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くまもりNews

<くまもり本部2017年3月度> 森林整備・環境教育・クマ飼育 ボランティア募集(会員・非会員)

※拡散希望

熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。

以下に、3月度の予定を掲載させていただきます。

会員・非会員に関わらず多くの方々にご参加していただきたいです。

学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。

ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。

本部電話番号 0798-22-4190

本部FAX番号 0798-22-4196

メール contact@kumamori.org

 

2017年3月の活動予定

 

<いきものの森活動>

①3月7日(火)人工林のヒノキ皮むき間伐のための選木

      (兵庫県三田市酒井)

集合時刻・場所 午前9:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。自車参加も可能。

 

②3月12日(日)くまもり広葉樹苗木畑のシカよけネットの補修

      (兵庫県宍粟市千種町鷹巣)

集合時刻・場所 午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー

  • いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、どなたでもご参加いただけます。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。自車参加も可能。

天候不順で中止になることがあります。

当日連絡先090-1073-0980(担当:家田)

 

<環境教育部例会(於:本部事務所)>

③3月2日(木)10:15~ 見学も歓迎。

  • 小学校や保育所などで、森や野生動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育部例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。

 

<保護飼育グマのお世話>

④とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)

3月2日、9日、16日、23日、30日(毎週木曜日) 

  • 大阪府豊能町高代寺で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。

現在はとよ君が冬ごもりに入っているので、安否確認のみになります。3月中旬には冬眠が明けると予測されます。

現地までの交通手段がない方は、本部にご相談ください。自車参加も可能。

 

⑤太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石高原)

3月26日(日)(毎月第4日曜日)

和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。

集合時刻・場所 午前8:30に阪急夙川駅南口ロータリー

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。自車参加も可能。

 

 

・環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。

・本部の車に乗車される場合は集合場所から現地までの交通費は不要です。

多くのみなさんのご応募をお待ちしております。

どうぞ、よろしくお願いします。

2月25日(土)マジですか?兵庫県森林動物研究センターが、兵庫のクマが絶滅の危機を乗り越えたというシンポジウムを開催されるそうです

兵庫県森林動物研究センターが開設10周年を記念して、「絶滅の危機を乗り越えたツキノワグマの保全管理」という題で、シンポジウムを企画されています。(シンポジウムの詳細チラシ)

そこまでやるかと、熊森は驚きました。

本気で、兵庫県のクマは絶滅の危機を乗り越えたと思っておられるのでしょうか。

優秀な方たちばかりなのに信じられません。

 

 

チラシには、「平成8年度、兵庫県内のツキノワグマの生息数は減少を続けており、このまま放置すれば絶滅が心配されたため、県は保護を目的に狩猟を禁止しました。それから20年、絶滅の危機を脱したと判断できるまでに推定生息数が回復しました。この間に取り組んできた研究成果を紹介し、今後の保全管理の在り方を考えていきます。」とあります。

 

あきれ返るとはこのことでしょうか。

まるで、平成8年度に、県が自主的にクマ狩猟を禁止したことになっています。事実を曲げ過ぎです。

しかも、センターができて10年ですから、20年間の研究成果はないはずです。

 

平成4年に、兵庫県ツキノワグマが絶滅寸前に陥っていることを知った当時尼崎市の中学生たちが起こした激しいクマの保護運動があります。署名を集めたり新聞やラジオ、テレビに次々と出て、中学生たちは、「兵庫県のクマが絶滅する。みんなで守ろう」と、大運動を展開しました。

兵庫県に狩猟禁止を何度も申し入れましたが、当時、県は、全く聞き入れようとしませんでした。

また、平成4年には、猟友会の狩猟自粛発表がありました。

当時、環境庁は、平成6年に、兵庫県クマ狩猟禁止を発表しました。

多くの声があって、やっとのことで県が最後に動いたのです。

そのことは、きちんと書くべきでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、平成8年に兵庫県が狩猟を禁止したから、クマの絶滅が回避されたのか、兵庫県森林動物研究センターの説を検証してみましょう。

以前、兵庫県でどれくらいのクマが狩猟されていたのか、以下のグラフをご覧になって下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラフは2度クリックしていただければ、大きくなります。

現在、平成以前の有害駆除数が未入手となっています。近々、入手次第、差し替えます。

 

兵庫県でクマを狩猟していた人など昔からほとんどいませんでした。

平成8年の狩猟禁止前20年間のクマ狩猟数は194頭(年間平均約10頭)です。

平成8年の狩猟禁止後20年間のクマ有害捕殺数は237頭です。(年間平均約12頭)です。

狩猟で獲られていたクマよりも有害捕殺で獲られたクマの方が多いのです。

 

兵庫県のクマが絶滅の危機に陥ったのは、戦後の奥山の人工林化と開発という行政の奥山破壊政策の結果です。兵庫県森林動物研究センターは、まだ、主原因を隠し通そうとされるのでしょうか。

 

当時新聞に載った朝日稔兵庫医科大教授(動物生態学)のコメントをかみしめてほしいです。

●1992.1.14 朝日新聞

スギ、ヒノキといった人間にとっては有用な人工林に山がどんどん変わっていく。冬眠に必要なブナや天然スギの大木が伐採されている。開発が進んでいる西日本では特に深刻で、九州で絶滅したように西日本でもクマは絶滅の危機にある。

 

●1992.3.24 神戸新聞

過去の森林伐採で破壊された生息環境を動物たちが棲める状態に戻さないと、餌を求めて畑を荒らすなどの被害はなくならない。国などが中心となってクマの生息地の自然環境の保護に取り組む必要がある。

 

広大な人工林は今もそのまま放置されており、全く改善されていません。その上、10年ほど前からは、クマたちにとって生きていく上で最後の頼みの綱であったわずかに残された自然林まで大荒廃してしまいました。この状況でクマが絶滅の危機を脱したというのなら、兵庫県森林動物研究センターのみなさんは、生きられなくなって人里に出てきたクマの数だけしか見ていないのではないかと、心配になってきます。

 

関心のある方は、シンポジウムに参加してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカンジナビア半島のクマが史上最高の年増加率16%を記録したわけ

「野生動物の管理システム」梶光一・小池伸介著(講談社)の本の中に、ジョン・スウェンソン氏(ノルウェー生命科学大学教授)が書かれたスカンジナビア半島のブラウンベアについての1章があり、興味深く読ませていただきました。

 

スウェーデンのクマの個体数は、1994年当時、年間増加率が16%となり、これはヒグマの世界史上、一番高い増加率だそうです。

 

いったい何があったのか興味深く読ませていただきました。感想としては、日本と全く条件が違う国での出来事だということです。

 

