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推定918頭のクマに春~秋、誘引物入り捕殺罠2311基常設の異常性 和田副会長 兵庫県議会で質問

去る6月20日、くまもり副会長の和田有一朗兵庫県議会議員(神戸市垂水区選出)が、兵庫県本議会でいくつかの質問をしました。

その中から、兵庫県のツキノワグマが3年前から一大捕殺強化されている問題について質問した部分について、以下に紹介させていただきます。

 

【質問2:ツキノワグマの保護管理について】

和田 有一朗議員:

次に適正な野生鳥獣の保護・管理についてお伺いいたします。

近年、人と野生動物との軋轢がメディアを賑わせることが多くなってきています。シカやイノシシは人身事故はあるものの、農業被害が中心である一方で、クマの場合は人身事故の問題が中心となっているところであります。

 

兵庫県においても本県に生息するツキノワグマは平成8年度から狩猟禁止、追い払い活動や学習放獣などの保護対策を進めた結果、推定生息数が絶滅することが当面ないレベル800頭まで回復し、直近の推定生息数の中央値が830頭となっていると推定した県(注:推定したのは兵庫県森林動物研究センターの研究員)は、ツキノワグマ管理計画に基づき狩猟を含め野生鳥獣の被害対策の強化を進めてきたところであります。

 

しかし、注意をしておかなければならないのは、推定生息数はあくまでも統計に基づく推定であって、実際の生息数は推定より多い可能性もはるかに少ない可能性もあるということであります。

日本ではクマをはじめ野生動物は(今や)害獣として扱われ、個体数調整という名のもとに、本来の生息地である山の中まで人が入り捕殺をしており、本県でも出没を確認しない段階で推定生息数をはるかに超える罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せず、害獣駆除しているという声を私は聞いております。

 

乱獲は野生動物の絶滅の大きな原因であり、兵庫県でもツキノワグマが絶滅の危機に陥った過去からしても、捕獲が過剰となっていないか、十分な検証が必要であると思います。

 

そもそもクマは基本的には人を避け、森の奥深くに生息する動物であります。しかし、突発的に出会うと防御的な攻撃を招き危険な場合があります。また、クマによる人身被害、農業被害の発生は必ずしも、実はクマの個体数の多さに比例しているわけではありません。

 

クマの本来の生息地である森を開発、利用してきた人間が、季節や年によって食べ物を柔軟に変化させるといったクマの生態を知り、例えば奥地の放置人工林を天然林に戻すなど、本来のクマの生息地である奥山のクマの生息環境を整え、棲み分けを実施していくこと、藪の刈り払いをすること、庭の果実を除去すること、事故が起こった場所には立ち入らないようにすること、クマの餌場となる場所にはできるだけ近づかないようにすること、また、近づく必要がある場合は十分に注意すること等、地道な取り組みを続けていけば、当然クマ生息地の住民の不安を解消することは重要でありますが、私はクマを殺さずとも共存していくことはできると考えます。

 

そこで、誘因物、それは放置果樹であったり廃棄農作物であったり、生ごみなどがありますが、こういったものを除去、農耕地等への電気柵等の設置と管理、クマの集落周辺への侵入や一時的な定着を防止するための耕作放棄地等の整備や藪の苅りはらい等によって、出没を確認しない段階で罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せずに害獣駆除するといった方法によることなく、適正なクマの保護・管理ができると考えますが、当局の誤所見をお伺いいたします。

 

【答弁:ツキノワグマの保護管理について】

田中基康 環境部長

本県では森林動物研究センターの知見に基づき、生息数推定の精度を向上させながら、個体数管理、生息地管理、被害管理を総合的に推進するワイルドライフマネジメントを行っております。

 

近年ツキノワグマの推定生息数が狩猟解禁基準の800頭を超えたため、平成28年度から1か月の制限付きで狩猟解禁しております。

また自然増加数を上限に、集落やその周辺地域に出没する個体に限定して必要な有害捕獲を従来から行っておりますが、これに加えまして、シカ罠等に誤って入り込む、これは当然放獣するわけですけれども、個体までを含めた捕獲総数は3年連続で100頭を超えております。これは過去にはございませんでした。

 

人身被害が発生する中で、残念ながら危険度がより身近になっている有害罠の設置など確実な対策が必要な状況にあると考えておりますので、どうぞご理解を賜わりたいと思います。

