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無実の雌グマを撃ち殺した人間側の罪は? フジテレビ土曜プレミアム「人肉を食べるクマの謎」

番組を見て、熊森本部はあまりのくだらなさに論評する気も失せました。しかし、HPで取り上げてしまった以上、放映後放置というのも無責任なので、とりあえず論評させていただきます。(番組の内容はひどくて、許せないものでした)

 

先週、フジテレビがとんでもない番組の予告編を何度も何度も流しているという通報が、熊森本部に相次ぎました。

 

1月21日、熊森本部は大阪のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をして、米田(まいた)一彦氏の推測はテレビ受けするセンセーショナルでおもしろいものかもしれないが、熊森としては米田氏個人の根拠のない妄想的なものに過ぎないととらえている。放映することによって、クマはもちろん青少年をはじめとする国民が受ける害は大きい。その理由は・・・と説明させていただきましたら、東京に伝えるということでした。

 

その後、何の連絡もないので、放映を中止されたのか、内容を訂正されたのか、さっぱりわかりませんでした。

 

1月26日になって、関西テレビ(兵庫県のフジテレビ版)のテレビ欄に、「前代未聞、人肉を食べるクマの謎」と出ていたので、やはり放映されるのかと思い、今度は、東京のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をしました。大阪からの連絡は入っていました。このことは評価しますが、「まず、番組を見てください」の一点張りで、こちらの説明に耳を傾ける姿勢はありません。いったんまちがったことを報道してしまえば取り返しのつかないことになるのに、報道者としての責任感が全くないと感じました。

 

そういう訳で、放映が始まるのではないかと思われる夜10時過ぎぐらいからテレビをつけて、見たくもない番組を見る羽目になりました。

 

「ばったり出会ったクマと20分間にらみ合うことになり、最後、ナイフでとがらせた竹でクマの目をついたら、目の下の固い所にあたってしまって、クマがきびすを変えてゆっくり逃げて行った。口の周りにべっとり血がついていた」という、当時、タケノコ採りに入ってクマと遭遇して生還した人の証言がありました。これは事実だと思います。(こういうとき、人間の方がゆっくり後ずさりすべきということを、番組として告知してほしかったです)

しかし彼が会ったクマが、米田氏の言う殺人グマスーパーK(米田氏命名)かどうか、誰にもわかりません。4名はいずれも亡くなられているので、当時の状況の証言を得ることは不可能です。

 

よって、生還者以外の話は、

再現ビデオも含め、全て米田氏の推測に基づくやらせと思われます。

牙をむいて登場したクマも、もちろん本物ではありません。
猟友会の皆さんは、このテレビを見て、自分たちが利用されたと怒っておられるのではないでしょうか。

 

写真家の宮崎学氏は、クマをスカベンジャー(=腐肉食動物)だと言われています。腐肉ばかり食べているわけではないので、私たちはスカベンジャーだとは思いませんが、クマは雑食性ですから、もし、地面に動物の死体があれば食べることはあります。草食動物以外は、みんなスカベンジャー的な要素をもっており、動物の死体があればすぐに食べて片付けてしまいます。これは自然なことです。

 

2016年に秋田県鹿角市の熊取平でタケノコ採りに入った4名がクマと遭遇して死亡した事件は、確かに前代未聞の痛ましい事件でした。どうしてこんなことが起きたのか知りたくなる人間の心理はわかります。

 

科学の歴史を振り返ると、たったひとりの人が唱えた異論が、後の世で正しいと認められることの繰り返しですから、米田氏ひとりが唱えているだけだとして否定する気はありません。しかし、スーパーKというクマが、人肉の味をしめて人喰いグマとなり、次々と人肉を求めて人を襲ったという米田氏の推測には、やはり無理があると思いました。

 

もし、そんなクマが誕生していて今も4頭いるのなら、その後も、熊取平でクマによる死亡事故が相次いでいるはずです。しかし、この3年間、皆無です。(第一、米田さん、人肉は、一度食べると病みつきになるほどおいしいものなのでしょうか?海外のニュースによると、最近は、鳥葬しても、添加物などの化学物質で人間の体が汚染されているためか、鳥が食べなくなったそうですが)

 

