場所です。
延べ2日間、作業人数5人で終了しました。

 

 

 

 

 

 

<現場B>
密植しているため、伐採時には隣の木に引っかかってしまうことも頻発。

ボランティアさんたちは、伐採した木の枝打ちや整理を積極的に行ってくださいました。

現場Bは延べ5日、作業人数延べ18人で終了しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓Before

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑After

 

<現場C>
ここはスギの密度が特に高いため、作業前に念入りにミーティングをし、みんなで情報を共有しました。

 

現場Cは延べ3日間、延べ16人で作業完了!

 

↓Before

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑After

山主さんから「本当によくやってくださいました。」とお礼の言葉を頂き、うれしかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

3月から本部フィールドチームとボランティアさんたちで合計8回にわたり作業した3か所の現場。
延べ32人というたくさんのボランティアさんにご参加頂きました。
初めて参加して下さったボランティアさんがほとんどでしたが、みなさん「楽しかった!」
「目に見えて達成感ある」「いい汗かきました」と満足して笑顔。
くまもりの底力は、会員さんのボランティアだなと実感できる場面でした。

ご参加下さった皆さん、本当にありがとうございました!

 

 

 

 

熊森から

皮むき間伐は、元々建築屋さんが木の皮をむいて立ち枯らし、1年後に材が乾燥した頃、山から伐り出して使用するものです。

しかし、熊森の活動は奥山が主で伐り出しが難しいため、皮むき間伐後に材を使用する予定はありません。

今回、伐採を担当した職員が、皮むきされて皮がない材を伐ろうとすると、幹がくるくる回って伐りにくかったと言っていました。

皮1枚といえども、あるとなしではそんなにちがうのですね。

ならば、最初からチェンソーで伐採しておけば、2度手間にならなかったという反省があります。

しかし、皮むき間伐にかかわってくださったみなさんが、山の事や木のことについて楽しく学んでくださったと思うと、

三田市の皮むき間伐は、意味があったと思います。

この後、ここの人工林がどう変化していくか、見守っていきたいと思います。

 

 

とよくん獣舎のペンキ塗り作業がおわってピカピカに❗

豊能町高代寺内にあるとよくんの獣舎の塗装作業は5月17日に始まり、途中雨で作業日が変更になることも多々ありましたが、ようやく昨日終了しました。

以前より濃い緑色になり、周囲の樹木とも調和しているようです。

 

before

 

 

 

 

 

 

 

after

 

 

 

 

 

 

 

 

ペンキの匂いが大好きなとよくんは、顔や身体をスリスリとこすりつけてペンキの匂いを堪能(?)していました。

 

 

 

ちょっぴり鼻にペンキがついているところもご愛敬。

 

 

連日作業をじゃますることなく、じっと静かに見守っていたとよくんの姿に塗装屋さんも、「かわいいね、えらいね」としきりにおっしゃっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にご褒美のハチミツをもらって夢中に舐めるとよくん、きれいになった獣舎で快適に暮らしてね!

 

皆さん、獣舎にぜひ遊びにきてください。

週に1度のお清掃ボランティアも募集していますので、こちらもご参加お願いします!

 

【お掃除ボランティア】6月は11日(火)・16日(日)・25日(火)を予定しています

ぽつんと一軒家に住む犬たちが、うれしそうに散歩に飛び出したのに家の前で動かなくなった訳

先日、和歌山県の山の中の一軒家に住む方を訪れた際に、お聞きしたお話です。

 

山に犬を捨てる人がいて、その方は3頭も保護飼育されています。

8月のある日、いつものようにうれしそうに家から散歩に飛び出した犬たちですが、家を出たところで立ち止まり、地面の臭いをかいでいたと思ったら、今日は散歩に行かないという感じで家に戻ってしまいました。

後でわかったのですが、離れたところにあるクリの木に、クマが来ていたのです。

足跡の臭いを嗅いだだけでわかるんですね。

争いを避ける動物たちの対応をすばらしいと思いました。

 

またこれも8月のある日、周囲のまだ青いクリの木の実を食べに、サルの群れが突然現れました。

今度は犬たちは、サルの群れに向かって一斉に吠えながら追いかけていきました。

サルの群れはどっと逃げていきましたが、しばらくするとまたもどってきました。

するとまた、犬たちが飛び出していって吠えながら追いかけます。

サルの群れはまたどっと逃げていきます。

これをこの日7~8回繰り返したところ、これ以来、サルの群れがここに来ることはなくなったそうです。

 