もとより、先ほどより答弁にありましたように中長期的な生息地管理として広葉樹の植栽を行っております。

何より、集落にクマを誘引しないよう被害管理として放置果樹、生ごみなどの誘因物の除去を進めておりますけれども、啓発呼びかけにとどまらないよう、本年度からは民間専門家(株式会社野生動物保護管理事務所や 元兵庫県森林動物研究センター研究員坂田宏志氏が設立した株式会社野生鳥獣対策連携センターなどを想定)による集落ごとのきめ細やかな実地指導も展開してまいります。

GPS行動追跡等も進めて引き続き進めてまいります。

今後とも市町はもとより近隣府県とも十分に連携しながら人身被害の防止を最優先にしつつ、クマと共生できる科学的・計画的な保護管理を着実に進めてまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。

 

熊森から

和田副会長の質問、完璧です。ありがとうございました。

 

2018年を例にとると、兵庫県では、県内推定生息数918頭のツキノワグマに対して、まだクマが出てきていない春の時点で、609頭のクマ捕殺許可書が県から発行され、シカ・イノシシ捕獲檻のうちの2311基にクマ札が付けられてクマ捕獲共有罠とされ、春から10月末まで、集落200メートルゾーン内に罠を常設。入ったクマは狩猟と合わせて137頭までという上限数があるものの、全頭殺処分。

兵庫県がこのようなクマ捕殺体制をこっそり敷いていたことが、昨年の熊森の調査で発覚しました。

 

その結果、人里に出て行きたかったわけではない多くのクマが、誘引物の匂いに誘引されて罠に向かったのです。

2019.7.23現在までの、兵庫県庁資料より

 

地元で聞くと、このようなクマの捕殺方法は、平成29年(2017年)の7月から始まり、平成30年(2018年)と今年の2019年は、春から開始されたとのこと。

 

上記グラフから、大量の常設クマ捕獲罠によって、集落200メートルゾーンになど出ていく気がなかったクマを、山から呼び出して罠にかけ、殺処分していることがはっきりとわかります。

初めに殺したいありきであり、これはもはや有害捕獲ではなく、完全に、クマの個体数調整捕殺なのです。クマの個体数調整はしませんと協議会で宣言された兵庫県の言葉が嘘になっています。

 

熊森は26年間兵庫県の奥地を見て参りましたが、熊森がささやかながらも奥山に餌場を復元してきたことと比べて、兵庫県のクマの餌場復元事業は掛け声ばかりで復元実態はゼロだと思います。それどころか、奥山観光地化や奥山道路建設、シカの食害など、クマの生息環境は劣化の一途です。生きるために、過疎化した集落周辺に移動したクマたちを、人は責められないと思います。

 

奥山をクマたちが棲めないようにしたあげく、人間の所に出て行かないように踏ん張っているクマまで誘引剤で里に誘引して、有害駆除名目で個体数調整捕殺をする。もう、人間をやめたくなります。人間の残酷さや嘘に、クマたちは泣いていることでしょう。

 

なぜか、新聞社は、兵庫県の実態を県民に全く伝えようとしません。

 

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のしていることを知っているのでしょうか。

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のクマ捕殺法を支持しているのでしょうか。

 

くまもりは、集落周辺でクマの被害や人身事故が起きたら、山中にいるクマを集落周辺に呼び出した兵庫県が責任を取るべきだと思います。みなさんはどう思われますか。

 

みなさんの住んでおられる都府県でのツキノワグマ捕殺体制は、どうなっているでしょうか。みなさんも調べてみてください。

 

政治も司法も不在の長崎県石木ダム 反対派住民「強制執行で古里奪わないで」と県庁に乗り込む

以下、長崎新聞7月18日より

川棚町に石木ダム建設を計画する県と佐世保市に、反対住民らが工事差し止めを求めた訴訟の第12回口頭弁論が7月17日、長崎地裁佐世保支部(平井健一郎裁判長)であり、水没予定地の住民ら原告7人が当事者尋問に出廷し「力づくで古里を奪わないでほしい」と訴えた。

 

長崎県収用委員会は今年5月、反対地権者13世帯の宅地を含む未買収地の明け渡しを求める裁決をし、家屋の撤去や住民の排除などの行政代執行が現実味を帯びる重大局面に入った。明け渡し期限は、家屋などの物件がない土地が9月19日、物件がある土地が11月18日。

住民の岩本宏之さんは「崖っぷちに立たされ、眠れない夜もある」、

石丸勇さんは「大変な人権侵害だ」と怒りをあらわにした。

岩下すみ子さんは「地域の人たちとのつながりを長い年月をかけて築き上げてきた。失いたくない」と声を詰まらせた。
石丸穂澄さんと松本好央さんは、イベントや会員制交流サイト(SNS)などを通じて、事業への疑問や反対の声に対する共感が全国で広がっていると主張した。