熊取平の事件はあくまで事故であり、クマの一撃で死亡した人間を、当時タケノコを食べるためにササ原に集まっていた多くのクマたちが、スカベンジャーとして食べただけのことだろうと、熊森は推察します。

 

それにしても、ササ原からひょっこり顔を出して人間がいるのに気づき、再度ササ原に戻った雌グマが、4人を死亡させたクマだと間違われ、ハンターたちに撃ち殺されました。胃の中はほとんどタケノコで、一部人肉が入っていたそうですから、スカベンジャーをしたのでしょう。人を殺した犯人かどうか確かめもせず撃ち殺し、犯人ではなかったようですなんて終わり方に、大変疑問を感じました。

 

もう、今回を最後に、熊取平で人喰いグマ誕生の米田報道は終わりにしてほしいです。これまでクマと共存してきた秋田県の人たちが、人喰いグマ誕生の報道を真に受けて、クマを大量に捕殺したのです。

事実かどうかわからないことをまるで事実のように、劇にまでして再現報道するテレビ局の責任は、誠に大きいと言わざるを得ません。

 

 

 

 

 

 

 

1月26日21時~ フジテレビが、検証不可能な米田一彦氏の人食いグマ誕生推測を放映予定 フジテレビ視聴者センター03-5531-1111に電話を!

1月26日(土)、21:00~23:10にフジテレビの土曜プレミアム・報道スクープSPという番組内にて、

「男女4人惨殺…人食いグマの謎に迫る」

というタイトルで、2016年に秋田県で起きたクマによる人身事故の話題が蒸し返し放送されるようです。

 

 

1月25日、東洋経済オンラインが配信した、フジテレビ「報道スクープSP 激動!世紀の大事件Ⅵ~平成衝撃事件簿の真相~」取材班による

「男女4人食った「凶暴グマ」のおぞましい実態」

という、記事を読むと、大体の中身が予測されます。

 

 

2016年に鹿角市で起きたクマによる4件の死亡事故後、米田一彦氏の「人喰いグマ誕生」や、「スーパーK」などのセンセーショナルな推測が、マスコミをにぎわせました。

 

しかし、日本熊森協会は、米田氏の推測に重大な疑義をいだいています。

「秋田に人喰いグマがまだ3頭生き残っている」は、米田一彦氏の毎度のお騒がせネタです(2017.5.12くまもりHPブログ)

 

米田氏は2018年初め、「まだ、人喰いグマが4頭残っている」として、またしてもセンセーショナルな推測を発表し、マスコミに大きく取り上げてもらっていました。

しかし、これらはあくまで米田氏の推測に過ぎず、私たちは米田氏以外に同様のことを主張している人を知りません。

(そんなクマが本当にいるのなら、昨年度も秋田県で、クマによる死亡事故が続発したはずですが・・・)

 

フジテレビとしては視聴率を上げることを狙っておられるのでしょうが、たったひとりの者の推測を報道するのは、大変危険です。

クマに知識のない国民が聞いたら、ほんとうかと信じてしまうかもしれません。

クマのためにならないだけでなく、国民のためにもなりません。

物事の正誤は多数決で決まるものではありませんが、もし、このような強い批判のある内容を報道するのであるなら、米田氏の推測を否定している日本熊森協会などの主張も同時に報道して国民の判断を仰ぐべきでしょう。

 

 

クマの生息推定数1000頭の秋田県で、2016年に476頭、2017年には793頭という絶滅も危ぶまれるような前代未聞のクマの大量捕殺が行われました。

 

現在、熊森本部は、2017年になぜこのようなクマの大量捕殺がなされたのか、情報公開で秋田県から取り寄せた793頭もの膨大なクマの駆除データを分析中です。

 

分析作業はまだ中途ですが、この大量捕殺は、クマによる被害が発生したのが原因ではなく、秋田県民がクマに恐怖を抱くようになって実施されたものであることがわかってきました。

 

米田氏の推測や、それを検証もせずに大々的に報道したマスコミの責任は、誠に大きいと思います。

クマの生命を奪うことになるかもしれない問題については、報道はもっと慎重であるべきです。

 

熊森本部は、1月21日、大阪のフジテレビ視聴者センタに電話して、クマに口がないのをいいことに、このような一方的な内容を報道しないよう、責任者に厳重に申し入れました。