実際に闘ったり殺したりせずに折り合いをつけていく動物たちの知恵は、人間以上だと思いました。

 

自然の中で野生動物たちと人間が共存するには、犬が不可欠ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山の中の一軒家で保護飼育されている犬たち

 

この犬たちは、なぜか家の中にいることを好むそうです。

スクープ!指定管理鳥獣化主導の北海道でヒグマ個体数が過大に推定操作されていたことが判明

(はじめに、熊森から)

現在のクマの生息数推定計算は非常に複雑になっており、専門家でないとチェックは不可能です。
統計学の専門家である元日本福祉大学経済学部教授の山上俊彦先生は、この度、北海道のヒグマ生息数の推定過程を精査され、過大推定となるようにように操作されていることを見つけられました。

 

(本文)

以下は、山上俊彦先生のお話をまとめたものです。

 

北海道庁はこれまでクマの個体数推定方法を、全国で唯一非開示としてきましたが、2024年3月末の北海道ヒグマ保護管理検討会にて、やっと、道総研(地方独立行政法人北海道立総合研究機構産業技術環境研究本部エネルギー・環境・地質研究所)の研究者に依頼してきた1990年~2022年度末におけるヒグマの個体数推定方法の概略を提出しました。

 

概略なので大まかな輪郭が示されただけです。詳細まではわかりませんが、それでも今回の発表で、なぜヒグマの駆除数がこれだけ増加しているにも関わらず(2021年度のヒグマ捕殺数1030頭、放獣ゼロ)個体数推定値が増加し続けているのかがはっきりしました。

 

北海道ではヒグマの個体数を推定するにあたって、まず、北海道を7つの地域に分け、高密度地域は33頭、中低密度地域は20頭程度のヒグマから得たヘア・トラップ調査に基づいて、メスの生息密度を求めています。

 

例えば、渡島半島地域では2012年に渡島西部地で実施したヘア・トラップ調査の結果から、メスの生息密度推定値の95%信用区間は、下限値0.141頭/k㎡~上限値0.327頭/k㎡で、中央値は0.215頭/k㎡でした。

 

これに森林面積をかけて、メスの上限個体数を推定するのですが、当然のことながら、中央値である0.215頭/k㎡に森林面積をかけなければなりません。空間明示型標識再捕獲法(ベイズ統計学)を用いてクマの個体数を推定するにあたって、他府県では皆そうしています。ところが、北海道はなんと、上限値に森林面積をかけているのです。

 

しかもその森林面積はクマが生息できる自然林でなければならないのに、多くの人工林を含めた森林面積をかけているのです。

 

このように北海道庁が、生息密度の中央値ではなく上限値を用いたり、針葉樹の人工林を生息地にカウントしたりするなど、個体数が過大に推定されるように意図的な操作をしていたことがわかりました。

 

生息密度の上限値を用いた上限個体数を設定して計算機実験を行うと、個体数は非現実的な値に接近するまで増加し続けることになります。

 

しかも1990~2012年の間は個体数が増加し続けるように事前にプログラミングしていたこともわかりました。

 

その結果、全道の 2022 年時点のヒグマ個体数推定の下限値、中央値、上限値は、それぞれ 6,264頭、12,175頭、21,347 頭となっています。このとき、生息密度の「上限値」を用いて求めたのが個体数公表値の「中央値」となっているのです。
もし、このような操作がなされていなければ、北海道のヒグマ生息数は7000頭程度になります。実際の頭数は人間にはわかりません。

 

ヒグマを指定管理鳥獣に指定した環境省令は、このような北海道の個体数過大推定操作を精査せずに決定したものであり、この際、環境省は管理指定鳥獣にヒグマを指定したことを無効とすべきです。環境省のチエック機能はどうなっていたのでしょうか。このような操作によって国からクマ捕殺交付金を得ようとした北海道の要求は、誠に不当であると言わざるを得ません。

 

以下グラフは、道総研による、ヒグマ推定個体数の変化です。

 

 

 

熊森から

ヒグマの生息数が増えたか減ったかは、いつと比べるのかで答えが変わってきます。1990年という年はヒグマの生息数減少が危惧され、絶滅するのではないかと心配されて、道庁が春グマ狩りを廃止した年です。その年と比べるなら、ヒグマは増えたという答えしか出てきません。北海道開拓のころは間違いなくもっともっといたはずです。

 

では、何頭だったら適正頭数なのかということですが、クマという動物は、葉が繁る森の中を単独行動で大きく移動し、木々が葉を落とす冬には冬ごもりにはいってしまうという生態上の特性があるため、何頭いるのか生息数のカウントが不可能な動物です。まして適正頭数など、人間が決められるようなものではなく、生態学において「適正頭数」の判断基準などありません。