スカンジナビア半島の2王国であるスウェーデンとノルウェーについてまず調べてみました。

スウェーデン

国土面積…日本の1.2倍  人口988万人  クマ数3300頭

ノルウェー

国土面積…日本の1倍強  人口521万人  クマ数300頭

 

かつてスウェーデンでは、国が高額の報奨金を出して、クマ根絶殺害を行っていたそうです。

1911年の推定生息数は130頭、ほぼ絶滅状態でした。保護策に転向し、1943年には300頭ぐらいになっていたそうですが、この年狩猟を再開したため、高い狩猟圧によってあまり増加しなかったばかりか、減少に転じたりもしました。1981年には狩猟の割り当て頭数を決めたり、1992年からはメスの捕獲数を減らす制限を加えたりしたところ、史上最高の年増加率16%という5年で倍増する高い増加率を記録しました。現在の増加率は狩猟圧もあって、年間4.4%以下だそうです。

 

スウェンソン氏の考察によると、人間に迫害され続けてきたヨーロッパのヒグマは、初産年齢が低くなり、メス1頭当たりの産子数が多くなり、出産から次の出産までの期間も短くなっているそうです。

 

(熊森感想)

人間が殺せば殺すほど、滅びまいとしての本能が動物(ヒグマ)に働き、どんどん子を産むようになるのだろうと思いました。

 

かつて、ヒグマに人間の手が加わっていなかったとき、スウェーデンの国土で、何頭のヒグマが棲んでいたのか知りませんが、もし、えさ場やすみかが十分にあったのなら、万単位の数のヒグマが棲んでいたのではないかと思います。

 

絶滅寸前まで追い詰められたスウェーデンのヒグマは、人間の捕殺圧が弱まったため、環境収容力に見合った数まで一気にもどっていこうと爆発的に増加した。それが年増加率16%の記録を作りだしたのだと思います。

 

スウェンソン氏によると、狩猟圧がかかっていないアラスカのデナリ国立公園のヒグマは、世界一ヒグマの生息密度が高い場所で、1600ヘクタールに1頭の割合でヒグマが生息しているそうです。このように高密度となると、ヒグマの生殖年齢が上がり、メスの出産期間も長くなるということです。通常、メスは子供を1年半で親離れさせますが、この国立公園では2年半母子が共に暮らすようになっているそうです。その結果、約50%の子どもが、成獣オスに殺されて死亡しているということです。(ちなみに、北海道大学天塩演習林で実測されたヒグマの推定生息密度は2000ヘクタールに1頭の割合です。青井1981)

 

自然界では、天敵がいるため、ある動物だけが増え過ぎることはありません。クマのように生態系の頂点に立つ動物には天敵がいないため、増え過ぎないように、こうして生息数を自ら調整する機能があるようです。人間の尺度でこれを残酷と非難すべきではなく、自然界の摂理として、あるがままに認めたいです。

 

 

兵庫県野生動物管理計画案 くまもりコメントの概要 その③

兵庫県:クマ管理計画案、サル管理計画案、シカ管理計画案、イノシシ管理計画案、外来動物根絶殺害計画案に対するくまもりのコメントに賛同してくださるみなさんは、ぜひ声を兵庫県庁にお送りください。

 

これは兵庫県民だけの問題ではなく、日本国が、水源の森である奥山生態系をどう保全していけばいいのかを問う全国民の問題でもあります。

 

(資料)兵庫県野生動物管理計画案 (約200ページ)

兵庫県庁住所、FAX、メール 2月28日締め切り

〒650-8567 神戸市中央区下山手通5-10-1

兵庫県農政環境部環境創造局鳥獣対策課鳥獣保護管理班

Fax:078-362-3069

e-mail:choujutaisaku@pref.hyogo.lg.jp

コメント記載様式は自由。住所、氏名、電話が必要。

 

 

(くまもりコメントの概要)

(1)<全般>

●大型野生動物による被害問題は、大型野生動物を大量殺害するのではなく、被害問題を引き起こす原因を作った人間側が責任を持って、生息地保障、被害防除による棲み分けの復元に尽力し、解決すべき。

 

●生息数推定にあたっては、いかようにも数値を捏造できると言われているベイズ推定法の使用をやめること。

●生息数推定にあたっては、いかようにも数値を捏造できると言われているベイズ推定法の使用をやめること。・

(2)<クマ管理計画案>

●「精神被害」という極めてあいまいな定義の言葉で、クマ捕獲罠を集落から200m離れた場所まで掛けられるようにすることになっているが、これではクマを獲り過ぎる恐れがある。

兵庫県では集落裏が地形的に山になっているところが多く、安心して身を隠せる場所として、下層植生が消えた奥山よりこのような藪化した里山にいる方が安全と判断して、ひっそりと潜んでいるクマが多くいるとみられる。また、クマ捕獲罠の中のハチミツに奥地のクマまでが強烈に誘引され、どんどん出て来ることも考えられる。

よって、集落200m圏内の罠かけを認めることは、クマの大量補殺につながる恐れがある。これまで通り、山中にはクマ捕獲罠を設置しないこと。

 

管理計画案というのは、著しく増加している種を対象とするものであり、平成28年度940頭→平成29年897頭のクマには当てはまらない。

保護計画案にもどすこと。 

 

●狩猟継続案を、狩猟禁止案とする。狩猟再開には、環境省の成獣800頭以上がクリアーされなければならない。

兵庫県は、きちんと成獣数を示すこと。

到底狩猟など再開できる成獣数にはない。

 

●クマ本来の生息地であった奥山の内部荒廃状況(人工林・自然林)を隠さず公表すること

兵庫県はずっと隠し続けている。

 

●造り過ぎたスギだけヒノキだけの奥山人工林を伐採して、クマたちが棲める自然林に大規模復元すべきく、具体的な目標と毎年の検証結果を掲げること。わたしたちはいまだにクマたちが棲める森が復元された場所を知らない。

(奥山人工針葉樹林の大規模自然林化)

 

●クマ大量誤捕獲を防ぐために、シカ・イノシシ罠に、クマを強烈に誘引する米ぬかを使用しないことと共に、罠にクマ脱出口を付ける。

(誘引物の除去とクマ脱出口付き罠)

 

●被害を出していないクマまで殺害する個体数調整殺害や予察駆除は行わないということだが、それならこれまで通り計画案に明記すべき。

 

●計画の実施体制の中に、森林動物研究センターや県民局が明記されているが、県庁の名前がない。県庁が全責任を負うことがわかるように名を明記すべき。

 