責任者は名前を教えてくれませんでしたが、担当者に伝えますということでした。

フジテレビは私たちの厳重抗議にもかかわらず、予定通り報道するのでしょうか。

 

この報道に問題を感じられる方は、フジテレビが今後も高視聴率を保つテレビであり続けられるためにも、ぜひ、フジテレビ視聴者センター03-5531-1111まで電話をしてあげて下さい。

 

 

直径12㎝規制を守っている兵庫県でクマがくくり罠に多く掛るわけ

くくり罠は、ハンターひとりにつき30個までの設置が認められています。

四つ足動物の足がくくり罠の踏み板を踏んでしまうと、一瞬にして足にワイヤが掛り、押しバネのものすごい力で足がワイヤで締め上げられます。

逃げようともがいているうちに、動物の足がちぎれ、4つ足動物の足が3本になってしまうこともあります。

くくり罠

 

2007年にわが国では、残酷極まりないトラバサミの狩猟使用が禁止されました。

今、残酷罠の筆頭はくくり罠です。

しかも、くくり罠には、獲ろうとしているシカ・イノシシだけではなく、猟犬やクマ、キツネ、タヌキなど、捕獲許可が出ていない動物の足も当然、無差別に掛ります。

最近は、3本足になった元4つ足動物が結構目撃されているそうです。

再びくくり罠にかかって2本足になると、もう歩くことはできません。

そのようになった動物の姿を想像しただけで、私たちは胸がつぶれそうになります。

人間にこんなことをする権利があるとは思えません。

人間が悪魔になってしまっています。

人間は悪魔になってしまってはならないのです。

 

2007年当時、環境省は私たちの「くくり罠も使用禁止に」の訴えがあまりにも強かったため、困っていました。

結果、環境省は、「シカ・イノシシを大量に獲らなければならないので、くくり罠を禁止にすることはできないが、くくり罠の直径を12㎝以下にするように規制をかけます。12㎝だとクマが誤捕獲されることはまずなくなるので、とりあえず今のところはこれでこらえてください」と、言われました。

もちろん、私たちは、くくり罠の残酷性、誤捕獲の多発性を指摘して、一歩も引きませんでした。

しかし、日本の自然保護団体は会員数が少なくて力が弱いので、残念ながら、くくり罠を使用禁止にすることができませんでした。

 

ところが最近、くくり罠12㎝規制が守られている兵庫県で、2016年に19頭ものツキノワグマがくくり罠に誤捕獲されていたことが判明しました。

なぜ?

調べてみてわかりました。

縦の長さは確かに12㎝ですが、横は20㎝ある弁当箱型くくり罠が使用されていたのです。

 

弁当箱型くくり罠

 

違法ではないかと、すぐに環境省鳥獣保護管理係に電話をしました。

縦さえ12㎝であれば、横は何センチでも違法ではありませんとのこと。

これではクマがかかって当たり前です。

いつそんな風に変わったのか、私たち自然保護団体には全く知らされていませんでした。

ショックです。

 

ネット販売されているくくり罠のカタログをひさしぶりに見てみると、2007年の時と違って、土穴など掘らなくても設置できるタイプのものができていたり、安価になっていたり、とにかく少し見ない間に、くくり罠がすごく進化しているのがわかりました。

 

人間は、どんどん技術を発展させ、工夫していきます。

野生動物は自然と共に生きているだけなので、技術を発展させることなどできません。

このまま無制限にくくり罠の使用を進めていけば、どちらがどちらを滅ぼすか、もう結果は見えています。

 

環境省がせっかくくくり罠12㎝規制を出してくれたのに、日本で一番クマが多い長野県がまず一番に直径の無制限緩和許可を発表し、いくつかの県がこれに続きました。

その結果、長野県はくくり罠に誤捕獲されるクマが後を絶たないというハンターからの内部告発が、熊森に入っています。

誤捕獲グマは法に従って放獣すべきなのですが、面倒だからと闇から闇にかなりの数のクマが違法に殺処分されているということです。

しかし、想像はできても、残念ながら、私達には確認する力がまだありません。

 