水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表と市民団体「石木川まもり隊」の松本美智恵代表も出廷。

嶋津共同代表は、石木ダムの治水効果は川棚川下流域にしか及ばず、上流域には氾濫のリスクが残っているとし「費用対効果が小さい」と強調。松本代表は人口減少による水需要の低下などを指摘し「誰のための公共事業か。県と佐世保市は現実を直視してほしい」とダム以外の利水対策を検討するよう求めた。

 

以下、長崎新聞7月31日記事より

石木ダム建設事業に反対する地権者や市民団体などの約200人が7月30日、約6時間にわたり長崎県庁内で抗議活動を実施し、庁内は一時騒然となった。家屋を含む土地の明け渡しを地権者に求める県収用委員会の裁決が出た中で、地権者らの不満が爆発した形となった。

 

県庁の担当者らに詰め寄る地権者ら(長崎新聞より)

 

熊森から

ダムは百害あって一利なし。

川は流れていてこそ価値があるのです。ダムでせき止めると、水は腐り、ダム湖にはヘドロがたまり、大自然破壊となります。

多くの生き物が死に絶えます。

このようなムダなダムを、なぜ我が国は造り続けるのか。

日本熊森協会顧問の京都大学今本博健先生が書かれた「ダムが国を滅ぼす」を読まれたら、答えは一目瞭然です。

ただただ、建設利権だけなのです。

 

建設会社と口利き政治家(報酬相場は、ダム建設事業費の5%)を潤すことだけのために、愛する故郷を失わねばならない。

50年間ダム建設に反対し続けてきた地元住民のみなさんの無念ぶりはいかばかりかと思いやると、胸が苦しくなります。

土建業の公共事業で経済を発展させようという戦後の経済政策から、もういい加減に脱却しないと、国が破滅してしまいます。

 

建設会社のみなさんは、これからはダム建設ではなく、放置人工林の広葉樹林化・天然林化を公共事業にする時代です。

乗り遅れないようにして下さい。これだと、誰も泣かすことなくもうけられます。精神衛生にもいいですよ。

 

7月30日、反対し続けてきた地元住民のみなさんは長崎県庁を訪れ、強制収用の取り下げを求める中村法道知事宛ての要請書を提出しようとしたようですが、知事は出張中で不在。副知事は「公務中」を理由に姿を見せなかったそうです。

長崎県側のコメントは、「大騒ぎになってしまい非常に残念」というものだったそうです。

 

なんだこれ???ふるさとを奪わないでほしいと全身全霊、体を震わせて訴えている地元住民に対する県側の思いやりのなさ、まるで他人事には、唖然とします。完全に、政治も司法も人権も不在です。私たち国民はこのような状況を認めてはならないと思います。やがて我身にも、この生きづらさが襲ってきます。

 

熊森は自然保護団体としてはもちろんですが、人間としても、おかしいことにおかしいと勇気をもって声を上げ続けてきた地元住民のみなさんに、心から連帯の拍手を送ります。

ダムは100%、自然破壊以外の何物でもありません。

わたしたち国民は、建設会社と口利き政治家の嘘にだまされないように、もっと勉強しなければなりません。

権力の暴力である強制収用は、今も昔も、絶対にあってはならぬものです。

 

<石木ダム問題について書いた2019年3月30日のブログを、もう一度以下に再掲させてください。>

 

たとえ、どんなに意味のあるダム工事計画であったとしても、50年間も住民が立ち退きたくないと断り続けているのですから、完全に行政の負けです。

行政が最後まで残っている13家族を説得できなかったのです。

そんなところにダムを造る権利は国にも県にも市にも誰人にもありません。

もはや基本的人権を認めるかどうかの問題です。

いくら自分がいいと思っても、相手が絶対嫌だということは、してはならないのです。

これは、人間社会に於ける最低限のルールだと思います。

 

私たちも長崎県知事に、石木ダム建設地を強制収用しないようお願いしましょう。

 中村法道長崎県知事への提案ぺージ 

 

 

 

奥山保全トラスト 関東初のトラスト地が群馬県に誕生!

~群馬県支部と記者会見をしました~

記者会見を終えて記念撮影。

 

熊森から生まれた、水源の森のナショナル・トラスト団体・公益財団法人奥山保全トラストは、これまで全国17か所2100haの水源の森を所有する日本最大級のトラスト団体です。

奥山保全トラストは、これまで関東にはトラスト地を持っていませんでしたが、ついに、2019年7月に群馬県上野村で関東初のトラスト地が誕生しました!