 (3)<サル管理計画案> 

●絶滅の恐れとなっている群れもいる。表題も中身も保護計画に変えるべき

(4)<シカ管理計画案>

●シカが安心して棲める生息場所を保障すべき

●シカ有害駆除死体の回収を義務付ける(クマをはじめとする野生鳥獣たちがシカの死体を食べに来て、生態系を大混乱させている)

(5)<イノシシ管理計画案> 

●生息推定数が激減している。表題も中身も保護計画に変えるべき  

●人間が広大な生息地を奪ったことを思うと、六甲山系のイノシシを害獣視すべきではない。

 

(6)<外来種根絶殺害案>

●今や無用の殺生になっている根絶殺害をやめて、被害防止対策に予算を使うべき

兵庫県野生動物殺害計画案 を共存計画案に  熊森コメントの解説 その④

(1)全般

●管理計画案とはいったい何をするためのものなのでしょうか。

 

今やすっかり自然から離れ、武器や科学技術の力で地球を支配する最強無敵の動物となったわたしたち人間は、昔ながらに自然と共に暮らすことしかできない野生動物たちに対して、安心して棲める棲みかとかれらの生存を支えるに十分な餌場が年間を通して保障されているかどうか、思いやる義務があると思います。彼らが存在してくれているからこそ森が残り、私たちは酸素、水、水を使っての農作物や魚などの食料を手にすることができるのです。

 

しかるに、兵庫県の管理計画案にはそのような観点はなく、一方的に野生動物を害獣視して、いかに野生動物が人間に被害を与えているか、(たとえ被害を出すようになった原因が人間側にあったとしても反省などせず)、いかに野生動物たちの殺処分を進めていくかという、人間側の視点からだけ見た人間勝手な論理が延々と書かれています。

 

行政が認める野生動物の唯一の権利は、絶滅しないことだけのようです。野生動物たちは、絶滅しない程度に個体数調整の名で、毎年毎年大量に当たり前のごとく殺し続けられているのです。野生動物の被害に悩まされている郡部の方は、このような管理計画案に満足なのでしょうか。

 

当協会に連絡してこられる郡部の方たちは、「動物たちの餌と知りながら、実のなる木をみんな伐って、山にスギやヒノキだけを植えて放置したのは私たちだ。動物たちが餌を求めて人里に出て来るようになったのは、山にえさがないから。今は獣害に苦しむようになったが、罰があたったんや。自分たちのしたことに責任をとって死にたい」と言われます。

 

地元にこのような考えの方が何%ぐらいおられるのか、アンケートを取って調べてみたいです。このような考えは人間としてまっとうだと思いますが、地元ではなかなか声を上げにくいそうです。なぜなら、地元には声の大きいボスのような人がいて、「動物なんか1頭もいらん、みんな殺してしまえ」と叫んでおられることが多いからだそうです。

 

ではみなさん、わたしたちが声を上げましょう!

 

兵庫県森林動物研究センターの研究員は、このような地元高齢者たちの真摯な反省の言葉に耳を傾けず、野生動物たちが山から出て来るようになったのは、山でえさが不足しているからではない、野生動物たちの生息数が爆発増加したから(爆発増加説)、生息域を拡大してきたから(生息域拡大説)、人間の食べ物のおいしさに味をしめたから(味しめ説)、人間を恐れなくなりなめだしたから(人なめ説)、ハンターが減って殺す数が減ったから(ハンター減少説)などと、戦後の森林政策に失敗した行政が聞けばお礼を言いたくなるような原因説を次々とねつ造し、行政はこのようなねつ造説をマスコミに垂れ流し、マスコミは検証もせず行政広報のみを報道し続けています。

 

わたしたちが、野生動物が生息域を拡大したのではなく、奥山が荒廃したので生息域を人里に移動させただけ、ハンター絶滅説が喧伝されているが銃猟ハンターが減っただけで、罠猟ハンターの増加を加味すれば、ハンターは減っていない(今や鉄格子でできた箱罠が大量生産されるようになったため、罠にかかったまま動物を炎天下に放置しておくだけで動物は弱り、銃がなくてもクマにいたるまでどんな動物も簡単に殺せる時代です)などと声を張り上げて現実を訴えても、マスコミがとりあげてくれることはほとんどありません。

 

こんなことでは、国民は何が何だか真実がわからなくなって、悪いのは野生動物だと勘違いするようになり、全員で間違った方向に進み出さないかとわたしたちは心配です。

 

わたしたち熊森は自然保護団体ですから、生物の多様性を守ろうとします。生物の多様性を守らなければ、人間は生き残れなくなるという自然界の仕組みを知っています。しかも、本能的に野生動物たちに同じく生きとし生けるものとしての共感も持っています。

よって、このような動物たちの大量捕殺を進めるだけの管理計画案を読んでいると、ぞっとしてきます。去年までは、クマだけはまだ保護動物だったのですが、今年から、クマも管理動物(=殺害対象動物)にされてしまいました。

 

ここで国民が声を上げないと、大変なことになっていくと思います。

 

地元で獣害にあって困っている人のことを考えていないと熊森を批判する人がいますが、それは誤解です。会員のみなさんは、野生動物の立場にだって立てる人達ですから、まして地元で困っている人たちのことは、普通の人以上に胸を痛めています。ただ、野生動物による被害問題を野生動物を殺さない方法で解決しようと言っているだけです。本来の野生動物たちの生息地だった自然を人間が破壊してきた事実を隠し、一番にしなければならない生息地復元の具体策も提示せず、まず初めに殺処分ありきの管理計画案は、本当に問題です。

 

行政の方たちは、個人的に話してみるとほとんどみなさんいい方です。最初、今の部署に来られて管理計画案を読まれた時、私たちと同じように、恐ろしくなった方も多かったのではないでしょうか。しかし、戦争中を思い出していただければわかるように、ほとんどの人間は恐ろしいことにもすぐに慣れてしまい、どんなひどいことであっても周りにつられてマヒしていく動物ですから、今や野生動物を殺すのは仕方がない、当たり前だと思うようになっていかれているのかもしれません。

 

このような流れをこの国に作ったのは、管理派の研究者たちです。かれらは食料に困っていない現在の飽食日本で、人間がスポーツやレジャーとして楽しみのために動物を殺すことを推進し、ジビエ料理と称して食べて楽しんだり、シカやイノシシ肉を犬猫のえさとして売り出せばもうかるなどという考えを盛んに広めています。殺生を嫌い、生き物を大切に思ってきた日本人のなかでは非常に珍しい考えの人たちだと思います。生き物を殺すことに抵抗がないようです。

しかし、かれらは優秀なので、行政や国民をどんどん洗脳していきます。私たちは、そのような方向に人類が進むと人類は早晩滅びることになるだろうと考えています。

どうしたらいいのでしょうか。私たちが勇気を出して「おかしい!」と、声をあげるしかありません。野生動物管理計画案がおかしいと思う人は、みなさん声を上げてください。

 

