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くまもりNews

山中でのクマ駆除は、棲み分け共存のルール違反 

全国各地でクマとの事故が後を絶ちません。以下は、福島県南会津町での事故です。

 

(以下、福島民友の記事より)

クマにかまれ男性重傷 南会津の山林で猟友会メンバー

5月6日午後3時15分ごろ、南会津町高杖原の山林で、有害駆除のため狩猟をしていた同町の農業男性(65)がクマに襲われけがをしたと、男性と共に山に入っていた地元猟友会メンバーから南会津署に通報があった。男性は顔や両腕をかまれ重傷。命に別条はないという。

同署によると、男性は有害駆除のため猟友会の複数の仲間と共に山林に入った。同日午後3時ごろ、前方からクマ1頭に襲われたとみられる。クマの体長などは不明。襲われた当時、男性は仲間と離れ1人だったという。

地元の山岳救助関係者によると、冬眠から目覚めたクマが渓流釣りなどで訪れた釣り客らに被害を及ぼさないよう、男性を含む猟友会のメンバーが同日朝から山林で警戒活動を行っていた。

猟友会はクマを発見したため、猟銃で発砲したが致命傷にはならず、興奮したクマに男性が襲われたという。負傷した男性は猟友会のメンバーに麓まで運ばれ、県警ヘリで福島市の病院に搬送された。

 

 

熊森が、この後のことを行政に聞き取ると、翌日5月7日、他のハンターが、状況確認を行うために事件現場を訪れたとき、けがを負ったクマを発見し、その場で射殺したそうです。体重70kg、体長1.2mのメスでした。

 

 

(熊森から)

狩猟であれ、有害駆除であれ、山中でクマを撃つことによって、クマはもちろん人間も不幸になるという例です。このような猟友会員の行動によって、全く関係のない人が負傷した場合、誰がどう責任をとるのでしょうか。

 

この大地は人間だけのものではありません。人間さえいなければ、クマは平地に住んでいるという研究発表を聞いたことがあります。一番過ごしやすい平地を、人間が全部取ってしまっているのですから、山の中にいるクマまで撃ち殺すというのは、いくらなんでも人間としてやり過ぎだと思います。人間に、そんなことをする権利はないはずです。これでは棲み分け共存ができません。

 

あきらかに人間側のルール違反です。このような習慣がなくならない限り、クマと人との事故もなくならないでしょう。

今回のような事故の場合、原因は人間が作っていると熊森は思いますが、みなさんはどう思われますか。

4月25日 春の自然林、人工林、原生林

4月25日、今まさに新芽が吹きだして「山笑う」状態の兵庫県南部の山を見ながら出発。

兵庫県北部の、まだ「山笑う前」の状態である山を見てきました。

1日1日、刻々と変化するこの時期の山の色や状態を、この地にとどまって見続けられたら楽しいだろうなと思いました。

人工林と広葉樹の2次林の林相の違いがはっきり分かる時期です。広葉樹林はこの時期赤っぽいです。もうすぐ新緑に覆われることでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工林を伐採した場所がありました。内部が良く見えます。動物の餌になる物など、内部には本当に何もないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下写真の正面の逆3角形部分の針広混交林が、中国山地タイプの原生林で、巨木の森です。

延々と続く人工林地帯の中で残った原生林はこのあたりではここだけです。よくぞ残ってくれました。

何年か前までは、クマの生息地でしたが、今はもういないようです。トホホ。熊森会員の皆さんは理由をご存じだと思いますが、原生林内部の下層植生が消えてしまったのです。外から見ると今でもすばらしい原生林なのに、内部は信じられない荒廃ぶりのはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当は、原生林の中の写真も撮りに行きたかったのですが、夕方になってきたので今回は断念しました。クマたちは生きるためにずっと下の方へ移動していったと地元の方が教えてくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

