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兵庫県野生動物管理計画案(くまもり解説編) その②

兵庫県動物管理計画案は、人間勝手で残酷極まりない野生動物大量殺害計画案です。

 

(資料)兵庫県野生動物管理計画案 (約200ページ)

 

背景には、野生動物たちに農作物を荒らされるなどの被害が増大して、地元の皆さんが悲鳴を上げておられるという問題があります。

 

 

このような問題が起きた最大の原因は、戦後の拡大造林政策や国土総合開発によって人間が野生動物たちの生息地を奪ったことです。

クマたちの森は、多くが動物の棲めないスギやヒノキの人工林に変えられ、今や林業低迷によって放置されて大荒廃しています。

シカたちの生息地であった草地や湿地は、農地開発や宅地開発で人間に取り上げられてしまいました。

 

 

それ以外の原因として、エネルギー革命による里山放置で里山が藪化していることや、工業立国をめざす国の政策により、農林水産業に従事する人が激減して過疎化・高齢化が進み、郡部における人間側の野生動物対応力が弱まっていることなどがあります。また最近では、大気汚染や温暖化など、人間の地球環境破壊による地球規模の森林劣化が著しく、野生動物問題を引き起こしている原因は、すべて人間側にあります。

 

野生動物は、もう一つの日本国民であり、私たち人間の生存基盤である豊かな自然の貴重な構成要素です。彼らが存在してくれることによって、私たちは生かされており、どれだけ心身ともに恩恵を受けているか、はかり知れません。今後もこの国で私たち人間が生きていくためには、大型野生動物たちと国土を棲み分けて共存していかねばなりません。

 

郡部の人たちを悩ましている大型野生動物による被害問題を解決するために、まずしなければならないのは、かれらの生息地を復元・再生してそちらに戻ってもらえるようにすることです。次に、人間の所に来ないように柵などで被害防止対策をとることです。野生生物の生息数は自然界の法則によって増減を繰り返しますが、そんなことは人間が関知すべき問題ではありません。ただし、人間の所に出てきたときは、追い返さねばなりません。

 

というわけで、私たちが野生動物問題に対してとらねばならない対策は、

生息地保障被害防除対策の強化です。

 

ところが、兵庫県野生動物管理計画案では、現在の野生動物被害増大の原因は、野生動物たちの生息数が増え過ぎたことにあり、増え過ぎた原因は、ハンターが減ったからであるとしています。(熊森は、この原因特定がまやかしでありまちがっていることを、これまでブログで何度も指摘しています)

 

というわけで、兵庫県野生動物管理計画案では、絶滅しない程度に野生動物を大量殺害することが対策となっています。よって計画案の中心は、現在の野生動物の推定生息数と、適正数の計算、年度ごとの補殺数、ハンターの数です。数字ばかりが並んでいます。

管理計画という行政言葉は、殺害計画という意味です。

この計画案では、野生動物の存在は人間にとって害であり、具体的な被害が次々と表示されています。一方、かれらの存在益についての具体的な表示はゼロです。

被害防除については少し触れられていますが、生息地保障に至っては具体的な記述は皆無状態です。

 

かつて、人間が野生動物を管理することによって「野生動物の数を限りなくゼロに近く一定数にしたい」と言われた行政マンがいましたが、自然というものがどういうものか全くわかっておられません。野生動物管理思想は、野生動物の命の尊厳が全くわからない人が考え出した実現不可能で異常な残虐手法です。ナチスの思想の野生動物版です。ふつうの人なら、聞いただけでぞっとすると思います。神様でもない人間が、人間の力では把握することなど不可能な生息数を推定し、かれらの適正生息数を勝手に決め、それ以上は殺すことにするなど、もはや人間は悪魔でしかありません。これらの計画案は、人間のおごり以外の何物でもなく、人間が浅知恵で自然界の絶妙のバランスに手を入れることで、日本の自然を台無しにしてしまう亡国計画案です。

 

日本福祉大学の山上俊彦教授も指摘されていますが、生息地保障をしないこのような計画は、国際法である「生物多様性条約」(日本は1993年に外務省が締約)に、大きく違反するものです。

 

以下は、平成27年度、兵庫県で殺害された野生動物の数と、最新生息推定数です。(兵庫県発表)

 

殺害数          最新生息推定数

クマ       18頭             897頭

サル         66頭              1000頭

シカ     45569  頭                   13万頭

イノシシ        約2万頭            6千~1万5千頭

アライグマ          4795頭                                                       ?