(2)<クマ管理計画>

●保護計画にもどすべき。

クマは広大な奥山生息地を失っており、生息地が復元されるまでの間、むやみに有害捕殺したり狩猟を楽しむ対象にしてはならず、保護対象とすべきである。

(平成28年度、兵庫県クマ目撃数976件、有害駆除数29頭、誤捕獲放獣数130、人身事故発生3件)

 

 

●狩猟を禁止すべき。

・昨年度、兵庫県が狩猟再開の根拠に使ったベイズ推定法によるクマ爆発増加説が過大推定であったことは、昨年度のクマ猟期(11/15~12/15)中の狩猟結果が4頭であったことからも明らかである。

 

・環境省は、今後、クマと人間は生息ゾーンを決め、棲み分けて共存していくように指導している。

クマのコア生息地となるべき山中にハンターが入り込んで狩猟を実施すれば、クマはどこにいれば安全かわからなくなり、棲み分けが進まなくなる。

クマのコア生息地となる山中での狩猟、有害駆除は当然、厳禁すべきである。

 

・昨年度、兵庫県が狩猟再開の根拠に使った環境省基準の安定個体群800頭は成獣800頭であるのに、兵庫県は幼獣を含めた生息総数800頭を用いて狩猟を再開した。

幼獣数を差し引くと、たとえ兵庫県のベイズ推定法による爆発増加説を採用したとしても、成獣は700頭ぐらいしかいない。狩猟再開根拠は完全に破たんしている。

日本福祉大学の山上俊彦教授が、標識・再捕獲法で兵庫県のクマの総個体数を推定したところ、年間生存率8割で想定すると301頭、年間生存率9割で想定すると534頭となったということであり、狩猟再開対象には全くなりえない。

 

しかも、数年前までは、兵庫県には円山川をはさんで東西に2個体群のツキノワグマが存在するとずっと言われてきたのに(単純計算では400頭+400頭)、DNA鑑定の結果、この2群は現在混ざり合っており1群とカウントすると突然去年あたりから言われるようになった。(兵庫県の今年のクマ推定生息数は、ベイズ推定を使って推定すると897頭とのこと)

管理派研究者たちから、人間の目では見ることのできない超ミクロの世界の話を延々と聞かされても、DNA等研究していないわたしたち一般国民は煙に巻かれた感じで、何が何だかわからない。かれらの手なのだろうが、わたしたちにとっては、豊かな自然を守り残し、多くの野生鳥獣たちと共存しようとしているだけなので、(以前から、円山川の上流地域ではクマたちは簡単に東西を行き来していたであろう)そんな研究よりも、一刻も早く行政に生息地を復元していただくことが大切なのである。

 

 

●誤捕獲対策:イノシシ罠にクマを呼び込まないよう、箱罠にクマ脱出口を付け、米ぬかの使用を禁止すること

平成28年度のシカ・イノシシの有害捕獲用箱罠へのクマの誤捕獲数は、125頭という異常な多さであった。

兵庫県が国の指導通り誤捕獲グマを全頭放獣していることは評価する。

しかし、クマ放獣には全身麻酔が必要なため、クマが弱ってしまう。また、放獣するための人間側の労力や危険性もあり、早急な対策が必要である。

兵庫県はクマの脱出口を箱罠に義務付けて、誤捕獲を減らす努力をすべきである。

クマの誤捕獲が多発しているのは、米ぬかをイノシシの有害捕獲用箱罠に使用していることに大きな原因がある。

米糠の発酵臭は、クマを強力に誘引するため、集落近くにクマを呼び寄せ、目撃数や捕獲数を増大させることにつながっている。

集落住民を危険にさらさないためにも、米糠の使用を禁止すべきである。

 

・集落ゾーンより200メートル山側までにクマ捕殺罠を掛けるべきではない。

現在、奥山で棲めなくなったクマが、集落の裏山に移動している不安定な状況がある。

そのような場所は、下層植生が消えた奥山より姿を隠しやすく、臆病なクマがひそむのに適している。

クマの臭覚の良さは犬どろこではないため、このような場所にハチミツ罠をかけることを認めれば、遠くにいるクマまでを次々と集落近くに誘引してしまい、事故や被害を多発させたり、クマを大量捕獲することにつながる。

これまで通り、山中でクマの捕獲罠をかけることは禁止すべきである。

今回の管理計画案で、最も撤回しなければならない危険な項目である。

 

・奥山人工林・自然林の内部荒廃状況を発表すべき

クマ問題を語るにあたって、奥山人工林や奥山自然林の荒廃状況(ナラ枯れ、ブナのシイナ現象、下層植生と昆虫の消失など)が一切報告されていない。

堅果類の豊凶調査だけでは不足であり、クマたち本来のすみか、えさ場がどうなっているのか調査発表すべきである。ナラ枯れによってミズナラがほとんど枯れてなくなって場所では、ミズナラのドングリの豊凶などどうでもいいことなのである。もはやミズナラの木がないのだから。

 

(3)<サル管理計画案>

名実とも保護計画にすべき

兵庫県における野生ザルは、大河内3群、豊岡1群、美方2群、篠山5群で、推定生息数が539頭である。(他に民間の餌付け群が2群466頭存在)

特に、豊岡市と香美町に存在しているサルは、10~30 頭の群れが各1~2群生息しているだけで、地域的な絶滅が危惧されると管理計画にも記載されている。

豊岡城崎A群29頭、美方A群15頭、美方B群9頭が危機的状況になっているのは、管理という名で群れのサルを人間が殺害し続けてきたからであり、県の責任は重い。

1群のオトナメスが10~15頭となるように、人間が管理の名で1頭刻みで捕殺する事や、群れが分裂した場合、新しく生じた群れを全頭捕殺して壊滅させることを計画しているが、残酷なだけでなく人間が自然生態系に干渉し過ぎており、このようなことはやめるべきである。

兵庫県が進んだサルの被害防除対策を推進していることは、評価できる。

 

(4)<シカ管理計画案>

シカの生息地を確保して明記すべき

今や、シカは、どこにいても管理の名の元、むやみに撃ち殺される存在である。生息地を指定すべきである。シカも豊かな自然の形成に大きな存在意義があるはず。存在益も発表すべき。

 

●有害駆除個体の死体の回収を義務付けるべき

有害駆除されたシカの死体が大量に山に捨てられており、クマをはじめいろいろな動物たちが食べに来て、生態系のバランスを狂わせている。駆除時に死体を回収すべきである。

 

(5)<イノシシ管理計画案>

 