4月25日、駆け足で植樹地の防鹿柵の立て直し

全国大会と支部長研修会を終えて、本部が一番に急ぎ取り組んだのは、未完了地域の植樹地の防鹿柵の立て直しです。

4月25日、さすがに、もう雪はとけているはずです。

今回はボランティアさんを集める暇がなく、内輪でやるしかないと、職員たちでとにかく奥地に飛び出しました。

道中、苗木がまだシカに食べられていませんようにと祈る思いでした。

ここは、ハイイヌガヤをシカから守っている柵です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良かった、まだハイイヌガヤは食べられていませんでした。さっそく柵を修理。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪で倒れた植樹地の防鹿柵を次々と立て直していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪はほとんど消えていました。

直径6センチの杭がボキッとあちこちで折れています。

斜面を滑り落ちる雪の力のすごさに驚きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒れている苗木を起こしては、防鹿柵の立て直し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の植樹地に移動です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地元の方が管理されている植樹地は、雪が少なかったのか管理がいいためか、金網柵が倒れていませんでした。

私たちが植えた苗木は順調に育っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ兵庫県の同じ町でも場所によって雪の影響は随分と違います。

 

この日取り組んだ場所の苗木は、どこもまだシカにあまり食べられておらず、何とかセーフでした。

今年のような大雪年、どうしたら、豪雪地帯、シカ高密度、急斜面の3条件がそろった植樹地で防鹿柵が持つか。

今後本気で考えていかなければならないと思いました。

今回で、熊森本部の各地植樹地の防鹿柵の立て直しはすべて完了しました。

 

これまで植樹に参加してくださった皆さん、春の防鹿柵の立て直し、一応やれるだけはなんとかやりましたのでご報告申し上げます。

 

 

 

写真で見る20周年くまもり全国大会③

午後の部は、弁護士である室谷副会長の基調報告から始まりました。尼崎市立武庫東中学校の生徒だった時から、森山会長と奥山再生・クマ保護に取り組み続け、活動歴25年です。言いだしっぺは逃げてはならない。今日まで、逃げずにがんばってきました。一児の母である視点も入れて力強く語ります。内容は後日別掲。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別報告は、本部クマ保全です。大きく後退した兵庫県のクマ保護体制について訴えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次にくまもり活動報告が続きます。

本部森再生です。豪雪、急斜面、高密度のシカ、この3つがそろうと、実のなる木を植樹しても、うまく育ちません。しかし、熊森としては、どこまでも森再生方法を追究して参ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本部環境教育です。くまもり環境教育を依頼してくださるところが増え続けており、うれしい悲鳴です。

 

 

 

 

 

 

 

 

鳥取県支部圓田支部長です。去年秋、八頭町でたくさんのクマが、集中的に殺処分されました。原因を調べています。

 

 

 

 

 

 

 

 

滋賀県支部村上支部長です。

滋賀県支部は高島市朽木の211ヘクタールという広大な分収造林地を、どのようにして豊かな森に戻していけばいいか、いろいろ考えて、張り切っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森で、分収造林地を所有する麻生林業の社長をしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年から、日本奥山学会の会長です。今年の第6回日本奥山学会は、7月2日関西学院大学法科大学院で開催されます。参加お申込みをお待ちしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

南アルプスのリニアトンネル貫通工事が始まろうとしています。取り返しのつかない森林破壊であり、熊森は絶対に認めません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和歌山県北野支部長です。太郎と花子のファンクラブ、28才27才と高齢ですが、どちらも元気で若々しいです。元気なうちに会いに来てやってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北大阪地区会員です。とよ君は7才で元気いっぱいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会計報告です。公認会計士の監査を受けています。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後のあいさつは和田副会長です。

 

 

 

 

 

 

 

 

ラストは恒例の、くまもりエール。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで残って下さった方たちと、全員で記念写真をとりました。記念になりました。

来年は4月28日です。会員のみなさんは、今からご予定ください。

 

4月22日に全国大会終了後から23日午前中にかけて、例年通り、1泊2日の全国支部長研修会を持ちました。

 

 

 

 

写真で見る20周年くまもり全国大会②

11:00、いよいよ開始です。

まず、亡くなられた顧問宮下正次氏(元前橋森林管理署)と、14名の会員のみなさまに黙とうを捧げました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オープニングは、歌手のコクーンが2008年に熊森のために作詞作曲してくださったすてきな歌「たったひとつの地球です」