兵庫県は12㎝規制を守ってくれているだけまだましかと思っていたら、私たちの知らない間に弁当箱型くくり罠の使用が許可されてしまっていました。

欧米の大自然保護団体と比べると、まだまだ小さな私たち完全民間の自然保護団体のできることなど知れています。

しかし、山の中でどんなに残酷なことが行われているのか、想像すれば黙っている訳にはいきません。

とにかく今年もがんばりますが、会員数も、職員数も、もっともっとほしいです。

現在、新たな職員を募集中です。

熊森活動に人生をかけてみようという方のご応募をお待ちしています。

 

 

 

 

大阪市の企業会員社長が熊森本部を訪問

1月18日、くまもり企業会員である豫洲短板産業株式会社(本社:大阪市)の森晋吾社長が、今年も秘書の方とくまもり本部事務所を訪問してくださいました。

2004年のご入会以来、企業会員としていただいている年会費とは別に、毎年、年1回、ご寄付を持ってきてくださるのです。

また、「売り上げの一部は日本熊森協会に寄付されます」と明記された会社の自動販売機からのお金も持ってきてくださいました。

 

丁寧に包まれた寄付金を、森社長が室谷悠子くまもり新会長に直接手渡たされました。

 

左:森社長、右:室谷会長

 

お忙しい社長さんに申し訳ないので、ご寄付を頂けるなら熊森がお伺いさせていただきますと申し上げたこともありますが、社長さんは、「こちらが寄付させていただくのですから、当然こちらから出向かせていただきます」と言われます。くまもりとしては、申し訳ない限りです。毎年、本当にありがとうございます。

 

完全民間の熊森は、会員の会費だけでどうやって運営しているのかとよく聞かれます。

豫洲短板産業株式会社以外の法人会員や個人会員からも、自然を守りたいという私たちの理念に賛同して年会費以外に寄付金を入れて下さる方々がおられます。

会費を入れていただけるだけでもありがたいのですが、このような寄附にも熊森が支えられていることをお知りおきください。

 

今回来てくださった森社長の会社はステンレス鋼材を取り扱う会社です。

森社長は大阪府豊能町高代寺に誤捕獲グマの保護飼育のために獣舎を造る時、ステンレス製のどっしりとしたエサ箱の引き出しを4つ製作してご寄付くださいました。

 

昨年の12月31日から冬ごもりに入っている「とよ君」ですが、この前、訪れたところ、ステンレス製のエサ箱の中がおしっこでいっぱいになっていました。

「とよ君」は賢いので、寝床の藁をぬらさないように、トイレの場所をうまく考えついたのだと思います。

このことをお話しさせていただきましたら、森社長は大笑いされていました。

中のおしっこを捨てて、えさ箱をきれいに洗ってやりました

 

(もちろん、冬ごもりに入ったばかりの頃の話で、1月22日に行くと、エサ箱の中にはもう何も入っていませんでした。

本格的な冬ごもりに入ると、クマは排泄しなくなります。)

隙間から寝室をのぞくと目を開けた冬ごもり中の「とよ」1月22日

 

冬ごもり前の食い込み期の「とよ」に、毎年、友達とドングリを拾ってダンボールで送って下さる中学生の息子さんにも感謝です。

豫洲短板産業株式会社では今年、妙見山から高代寺方面への社員ハイキングを計画されているそうです。

その時はご案内しますので、ぜひ「とよの獣舎」を社員のみなさんに訪れていただくようお願いしておきました。

毎年恒例になっておりますが、この日も森社長と約1時間、歓談させていただきました。

社長様、秘書様、お忙しい中、本当にありがとうございました。

 

熊森も、「とよ」も、このような人々のやさしさや善意によって生かされているのです。

 

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同じ公立小学校で17年間連続してくまもりが環境教育授業を実施! 本部環境教育部

1月16日、 毎年呼んでいただいている兵庫県尼崎市の小学校で、今年も環境教育をさせていただきました。

今年で、17年間ずっと継続してこの学校に呼んでいただいたことになります。本当にうれしいです。

今回は、1・3・5年生に、森や動物の大切さ伝える授業をさせていただきました。

 

5年生

 

森と水のつながりについて、「イースター島」「世界」「日本」と、舞台を大きく変えながら考えていく授業です。

世界にも目を向け始めている5年生。世界の森の危機にも、敏感に反応します。

日本の森の危機を知って、「これじゃ、あかんやん!」と、素直な声があがります。

 