 

グラフの2022年推定個体数をみると、上限値と下限値の差が15000頭と幅があり過ぎです。もし、下限値が実態を反映していた場合、ヒグマが増えているとは到底言えません。

 

これからのヒグマ対策は、ヒグマの推定個体数に右往左往するのではなく、人身事故や農作物などの被害をどう減らすかに重点が置かれるべきだと熊森は考えます。多くいても人間のいない所にヒグマがいるのであれば問題はないし、少ししかいなくても人間の近くに出てくるようであれば問題です。現在、行政は、クマの個体数推定に膨大な予算を使っていますが、無意味です。こんな簡単なことに、専門家と言われる人たちがなぜ気づかれないのか不思議でなりません。

 

私たちの税金は、ヒグマを殺すことではなく、生息地再生や被害防除対策など、人とヒグマが棲み分けられるようにすることに使っていただきたい。その方が、道民の皆さんのためにもなると思うのですが、道民の皆さん、いかがでしょうか。(完)

 

 

マスコミはクマを悪者にしたてるのはやめて 軽トラに突進した根室母グマ報道の問題点

昨年から、なぜかマスコミのクマ報道が、「クマは悪者で捕殺の対象」というもの一辺倒に変わりました。目に余るひどいクマ報道の連続です。アルメディアの方は、クマを悪者にすると視聴率が取れると言っていました。

クマは本来とても平和的な動物で、人間に遠慮してかわいそうなくらいそっとこの国で生きています。

こんな報道が続くと、クマという動物を全く知らない多くの国民が、人を襲う恐ろしい動物という間違った固定観念をもってしまいます。

 

今回の根室の軽トラに突進した母グマの報道でも、子グマを守ろうとした母グマの行為であったことがほとんど取り上げられておらず、ヒグマ凶暴、軽トラの被害ばかりが強調されています。以下は報道の見出しです。

 

・【クマ】軽トラックに襲いかかる 北海道・根室市
・北海道根室軽トラックにヒグマが衝突乗っていた2人けがなし
・【衝撃】ヒグマが軽トラックに体当たり フロントガラス破損

 

ニュース映像に使われたドライブレコーダーを注意深く見ると、一番初めに一瞬子グマが画面左に歩いていく姿が映っています。
(子グマと母グマの文字は、熊森による挿入)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この子グマのことに触れないと、なぜ母グマが軽トラにとびかかったのかが視聴者に伝わりません。

 

地元の方に聞くと、この軽トラックを運転していたのはギョウジャニンニクを採りに、国道からそれた山道に入り込んで行った地元の方だそうです。母グマにクラクションを鳴らし、パニックに陥らせています。ヒグマの生息地に入るのですから、最初に子グマを見つけた時点で一旦停止してそっと引き帰るという最低限のマナーを守るべきです。

 

突進してきた母グマの後ろにも、もう1頭の子グマが現れますが、この軽トラは無視してこの林道をぶっ飛ばしていきました。

 

また、根室市がこの母グマに捕獲罠を仕掛けるとの続編ニュースも、人間側の視点ばかりです。以下は報道の見出しです。

 

・ヒグマによる「軽トラック襲撃」を受けて「箱わな」緊急設置へ 今月中にも周辺2か所に車体は大きく損傷、、、北海道・根室市

・軽トラを襲ったクマ箱罠を設置し捕獲へ「人身事故につながる危険」北海道根室市

 

行政は、罠を掛ける前に、この軽トラを運転していた方を指導したのでしょうか。

 

物言えぬ生き物たちに全責任を負わせるという最近のマスコミ界の倫理感も問題です。

 

根室市は、道の駅の横に罠を掛けることを考えているそうです。しかし、罠の中にはハチミツなどクマの大好物が入っていますから、遠くのクマまで誘引してしまいます。北海道ではクマ放獣体制がありませんから、罠に掛ったクマは100%銃で殺処分されます。
この辺りは元々ヒグマの生息地で、何かを狙ってクマがやって来たのではなく、元々の通り道だということです。
根室市担当者によると、地元ではクマを捕獲してほしいという声も出ていないということですから、根室市は罠を掛けないようにお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

根室の道の駅(鈴木支部長撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

道の駅横の熊注意や立ち入り禁止看板(鈴木支部長撮影)

 

注意看板は必要です。
根室市さん、今後ともヒグマとの共存をよろしくお願いします。

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