東京から歌手のNORIKOさんが来て歌ってくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

次は、森山会長の「くまもり20年のあゆみ」です。20年間全くぶれずに、まっすぐ歩み続けてきました。何枚もの過去の貴重な写真や20年を振り返っての話に、参加者一同、知らないことがいろいろあった。勉強になったと聞き入っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この後は、ご出席くださったみなさんの紹介や祝辞が続きます。

毎年、顧問を代表して、元日本弁護士会副会長で、国際ロータリー2680地区パストガバナーの弁護士赤木先生がご挨拶してくださいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、各界からの祝電が披露されました。

熊森滋賀県支部と共に、トチノキ巨木群の伐採阻止運動に取り組んでおられる前滋賀県知事の嘉田さんからは、ビデオレター祝電が届きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

リニア市民ネット大阪の春日代表からは、「私は、リニアが全線開通することはないだろうと思っています」という力強いあいさつがありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

国土交通省がリニア建設を認可しても、天が認可しないでしょう。

 

12:00~13:00までは、懇親会を兼ねたランチタイムです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年は時間を1時間とったので、いろんな人たちと話せて満足したと、みなさんから好評でした。

 

 

 

写真で見る20周年くまもり全国大会①

全国大会は、毎年、多くの会員のボランティアに支えられて開催されています。

以下、会場設営の様子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入り口

 

 

 

 

 

 

 

会場設営

 

 

 

 

 

 

 

過去の会報・写真展示

 

 

 

 

 

 

 

会場案内

 

 

 

 

 

 

 

 

受付開始

 

 

 

 

ボランティアのみなさん、いつも本当にありがとうございます。

 

本部、アースデイ神戸に出展済 5月14日(日)は堺市「はまでら公園」に出展!来てね。

5月4日・5日、くまもり本部は、くまもり活動を広報するため、神戸市みなとのもり公園でおこなわれたアースデイ神戸に出展しました。

炎天下での活動となったため、スタッフ一同かなり日焼けしましたが、たくさんの方とお話ができて充実した2日間でした。

会員が訪問者に一生懸命、くまもりを説明

 

展示ブースに来てくださった方々に、みんなで熊森活動をご紹介しました。

かわむき間伐の紹介を熱心にしている会員(昨年の皮むき間伐イベントで会員になって下さった方)

 

 

くまもり横断幕が気持ちよく風になびいています

 

活動紹介パネルは、子供たちにも森の現状を分かりやすく伝えます。

くまもり活動紹介パネル

昨年作った横断幕は遠くからでも目立ちます。

「動物がつくる、水源の森を未来へ」

 

1日2回、くまもり紙芝居を実施しました。子供たちがたくさん集まってくれました。親御さんには森の復元にご協力していただこうと、皮むき間伐のチラシをお渡ししました。

環境教育部による森の紙芝居

2日目は3回のくまもり紙芝居を上演。身振り手振りでこども達を惹きつけます。環境教育部はくまもり紙芝居をしてくださる方を絶賛募集中です。

 

この2日間でたくさんの方にイベントのチラシを配ることができました。数人ですが新会員も誕生しました。クマ狩猟反対署名も集まりました。訪れてくださったくまもり会員の方や他団体、学生たちともいろいろな話ができました。今年も出展して良かったなあと思いました。

各支部や地区でも、各地でのアースディに出店して、熊森を広めて下さっています。

日本にも大きな自然保護団体を作ろう!

みんなでがんばりましょう。

 

次は5月14日(日)にアースデイはまでら公園に出展しますので、お時間のあるかたは是非遊びに来てください。もちろん出展を手伝ってくださる方、大歓迎です!

