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8月8日 ブナの実大凶作見通し、クマ出没の増加懸念 (読売新聞より)

以下読売新聞記事

ツキノワグマのエサとなるブナの実が、この秋、県内で大凶作になる見通しとなった。東北森林管理局(秋田市)がブナの結実予測を4段階で最低の 「皆無」と発表。好物のブナの実が減少すると、クマが餌を求めて人里に下りて来やすくなる。県は「今年の目撃件数は過去最高のペース。このまま冬前まで出 没が続けば、人的被害が出る可能性も高まる」と警戒を強めている。

森林管理局は5~6月、県内22か所でブナの開花状況を調査した。ほとんどの木に開花が見られる「多」は村山地域の1か所、半数の木に開花が見ら れる「中」が置賜地域の1か所だった。逆に、わずかな木にのみ開花が見られる「少」は県内全域の9か所、全く開花が見られない「非開花」は同じく11か所 だった。

初夏の開花状況は、そのまま秋の結実に影響する。森林管理局が結実予測で「皆無」と判定したのは、2006年以来6年ぶり。その年の秋、ブナの実は大凶作に見舞われた。

山形大の小山浩正教授(森林工学)によると、ブナの実は数年おきに豊作になるといい、豊作の前年は、ほとんど実を付けない傾向があるという。小山 教授は「私の調査でも、県内全域で開花している木は見られず、大凶作となった06年と同じ状況。人里へのクマの出没も増えることが予想される」と指摘す る。

県みどり自然課によると、06年はクマの目撃件数が多く、例年200頭前後の捕獲数が692頭に上り、個体数の減少を危惧する声まで上がった。ま た、結実予測が皆無の次に低い「凶作」だった10年は、9~11月にかけてクマの出没が増加し、目撃件数は過去5年間で最も多い288件を記録した。

今年のクマの目撃件数は、7月末時点ですでに266件に上っており、10年の記録を上回るペースで推移している。春先に目撃件数が多かったのは、 今冬の大雪で餌となる山菜の生育が遅れたことなどが影響したとみられていたが、夏場を迎えても増加傾向は止まっていない。民家の軒先など至近距離で遭遇す るケースも増えている。

同課は「今後も人的被害が出ないように、目撃情報があった場所を中心に、住民への注意喚起を促していきたい」と話している。

(2012年8月8日  読売新聞)
<熊森の感想>人間が人間のことを心配するのはわかるけれど、同時に、クマたちの命や食料についても考えてあげるのが人間ではないだろうか。ブナの豊凶だけ見れば自然現象かもしれないが、日本の森が荒れていなければ、ブナがだめでも、他にもいくらでも食べる物があったのだ。森を荒らしたのは人間です。
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