「みんな、森を守るなかまになってね!」というメッセージを残して授業を終えました。

5年生はとても積極的!質問に対して、素早く手が上がります。

 

1年生

 

くまもり環境教育ではおなじみの、紙芝居「どんぐりのもりをまもって」を上演。

奥山の人工林化によってクマの親子がたどる数奇な運命に、子どもたちはつらそうな表情を浮かべます。

子どもたちの涙をぬぐう姿に、読み手も思わず声が震えます。

 

子どもたちの純粋なやさしさが、ひしひしと伝わってきました。

両手を合わせて、クマの親子の無事を願う子も。とても印象的でした。

 

3年生

 

「動物」「土」「水」「建材」の4つの観点で、自然の森と人工林を比較していきました。

元気いっぱいながらも、考えるところはしっかりと考える、とてもメリハリのある子どもたちでした。

これはドングリのなるクヌギ。冬になると葉が枯れて落ちてしまうよ。

 

「痛い!」「枝までとげとげだ」など、感想を口々に言いながら、実物のスギに夢中!

 

 

関係者の皆様、今年も熊森に環境教育の機会を与えていただき、本当にありがとうございました。

 

☆☆☆

 

小学校は今、英語教育の必修化などで年々忙しくなってきています。

大切な環境教育の時間が削られてしまわないかと、熊森はとても心配しています。

そんな多忙な中、毎年熊森を呼んでくださる先生方には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

熊森の環境教育が子供たちに必要と思ってくださる方々のためにも、常に新しい情報を取り入れながら、このあともより良い環境教育プログラムをお届けしていきたいと思っています。

 

今後とも、よろしくお願いいたします♪(SY)

 

 

森林環境税プロジェクトチームを結成!

森林環境税でスギヒノキの放置人工林を豊かな天然林へ

2019年は、森林環境税が制度化される年です。2月から3月にかけて、国会で森林環境税の中身について議論がされます。あふれるスギやヒノキ放置人工林を、多様な生物が棲める保水力豊かな自然林へ戻しすチャンスです。近年、大雨が降るたびにスギやヒノキの人工林が広大に、何百か所にもわたって崩れています。2017年7月の九州北部豪雨災害、2018年7月西日本豪雨災害で多くの方が亡くなられたというニュースを見て、自然保護団体として放置人工林の天然林化は急務だと感じています。

22年間、熊森が進めてきた動物の棲める森復元の取り組みも広げていきたいです。

さらに本腰を入れて国会や全国の都道府県、市町村議会への働きかけを行っていくために、熊森本部スタッフとボランティアの方々で森林環境税プロジェクトチームを結成しました。1月12日(土)は室谷悠子会長をはじめ5名のスタッフとボランティアで初回の打ち合わせを持ちました。

室谷会長(中央)を中心に打ち合わせをするプロジェクトチーム

これからも、本部、支部とも会員のみなさんと、知恵を出し合って、動いていきたいです!日本の森にとって大転換期にしたいですね。

参加をご希望の方はぜひ日本熊森協会本部にまでご連絡ください。

熊森本部連絡先:

TEL:0798-22-4190

メール:contact@kumamori.org

③日本熊森協会顧問 藤田 恵 氏(旧徳島県木頭村元村長)

熊森運動が拡大すれば、ほとんどのダムが不要に

 

「水問題原論」嶋津暉之著北斗出版208ページ~209ページに、1988年3月に群馬県が試算した大規模な「森林保水力データ」が掲載されています。

 

利根川流域全体の森林の保水力             =20億立方メートル

 

利根川水系の9つのダムの合計貯水量夏=3億6000万立方メートル

利根川水系の9つのダムの合計貯水量冬=5億5000万立方メートル

 

私が顧問をしている日本熊森協会(室谷悠子会長)は、「拡大造林」後、放置され荒れ果てたスギやヒノキの人工林を、クマたちが棲める広葉樹の天然林に再生させる運動に取り組み続けています。

 

この運動が全国的に拡大すれば、日本の全ての川を埋め尽くしている約3000基のダムは、ほとんどが不要となるのではないでしょうか。

 