●名実とも保護計画にすべき

兵庫県では高く売れるため(1頭30万円?)、狩猟や有害駆除でやみくもにイノシシをとり続けてきた経緯がある。

年間捕獲数2万頭に対して、残り推定生息数が1万5千頭になっているのに、いまだに獲れるだけ獲るという管理対象になっているのはおかしい。

 

●六甲山系のイノシシを害獣視しないこと

六甲山の南斜面は国立公園内にもかかわらず山の中腹まで宅地開発が進んでおり、イノシシは人間による北側の三田大開発なども加わって、広大な生息地を失っている。その経緯も書かず、人間の所に出てきたからと、余りにも一方的に害獣視する記述はやめるべきである。生ゴミを出さないなど人間側の努力で問題を解決していくべきである。

 

(6)<外来動物根絶殺害計画案>

外来種根絶殺害は殺しても殺してもすぐに元の生息数に戻ってしまうだけで無用の殺生になっている。

外来動物のためにも、費用対効果のためにも、今後、予算は被害防止対策に使うべきである。

いったん広大な野で繁殖した外来動物は生態系から取り除くことが不可能なため、外来動物を野に放すことは一般に考えられている以上に取り返しのつかない問題となる。

と言っても、現在、日本にいる野生動物のうち、かなり昔に外国から入ってきて現在、日本の生態系に組み込まれて落ち着いている元外来種は大変多い。アメリカザリガニなど今更生態系から取り除こうとすると、そちらの方がかえって生態系を痛めることになるものが多い。

特定外来種以外は現在も多くの外来動物が輸入されている実態があるが、今後のことも考えて、国は原則として外来動物の輸入を全面的に禁止すべきである。

ドイツでは、国内で繁殖して50年以上たった野生動物は在来種扱いにするそうである。大変合理的だと思う。日本も、アライグマ、ハクビシン、ヌートリアなどは、もはや在来種にして新生態系が確立するのを待つしかないだろう。外来種捕獲罠には、タヌキなどの在来種もたくさんかかって殺されている。外来種根絶殺害現場の深い闇を、勇気ある人に暴いてもらいたい。国民が知らないだけで、もれてくることを聞いているだけでも、大変なことになっているのがわかる。

 

以上、その③と一部重なってしまったところもありましたが、長文を読んでくださってありがとうございました。兵庫県管理計画案への意見応募をよろしくお願いします。

 

 

 

 

兵庫県野生動物管理計画案(くまもり解説編) その②

兵庫県動物管理計画案は、人間勝手で残酷極まりない野生動物大量殺害計画案です。

 

(資料)兵庫県野生動物管理計画案 (約200ページ)

 

背景には、野生動物たちに農作物を荒らされるなどの被害が増大して、地元の皆さんが悲鳴を上げておられるという問題があります。

 

 

このような問題が起きた最大の原因は、戦後の拡大造林政策や国土総合開発によって人間が野生動物たちの生息地を奪ったことです。

クマたちの森は、多くが動物の棲めないスギやヒノキの人工林に変えられ、今や林業低迷によって放置されて大荒廃しています。

シカたちの生息地であった草地や湿地は、農地開発や宅地開発で人間に取り上げられてしまいました。

 

 

それ以外の原因として、エネルギー革命による里山放置で里山が藪化していることや、工業立国をめざす国の政策により、農林水産業に従事する人が激減して過疎化・高齢化が進み、郡部における人間側の野生動物対応力が弱まっていることなどがあります。また最近では、大気汚染や温暖化など、人間の地球環境破壊による地球規模の森林劣化が著しく、野生動物問題を引き起こしている原因は、すべて人間側にあります。

 

野生動物は、もう一つの日本国民であり、私たち人間の生存基盤である豊かな自然の貴重な構成要素です。彼らが存在してくれることによって、私たちは生かされており、どれだけ心身ともに恩恵を受けているか、はかり知れません。今後もこの国で私たち人間が生きていくためには、大型野生動物たちと国土を棲み分けて共存していかねばなりません。

 

郡部の人たちを悩ましている大型野生動物による被害問題を解決するために、まずしなければならないのは、かれらの生息地を復元・再生してそちらに戻ってもらえるようにすることです。次に、人間の所に来ないように柵などで被害防止対策をとることです。野生生物の生息数は自然界の法則によって増減を繰り返しますが、そんなことは人間が関知すべき問題ではありません。ただし、人間の所に出てきたときは、追い返さねばなりません。

 

というわけで、私たちが野生動物問題に対してとらねばならない対策は、

生息地保障被害防除対策の強化です。

 

ところが、兵庫県野生動物管理計画案では、現在の野生動物被害増大の原因は、野生動物たちの生息数が増え過ぎたことにあり、増え過ぎた原因は、ハンターが減ったからであるとしています。(熊森は、この原因特定がまやかしでありまちがっていることを、これまでブログで何度も指摘しています)

 

というわけで、兵庫県野生動物管理計画案では、絶滅しない程度に野生動物を大量殺害することが対策となっています。よって計画案の中心は、現在の野生動物の推定生息数と、適正数の計算、年度ごとの補殺数、ハンターの数です。数字ばかりが並んでいます。

管理計画という行政言葉は、殺害計画という意味です。

この計画案では、野生動物の存在は人間にとって害であり、具体的な被害が次々と表示されています。一方、かれらの存在益についての具体的な表示はゼロです。

被害防除については少し触れられていますが、生息地保障に至っては具体的な記述は皆無状態です。

 

かつて、人間が野生動物を管理することによって「野生動物の数を限りなくゼロに近く一定数にしたい」と言われた行政マンがいましたが、自然というものがどういうものか全くわかっておられません。野生動物管理思想は、野生動物の命の尊厳が全くわからない人が考え出した実現不可能で異常な残虐手法です。ナチスの思想の野生動物版です。ふつうの人なら、聞いただけでぞっとすると思います。神様でもない人間が、人間の力では把握することなど不可能な生息数を推定し、かれらの適正生息数を勝手に決め、それ以上は殺すことにするなど、もはや人間は悪魔でしかありません。これらの計画案は、人間のおごり以外の何物でもなく、人間が浅知恵で自然界の絶妙のバランスに手を入れることで、日本の自然を台無しにしてしまう亡国計画案です。

 

日本福祉大学の山上俊彦教授も指摘されていますが、生息地保障をしないこのような計画は、国際法である「生物多様性条約」(日本は1993年に外務省が締約)に、大きく違反するものです。

 

以下は、平成27年度、兵庫県で殺害された野生動物の数と、最新生息推定数です。(兵庫県発表)

 

殺害数          最新生息推定数

クマ       18頭             897頭

サル         66頭              1000頭

シカ     45569  頭                   13万頭

イノシシ        約2万頭            6千~1万5千頭

アライグマ          4795頭                                                       ?