「アースデイはまでらこうえん」

日時:5月14日(日)10:00~16:30

場所:大阪府堺市西区浜寺昭和町2-200-45 大阪府営浜寺公園

マイカップ、マイ箸、マイバックは持参する必要があるそうです。

アースデイはまでらこうえんHP

https://earthdayhamadera.wordpress.com/

 

出展のお手伝いをして下さる方は熊森協会本部(担当:家田)までお問い合わせください

電話  0798-22-4190

メール contact@kumamori.org

くまもり本部と支部で、クマとの事故例の聞き取り

くまもり本部と支部は、クマとの事故の詳細を行政担当者などから一つ一つ聞き取っています。

 

石川県金沢市の医王山山中(4月15日15時ごろ発生)

山中でクマを銃で駆除中、クマに銃弾が当たったと思い近づくと、突然クマが向かってきて、頭や手足をかまれた。

 

北海道標茶町の山林(4月16日8時ごろ発生)

山菜採り(ギョウジャニンニク)を採りに、ササなどが生い茂る見通しの悪い場所に入って、子グマを2頭連れた母グマと出会い襲われる。

 

富山県高岡市の山中(4月20日12時50分ごろ発生)

タラの木などを栽培している自分の畑へ行き、左手をクマにかまれた(左指骨折)。

 

岐阜県高山市の住宅街(3名負傷)(4月25日19時50分~20時00分ごろに発生)

19時50分ごろ、ランニングをしている男性が、クマとバッタリ鉢合わせしケガを負う。クマは住宅街の中へ逃走し、民家の玄関で73歳の女性と出くわし、女性の頭や首にかみついた。そこへ47歳の女性が物音に気付き、女性にかみついたクマを引き離した。その際に47歳の女性も手や足にけがを負った。クマは、家屋の中に逃げ込み、駆け付けた猟友会に射殺された。クマは体長1.3mのメス。

 

 

宮城県大和町の笹倉山山中(4月25日11時ごろ発生)

タラの芽をとりに来ていた男性が、下山途中にコグマを2頭連れた母グマに遭遇し、攻撃された。笹薮からクマが突然出てきたという。クマは、男性の左肩をかんだ。男性は右手を使ってクマを引き離したが、その後左指をかまれた。男性は持っていたカマでクマの頭をついたら、クマは逃げた。

 

 

岩手県山田町山田の山林(4月25日発生)

男性は、父から引き継いだ山の下草刈りに、ひとりで入っていた。ケガの状況は、顔面挫傷、左腕負傷、尾骨骨折と重傷。命に別状はないが、話すことができないので、現在、どういう状況かわからない。

 

 

青森県弘前市の山中(4月30日午前15時30分ごろ発生)

ひとりで見通しの悪い笹薮の中で山菜取りをしていた女性が、親子と思われる体長80cmくらいのクマと60cmくらいのクマに出会い、大きい方のクマに太ももをかまれた。軽傷。

 

熊森から)

クマとの事故で、けがをされた皆様に、お見舞い申し上げます。

 

 

クマは山中では、昼間も動いています。山に入られる方は、クマ鈴やラジオを携行したり、大声で歌を歌うなど、人間が山に入ってきたことをクマに知らせてください。これだけで、警戒心の強いクマは自らが先に立ち去り、事故が激減するはずです。

 

クマは、人里では、人間に見つからないように早朝や暗くなってから動くことが多いです。ゆっくり歩いている人より、走っている人の方に恐怖を感じるようですから、クマの行動時間にランニングすることは危険です。充分お気を付けください。

 

子グマの傍には必ず母グマがいて、子グマを守るために人間を排除しようとしますから、子グマを見かけたら直ちにその場を立ち去って下さい。

 

①の石川県の事故例は、人間がクマの国に入り込んで発砲するなど、棲み分け共存に対する人間側のルール違反です。クマのやったことは正当防衛であり、当然です。

「くまもり20年を振り返って」 全国大会森山まり子会長挨拶より

「くまもり20年を振り返って」森山まり子会長挨拶

 

挨拶する森山会長

 

みなさんよく来てくださいました。

みなさんのご賛同、ご支援を得まして、日本熊森協会、設立以来20年間、全くぶれることなくまっすぐ歩み続け、今日ここに、20周年の記念すべき全国大会を迎えることができました。

みなさんと拍手で、心から共に祝い合いたいと思います。

 