7月31日、関東初のトラストを記念して、米田真理子理事長らが群馬県庁で記者会見をしました。これから現地を一緒に管理していく日本熊森協会群馬県支部長ら11名も出席しました。

熊森顧問、水ジャーナリストの橋本淳司先生も取材に来てくださり、ヤフーニュースに記事になっています!!

ぜひご覧いただき、シェアください!

 

ヤフーニュース

https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20190801-00136537/

 

群馬テレビ news eye

 

石川県内 春夏のクマ目撃多発 元猟師とくまもり室谷会長が、若グマの餌場不足を指摘 中日新聞 

以下、中日新聞石川版の後半部分

 

県内餌場減 山戻らず越冬

 

半世紀余りクマ猟にかかわってきた石川県白山市白峰の元猟師加藤隆夫さん(78)は、人里に下りてくるクマに若い個体が多いことに注目する。「木の実などの餌場が少なくなり、餌の奪い合いになっている。確保しにくい子グマが押し出されている可能性がある」

 

親子グマ 石川県白山にて 日本熊森協会石川県支部撮影 2018.9.2

 

餌場はなぜ少なくなっているのか。天然林の再生活動に20年余り取り組む「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は「スギやヒノキを植林する造林政策が大きな原因の一つ」と指摘する。

 

人工林の木材は近年、価格の安い外材に押されて伐採や間伐が進まず、多くの森林が放置されたまま。日光が差さず下草が消え、雨で表土が流出して保水力が低下し、クマの餌になる木の実も育たなくなっているという。人工林が多く、手入れが行き届かなくなっている金沢、小松市の山で目撃情報が多く、木の実がなる天然林が残る白山麓では少なくなっている。

 

日本熊森協会は、2019年度から新設された森林環境譲与税による国の交付金を利用し、天然林を増やし整備するよう石川県内の自治体にも働き掛けている。室谷悠子会長は「クマは本来、山奥にすむ臆病な動物。人間とクマはこれまでうまくすみ分けてきたし、今後も共生できるはず」と訴える。

以上。

 

熊森から

中日新聞前半記事によると、人工林率40%の石川県で、クマの目撃が相次いでおり、金沢市の4月から7月21日までの目撃数は85件、この時期の目撃数としては過去16年間で最多。住宅地でも目撃されているということです。山から出てくるのは、ほとんどが3歳以下の立場の弱い若グマだそうです。

 

石川県は、7月初めに、今年の秋の木の実の結実状況を調査した結果、ブナが凶作、ミズナラが豊作、コナラが並作になる見通しで、今秋のツキノワグマが平野部に出没する可能性は低いとの予測を発表しています。

 

では、なぜ、春や夏に、山から出て来るのでしょうか。

 

環境省系の研究者たちの予測は、以下の通りです。

1、クマが生息数を増やした。

2、クマが放置された里山へ生息域を拡大した。

3、クマが人間の食べ物のおいしさを知った。(味しめ説)

4、クマが人間を恐れなくなった(人なめ説。新世代グマの誕生)。

 

原因は、全て、クマにあります。

対策は、個体数低減のための捕殺と緩衝帯としてのやぶ刈りです。

 

神のみぞ知るの世界なので、全面否定はできませんが、余りにも短絡的です。

 

熊森は、この時期、クマが出て来るのは、まず、山の中に夏の餌(オオヤマザクラ、ニワトコ、ヤマグワなどの夏の木の実、アリやハチなどの昆虫、サワガニなど)の量が不足しているのが原因だと思います。

 

みなさんはどう思われますか。

 

いろんな原因が考えられるでしょうが、熊森は若グマたちが空腹による苦しさの余り、餌を求めて出てきているという事実を押さえることから考え始めるべきだと思うのです。

 

熊森は、原因をすべて物言えぬ弱者に押し付けるのではなく、拡大造林政策、奥山観光開発、酸性雪、地球温暖化、大規模林道建設など、人間がしでかしたことで、山中のクマたちの夏の餌量不足をまねいていないか、検証していくべきだと考えます。

 

中日新聞さん、元猟師や熊森の室谷悠子会長のコメントを載せてくださってありがとうございました。

行政や肩書のある研究者のコメントしか載せない他紙と比べて、多様な意見を掲載しようとされる貴紙に、心から敬意を表します。

 

トヨくんに会いに行きました

はじめまして、私は、7月22日から8月4日まで、熊森協会でインターンシップさせて頂いている学生です。

 

私は動物が守りたくて、保護関係の仕事に就きたいと思いました。

自分なりに動物を守るにはどうすればいいのか考えた結果、環境を守ればその環境に生息している動物は悠々自適に過ごせるのではないかという単純な考えから始まりました。

今回初めて、動物保護関係の団体でインターンシップをすることができました。

経験を積んでいき、今後につながるようにしたいと思います。

 