 

全種に関して、今後も大量殺害を続けていく兵庫県野生動物管理計画案です。

 

平成28年度、兵庫県はクマが940頭に爆発増加したと推定し、20年ぶりに狩猟を再開し140頭のクマを獲ろうとしました。結果、狩猟されたのは4頭のみ。940頭に爆発増加の推定が間違っていたことが証明されました。

 

サルは、群れを作り生息数がかなり正確に数えられる例外的な動物です。兵庫県では全ての群れに発信機を付けて群れの動きを把握しており、群れの中のオトナメスが10~15頭を超えないことを目標にしています。超えた分は毎年射殺しています。家族愛の強いサルのことです。家族の悲しみはいかばかりかと思われます。

 

イノシシに関しては、かなり数を減らしてきています。イノシシは、兵庫県では肉が高く売れるので、獲りたいハンターも多いはずです。年間捕殺数2万頭、残り推定生息数が最大1万5千頭なら、もう、捕殺している場合ではないと思います。早急に捕殺を止めるべきでしょう。

なぜ次年度も管理対象(=殺害対象)なのか、理解に苦しみます。

 

アライグマなどの外来種に関しては、もう完全に無用の殺生になっています。わたしたちの税金は、現在、100%、外来種の根絶殺害のみに使われており、被害防除には使えないようになっています。繁殖力が強いので、殺しても殺しても、すぐまた環境収容量に見合う数に戻ってしまっています。

(以下、アライグマの補殺数変化表をご覧になってください)

 

 

年度    アライグマ捕殺数(頭)

平成16年度      99

平成17年度                    361

平成18年度       2100

平成19年度     2779

平成20年度     3133

平成21年度     3281

平成22年度     3999

平成23年度     3145

平成24年度     3407

平成25年度     4136

平成26年度     5121

平成27年度     4795

 

捕殺数が減る気配は全くありません。

 

このような状況では、殺され続ける外来動物の命が無駄なだけで、何ら問題解決になっていません。また、このような外来動物の根絶殺害は、生命軽視の風潮を生み、人間社会にも大きなマイナスとなります。

 

大変残念ではありますが、いったん野で繁殖した外来動物を根絶することは不可能なので、根絶殺害ではなく、アライグマの侵入する屋根裏の穴を閉じたり、田畑にアライグマ用の電気柵を張ったり、被害防除に税金を使っていただく方が賢明です。今の状態では、外来種捕殺業者が毎年もうかって喜ぶだけです。

 

次回、その③では、国民の皆さんに声を上げていただきたいことを書きます。

2/16 兵庫県北部、5年に1度の大雪、くまもり雪かき隊、兵庫県南部より出動

午前8時、兵庫県南部西宮市に6名集合。天気晴れ。積雪ゼロ。

高速道路を使って一路北上。午前10時30分、兵庫県北部の雪国地帯に到着。

同じ兵庫県でも、冬の南部と北部は全く別の気候です。

 

 

主要道路は行政によって除雪されていますが、道路から民家の玄関までは、自分で除雪しなければなりません。

半分くらいは溶けたと言われていますが、まだまだたくさん雪が積もっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

現地到着

 

その1

この日は、カナダ人の会員も参加してくれました。さすが、雪かきには慣れておられます。

玄関に通じる道が開けられていきました。玄関の近くにシカの深い足跡がありました。

ここでうまく、食べ物を見つけられたのかどうか心配です。

雪かき+雪下ろし

 

その2

2軒目は、お世話になっている集落の老夫婦のおうちです。

道路に出るまでの私道の雪かきを行いました。距離が結構ありました。

力自慢の6名だから、みるみる作業が進んでいきましたが、雪が重くて固かったです。もし高齢者がするとなると大変だろうと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

私道が長い家

 

その3

3軒目のこの建物は、集まりに使う場所で、ふだんは使われていません。

どこから手を付けたらいいのかわからないほど雪に埋まっていました。

雪に埋もれている

 

スコップとママさんダンプで悪戦苦闘していると、地元の会員さんが除雪機を持ってきてくださいました。最近は結構多くの家がこの除雪機を購入しているということでした。

雪が飛び出す除雪機の威力にびっくり

 

さすが、機械はすごいです。誰がこんな物を考え出したのでしょうか。尊敬してしまいます。しかし、除雪機にも限界があって、固い雪、軒下、屋根の上などでは使えません。

玄関に至る道、開通

 

やっと、玄関に通じる道の雪かきが終了しました。3軒の雪かきをして、この日の作業を終えました。

 