その結果、私の川復元20字定義「河口から源流まで、アユが自然遡上する川」が実現するでしょう。(2018年12月むすぶ№575に投稿より)

 

研究者の研究都合と行政の弱腰が引き起こした和歌山県台湾ザル根絶殺害の誤り

2019年1月2日京都新聞で、和歌山県の台湾ザルが根絶されたことを知り、空恐ろしくなりました。それにしても、おかしいなあ。当時、すでに、台湾ザルは三重県でも目撃されていたので、和歌山県だけで根絶できるはずがないと思い、ネットで調べてみました。

 

和歌山県庁記者発表 平成29年12月21日(木)

なんだ、和歌山県の大池地域から根絶したというだけの話か。それならわかります。しかし、離れザルが戻って来ることもあるのではないでしょうか。また、交雑ザルの中には、外見はまるでニホンザルだが、DNA鑑定すると台湾ザルとの交雑種だったというのも多かったと聞いています。(全て殺処分) これらは、見た目にはわからないということです。

 

京都新聞記事:「交雑種サル 不妊手術か安楽死か 問われる人間の功罪」

 

 

日本霊長類学会は、国の特定外来生物である台湾ザルをよくぞ根絶したと、和歌山県に学会功労賞まで授与したそうです。しかし、熊森としては、人間としてやってはならない残酷なことをしただけで、和歌山県にとってこの事業に何の意味があるのだろうかと思います。自然生態系にも地域住民にも、何の益もありません。

 

 

 

熊森と和歌山県台湾ザル根絶殺害問題

2000年に和歌山県の台湾ザル・混血ザル根絶殺害問題が起きた当初から、熊森は、これはナチスのわがままで思いあがったホロコースト思想と同一だとして、まだ小さな会だったにもかかわらず、祖先の全生命尊厳思想を守れと根絶殺害反対の大運動を展開しました。

 

まず元動物園があった現地へとんで行ってみました。廃園の際、台湾ザルを殺すに忍びないとして、当時の飼育者が横の山に放したであろうことが想像されました。そこにサルがいても困る人は誰もいないような場所だったからです。

 

地元の人たちにインタビューしてみました。サルによる被害は困るけど、それがニホンザルであるか台湾ザルであるか、そんなことに関心はないということで、地元住民としては当然だろうと思いました。

 

次に、和歌山県庁の担当部署に行くと、台湾ザルだけを根絶殺害するなんて、そんなかわいそうなことはできないという反応でした。日本人なら当然だろうと、私たちは安心しました。

 

しかし、権威に傘を来た日本霊長類学会の学者たちの根絶殺害願望はものすごく強くて、様々な理由を付けては行政に予算化を迫りました。しかし、どうも聞いていると、要するに混血することで自分たちのニホンザル遺伝子研究がやりにくくなるというのが台湾ザルを根絶させたい唯一の理由のようでした。

捕獲会社(WMO)の職員は仕事がほしいので、行政に根絶殺害すべきだ、うちが請け負うと通い始めます。

 

私たちはそれなりに生態学の知識がありますから、研究者たちにいくらでも反論できますが、3年ごとに部署替えされる日本の行政は皆素人状態から勉強し始めるので、肩書きのある研究者と熱心な業者にどんどん押されて行きます。当時の行政担当者は、ノイローゼ状態になったのではないかと同情します。

 

熊森は当時、形勢が危うくなってきたのを察知し、台湾ザル根絶殺害反対の署名活動を開始しました。夏の暑い日、兵庫県からJRの和歌山駅まで行って、駅前で声をからしてみんなで署名集めしたのを思い出します。(当時、まだ和歌山県支部はなかった)

 

そもそも台湾ザルが野生化したのは昭和34年(1956年)のことです。台湾ザルとニホンザルが自然交雑したのは、同種だからで、今後どんどん血は薄まっていくだろうし、仕方がないと私たちは思いました。研究者の皆さんの迷惑はわかりますが、そんなに混血ザルの存在が困るのなら、当時無制限に輸入されていた(現在も、ほんの一部にしか輸入制限はかけられていない)外来種の輸入を止めるべきだっただろうと思いました。

 