7月22日に熊森協会が保護したクマ――トヨくんのお世話に行きました。

その時は雰囲気的に少しやせていて、構わないでほしいように見えました。

目線もずっと別のところを見ていて、たまにチラッとこちらを見るぐらいで、私に興味を持ってはくれなかったです。

前日の餌も手付かずで、ビタミン剤を入れたソーセージも少しいじったぐらいで、減ってはいませんでした。

 

職員さんもボランティアさんも、とても心配していて、食事を取らないことで栄養が足りなくなり、ますます衰弱しかねないので、何とか食事を摂ってほしく、トヨくんの好物を色々用意してマジックハンドで口元まで運んでみたり、親しい人が名前を呼んでみたり、色々な方法を試してみました。それでも食べなく、少し鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまいました。

 

職員さんとボランティアさんも何とか元気にならないか相談したり、トヨくんを見てくれる獣医さんを探したり、お世話をするため毎日のように訪れるほど皆さんは心配でいっぱいでした。

寝室に引きこもったままのトヨ

 

ボランティアさんが用意してくださったものの中で、犬猫用のドライフードを与えてみたら、少しクンクンと匂いをかいだらパクパク食べ始めました、フードの量は少ないがきちんと栄養とカロリーが凝縮しており、活動や生きるために必要なものが詰まっているので、ちゃんと食べてくれて皆さんホッとしていました。

 

25日、また職員さんとトヨくんを訪れました。初めての時と打って変わって、色々食べていました。大きなマスカットを美味しそうに食べていたり、ボランティアさんが採ってくれた山菜をもぐもぐ食べていたり、終わっても口をこっちに向けもっと頂戴とねだっているように見えました。とてもではないですが、元気そうで何よりです。

飲んだヤギミルクが付いて、鼻が白くなっているトヨ

 

そんなトヨくんのために、ボランティアさんが雨でぬかるんでしまった運動場を新しい木の板で張り直し作業を行いました。

私も含め、皆で置く場所をどこにどう置けばトヨくんが過ごしやすいかを話し合って決めました。

トヨくんが早く元気になれるようお薬を用意し、好物の蜜蝋と合わせて与えてみたところ、お薬に気付かずペロッと食べました。

その後、トヨくんのところから事務所へ帰ったところ、ボランティアさんから動画が送られてきていて、トヨくんが運動場に出ていました。

お薬が効いたのか少し後肢を引きずりながらプールの横までいき、トイレができるくらい踏ん張れるようになっていました。

動画を見た職員さんもとても喜んでいて期待が高まっていました。

 

トヨくんが元気に運動場で動き回っている姿が見られないのは残念ですが、職員さんやボランティアさんと一緒にエサを工夫したり、運動場の模様替えをしたり、色々な方法を試して回復に繋がるように考えていき、トヨくんが元気になっていく姿を見ると、喜びとやりがいを感じました。

 

インターンシップ生 H

栃木県塩谷町、牧場の飼料タンクに落ちた親子グマの救出作戦

2019年7月18日、親子3頭のクマが、デントコーンなどが入った家畜用飼料タンクの中に落ち、4日間出られずに閉じ込められたままになっているというニュースが流れました。

 

飼料タンクに親子グマ 4日間閉じ込められ衰弱

 

ニュースに取り上げてくださった記者さんに、深く感謝します。

記者さんのおかげで、私たちはこの親子グマたちのことを知り得ました。

 

異変に気付いたタンクの持ち主は、親子グマがタンクに落ちて出られなくなっていることを、14日に役場に届けています。

その後の役場の対応はどのようなものだったのでしょうか。

 

熊森本部を初め関東の熊森支部員らは、町の担当者へ次々と電話して、この親子グマの救出を願い出ました。

 

 

現地は、標高1000~1100mの山奥にある町営牧場です。人家や集落からは離れています。

事件発生場所はかなりの山奥(担当者の聞き取りをもとに、熊森本部が作成)

 

以下、塩谷町の担当者とのやりとりです。

 

熊森:この親子グマを、何とか山へ帰してあげてほしいです。

担当者:私たちも何とか助けたいので、山に放す方針です。しかし、4日間、この中に閉じ込められていたので、衰弱していないかが不安です。

 

熊森:放獣決定に、感謝いたします。どのようにして放されますか。

担当者:飼料タンクを解体して横に寝かせ、タンクの上部にある蓋をロープで引いて開け、自力で脱出させます。衰弱していますので、麻酔は使えません。本日中に放獣作業をしたいです。