地元の方に、雪下ろしは、雪の降っていない寒い朝にするもんだと教えていただきました。

今日のように晴れた暖かい日にすると、溶けた雪が落ちて来て危険なのだそうです。勉強になりました。今回、ケガもなく無事に終了できてよかったです。6名は、自分たちが社会のお役にたてたことに充実感を感じて、帰路につきました。天気予報が晴れだったのにサングラスを持って行かなかったので、雪焼けで今は目が少し痛いです。

 

雪かきボランティアのご登録を

本当に、兵庫県一つとってみても、南部と北部では不平等です。

南部の私たちは、雪に悩まされることもなく晴れた温かい冬を過ごし、飲み水は、北部の積もった雪がとけてしみこみ地下水となったものをふんだんに使わせてもらっています。南部には若い力も時間もあります。過疎化高齢化で困っている北部に雪かき応援に行くことは、双方にメリットがあります。

雪かきを手伝える方は、どうぞ熊森本部にお名前をご登録ください。次回、行くときにお声かけさせていただきます。

 

追記:狩猟について

帰り道、集落から山に向かって続いているスノーシューズの跡を見つけました。ハンターです。

本来、我が国の猟期は11月15日から2月15日までなのですが、シカとイノシシをもっと減らすためということで、猟期が3月15日まで延長されており、今もまだ猟期なのです。

この大雪で、野生動物たちは食料にもありつけず、人間以上に苦しんでいるはずです。今や人間は、有り余るまでに食料があるのですから、もう野生動物まで食べなくてもいいではないかと思うのですが。

人間が狩猟をしないと、野生動物たちが増え過ぎて困ったことになっていくという狩猟派の研究者たちがいます。本当なのでしょうか。証拠はあるのでしょうか。私たちはそのような説の根拠を知りません。

自然界は本来、絶妙のバランスがとれています。ある種だけが増えすぎることはないようになっています。(自然界から離れた人間だけは例外)

もし、現在、ある種が増えて大変なことになっているのなら、それは、自然界のバランスが崩れたからです。バランスを崩した犯人は、人間のはずです。

野生動物を取り除くのではなく、人間が行った自然界のバランスを崩す行為を取り除く方が王道だと熊森は思います。

みなさんはどう思われますか。

 

 

 

 

 

 

 

「クマが襲ってきた」発行:秋田魁新報社 

秋田県が平成28年度、478頭ものクマを駆除したことを知って、許せない思いがしていました。

こんなことになったのは、鹿角市でのクマによる死者4名事件に秋田県民が過剰反応した結果だろうと思いこんでいました。

当協会としては、事件当時、秋田県の行政や森林管理署に、連日、手当たり次第に電話をして、「ただちにタケノコ採りの入山禁止措置を!」と、お願いし続けた経緯があります。しかし、秋田側の動きは遅くて、そうこうしているうちに次々と死傷者が増えていきました。私たちには苦々しい思い出です。

 

秋田県会員から、秋田魁新報社が昨年末に「クマが襲ってきた」という本を出版したので読んでみてほしいという連絡が入った時、題を見て、またマスコミはクマを一方的に悪者にしているのかと、少し不愉快な思いになりました。

 

この度、熊森の理事から偶然この本が送られてきたので、読んでみました。そして、これまでの秋田の事件への自分の一方的な思いを深く反省しました。

やはり兵庫県から遠く離れた秋田の事です。自分ではわかったつもりになっていましたが、わかっていなかったことがたくさんありました。やはり現地の声を聞くことが大切です。

いろいろと教えられ、考えさせられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

秋田魁新報2016報道ファイル(さきがけブックレット)

 

題に関しては、読後も抵抗がありますが、内容は非常に誠実でよくできており、いい本です。もちろん、熊森としては、秋田県はクマを殺さない対応をもっと追求すべきだという思いは残りました。

 

感想が2つあります。

 

秋田の奥山の異変について

去年、秋田の集落に出てきたおびただしい数のクマや、クマを集落へ誘引した物については良くわかりました。しかし、これまでクマたちが棲んでいた秋田の山の状況が、今どうなっているのかの調査報告がありません。クマの行動に異変が起きたのなら、秋田の山にも異変が起きているのではないかと思えます。ミズナラが大量に枯れているとか、昆虫が消えているとか・・・。

集落側の過疎化高齢化がクマの出現を許しているという面はもちろんあると思いますが、クマ問題を考えるには、クマが出てきた場所や出てきたクマばかり見ていないで、クマがこれまで棲んでいた山に異変が起きていないか目を向ける必要があると思います。

 