くまもりがここまでこれたのは、私たち中心者の揺らぐことのない固い決意はもちろん、今日この会場にお集まりくださったみなさんをはじめ、これまで私たちをご指導してくださったみなさん、共に動いてくださったみなさん、会費などで支えて下さったみなさん、本当に多くの皆さんのおかげであり、亡くなられた方も含め、熊森にかかわってくださった全てのみなさんに心から感謝申し上げます。みなさん、本当にありがとうございます。

 

クマのため、全ての生き物たちのため、そして私たち人間のため、奥山にもう一度、広葉樹の水源の森を復元しようという熊森運動20年のあみを、ここで振り返ってみたいと思います。

 

ここで、「熊森20年のあゆみ」(1992年のツキノワグマ絶滅の恐れという新聞記事や、中学生たちによる当時の兵庫県貝原知事への直訴、1997年の日本熊森協会の設立で、①まずクマ捕殺数の一番多い地元を訪問、②1泊して、崩壊した人工林の内部や、動物が夜、田畑に被害を与える様子を視察したこと、③次の日、地元の人達と公民館で長時間懇談して意気投合したこと、ここから始まり現在に至るまでの熊森活動)を、約10分間の貴重な映像や歴史的写真で見ていただきました。

 

また、その中で、荒廃する人工林を自然林に再生しようとして始まった熊森の奥山再生運動だが、行政が全くと言っていいほど過剰人工林問題の責任を放棄し続けていること、さらに、増えたシカなどの影響で自然林の再生が非常に困難な状況になったこと、残された自然林まで一気に荒廃し始めたことなど、20年前には予想もしていなかったこのような新たな問題にも出会い、ますます問題解決がむずかしくなっており、熊森のような民間団体が啓発を繰り返して国を動かすようにもっていかなければならない等の方向性も示しました。

 

 

日本熊森協会はこの20年間、野生動物の命の尊厳を訴えてまいりました。野生動物の命の尊厳がわかるようになれば、残された自然を守り、壊し過ぎた自然を再生しようと思うようになるはずです。この熊森運動のバックには、全ての生き物たちと共に生きてきた祖先の文明を取り戻さなければ、近い将来、水源の森を失うばかりか、他者を思いやる優しい人間社会まで失い、日本文明が滅びてしまうという、私たちの強い危機感があります。

 

しかし、現実には、20世紀半ばから科学技術の驚異的な発展によって、地球上で唯一最強のの支配者となった人類は、他の生き物たちのことなど考えもせず、ますます大規模に自然を破壊する方向へと進んでいます。原発再稼働しかり、リニア中央新幹線しかり、辺野古の埋め立てしかりです。

 

この20年間に我が国の国会に出された奥山関連法案は、どれもこれも人間のしたことを棚に上げて、里に出て来るようになったからと野生動物たちを害獣視し、かれらの大量殺処分を促進するものばかりでした。戦後人間が壊した奥山を、野生動物たちのために復元・再生してやろうという法案など皆無でした。どうしてこんなことになるのか。原因はただ一つ、余りにも現代人がジコチューなのです。人類がこの自己中心主義を克服しない限り、他の生き物たちはもちろん、人類にも未来はありません。

今のようなことを続けていたら、やがて近い将来、私たち人間も滅びてしまう、そんな簡単なことさえ分からなくなるほど、現代人は狂ってしまっています。

 

この20年間を振り返ってみて、もし熊森がこの国になかったら、物言えぬ弱者である野生生物たちの立場に立ってものを言う人など誰もいないところだったという場面が多々ありました。

 

人間は何をしてもよいという欲望全開の破滅型物質科学文明の大きな流れに真っ向から対抗するこのような完全民間の自然保護団体が、会員の会費と寄附だけで運営され、分裂もせずここまで育ってきたこと、みなさん、これをあたり前と思わないでください。ありえないことなのです。

私たちは、熊森の発展は、21世紀に起きた日本国の奇跡の一つだと思っています。何度も何度も奇跡が起きて、奇跡の連続でここまで来れたことを思い返すと、今、この会をつぶしてしまったら、もう2度と誰にもこんな会は作れないのではないかと思ってしまいます。みなさん、絶対にこの会をつぶさないようにしてください。この後の20年も、そして、未来永劫にこの会を私たちの力で発展させましょう!