 

熊森:何とか水を飲ませてあげてください。本日放獣作業ができないのなら、ひもつきバケツに水を入れて、ロープでタンクの中へ降ろしてやってください。

担当者:はい。やってみます。

 

(夕方、熊森本部は、再度、塩谷町の担当者に問い合わせました。)

 

熊森:無事放獣は出来ましたか。

担当者:午後、タンクを横に寝かせ、蓋を開けて放獣作業を行いました。子グマ2頭はすぐにタンクから脱出し、走っていきましたが、母グマは衰弱がひどいのか、タンクから出られない状況です。タンクを横に寝かせるときは、母グマは興奮していたのですが。

 

熊森:タンクの外に、水を入れたバケツをたくさん置いてください。タンクを横にするときに怖かったと思います。人がタンクの近くにいると、安心して出られませんので、母グマも余計に気を張って体力を消耗してしまいます。みなさん遠く離れてください。子グマも近くで母グマが出てくるのを待っていると思います。また、現在の状況を獣医師にも相談してください。

 

担当者:わかりました。やはり水が必要なんですね。やってみます。

 

しかし、18時のニュースでは、母グマが衰弱死したことが報じられました。

 

熊森から

ニュース映像を見ると、自らも脱水症状に陥っていると思われる母グマが、タンクの中で懸命に子グマに自分の唾液を飲ませていました。

とてもつらくて見ておれません。

もう少し早くこの情報を察知できていたら、助けることができました。

とても悔しい気持ちです。

 

関東の熊森会員の皆さんをはじめ、この件で、親子グマを助けたいと、何度も町の担当者へ電話をしてくださったみなさん、

本当にありがとうございました。

また、タンクを壊してもいいから、中の親子グマを助けてやってほしいと言ってくださった牧場主さんにも感謝します。

 

飼料タンクにクマが落ちてしまう事件は、東北地方や北関東のクマ生息地では時折あります。

牧場経営者のみなさんは、クマが蓋を開けられないように、蓋の改善をお願いします。

 

この件で、日本熊森協会顧問の門崎允昭顧問と、水見竜哉研究員がメディアの取材を受けました。

 

門崎顧問のコメント入りNEWS

はしご使って?屋根のタンクに“親子クマ”落ちる

 

水見研究員コメント入りNEWS

高さ6mの飼料タンクに落ち・・・クマの親子か、救出大作戦

 

山に逃げた子グマが、母なしで生き残ることはむずかしいと思います。

命に対しては、いかに迅速な対応が必要かを、改めて思い知らされた事件でした。

みなさんと共に、今後の教訓として生かしたいです。

獣害被害額が減少 防護柵設置が奏功、みなべ町

以下、7/13(土) 紀伊民放より

 

 和歌山県みなべ町によると、町内の2018年度の野生動物による被害額は328万2千円で、17年度(451万9千円)や16年度(507万5千円)に比べ減少傾向にある。被害は続いているが、町産業課は「被害額が実際の被害のすべてだとはいえないかもしれないが、防護柵の設置が増えた効果が大きい」とみている。

 

18年度の被害内訳はイノシシ124万7千円、サル48万5千円、シカ122万円、アライグマ33万円。17年度の被害内訳はイノシシ156万3千円、サル82万5千円、シカ180万4千円、アライグマ32万7千円だった。

 

防護柵の設置に当たっては、町と県の補助を合わせて資材費の3分の2(上限1メートル当たり900円)を補助している。防護柵の補助実績は、15年度が20・6ヘクタールの1万4435メートル、16年度が21・4ヘクタールの1万6365メートル、17年度が15・8ヘクタールの1万1597メートル、18年度が29・4ヘクタールの1万6620メートル。

 

同課は「被害額は徐々に減ってきている。防護柵の整備が進んでおり、設置した人からは被害がほぼなくなったと聞いているが、柵がない所は被害が多いと聞く」と話している。

 

防護柵の設置効果として、17年度に設置した人に対し18年度にアンケートをしたところ、以前被害があった面積の約96%で被害がなかったという。

 

熊森から

他生物にも優しい文明が、一番優れている。

石川県 金沢市・白山市で室谷会長が講演

森林環境税についてもお話し、大盛況でした!!