「狩猟」効果について

人とクマとの棲み分けを復活させることは最重要ですが、そのために「現代狩猟」は必要でしょうか。疑問です。

クマが人間を怖いと思い、人間を避けるように仕向けるというのは、確かに必要だと思います。昔のマタギ的な「狩猟」なら、大勢の人間に追い掛け回されて逃げ終えたクマが人間を恐れるようになる効果はあったと思います。

しかし、今の銃には望遠鏡がついておりライフルの性能も飛躍的に発達しています。狩猟といっても、もはや人間はクマを追いかけず、クマが人間を人間と認識できないまでに遠く離れた所から100発百中でクマを撃つと以前聞いたことがあります。

クマにしたら、人間に狙われたことがわからないなら、人間を怖がることにつながりません。しかも、殺してしまったら、人間を恐れるクマは誕生しません。その上、棲み分けることが大事なのに、山奥にハンターが入ってきてクマを狩猟すれば、クマはどこにいたらいいのかわからなくなってしまいます。

もし、奥山に豊かな自然が残っていれば、ハンターが銃で脅しながら、クマを追い掛け回して奥山に追い上げることには意味があると思います。

「現代狩猟」の棲み分け効果について、国民的議論が必要だと思います。

 

<最後に>

鹿角の事故で79才のご主人を亡くされた女性が、「クマばり悪りと言われね。クマも命さもらってこの世さ来て、生きねばねえんだもの。じいさんとばったり会って、びっくりしたんだべ。かじるか引っ掻くかしかできねえ生き物だもの。クマも真剣だ。恨む気なんてないです」と答えておられるのを読んで、会いに行って手を取り合いたいほど、共感しました。必死に生きている生き物たちの身にもなって考えられる、このような自然観が、私たちの祖先の文化なのです。

 

秋田県鹿角市のクマによる死者4名事件に関心をお持ちの方は、ぜひ、ご一読されますようお勧めします。

秋田魁新報社のみなさん、これだけの本を作られるのは大変だったと思います。この本を作って下さったことに、心から感謝します。

日本にも、まだ、このようにまじめな本を作ってくださる記者さんたちがおられることを知って、うれしくなりました。

島根県でイノシシ罠に誤捕獲されたクマの大量殺処分(=違反)が発覚!パブコメ募集の中止を!

日本一のクマ保護先進県として熊森が称賛していた島根県が、現在、「島根県クマ保護計画案」に対するパブリックコメントを募集しています。(2月17日締め切り)

今年もいろんな県の「クマ保護計画・クマ管理計画」にパブリックコメントを提出している熊森ですが、「島根県保護計画案」だけ、平成28年度クマ捕殺数の記載がないことに気づきました。変だなあ?と、2月13日に島根県庁鳥獣対策室の担当者に聞き取ったところ、なんと・・・平成28年度、島根県は前代未聞、181頭という大量のクマを捕殺していたことが発覚しました!

これまで熊森が気づかなかったのは、イノシシ捕獲用の罠に誤捕獲されたクマ186頭のうち、125頭が殺処分されていることが発表されていなかったためです。誤捕獲されたクマを殺処分してしまうのは、ルール違反です。

<西中国山地3県の誤捕獲グマ殺害数と率・有害捕殺数・合計捕殺数>

島根県 誤捕獲グマ125頭/186頭を殺害  (殺害率67%)
・・・・・・・+有害捕殺数56頭 合計捕殺数181頭

広島県 誤捕獲グマ36頭/36頭を殺害    (殺害率100%)

・・・・・・・+有害捕殺数15頭 合計捕殺数51頭

山口県 誤捕獲グマ18頭/25頭を殺害        (殺害率72%)

・・・・・・・+有害捕殺数7頭   合計捕殺数25頭

 

西中国山地のツキノワグマは、環境省のレッドリストで絶滅 の恐れのある地域個体群とされ、国による狩猟禁止など、これまで保全への配慮が求められてきました。しかし、近年、分布域が外側に拡大しています。(平成24年JBN) 奥山での森林荒廃が進み、コア生息地の生息密度が薄くなってきていることから(金井塚務氏)、必ずしも生息数が増えたとは言えません。西中国山地のクマ生息数は、近年、微減と発表されていました。(2015年発表)

ちなみに、誤捕獲グマの殺害率は、平成28年度兵庫県、鳥取県、京都府では0%であり、これらの府県では、今も保全ルールがきちんと守られています。

 

(熊森から島根県へ)

「島根県クマ保護計画案」の保護の文字が泣きます。

これだけホロコースト的な大量捕殺を実施しておきながら、次年度も「保護計画案」の名を、どうして掲げることができるのでしょうか。島根県は平成28年度、クマを完全に管理対象(=捕殺対象)にしてしまっています。