学術権威の力はすごいです。そのうちついに和歌山県行政は学者たちに押し切られて、台湾ザル・混血ザルの根絶事業開始に向かいます。しかし、当然ですが、県には反対意見が殺到。困った県は、当時無人島を探し始めました。避妊・去勢した台湾ザルに和歌山県がえさを与えて終生保護飼育する案です。和歌山県は賛同してくれる地権者を募ったのですが、現れなかったようです。今の熊森なら、島を買うこともできるかもしれませんが、残念ながら当時の熊森にはその資金がありませんでした。

 

和歌山県が、パブコメを募ったところ、根絶殺害反対がほとんどでした。この後は、賢い研究者の先生方の入れ知恵だと思うのですが、和歌山県民に限定して、1000人を無作為に抽出し、アンケートをとったところ、650人から返答があり、過半数の賛同が得られたということで、台湾ザル・混血ザル根絶殺害が一気に決定してしまったのです。

 

熊森は、負けました。今、思い出しても、悲しくなります。私たちの力が足りなかったばっかりに、何の罪もない台湾ザル・混血ザル全頭の命を奪うことになってしまったのです。申し訳なくて胸が痛みます。何回合掌しても、しきれるものではありません。

 

社会というのは、ほとんどの人が、そんなえげつないこと、そんな人の道に外れたことできないと思っていても、ほんの例外的な賢く強い一部の利権がある人たちの策略だけで行政の政策が決定され、訳のわからないままみんながその恐ろしい流れに流されていくことになるものなんだと、私たちはこの件から学びました。私たち利権のない自然保護勢力がもっともっと大きくなっておかなければなりません。

 

それにしても、あの時、650人が回答して、台湾ザル・混血ザルの根絶殺害を決めたアンケートとはどういうものだったのか、当時非公開で教えてもらえなかったような気がします。

 

この度、調べてみると、アンケートは2択になっていて、

1、捕獲して安楽死

2、避妊去勢後、施設で飼育

だったそうです。

なにい!3、このまま放置がない。

 

本当に研究者たちは頭がいいですね。狭い施設で何百頭ものサルを飼うのはかわいそうと思う一般県民の心を利用して、自分たちが望む方向に、アンケート結果を誘導したのでしょう。

 

ちなみに、大池地区の、台湾ザル・混血ザル根絶事業によって殺されたサルの数は、366頭。和歌山県が使った予算は5000万円だったそうです。1頭あたり13万円。捕殺業者にとっては、ぼろい仕事だったかもしれません。

 

霊長類学会の先生方は、一面、確かに優秀で偉い方たちであり、敬意を表します。しかし、台湾ザル・混血ザル根絶問題では、とんでもない間違いを犯されました。人間以外の生き物たちの命を人間が自由に操作して良いという前例を作ったことは、今後、自然に対する尊厳を国民が失って自然破壊を進める文化を作ることになる(実際なっている)と私たちは思います。

 

研究者のわがままだけからスタートしたナチスのホロコースト思想が、ついに行政や専門知識のない人たちを脅してここまでやったのかと思うと、改めて今の日本社会が空恐ろしくなりました。

 

 

年賀状2019年から ②日本熊森協会群馬県 川嵜實支部長(抜粋)

野生動物たちの行動変化が教えてくれている自然崩壊

 

自然は崩壊を始めています。
群馬県の自然林の中を歩いてみると倒木だらけ(注:ナラ枯れ)、下草も場所によっては「酸性雨」の影響でほとんど無し。そこに住む野生動物たちは食料が不足し、人間社会に出没するようになってきました。

人間は、環境保護者を自認する人々までもが野生動物が増えた増えたの大合唱で、ジビエ料理で地域起こしを始める始末。

しかし、国のデータは、確実に、「野生鳥獣による農業被害、林業被害は被害額、被害面積共に減少している」ことを示しています。

群馬県でも、鳥は鳴かなくなり、昆虫の姿を見ることも少なくなりました。既に「沈黙の春」の到来です。自然の崩壊と「動物であることを忘れた人間たち」への危機を、野生動物たちが私たちに教えてくれているのです。(補足:感謝すべき野生動物たちを、害獣指定して殺しているのが日本社会の現実です)

 

酸性雨が野菜の栄養価を下げている?