 

全種に関して、今後も大量殺害を続けていく兵庫県野生動物管理計画案です。

 

平成28年度、兵庫県はクマが940頭に爆発増加したと推定し、20年ぶりに狩猟を再開し140頭のクマを獲ろうとしました。結果、狩猟されたのは4頭のみ。940頭に爆発増加の推定が間違っていたことが証明されました。

 

サルは、群れを作り生息数がかなり正確に数えられる例外的な動物です。兵庫県では全ての群れに発信機を付けて群れの動きを把握しており、群れの中のオトナメスが10~15頭を超えないことを目標にしています。超えた分は毎年射殺しています。家族愛の強いサルのことです。家族の悲しみはいかばかりかと思われます。

 

イノシシに関しては、かなり数を減らしてきています。イノシシは、兵庫県では肉が高く売れるので、獲りたいハンターも多いはずです。年間捕殺数2万頭、残り推定生息数が最大1万5千頭なら、もう、捕殺している場合ではないと思います。早急に捕殺を止めるべきでしょう。

なぜ次年度も管理対象(=殺害対象)なのか、理解に苦しみます。

 

アライグマなどの外来種に関しては、もう完全に無用の殺生になっています。わたしたちの税金は、現在、100%、外来種の根絶殺害のみに使われており、被害防除には使えないようになっています。繁殖力が強いので、殺しても殺しても、すぐまた環境収容量に見合う数に戻ってしまっています。

(以下、アライグマの補殺数変化表をご覧になってください)

 

 

年度    アライグマ捕殺数(頭)

平成16年度      99

平成17年度                    361

平成18年度       2100

平成19年度     2779

平成20年度     3133

平成21年度     3281

平成22年度     3999

平成23年度     3145

平成24年度     3407

平成25年度     4136

平成26年度     5121

平成27年度     4795

 

捕殺数が減る気配は全くありません。

 

このような状況では、殺され続ける外来動物の命が無駄なだけで、何ら問題解決になっていません。また、このような外来動物の根絶殺害は、生命軽視の風潮を生み、人間社会にも大きなマイナスとなります。

 

大変残念ではありますが、いったん野で繁殖した外来動物を根絶することは不可能なので、根絶殺害ではなく、アライグマの侵入する屋根裏の穴を閉じたり、田畑にアライグマ用の電気柵を張ったり、被害防除に税金を使っていただく方が賢明です。今の状態では、外来種捕殺業者が毎年もうかって喜ぶだけです。

 

次回、その③では、国民の皆さんに声を上げていただきたいことを書きます。

2/16 兵庫県北部、5年に1度の大雪、くまもり雪かき隊、兵庫県南部より出動

午前8時、兵庫県南部西宮市に6名集合。天気晴れ。積雪ゼロ。

高速道路を使って一路北上。午前10時30分、兵庫県北部の雪国地帯に到着。

同じ兵庫県でも、冬の南部と北部は全く別の気候です。

 

 

主要道路は行政によって除雪されていますが、道路から民家の玄関までは、自分で除雪しなければなりません。

半分くらいは溶けたと言われていますが、まだまだたくさん雪が積もっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

現地到着

 

その1

この日は、カナダ人の会員も参加してくれました。さすが、雪かきには慣れておられます。

玄関に通じる道が開けられていきました。玄関の近くにシカの深い足跡がありました。

ここでうまく、食べ物を見つけられたのかどうか心配です。

雪かき+雪下ろし

 

その2

2軒目は、お世話になっている集落の老夫婦のおうちです。

道路に出るまでの私道の雪かきを行いました。距離が結構ありました。

力自慢の6名だから、みるみる作業が進んでいきましたが、雪が重くて固かったです。もし高齢者がするとなると大変だろうと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

私道が長い家

 

その3

3軒目のこの建物は、集まりに使う場所で、ふだんは使われていません。

どこから手を付けたらいいのかわからないほど雪に埋まっていました。

雪に埋もれている

 

スコップとママさんダンプで悪戦苦闘していると、地元の会員さんが除雪機を持ってきてくださいました。最近は結構多くの家がこの除雪機を購入しているということでした。

雪が飛び出す除雪機の威力にびっくり

 

さすが、機械はすごいです。誰がこんな物を考え出したのでしょうか。尊敬してしまいます。しかし、除雪機にも限界があって、固い雪、軒下、屋根の上などでは使えません。

玄関に至る道、開通

 

やっと、玄関に通じる道の雪かきが終了しました。3軒の雪かきをして、この日の作業を終えました。

 

地元の方に、雪下ろしは、雪の降っていない寒い朝にするもんだと教えていただきました。

今日のように晴れた暖かい日にすると、溶けた雪が落ちて来て危険なのだそうです。勉強になりました。今回、ケガもなく無事に終了できてよかったです。6名は、自分たちが社会のお役にたてたことに充実感を感じて、帰路につきました。天気予報が晴れだったのにサングラスを持って行かなかったので、雪焼けで今は目が少し痛いです。

 

雪かきボランティアのご登録を

本当に、兵庫県一つとってみても、南部と北部では不平等です。

南部の私たちは、雪に悩まされることもなく晴れた温かい冬を過ごし、飲み水は、北部の積もった雪がとけてしみこみ地下水となったものをふんだんに使わせてもらっています。南部には若い力も時間もあります。過疎化高齢化で困っている北部に雪かき応援に行くことは、双方にメリットがあります。

雪かきを手伝える方は、どうぞ熊森本部にお名前をご登録ください。次回、行くときにお声かけさせていただきます。

 

追記:狩猟について

帰り道、集落から山に向かって続いているスノーシューズの跡を見つけました。ハンターです。

本来、我が国の猟期は11月15日から2月15日までなのですが、シカとイノシシをもっと減らすためということで、猟期が3月15日まで延長されており、今もまだ猟期なのです。

この大雪で、野生動物たちは食料にもありつけず、人間以上に苦しんでいるはずです。今や人間は、有り余るまでに食料があるのですから、もう野生動物まで食べなくてもいいではないかと思うのですが。

人間が狩猟をしないと、野生動物たちが増え過ぎて困ったことになっていくという狩猟派の研究者たちがいます。本当なのでしょうか。証拠はあるのでしょうか。私たちはそのような説の根拠を知りません。

自然界は本来、絶妙のバランスがとれています。ある種だけが増えすぎることはないようになっています。(自然界から離れた人間だけは例外)