7月12日、13日と室谷会長は日本有数の豊かな自然が残る霊峰「白山」のある石川県へ講演に出かけました。

 

12日、若手議員の会で森林環境税について講演 金沢市

金沢市会議員の熊野盛夫(くまのもりお)さんの所属する石川県の若手議員の会で、森林環境税のお話をさせていただきました。

石川県の市町村では、今年から交付される森林環境譲与税の使い道を決めていない自治体がほとんどでした。国会で、森林環境税を使って広葉樹林化の推進を求める附帯決議が付いたことなどを紹介し、豊かな水源の森再生のために放置人工林の天然林化に活用してほしいと訴えました。

これから自治体が使い道を決めていくというだけあって、1時間30分の話をとても熱心にお聞きいただき、地域の振興にも役立てられるような仕組が必要ではないかなど、活発なご意見をいただきました。森林環境譲与税の使い道を議論していく自治体の市議のみなさんに直接お話をさせていただくことはとても大事なことだと感じました。

 

13日、石川県支部主催「森と水といのち、の今」 白山市

石川県支部のみなさんがこの日のために、1人1人に声をかけ、何と104名の方が集まってくださいました!副支部長の飯島さんは、連日、フェイスブックを更新して参加を呼びかけてくださいました。

 

講演会では森林環境税・譲与税で放置人工林の天然林化を進めてもらうために行った国会でのロビー活動や石川県支部での取り組みも紹介しました。

石川県支部の浴衣での森林環境税署名活動(2018夏)

石川県支部では、地域の方と協力して金沢市への陳情を全国に先駆け実施しました。

また、熊森が22年間取り組んできた天然林再生や野生動物との共存のための実践活動も紹介しました。映像も交え、2時間弱の長時間になりましたが、みなさん最後まで、熱心に聞いてくださいました。

森林環境税の導入など、森と私たちの関りをもう一度見直す時期に来ている今こそ、豊かな森再生のために動き出すときが来ていると感じて、石川県支部のみなさんが準備してくださった講演会。石川県でたくさんの人が手をつなぎ、実践活動が始まるきっかけになればこれほどうれしいことはありません。石川県支部では、野生動物との共存へ向けた森づくりに動いていきたいとのことで、今後がとても楽しみです。

講演会終了後に支部スタッフのみなさんと。子どもたちと一緒に作ってくれた動物たちのたくさんいる素敵な壁飾りと一緒に。

石川県支部のみなさん、ご参加いただいたみなさん本当にありがとうございました。次は、ぜひ、森づくりの実践活動の現場でお会いしましょう!

 

全国で森林環境税の講演会を

日本の森の現状や豊かな森再生のために活用できる森林環境税について地域の方々や議員の方に詳しく知ってもらうこのような機会を持つことはとても重要なことだと感じました。全国の自治体が、森林環境譲与税を何に使うか検討している時期なので、各地を回ってこういう講演会ができたらと思います。

企画をしてみようという方は、ぜひ、本部までご相談ください。

 

 

 

 

人類のせいで「動植物100万種が絶滅危機」IPBES

熊森は、以下の報告書を地球上の全人類が、何度も何度もかみしめて読まねばならないと思います。

全世界の学校で、この報告書を授業に用いなければならないと思います。

地球環境保全のためではありますが、とりもなおさず、人類が生き残るためでもあるのです。

 

BBCニュース5月7日より

 

人類のせいで「動植物100万種が絶滅危機」IPBES

 

国連環境計画(UNEP)主催の政府間会合は6日、人類が陸海空で自然環境と生物多様性に壊滅的な打撃を与えていると警告した。

 

世界132カ国の政府が参加する「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)は、人類の活動によって約100万種の動植物が絶滅危機にさらされていると警告する、報告書を発表した。

 

自然環境は地球上のあらゆる場所でかつてない速度で衰退しており、その最大の原因は人類の食糧とエネルギー需要が拡大し続けているからだという。

IPBESは、この衰退の動きは食い止めることができるものの、それには人類の自然の関わり方が全面的かつ「抜本的に変化」する必要があると結論している。

 

1800ページに及ぶIPBES報告書は、1万5000点の資料を3年間にわたり研究調査したものの集大成。私たちの農作物を受粉するハチ、土壌に水を蓄え洪水を防ぐ森林など、人間の活動が自分たちの社会を支える自然環境そのものを破壊している様子を、報告書は明らかにしている。

「政策決定者のため」として、パリ会合で発表された40ページの要約は、この地球しか住む場所のない人類がいかに地球を荒廃させてきたか、かつてないほど強力に糾弾している。

確かに歴史上、人類は常に地球環境に影響を与えてきたものの、かつてはかすり傷に過ぎなかったものが、過去50年の人間活動によって地球環境が負った傷は極めて重傷で深刻だと要約は指摘している。

1970年以来、世界人口は倍増し、世界経済の規模は4倍に成長し、国際貿易の量は10倍に増えた。この膨れ上がる人類に十分な食料と衣類とエネルギーを与えるため、各地で森林が驚くほどのペースで切り倒されてきた。特に熱帯地域の森林が、とてつもないペースで減少している。