 

また、熊森には、報酬ゼロが条件の熊森の会長をやりますという若い2代目会長候補が育っています。これも当たり前と思わないでください。まず、ありえないことなのです。2代目会長候補は、本日午後からのプログラムの初めに、登壇いたします。

 

今の日本人は余りにも声を上げない人が多過ぎます。多分、自信がないのでしょうが、熊森会員のみなさんには、自分たちの言動が、全ての生き物と人類の未来を形づくっていくのだという気概を持って、家族、友人、同僚など、まわりの方々に熊森を語っていっていただきたいです。そして、私たちがそうであったように、一人の本気の人間が持つ力のすごさをご自身で確認していただくことを願います。

 

本日の20周年記念くまもり全国大会、最後までお楽しみいただくと同時に、参加していただいたみなさん同士で交流もしていただき、これからのことにも考えをめぐらせる有意義な時間にしていただけたらうれしいです。では、本日、最後までよろしくお願いします。ありがとうございました。

 

(後記)

熊森は、最前線には青年を立てるという運動方針で20年間やってきました。20周年記念大会でも、青年たちが中心になって運営、発表、みんなよく育ってくれて頼もしい限りでした。

当日は195名のみなさんと、20周年を祝い合うことができ、盛会でした。本当は、全会員の皆さんにご出席いただきたかったです。20周年ということで、新潟県から長年の企業会員であるM株式会社の社長さんが初参加してくださったのをはじめ、全国大会は久し振り、または初めてといった参加者も何人かお見受けしました。20年会員の参加もあり、みなさんに支えられてここまで来れたことを再確認しました。感謝でいっぱいです。また、10名の子供や20才の会員たちの参加に未来を感じ、うれしくなりました。後日、「熊森会員を増やしてみようと思うようになった。小冊子を送って欲しい」など、うれしいご感想も届いています。今は、自然破壊や野生動物の大量殺害が拡大する一方で、自然や野生動物と共生する意外に人間は生き残れないことがわかっている私たちには苦しい時期ですが、こんな時だからこそ、会員一同、心を一つにして、喜びや希望をもたらす活動をいっそう進めて参りましょう。

来年の全国大会は、4月28日です。今からご予定ください。遠方の方は申し訳ございませんが、旅費を積み立てていただき、何年かに1回は、全国大会にお集まりいただきたいです。 

 

「アントロポセンに生きる」20周年くまもり全国大会プログラムより

アントロポセンに生きる            会長 森山まり子

現代人は利口なようにみえて、実はもっとも愚かなことをしています。私たちの生存に必須の清浄な空気と清らかな水、安全な食べ物を与えてくれる地球環境を、目先の欲や快適さのために、あらゆる科学技術を使って年々その規模を大きくさせながら破壊し続けているのです。

 

地球46億年の歴史の地質年代表を見ると、現在私たちは最終氷期を終えた約1万年前から始まった完新世という地質時代に生きていることになります。ところが最近、「現在はもはや完新世ではない。20世紀の中ごろから、人類という動物が、物理的にも化学的にも生物学的にも、地球を完新世とは全く別の惑星に作り変えてしまった。現代は、アントロポセン(人新世)と呼ばれるべきであり、もはや完新世の地球に戻すことは不可能である」という説が出されています。

 

熊森20年の活動を振り返って、私が確信するようになったことは、どんな最先端の科学技術をもってしても、人間に自然をコントロールすることは不可能であるということです。最初、奥山に、動物の棲める森を復元してやろう(!)と思って活動を開始しました。しかし、多くの人に参加してもらって何度実践しても、自然界は、人間の思うようになど何一つなりません。私の中で、年々人間というものが小さくなっていきました。人間が自然に対してできることは、破壊だけです。研究者が野生動物の数をコントロールしようとするのは、かれらが本当の自然を知らないからです。アントロポセンに生きる私たちは、このことを知って、自らの生存をかけ、地球上に最大限の手つかずの自然地域を残していくようにしなければなりません。

 

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