もし、現在、ある種が増えて大変なことになっているのなら、それは、自然界のバランスが崩れたからです。バランスを崩した犯人は、人間のはずです。

野生動物を取り除くのではなく、人間が行った自然界のバランスを崩す行為を取り除く方が王道だと熊森は思います。

みなさんはどう思われますか。

 

 

 

 

 

 

 

「クマが襲ってきた」発行:秋田魁新報社 

秋田県が平成28年度、478頭ものクマを駆除したことを知って、許せない思いがしていました。

こんなことになったのは、鹿角市でのクマによる死者4名事件に秋田県民が過剰反応した結果だろうと思いこんでいました。

当協会としては、事件当時、秋田県の行政や森林管理署に、連日、手当たり次第に電話をして、「ただちにタケノコ採りの入山禁止措置を!」と、お願いし続けた経緯があります。しかし、秋田側の動きは遅くて、そうこうしているうちに次々と死傷者が増えていきました。私たちには苦々しい思い出です。

 

秋田県会員から、秋田魁新報社が昨年末に「クマが襲ってきた」という本を出版したので読んでみてほしいという連絡が入った時、題を見て、またマスコミはクマを一方的に悪者にしているのかと、少し不愉快な思いになりました。

 

この度、熊森の理事から偶然この本が送られてきたので、読んでみました。そして、これまでの秋田の事件への自分の一方的な思いを深く反省しました。

やはり兵庫県から遠く離れた秋田の事です。自分ではわかったつもりになっていましたが、わかっていなかったことがたくさんありました。やはり現地の声を聞くことが大切です。

いろいろと教えられ、考えさせられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

秋田魁新報2016報道ファイル(さきがけブックレット)

 

題に関しては、読後も抵抗がありますが、内容は非常に誠実でよくできており、いい本です。もちろん、熊森としては、秋田県はクマを殺さない対応をもっと追求すべきだという思いは残りました。

 

感想が2つあります。

 

秋田の奥山の異変について

去年、秋田の集落に出てきたおびただしい数のクマや、クマを集落へ誘引した物については良くわかりました。しかし、これまでクマたちが棲んでいた秋田の山の状況が、今どうなっているのかの調査報告がありません。クマの行動に異変が起きたのなら、秋田の山にも異変が起きているのではないかと思えます。ミズナラが大量に枯れているとか、昆虫が消えているとか・・・。

集落側の過疎化高齢化がクマの出現を許しているという面はもちろんあると思いますが、クマ問題を考えるには、クマが出てきた場所や出てきたクマばかり見ていないで、クマがこれまで棲んでいた山に異変が起きていないか目を向ける必要があると思います。

 

「狩猟」効果について

人とクマとの棲み分けを復活させることは最重要ですが、そのために「現代狩猟」は必要でしょうか。疑問です。

クマが人間を怖いと思い、人間を避けるように仕向けるというのは、確かに必要だと思います。昔のマタギ的な「狩猟」なら、大勢の人間に追い掛け回されて逃げ終えたクマが人間を恐れるようになる効果はあったと思います。

しかし、今の銃には望遠鏡がついておりライフルの性能も飛躍的に発達しています。狩猟といっても、もはや人間はクマを追いかけず、クマが人間を人間と認識できないまでに遠く離れた所から100発百中でクマを撃つと以前聞いたことがあります。

クマにしたら、人間に狙われたことがわからないなら、人間を怖がることにつながりません。しかも、殺してしまったら、人間を恐れるクマは誕生しません。その上、棲み分けることが大事なのに、山奥にハンターが入ってきてクマを狩猟すれば、クマはどこにいたらいいのかわからなくなってしまいます。

もし、奥山に豊かな自然が残っていれば、ハンターが銃で脅しながら、クマを追い掛け回して奥山に追い上げることには意味があると思います。

「現代狩猟」の棲み分け効果について、国民的議論が必要だと思います。

 

<最後に>

鹿角の事故で79才のご主人を亡くされた女性が、「クマばり悪りと言われね。クマも命さもらってこの世さ来て、生きねばねえんだもの。じいさんとばったり会って、びっくりしたんだべ。かじるか引っ掻くかしかできねえ生き物だもの。クマも真剣だ。恨む気なんてないです」と答えておられるのを読んで、会いに行って手を取り合いたいほど、共感しました。必死に生きている生き物たちの身にもなって考えられる、このような自然観が、私たちの祖先の文化なのです。

 

秋田県鹿角市のクマによる死者4名事件に関心をお持ちの方は、ぜひ、ご一読されますようお勧めします。

秋田魁新報社のみなさん、これだけの本を作られるのは大変だったと思います。この本を作って下さったことに、心から感謝します。

日本にも、まだ、このようにまじめな本を作ってくださる記者さんたちがおられることを知って、うれしくなりました。

島根県でイノシシ罠に誤捕獲されたクマの大量殺処分(=違反)が発覚!パブコメ募集の中止を!

日本一のクマ保護先進県として熊森が称賛していた島根県が、現在、「島根県クマ保護計画案」に対するパブリックコメントを募集しています。(2月17日締め切り)

今年もいろんな県の「クマ保護計画・クマ管理計画」にパブリックコメントを提出している熊森ですが、「島根県保護計画案」だけ、平成28年度クマ捕殺数の記載がないことに気づきました。変だなあ?と、2月13日に島根県庁鳥獣対策室の担当者に聞き取ったところ、なんと・・・平成28年度、島根県は前代未聞、181頭という大量のクマを捕殺していたことが発覚しました!

これまで熊森が気づかなかったのは、イノシシ捕獲用の罠に誤捕獲されたクマ186頭のうち、125頭が殺処分されていることが発表されていなかったためです。誤捕獲されたクマを殺処分してしまうのは、ルール違反です。

<西中国山地3県の誤捕獲グマ殺害数と率・有害捕殺数・合計捕殺数>

島根県 誤捕獲グマ125頭/186頭を殺害  (殺害率67%)
・・・・・・・+有害捕殺数56頭 合計捕殺数181頭

広島県 誤捕獲グマ36頭/36頭を殺害    (殺害率100%)

・・・・・・・+有害捕殺数15頭 合計捕殺数51頭

山口県 誤捕獲グマ18頭/25頭を殺害        (殺害率72%)

・・・・・・・+有害捕殺数7頭   合計捕殺数25頭

 

西中国山地のツキノワグマは、環境省のレッドリストで絶滅 の恐れのある地域個体群とされ、国による狩猟禁止など、これまで保全への配慮が求められてきました。しかし、近年、分布域が外側に拡大しています。(平成24年JBN) 奥山での森林荒廃が進み、コア生息地の生息密度が薄くなってきていることから(金井塚務氏)、必ずしも生息数が増えたとは言えません。西中国山地のクマ生息数は、近年、微減と発表されていました。(2015年発表)