 

1980年から2000年の間に失われた熱帯林の面積は、1億ヘクタールに及ぶ。南米での牧畜と東南アジアのパーム油生産が、その主な原因だ。

森林よりさらに破壊の度合いがひどいのが湿地帯で、1700年にあった湿地帯のうち2000年にも残っていたのは13%に過ぎない。

各国で都市部は急速に拡大し、都市地域の面積は1992年から倍増した。

人類のこうした活動によって、かつてないほど大量の生物種が死滅している。

 

報告書によると、動植物の25%の種が絶滅の危機にさらされている。

昆虫への地球規模の影響は分かっていないが、地域によって昆虫が急速に激減している様子は詳しく記録されている。

様々な現象を総合して、IPBESは約100万種の動植物が数十年のうちに絶滅すると警告。この絶滅のペースは過去1000万年の平均より10倍から100倍速いという。

報告書の統括執筆責任者の1人、米ミネソタ大学のケイト・ブラウマン博士は、「生物多様性と自然が本当にかつてないほど衰退している様子を記録した。衰退のペースや脅威の規模という意味で、人類史上このような現象はまったく前例がない」と指摘する。

 

「すべてを並べてみたとき、生物種の衰退があまりにひどくて、自然環境が人間に与える恩恵がどれほど失われるかを見て、衝撃を受けた」と博士は言う。

報告によると、地球上の土壌もかつてないほど劣化しているため、地表の生産性は23%も後退しているという。

人類の飽食によって巨大なゴミの山が積みあがっている。プラスチック公害は1980年から10倍に増え、私たちは毎年、3億~4億トンのもの重金属や溶剤、有毒ヘドロなどの廃棄物を地球の海や河川に投棄している。

 

この危機の背景は

報告書によると、これほど多くの生物を絶滅の危機にさらしている要因は複数あるが、土地利用の変化が主要因だという。

要するに、草原を集約農業の耕作地に切り替えたり、原生林を農園に変更したり、耕作のために森林を伐採したりする活動を意味する。こうした土地利用の変化は世界各地で、特に熱帯地域でさかんに行われている。

1980年以来、農業生産拡大の半分以上は原生林の破壊によって実現した。

 

熊森から

日本における多くの生物の絶滅の危機の最大原因は、林野庁が行った戦後の拡大造林政策によって、680万ヘクタールにも及ぶ広大な原生林が皆伐され、林業でもうけるためにスギやヒノキの人工林に造林されて放置されたこと、人口の爆発増加、国民の食事の肉食化などによってもたらされたと思われます。

しかし、何と言っても最大の原因は、国民の自然環境保全への無関心と他生物への共感の欠如、声を挙げる勇気のなさでしょう。

若いみなさんに期待したいです。

ひとりではむずかしい。若いみなさん、熊森協会に入会して、みんなで声を挙げましょう!

食べもの通信7月号!

食べもの通信社が発行している「食べもの通信2019年7月号」2ページ~4ページに、日本熊森協会の森山まり子名誉会長インタビュー記事が掲載されました。

どのようなものをどのようにして食べればいいのかというオーソドックスな内容を、1970年から追求し続けてきた「食べもの通信」。

ネット情報が氾濫している今、年間購読料8000円を出してこのような雑誌を購読されている方はどれくらいおられるのだろうか。

疑問に思い読者数をたずねてみると、意外に多い。

なぜだろうと、思わず中身を読んでしまいました。

 

単なる料理本ではなく、生産者や消費者の話、医学情報や環境問題と内容はバラエティに富んでいます。

「クマに奥山の森を返す活動を続けて26年」なんて内容が、トップの特集記事になるぐらいですから、編集者の興味関心はかなり柔軟で幅広いと言わざるを得ません。

 

日本という歴史のある国で、祖先が長年かかって作り上げてきた食文化は貴重です。

しかし、何をどう食べるかは個人的な問題ですから、少しでも強制力が働くと、相手を傷つけてしまう恐れがあります。

 

編集部の方に、どんな方がこの雑誌を購読されているのですかとたずねると、お姑さんが購読されて、そっとこの雑誌をお嫁さんに見せたりされていますという一例を教えてくださいました。なるほど、こうすれば角が立ちにくいですね。

 

いろいろな方がいろいろな目的で購読し続け、50年間にわたり愛されてきた「食べ物通信」。

日本熊森協会の「くまもり通信」も、かくありたいと思いました。

 

森山名誉会長の2019年5月時のインタビュー、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

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