 

現在パブリックコメント募集中の「クマ保護計画案」には、錯誤捕獲が発生した場合には「原則として放獣すること」と太字下線で強調して記載されています。むなしい限りです。

また、捕殺の上限も80頭と定められています。平成28年度の捕殺数181頭は記載されていません。全く意味のない捕殺上限数です。

このように、うたっていることとしていることが真逆の「クマ保護計画案」を提示してパブリックコメントを募集するのは、提供された資料を熟読し、まじめに考えて応募してきたわたしたち国民を欺き愚弄する行為であると思います。

島根県のこの様な姿勢を非常に悲しく感じます。

熊森は島根県に対し、現在の「クマ保護計画案」へのパブリックコメントの募集を中止し、島根県が本当に実施してくださる内容に書き換えて、再募集されることを申し入れました。また、すでに応募された方に対しては、平成28年度の補殺数を正直に伝え、資料不足をおわびして、再応募していただくよう依頼すべきです。

 

「島根県クマ保護計画案」パブリックコメント応募先

締切:2017年2月17日まで

島根県・西中国地域クマ保護計画 (提出先:農林水産部森林整備課鳥獣対策室 FAX:0852-22-6549 Mail:choju@pref.shimane.lg.jp)

募集要項等URL:http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/ringyo/choujyu_taisaku/tokuteikeikaku_ikenbosyu.html

 

1月29日 東京クマ学講座 

くまもり東京都支部とくまもり神奈川県支部の共催による東京クマ学講座が、日本教育会館一ツ橋ホール707号室で開催されました。

講師は「東京のクマ」で有名な山﨑晃司氏(東京農業大学   地域環境科学部   森林総合科学科   教授)です。

「東京、そして日本のツキノワグマの今」という演題で話してくださいました。

会場風景

 

1991年から奥多摩のツキノワグマの調査に取り組んでこられた山崎先生のお話は、東京都などのくまもり会員が以前からぜひお聞きしたいと熱望していたものでした。参加者一同、全神経を集中させて聞き入っておられたことと思います。

 

先生はまず初めに、クマ保全に取り組むなら、現地に行き、地元の方とお話をし、地元の方たちの気持ちをくんであげて、その上で自分の意見を言うことが大切だと話されました。これは熊森本部もずっと言い続けてきたことで、その通りだと思います。まだ地元集落と結びついていない支部は、ぜひがんばってください。

 

大昔、日本列島の本州には、ヒグマ、ツキノワグマ、ヒョウ、トラ、オオカミたちが暮らしていたそうで、想像しただけですごいです。アジアの広大な地域に生息してきたツキノワグマですが、現在、残念ながら、分布域がどんどん縮小されているそうで、危機感を持ちました。そんな中で、日本には、まだツキノワグマがいます。単位面積当たりで見たら、日本はクマの生息密度がもっとも高い国のようで、祖先の共存文化をとても誇らしく思いました。残念ながら、九州のツキノワグマは滅びてしまいました。四国は大変危うい状況なので、山崎先生も、今年、何とかしようと決意されているようでした。熊森も、四国のクマの絶滅を止めるために、できる事をみんなで一緒にしたいです。

 

2016年に起きた秋田県鹿角市のツキノワグマと人との事故については、一体何があったのか、神のみぞ知るですが、山崎先生の推察を興味深く聞かせていただきました。それにしても、この事故があったことで、秋田のクマは推定生息数の約半分500頭近くが殺処分されてしまいました。

熊森が思うに、クマによる人身事故が起きると、いつも、研究者を名乗り、どこまで本当かわからないセンセーショナルなことを流してメディアの寵児となる人がいます。今回もそのような人の言葉を真に受けて、マスコミが、「人喰い熊誕生」、「殺人熊誕生」などと、大騒ぎしました。その結果、全国で罪もないクマが大量に殺されたのです。熊森は、マスコミのあり方に猛省を促したいです。

 

東京都奥多摩のクマについては、まず、終戦直後の1947年にアメリカ軍が上空から撮った禿山だらけの山々の写真を見せていただきました。会場からどよめきの声が上がりました。ここまで過度に人間が山を利用していたということです。今、この場所は木々で覆われています。山崎先生の調査によると、最近、山に入った時出会うクマの数や見る痕跡が増えて来ているということでした。これまでクマがいなかったところにも、クマの分布域の拡大がみられるということでした。首都という巨大な大都市のバックにある奥多摩には、今も、クマ、サル、シカ、イノシシ、カモシカ、大型野生動物たちがすべて残っているということで、本当にすごいことだと思います。1362万人東京都民の水源を支える奥多摩の山々を、調査してみたくなりました。