 

私たちは忘れかけていますが、人間の体は食べ物から出来ています。食べ物から栄養を摂取し体を維持しています。その食料に含まれる栄養素が激減しています。形はあっても中身はスカスカの状態です。土壌に含まれているミネラル分が「酸性雨」を中和するために使われているからと私は考えています。
食物は土壌が作ります。土壌が「酸性雨」で貧栄養状態になっています。野菜・果物の栄養素は50年前の20%までに激減しているそうです。

 

そして今や食物は出来る過程で大量の農薬(殺虫・殺菌・除草剤)の散布を受け、化学肥料で育てられています。さらに、私たちの口に入る過程で大量の多種食品添加物が使われています。

 

土が貧栄養、食物は農薬・食品添加物まみれ、現在に生きる人間が罹患する病気の多くの原因(生殖・免疫・精神の破壊)の基とシーア・コルボーン女史は「奪われた未来」で訴えています。

 

土壌中の微生物が「酸性雨」で死滅・減少していると考えると、人間の多くが栄養補助食品に依存していかざるをえないのが理解できます。

 

しかし、野生動物はその栄養補助食品を摂食することができませんので、中身のスカスカのどんぐり類等の食料を食べるしかありません。

 

子や孫が平和で病気に罹患しないで健康で安心して生きられる社会をめざして、今年も残された命を使っていきたいと考えています。

 

(熊森から)川嵜支部長は、体調の思わしくない中、自然保護、高齢化した町内の人たちのお世話に奔走されています。

年賀状2019年から ①東邦大学理学部 理学博士 大森禎子先生

<熊森に来た年賀状から>

大気中の硫酸濃度の上昇が、地球規模で木々を弱らせ枯らしている

 

昨年、資料をまとめました。

 

以前、発表させていただいたように、人類は二酸化炭素の発生量に比例して大気中に硫酸も発生させています。(補足:人類は、塩素も大気中に大量発生させている)

 

 

ドミニカ共和国(北緯18度 西経70度)は、アメリカの南に浮かぶ島ですが、原生林が全滅しています。

 

太平洋に浮かぶ島ハワイ島(北緯19度 西経155度)では、火山の反対のマウナロア山の北側の木が枯れています。ここは赤道に近いために気温が高く、上昇気流が起こり、北半球の硫酸を含む大気を引き寄せます。硫酸がここの樹木に附着して土壌が酸性化し、木々が枯れていっているのです。

 

硫酸に汚染された大気は上空に上がって冷却されて重くなり、北と南に分かれて下降し、北半球は偏西風の中に、南半球では極渦の中に蓄積されます。

 

南米大陸最南端のフェゴ島ではブナが全滅し、跡には幼木も草もなく地表は苔のみになってしまっていました。

 

ニュージーランド南島も、南北に伸びる山脈の西面と南端では、樹種に関係なく樹木が全滅しています。

 

汚染物の接触がないはずの赤道直下のインドネシア・カリマンタン(北緯0度 東経109度)では土壌からの溶出硫酸イオン濃度は40μeq/dm3を超えています。北半球で発生する硫酸は赤道を越えて南半球の樹木も枯らしているのです。偏西風や極渦の通過する位置の樹木の幼木は種を落とす前に枯れ、次世代の樹木は有りません。
日本は偏西風の通過道に入り、マツやナラが枯れ、偏西風の通り道は樹種に関係なく、枯れ始めております。(木々が弱ると、虫が木々を片付けに入ります。その虫を見て、多くの研究者たちは、虫が木々を枯らしたとして、農薬を用いて虫退治に躍起になっているのです)

 

(熊森から)大森先生はこれまで世界中を回って森の調査をしてこられました。しかし、硫酸濃度の上昇による木々の弱り・枯れは、経済第一の国や利潤第一の産業界にとっては公表されては困る研究であり、大森先生の論文はどの学会からもことごとく発表を拒否されています。(日本の学会の実態がわかりますね)

日本奥山学会は、大森先生に第1回日本奥山学会研究発表会で発表していただき、学会誌にも論文を掲載させていただきました。

人類は目先の便利さや快楽のために、地球上の森を枯らしているのです。もし、人類が全地球生物からなる地球裁判所に訴えられたら、確実に死刑判決が出されるでしょう。

 

 

 

 

 

 

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