ちなみに、誤捕獲グマの殺害率は、平成28年度兵庫県、鳥取県、京都府では0%であり、これらの府県では、今も保全ルールがきちんと守られています。

 

(熊森から島根県へ)

「島根県クマ保護計画案」の保護の文字が泣きます。

これだけホロコースト的な大量捕殺を実施しておきながら、次年度も「保護計画案」の名を、どうして掲げることができるのでしょうか。島根県は平成28年度、クマを完全に管理対象(=捕殺対象)にしてしまっています。

 

現在パブリックコメント募集中の「クマ保護計画案」には、錯誤捕獲が発生した場合には「原則として放獣すること」と太字下線で強調して記載されています。むなしい限りです。

また、捕殺の上限も80頭と定められています。平成28年度の捕殺数181頭は記載されていません。全く意味のない捕殺上限数です。

このように、うたっていることとしていることが真逆の「クマ保護計画案」を提示してパブリックコメントを募集するのは、提供された資料を熟読し、まじめに考えて応募してきたわたしたち国民を欺き愚弄する行為であると思います。

島根県のこの様な姿勢を非常に悲しく感じます。

熊森は島根県に対し、現在の「クマ保護計画案」へのパブリックコメントの募集を中止し、島根県が本当に実施してくださる内容に書き換えて、再募集されることを申し入れました。また、すでに応募された方に対しては、平成28年度の補殺数を正直に伝え、資料不足をおわびして、再応募していただくよう依頼すべきです。

 

「島根県クマ保護計画案」パブリックコメント応募先

締切:2017年2月17日まで

島根県・西中国地域クマ保護計画 (提出先:農林水産部森林整備課鳥獣対策室 FAX:0852-22-6549 Mail:choju@pref.shimane.lg.jp)

募集要項等URL:http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/ringyo/choujyu_taisaku/tokuteikeikaku_ikenbosyu.html

 

1月29日 東京クマ学講座 

くまもり東京都支部とくまもり神奈川県支部の共催による東京クマ学講座が、日本教育会館一ツ橋ホール707号室で開催されました。

講師は「東京のクマ」で有名な山﨑晃司氏(東京農業大学   地域環境科学部   森林総合科学科   教授)です。

「東京、そして日本のツキノワグマの今」という演題で話してくださいました。

会場風景

 

1991年から奥多摩のツキノワグマの調査に取り組んでこられた山崎先生のお話は、東京都などのくまもり会員が以前からぜひお聞きしたいと熱望していたものでした。参加者一同、全神経を集中させて聞き入っておられたことと思います。

 

先生はまず初めに、クマ保全に取り組むなら、現地に行き、地元の方とお話をし、地元の方たちの気持ちをくんであげて、その上で自分の意見を言うことが大切だと話されました。これは熊森本部もずっと言い続けてきたことで、その通りだと思います。まだ地元集落と結びついていない支部は、ぜひがんばってください。

 

大昔、日本列島の本州には、ヒグマ、ツキノワグマ、ヒョウ、トラ、オオカミたちが暮らしていたそうで、想像しただけですごいです。アジアの広大な地域に生息してきたツキノワグマですが、現在、残念ながら、分布域がどんどん縮小されているそうで、危機感を持ちました。そんな中で、日本には、まだツキノワグマがいます。単位面積当たりで見たら、日本はクマの生息密度がもっとも高い国のようで、祖先の共存文化をとても誇らしく思いました。残念ながら、九州のツキノワグマは滅びてしまいました。四国は大変危うい状況なので、山崎先生も、今年、何とかしようと決意されているようでした。熊森も、四国のクマの絶滅を止めるために、できる事をみんなで一緒にしたいです。

 

2016年に起きた秋田県鹿角市のツキノワグマと人との事故については、一体何があったのか、神のみぞ知るですが、山崎先生の推察を興味深く聞かせていただきました。それにしても、この事故があったことで、秋田のクマは推定生息数の約半分500頭近くが殺処分されてしまいました。

熊森が思うに、クマによる人身事故が起きると、いつも、研究者を名乗り、どこまで本当かわからないセンセーショナルなことを流してメディアの寵児となる人がいます。今回もそのような人の言葉を真に受けて、マスコミが、「人喰い熊誕生」、「殺人熊誕生」などと、大騒ぎしました。その結果、全国で罪もないクマが大量に殺されたのです。熊森は、マスコミのあり方に猛省を促したいです。

 

東京都奥多摩のクマについては、まず、終戦直後の1947年にアメリカ軍が上空から撮った禿山だらけの山々の写真を見せていただきました。会場からどよめきの声が上がりました。ここまで過度に人間が山を利用していたということです。今、この場所は木々で覆われています。山崎先生の調査によると、最近、山に入った時出会うクマの数や見る痕跡が増えて来ているということでした。これまでクマがいなかったところにも、クマの分布域の拡大がみられるということでした。首都という巨大な大都市のバックにある奥多摩には、今も、クマ、サル、シカ、イノシシ、カモシカ、大型野生動物たちがすべて残っているということで、本当にすごいことだと思います。1362万人東京都民の水源を支える奥多摩の山々を、調査してみたくなりました。

 

山崎先生のわかりやすいやさしい語り口に、参加者一同、参加して良かった勉強になったと、みな喜んでおられました。

 

この後、森山まり子(日本熊森協会会長)が「日本熊森協会とツキノワグマ」という題で話しました。森山会長は、人工林・自然林とも荒廃して奥山にクマが棲めなくなっている兵庫県の現状から、作今のクマの生息域拡大現象が、実は生息域の移動によるドーナツ化現象なのではないかという推察や、今、全国で実施されている「数を 推測して殺すだけ」の野生動物を物扱いした管理(=ワイルドライフマネジメント)の残酷さや非人間性を、物言えぬ野生動物たちに代わって、物言える私たち人間が声を大にして世に告発していかねばならないなどと話されました。

 

会場には山崎先生を含めて、大学の先生が3名出席されておりました。後の2人の方には、大気汚染が及ぼす森林の枯死や、ベイズ推定法でクマの生息数を推定することが不可能な理由など訳などについてミニ発表をしていただきました。おかげさまで、この講座がさらに盛り上がったと感じました。

 

会場との質疑応答では、クマの生息数推定を計算する手法が現在確立しておらず、将来も確立するとは到底思えないため、研究者たちがそのようなことに労力を費やすことへの疑問など、参加者一同が考えさせられるような質問がいくつも出て、有意義でした。

 

今回の学習会で発表してくださったみなさん、会を企画してくださったみなさん、参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。今後の熊森活動の力にしていきましょう。

 

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