 

山崎先生のわかりやすいやさしい語り口に、参加者一同、参加して良かった勉強になったと、みな喜んでおられました。

 

この後、森山まり子(日本熊森協会会長)が「日本熊森協会とツキノワグマ」という題で話しました。森山会長は、人工林・自然林とも荒廃して奥山にクマが棲めなくなっている兵庫県の現状から、作今のクマの生息域拡大現象が、実は生息域の移動によるドーナツ化現象なのではないかという推察や、今、全国で実施されている「数を 推測して殺すだけ」の野生動物を物扱いした管理(=ワイルドライフマネジメント)の残酷さや非人間性を、物言えぬ野生動物たちに代わって、物言える私たち人間が声を大にして世に告発していかねばならないなどと話されました。

 

会場には山崎先生を含めて、大学の先生が3名出席されておりました。後の2人の方には、大気汚染が及ぼす森林の枯死や、ベイズ推定法でクマの生息数を推定することが不可能な理由など訳などについてミニ発表をしていただきました。おかげさまで、この講座がさらに盛り上がったと感じました。

 

会場との質疑応答では、クマの生息数推定を計算する手法が現在確立しておらず、将来も確立するとは到底思えないため、研究者たちがそのようなことに労力を費やすことへの疑問など、参加者一同が考えさせられるような質問がいくつも出て、有意義でした。

 

今回の学習会で発表してくださったみなさん、会を企画してくださったみなさん、参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。今後の熊森活動の力にしていきましょう。

 

兵庫県が野生動物管理計画に意見を募集中 2/28締切 その①

今回、県民に提示された資料は200ページ弱もあります。(インターネットから入手できます)

 

一般県民にとっては読むだけでも大変でしょう。しかも、バサッとこのように大量の資料を与えられても、どの部分に意見を述べればいいのかさえわからないのではないでしょうか。

 

兵庫県は本当に県民の意見を聞いてみたいと思っておられるのか大変疑問であり、このような膨大な資料を一般県民に提示されたことを大変残念に思います。

 

しかも、この資料は、去る1月26日に開催された兵庫県環境審議会鳥獣部会の専門家たちに配布されたものと、全く同じものなのです。専門知識のない県民にとってはハードルが高すぎるのではないでしょうか。

 

熊森はこの審議会を傍聴しましたが、同じ意見の方たちを委員に任命されているのでしょうか、兵庫県森林動物研究センターの専門員と研究員が次々と発表しただけで、専門家の方からは、あまり質問や意見が出ませんでした。(審議会になっていない)

審議会というより、森林動物研究センターの発表会のような感じがしました。

 

熊森的には、この管理計画案は、もう無茶苦茶だというくらい問題点が多く、残酷でぞっとする亡国管理計画案なのですが・・・

 

と言っても、委員から、少しは質問や意見も出たので、せめてそれだけでも県民に提示していただければ、一般県民が意見を述べる糸口になったのではないかと思われます。

 

いつも疑問に思うのですが、兵庫県森林動物研究センターの研究員というのは兵庫大学の先生たちで、県からお金をもらっている研究者です。兵庫県森林動物研究センターの専門員というのは、兵庫県庁の職員で行政マンです。

 

本来、学問の世界と行政の世界は独立性を保たねばなりませんが、兵庫県では一体化しています。これは組織上、大変まずいのではないかと思いますが、みなさんはどう思われますか。

 

研究者は行政の不利になることは言えなくなるし、行政は研究者のミスを指摘することができなくなります。その結果、県民は蚊帳の外に置かれてしまうのです。行政にデータを提供している兵庫県森林動物研究センターの研究員が審議会委員に入っておられることにも、大変違和感を感じました。管理計画案作成に参画している人が委員として輪の中にすわっているということは、反対意見などを出しにくい雰囲気を作る原因のひとつではないでしょうか。次回から、こういうおかしなことはぜひやめていただきたいです。

 

当協会は、昨年1月、兵庫県森林動物研究センター研究員のデータ隠ぺい体質がひど過ぎるとして、情報公開を請求しました。しかし、一部公開に終わったため、やむ終えず、昨年6月に県の情報公開・個人情報保護審議会に、殺されたツキノワグマの年齢や胃内容などを兵庫県も他府県並みに公表していただきたいと訴えましたが、いまだに回答がいただけていません。どこで止まっているのかしりませんが、基礎データだけは公表していただかないと、県民として政策判断がむずかしくなります。

 

県の組織体制になど興味のない人が多いでしょうが、実は、こういうことはとても大切で、組織体制が県の方向性を決めるのです。

 

前置きはこれくらいにして、兵庫県の鳥獣管理計画に意見を述べようと思われている方のために、ポイントを提示していきたいと思います。参考にしていただけたらうれしいです。

 

 

 

 

2月9日 冬ごもり中も、「とよ」の安否確認

只今、「とよ」は冬ごもり中です。

静かに見守ってやってください。

しかし、お寺のみなさんや「とよ」のお世話隊は、安否確認のため、そっと見に行っています。

家が近い会員の方の中には、何度も見に行ってくださっている方もおられます。

今日は木曜日なので本部お世話隊が安否確認に行きました。

高代寺は雪。気温0度。庭のスイレン鉢も凍っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

獣舎を訪れる人もなく、あたり一面シーンと静まり返っていました。

先週来た時は、「とよ」は寝室の中にある自分で作った藁穴に埋まって、ほんの少しごそごそしたりしていました。

しかし、今日はまったく動きがありません。寝入っているのでしょうか。

呼吸に合わせて体が規則正しく膨れたり縮んだりしているだけです。

完全に冬ごもり中です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

万一に備えて運動場に積んであるドングリも全く食べた形跡がありません。

もちろん、糞もゼロ。

プールの水も澄んだままです。

糞取りも、プール洗いも何もする必要はないのですが、それでも、お世話隊は「とよ」を訪れます。

生き物を飼った責任感+みんな、「とよ」がかわいくて、たまらないのです。

 

平成28年度、京都府では67頭のツキノワグマが有害駆除されました。

これまで京都の山に放獣させてもらえなかった「とよ」が不憫でなりませんでした。

しかし、あの時、放獣していたら、民家の柿の実を夜中にこっそり食べに来た罪などで、今頃はもう殺されていた可能性が大です。

どっちの方が「とよ」のためなのか、かわからなくなってきました。

 

江戸時代に書かれた本「北越雪譜」には、「熊は和獣の王、猛くして義を知る」と書かれています。

同本中の実話「熊に助けられた男」を読むと、先人たちが熊を畏れ敬った訳がよくわかります。

熊はむやみに人を襲う動物ではないが、かわいいだけのぬいぐるみでもありません。

人間と同じように、喜びや悲しみ、恐怖、不安など、豊かな感情を持った生き物です。

 

この国土で人と熊が共存するには、お互いに正しく相手を知らねばなりません。

冬ごもりが明けたら、また多くの大阪府民に来ていただいて、熊がどんな動物なのか、「とよ」とふれあって欲しいです。

アイヌの人達、韓国の人達、ヨーロッパの人達、先人たちが熊に「神」を見た訳を、少しでも知って欲しいです。

 

 

 

 

 

2月26日滋賀県支部記念のつどいのご案内

第13回日本熊森協会滋賀県支部記念のつどいのご案内

「滋賀県支部記念のつどい」を下記の要領で開催します。奮ってご参加ください。

日時:2017年2月26日(日) 13時30分~16時

場所:大津市旧公会堂3階ホール

京阪浜大津駅下車徒歩1分、JR大津駅下車徒歩15分

内容:
13時 開場・受付
13時30分 環境教育デモンストレーション「やまのこ」事前学習

講演:「山に還る」命を育む自然の森へ~人工造林の主伐期を迎えて~

講師:高田研一氏 森林再生支援センター専門委員

16時 閉会

入場無料 定員100名

主催:日本熊森協会滋賀県支部

後援:滋賀県、巨木と水源の郷をまもる会、琵琶湖源流の森林文化を守る会

お申込み:日本熊森協会滋賀県支部 代表村上
メール:kumamorishiga@yahoo.co.jp
電話:090-2011-5530
Fax:075-5376875

 

 

住宅地の中に取り残された宝石のような高塚山の森と古墳、開発業者による破壊の危機(西宮市)

熊森本部の足元で、信じられないような自然破壊と文化財破壊が行われようとしていることを知りました。

 

和歌山市に本社がある不動産屋<ヤマイチエステート株式会社>が、兵庫県西宮市と芦屋市の境にある高塚山(阪急夙川駅北西1㎞)を削平し、1戸建て住宅74戸と156世帯が入るマンション1棟に開発しようとしているのです。施工業者は、<熊谷組関西支社>です。

 

西宮市民として、毎日見るみどりの高塚山に、これまでどれだけ癒されてきたかしれません。古墳が3つもあることだし、この山は西宮市が良好な住宅地環境を保つために、保全してくれているのだろうと勝手に考えていました。そうしたら何と、個人の山で、不動産業者に売られてしまったのだそうです。

 

西宮市は何をしていたのか。個人の山ならいずれ売られる恐れがあるのに、なぜ市民のために買い取っておかなかったのかと、憤りを持ちました。「文教住宅都市」「環境学習都市」の名が泣きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっそく、高塚山のことを調べてみました。

 

高塚山(兵庫県西宮市高塚町)

東西200m、南北200m、高さ77m。約4ヘクタールの自然林で覆われ、千年の森と呼ばれている。イノシシ、タヌキ、テン、ヘビをはじめ、さまざまな野鳥が生息。

6~7世紀に築造された横穴式石室構造の高塚古墳群がある。西宮市が、2016年に半分だけ発掘調査をしたところ、埋葬品がいろいろ出てきた。夙川(しゅくがわ)流域を本拠地とした有力氏族の古墳群で、詳しいことは不明。

高塚山には活断層である甲陽断層が走っており、断層面が見れる場所として有名である。

 

(熊森から)

高塚山を壊そうとする人がいるなんて信じられません。和歌山の開発業者だということです。さすが郷土愛など全くないわけで、もうかればなんでもするということなのでしょうか。

あわてて西宮市役所担当課に行くと、市街化調整区域ではないので、もう開発許可を降ろした。環境アセスメントが義務付けられる広さではないので、生物調査はしていない。第一、予算がない。古墳はつぶしてもらって良いということでした。

高塚山を破壊するなんて、バチがあたると思いました。

どうしたものかと思っていたところ、この開発計画について、2月11日にシンポジウムが開かれることを知りました。

この地域には熊森会員も多くいます。西宮市民のみなさん、芦屋市民のみなさん、この地域のすばらしい住環境、高塚山の自然を子や孫に残すため、2月11日のシンポジウムに参加しませんか。自然保護団体としての日本熊森協会からの呼びかけです。

ヒグマ冬眠穴の横にハンターが立ちチェンソー伐採、飛び出してきた母熊を射殺、穴に新生児熊3頭

以下、1月30日テレ朝ニュースより

 

北海道の新冠町で生後一月に満たないとみられるクマの赤ちゃんが3頭見つかり、保護されました。

 

 

 

 

 

 

 

1月28日、新冠町の山林で木の伐採をしていた男性が近くの穴から出てきたクマを見つけて駆除しました。

その後、穴の中から鳴き声がしたため、穴の中を探したところ、3頭の子グマが見つかりました。

いずれも生後1カ月未満の生まれたばかりの個体とみられます。

子グマは「のぼりべつクマ牧場」が引き取ることに決まり、育児経験のある雌グマに育てさせるか人工での飼育も検討しているということです。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000093266.html

以上。

 

 

ひどい事件です。熊森本部や支部が役場に電話をして、詳細を聞いてみました。

 

熊森本部の聞き取り報告

(電話をしたところ) 新冠町役場 産業課 林務班

新冠町の山中で6~7人で木をチェンソーで伐採する作業をしていた。

作業員のひとりが、現場近くにヒグマの冬ごもり穴を発見。

作業員の中のハンターが、穴からクマが出てこないか監視していると、穴から母グマが飛び出してきたので危険と判断し、銃で射殺した(有害捕獲ではなく狩猟として対応)。

その後、冬眠穴から鳴き声が聞こえてきたのでのぞいてみると、生まれたばかりのコグマが3頭いた。

ハンターが連れ帰って、警察や振興局に相談しにいった。

登別クマ牧場が引き取ってくれることになった。

 

熊森から

これはもはや事件というより、犯罪です。

母グマは、外界で人間が立てるチェンソーの大きな音に恐怖を感じ、穴から飛び出したのです。

飛び出してくることが予測されるから、ハンターは穴の前で銃を持って構えていたのでしょう。

ヒグマの冬眠穴があることがわかったら、そこでは伐採作業をすべきではないなど、小学生でもわかる人の道です。

ヒグマの冬ごもり期間中に木を伐採するなら、秋の時点でそのあたりでヒグマが冬眠しないように忌避剤をまいておくなど、人道的な準備が必要です。

新冠町担当者に、クマの冬ごもり穴を発見した時点で、作業を中止すべきであったと、山林伐採業者に指導していただけるようお願いしました。

狩猟は全て残酷ですが、その中でも穴熊を撃つのは、特に卑劣だと思います。

新生児グマを見て見殺しにできなかったハンターの心に、少しはホッとするものを感じましたが、それにしても後味の悪いひどい話でした。

 

 

 

 

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